ヤマネコ目線

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エヌビディア暴落ほか時事ネタ

NVIDIA暴落

 中国の企業がOpenAIのそれに迫るAI、DeepSeekを発表し、安価で高性能なAIが作成できる可能性=高性能なGPUの需要が減る可能性が出て来た。これを受けてNVIDIAの株が暴落し、煽りを受けて半導体関連・AI関連が軒並み下落。

 今回の暴落でNVIDIA時価総額90兆円が失われた。

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 これでAI銘柄は終わり、とはしゃいでいる人もいるが私はそうは思わない。

 まず中国において製品の性能を誇張することはもはや当たり前のように行われており、OpenAI製AIに匹敵する性能というのが本当かどうか怪しい。今すぐどうこう騒ぐレベルではない。

 DeepSeekを開発した企業は中国向けの安価なGPUしか使えない中で開発を行ったとされているが、中国への輸出が制限されている高性能なGPUが何らかのルートで出回っている可能性も否定できない。その場合は安全保障上の規制においてNVIDIAにマイナス材料となる訳だが、どのみちAI開発に当面はNVIDIA製品が必要となることは変わらないだろう。

 中国の半導体業界ではIntel製CPUをデッドコピーしたとみられるものが出回っており、その点で言えばいずれNVIDIAGPUのデッドコピーが出てくることこそ懸念するべきではと思う。言うほど簡単ではないがいずれ出てくるだろう。特にNVIDIAは自社工場を持っている訳ではなく、その半導体の製造を台湾のTSMCに委託している。中国が台湾を狙う理由はTSMCの技術力が大きいのではないか。

 個人的には株を持っているので落ちたら落ちたで買いましするか、程度に思っている。ひょっとすると今回の暴落で中国系投資家がNVIDIA買ってたりして。ソフトウェアも重要だがそれを実行するハードウェアも重要であり、そこで現在、NVIDIAの右に出られる存在は無い。

フジテレビの会見

 中居正広をめぐる問題についてフジテレビが改めて会見を開き、その時間が10時間半に及んだ。視聴率も高く、皮肉なことに「今のフジテレビが一番面白い」との声もある。

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 正直、政治的な問題に比べればフジテレビのことなど知った事では無いのだが、この問題はフジテレビのみならず日本のメディア、特にテレビ局全体に無関係では無いだろう。報道機関全般の社風が問われている。

 会見自体については長い割に得られるものが無かったんだな、という感想しか出て来ない。最初からカメラを入れて会見すれば良かったものを、それが出来ずにやり直しで今度は誰でもウェルカム、時間無制限とはなかなか極端なことをする。

 私もそう思います(便乗)。会見時間無制限、誰でもウェルカムというのはフジテレビ側が設定した条件なのだが、あえて厳しい条件を設定することで「自分たちは頑張っている」という雰囲気を出し、誰でもウェルカムにして質の低い記者を呼び込み、横柄な態度で質問させることで同情を誘う。上手いやり方だ。案の定、Xでは以下のようなトレンドが出現した。

 これらのポストが全てが全て同情的では無いにせよ、「叩かれ過ぎている」相手を見ると同情してお気持ち擁護に走る人間は確実にいる。チョロいというか何というか・・・、判断を感情に左右され過ぎ。人間は感情を持つ生き物なのでそれに多少、左右されるのは理解するが度が過ぎるのは良くない。

 そもそもの話をすれば、性加害だか何だか知らないが9,000万円もの示談金を支払わなければいけない事態が異常。それが起きてしまった、それが起きるだけの土壌が企業風土としてあったことが問題であって、全てフジテレビ経営陣・中居正広の自業自得としか言いようが無い。

 日枝氏が会見に出て来ないのは賛否ある(主に否)と思うが、あれは本人にやる気が無いだけか、一種のリスクマネジメントなのだろう。辞意を示した役員に対して「こんなことで負けるのか」などと言ってのける人間があのような場に出れば、何を言い出すか分からない。87歳という年齢を考えても無理。冒頭で暴れて後半居眠りして叩かれるのが関の山。

