たまにはお題記事でも。無駄な行為と言って思いつくものは多いが、「思いつく限りの無駄な行為」と来るとなかなか面白い。無駄というのは辞書的に言えば「役に立たない余計なこと」、感覚的に言えばそこにコストがかかると最悪なことになる。逆に言えばコストを無限大にかけて役に立たないことをすれば、それは思いつく限りの無駄な行為といえる。
一応、今回は合法的に可能な範囲での行為を考えることにする。極端な話、何の目的もなく大量殺人をして自殺するのが最上級の無駄な行為になるので。
コストを考える上で、我々にとって普遍的な価値とは何か。最上級のものは人命、それから時間。人によるかも知れないがお金も重要だ。先の２つさえ無駄にすれば、その行為の無駄さ加減は無限大に膨らむ。どんなに金持ちでも１秒すらお金では買えない。つまり「時間をかけて命を削って何も得られない(それに見合うだけの利益が薄い)行為」が、思いつく限りの無駄な行為といえる。それはもはや無駄を通り越しているかも知れないが、役に立たないことに違いは無い。
では命を合法的に削ることが出来るのは何か。健康を害することを考えて日本国内で合法的に可能なのはタバコ、酒だろう。もちろん塩や砂糖だって摂り過ぎれば命を縮めるが、その二者ほどの害はない。特にタバコは副流煙という逃れがたい害を生む。吸いたく無い人にまで煙を吸わせてしまう。その点で自己完結する他の嗜好品とは決定的に害悪の度合いが異なる。酒ならば、自分が飲んだからと言って他人が酔っ払うようなことは無い。
話が逸れたが、「タバコやアルコールを時間をかけて嗜むこと」が合法的、かつ思いつく限りの無駄な行為といえる。それらが好きな方々からすれば嗜好品としてのメリットはあるのだろうが、購入する費用はもちろん健康被害と将来的にかかる医療費、それらを嗜んでいる時間、周囲にかける迷惑、依存症による継続性を考えるとあまり釣り合うとは思えない。それをあえて受け入れることもある種の豊かさではあるが、それ以外の娯楽も多い中であえてそれらを選ぶ理由は薄い。嗜好品とは往々にして無駄なものだが、特に質が悪い。
ソシャゲへの課金
私自身もゲーマーなので他人のことは言えないが、ゲームは楽しい反面、とんでもなく時間を食いつぶしてしまう。その時間を何かしら現実で役に立つことに充てていれば、どれだけ実生活に役立つものが身についただろう。そう思う人は少なく無いのではないか。悲しいことにいくらFPSでエイムが上手くなっても現実世界の戦場で無双できる訳ではないし、いくらMinecraftで建築が上手くなっても現実で建築できるようになる訳ではない。
その中でも特にソシャゲに熱中し、数万、数十万と課金するのは無駄な行為といえる。もともとスマホで出来るゲームなど大したものでは無いので、娯楽としての質はそこまで高く無い。そこにガチャという要素が加わり、射幸心を煽られてハマっていく。時間はおろか、課金によって財産が大した事のない娯楽へと消えていく。何よりいくらそのゲーム内での富を築いても、サ終すれば後には何も残らない。
「課金は美味しいごはんを食べるのと同じ」とはたまに聞くが、逆に課金と同じペースで食費をかければどれだけ充実した食生活になるのか、見てみたいものである。スマホゲームはスペックの低いスマホでも動作させられるよう、その内容もそこまで大したものではない。ゲーム体験としては全く大したものではなく、そこで得られるものが将来的に役立つ可能性も低い。
中抜き
政治的な話を入れるのも何だが、日本が世界に誇る文化(笑)である中抜きは無駄にほかならない。再々々々々委託なんかもそう。国民が時間と生命力を費やして育んだ富を税として徴収し、何にもならないような業者に渡して中抜きさせ、残った二束三文で最終下請けに仕事をさせてろくな結果を生まない。日本の行政におけるそうした構造は思いつく限りの無駄な行為に等しい。
余談：子育て
個人的な話だがこのご時世、頑張って結婚して子育てするのは無駄だと感じてしまう。それに無上の喜びを感じる人間もいるのだろうが私はそうではない。むしろそれにかかる費用、労力、時間を考えた時、日本がこの先どうなっていくのかを考えた時、それがどうしても無駄に思えてしまう。相手を運良く見つけられたとしても、自分と一緒になることが相手の幸せに繋がると思えない。相手の人生を無駄にしてしまう。もし子どもが出来たとしても、その子を思うように育てられる見込みも無い。１人の人間の一生を無駄にしてしまう。
ひょっとしたら、ろくでもない親と恨まれて子どもに殺されるかも知れない。そこまで行かなくともこの先の日本、格差が拡大する一方の世の中では、たとえ自分が次の世代に命を繋いでもその次はおそらく無い。結局、犠牲にするものは多いのに先が無い。無駄でしかない。
