ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

感想)機動戦士ガンダム GQuuuuuuX(映画版)

 たまには映画観るか、と思い立って機動戦士ガンダムGQuuuuuuX(ジークアクス)の映画版を観て来たので感想を。なお、私はガンダム全般未視聴なので気付けないネタもある。

www.gundam.info

ネタバレ抑制レビュー

 ファーストガンダムを知らない身としての感想は「まあまあ面白かった」「映画館で観た方がMS*1同士の戦闘に迫力がある」くらい。全体的な筋書きそのものがもはやネタバレ直行なのであまり詳しくは書けない。

 強いて言えば硬派な戦争モノを期待して観ると肩透かしを食らう。作品のイメージや予告映像、庵野監督が関わっている点で分かる通り、ロボットモノで戦闘もあるのだが血と硝煙と泥臭さが漂うような内容ではない。

 シン・エヴァ的な要素も感じられるもので、「ファーストガンダムこそ至高」という原理主義的な人には合わない可能性が高い。

  メカデザインは「新世紀エヴァンゲリオン」や「不思議の海のナディア」などでメカデザインをされた山下いくと氏が行っており、登場する機体もその系譜を感じさせる独特なSF感+リアリティのあるものとなっている。

 一部では主人公?のアマテ・ユズリハ(通称:マチュ)が着痩せするタイプと言われているが、おそらくそう見えるシーンでは服が借り物だったためにその辺りがダボついていてそう見えただけでは・・・?

以下、ネタバレありの感想

=============================

// // // // // // // // // // // // // // // // // // // 

 

ネタバレ緩衝地帯

 

 

==============================

bandai-hobby.net

*誤った解釈や語弊のある表現が含まれます

 まず本作はファーストガンダムの並行世界における話である、ということを理解しなければならない。より具体的に言えば一年戦争がジオンの勝利で終わった後の話になる。ガンダムホワイトベースもシャアが鹵獲*2し、何やかんやでシャアは活躍した後で行方不明になって数年後?が本編。

 もう、この時点でファーストガンダム至上主義者というか主に連邦軍の支持者は怒り心頭であろう。同じような物語をどこかで分岐させて繰り返す、という点でエヴァンゲリオンに似たものを感じる。GQuuuuuuXはシン・ガンダムなのである。現代の子どもにも受け入れられそうな作風、内容になった初代ガンダムの延長線。これを受け入れられるかどうかがまず第一の関門。私はガチのファンではないので特段問題無し。

 そしてGQuuuuuuXの世界がファーストガンダムの並行世界ということは、ファーストガンダムの並行世界がいくつも存在し得ると解釈することも出来る。物語、運命は1つしか無いというある種の信念を持つ人々にとっては邪道に映るかも知れない。シャアは何らかの形で導かれるように行動を変え姿を消すが、その流れが最初から成立している保証は無い。

 ララァがシャアを深層意識だかニュータイプの勘だかで導いた世界線説もあるが今のところ真偽不明。同じく庵野監督が関わる作品として並行世界に登場し、主人公を導かんとする渚カヲルの存在が想起される。「ニュータイプとは何か」について独自の解釈が入っているのだろう。

 シャアが行方不明になるまでが1話。2話以降、シャアのMAVダチ(意味深)でポケモンのジムリーダーに居そうなイケオジに生まれ変わったシャリア・ブルは行方不明となったシャアの影を見つける。それを追うために輸送中?であった試作機 GQuuuuuuXを投入。不幸にも軍警と衝突してGQuuuuuuXを民間人に奪われてしまう。

主人公たち、公式サイトより

 色々あってGQuuuuuuXと赤いガンダムがクランバトル(民間人が行っている非合法なMSバトル)に出場し、マチュとシュウジが勝利したところで映画は終わる。GQuuuuuuXのパイロットがマチュ、赤いガンダムパイロットがシュウジ

 クランバトルからどう話が進展していくのか分からないが、今のところ無印ZOIDSを期待していたが観てみたらZOIDS新世紀スラッシュゼロだったみたいな(滅茶苦茶分かりづらい例え)感じで、カジュアルに少年少女が活躍する感じがエヴァに通じるものを感じる。大概の作品がそうだがガンダムの場合はもう少し大人がちゃんと戦争しているイメージなので・・・。

 その辺の民間人が巨大な人型兵器をやすやすと乗りこなし、活躍してみせるという点がなろう系っぽさも感じるが、言うてそれはアムロ・レイも同じなのでノーカン。ただ、ガンダムのテーマとして「リアリティのある戦争」というのが最近の作品から無くなっていると感じる。そこに価値、意義を感じている身としては今後の展開にもあまり期待できない。今の時代、そういう作品は好まれないのだろう。

 そういう目で見ればGQuuuuuuXのデザインは兵器らしさが薄く、一体何の目的でどういった設計思想の下に作られたのか釈然としない。ヒロイックなメカ的な印象は受けても実用性から来る兵器の美しさが感じられず、どこか物語を作る側の意図を感じる。

 戦争というテーマを避けつつ、ロボット兵器の存在を正当化してお話を作るための口実の1つが「民間で行われるロボット同士のバトル」な訳だが、それをどう受け止めるかでも作品の評価は変わるだろう。平和的に闘争心を満たすコロッセオ的なものとして認めるのか、それとも子供だましでリアルな戦争描写から逃げたと捉えるのか。私が見たいものは後者だったので今のところあまり好きではない。映画としては1回観れば十分。

 人間ドラマの面ではまだまだ序盤なので評価が難しいが、個人的にはあまり感情移入できない主人公たちより「緑のおじさん」ことシャリア・ブルの今後が気になる。BLは興味無いがシャアに対するクソデカ感情を所々で見せるのが面白い。シャアが乗っていた赤いガンダムを発見するやリスクを冒して試作機であるGQuuuuuuXを投入する、わざわざ教本を引用してMAVの説明をしつつ「私と少佐のMAVはそんなものじゃないぞ」と示唆するetc.。シャアのこと想い続け過ぎだろ。

 映画館で見たからか駆動音、機銃の射撃音などは迫力があってMSに存在感があり、その点は満足。一方で戦闘シーン、特に宇宙空間での戦闘はどうしても何がどうなって何がどう凄いのか分かりづらいというか、ニュータイプの勘に頼った戦闘というのもあってか単調で迫力不足に感じられた。安易に比較するのもなんだがこの点はやはりufotableに及ばないというか、見せ方が違う。

 どうでも良いが主人公ら3人だけ妙にキャラデザが浮いているというか、冒頭で登場するシャアなどがファーストガンダムリスペクトなデザイン、リアル寄りなのに対し、この3人が見ての通り今風のシンプルかつシャレたカラーリングなので「本当にこの人たち、同じ世界の人間・・・?」という感想を抱いてしまう。あとニャアンって変わった名前っすね。偽名か通名なんだろうが。

 シュウジは雰囲気がエヴァ渚カヲルに似ている。「ある目的のためクランバトルでお金を稼ぎたい」らしいがカヲルポジションならそのうち主人公に傷跡を残して◯にそう(適当な予想)。雰囲気が長生きしそうな雰囲気をしていない。

 一部でアマテ・ユズリハ(マチュ)が並行世界におけるハマーン・カーンではないか、という説があるが根拠に乏しい。ハマーンの誕生日、命日に重大な発表があったこと、髪の色が似ていること程度で人物像やスタイルは欠片も似ていない。

 個人的に☆を付けるなら 3/5、普通。人に勧めるかどうかと言われると相手による。言うてまだ序盤なので今後に期待。

*1:モビルスーツガンダム作品における人型ロボット兵器の総称

*2:要は盗むこと