余った食材でまかないを作って減給

 給食を作る上で余った食材でまかないを作ったとして、給食調理員2名が減給処分を受けた。これを受けてXでは擁護する声が散見された。

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 これくらい良いじゃないかという気持ちはすごく分かるが、給食費を払っている人がいる以上、給食費で購入された食材を余ったからといって勝手にまかないにして食べる行為は厳密に言えば横領だろう。

 この辺りの線引きをしっかりしておかないと別の問題に発展したりするから注意しなければならない。今回の2人がそのようなことをする人間とは言わないが、たとえば余った食材でまかないを作ることが常態化し、そのうちまかないを作るためにわざと食材を余らせる、といった調理員が出てくるかも知れない。

 どこからが本当に余った食材でどこからがそうでは無いのかが第三者から確認しづらい以上、余ったからと言って安易に食材をまかないにされるのは困るのである。管理する側の視点で見れば残念ながら処分もやむを得ない。

 私は経理事務だが似たような話はある。たとえば金庫の中のお金が10円足りなかったとしよう。じゃあ10円足せば良いか?NO。それを許せば今度は「100円多かったら100円もらえば良い」という発想になる。これは横領に他ならないし、これが「何とか帳簿と実際にある金額に差を作って利益を得よう」にエスカレートするおそれがある。人情に厚い判断はもてはやされがちだが多くの場合は不利益を生む。

立憲民主党政権交代に意欲

 立憲民主党政権交代に向けて全力を注ぐらしい。

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 減税に反対しているし悪い意味で人材豊富な立憲民主党が、何かを良い方向で変えられるビジョンが見えない。せいぜい「悪夢の民主党政権」の二の舞いになるのでは。逆に今、立憲民主党がこれを言い出すことで政権交代への熱が冷めてしまう人もいるのでは、と危惧するレベル。

 じゃあ自公政権を維持したいのかと言われればそれもNOと言いたいのだが。「楽しい日本」とやらを実現するためには自民党公明党を引きずり降ろし、負担を増やし続ける連中を叩かなければならない。

~キャンセル界隈の本質

 「~キャンセル界隈」という言葉が流行って?いる。キャンセルという言葉には「~したいけど面倒くさいからしない」という意図があるようだ。

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 これをどう捉えるか。私はお金や時間において広がって来た節約モードがとうとうあらゆる労力にも適用され始めたのだなと認識している。「本来であればした方が良い」ということは分かっているのだが何かをする気力が無い、だらしない、あるいは不健康的な自覚があるが、それを正当化するために「界隈」という言葉をつかう。

 「界隈」という言葉はトー横界隈や警固界隈(けごかいわい)といった言葉から来ているのだろう。ともすれば若者からして「界隈」というのは「不健全な子が集まる場所・集団」といった無意識な差別意識が含まれているかも知れない。「私はそういう不健全集団の一員みたいな人なんです。許して☆」。

 ではなぜ不健全な界隈が広がりつつあるのか。それはひとえに日本社会が「楽しくない」からではないか。世間知らずの若者から見ても希望が見えない、真面目に働いて生きていくのがつまらない社会。やりたい事が思ったようには出来ない社会。

 自覚しているかいないかに関わらず、若者は何かにやる気を出す、気力を持つこと自体がバカバカしいのだと感じているのではないか。それが上の世代から見えている若者の無気力化の正体ではないかと思う。

 そうは言っても昭和だろうが平成だろうがいつだって庶民が使えるリソースが限りがあり、誰だってやりたい事を思うだけ出来た時代なんか無いと思うのだが、不景気の中で育って来た世代は節約に関して上の世代と価値観が違う。

 彼らの中にある命題は「やりたい事を可能な限りやってみたい」では無い。「やりたいけど出来ない事にどう正当な理由づけをするか」、「やるべき事が出来ない自分をいかに正当化するか」である。

 若者全体がそんなレベルでは無いにせよ、全体的に何らかのコストを許容できる水準が下がって来ているような気がする。それが今の日本で最も深刻な問題であると思うし、それを改善するためには政治、社会、暮らしを変えるしかない。変われないなら終わり。

私は人間キャンセル界隈です