ヤマネコ目線

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今から出来る少子化対策はあるのか

 書き散らし。異次元の少子化対策などという言葉が連日テレビから聞こえてくるが、何が異次元なのか私にはさっぱり分からない。これまでも政府の少子化対策には散々文句をつけて来たが、では本当にいま必要な少子化対策は何なのか。ぶっちゃけ手遅れだと思うけどな

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減税・社会保険料の低減

 まずこれが必須といえる。無理?無理だと思うから無理なのだ。というブラック企業めいた言い方はともかく、とにかく実際に子供を作って育てる世代の負担を軽減し、経済を底上げする方向へ持って行かなければ少子化の改善は見込めない。そうした世代が恋愛、結婚、子育てを諦める最大の要因は根本的に経済的なものである。その人の年収といった直接的な要因はもちろん、社会全体の経済情勢は今を生きる子供たちの価値観にも影響を与える。何せ親、家庭環境が貧しいのだから、子供の価値観もまたそれに準じたものとなる。生活の苦しい家庭に生まれた人間が結婚や子育てなどしたいと思うだろうか。貧困が広がればどうなるかは自明。

 今、政府が打ち出しているこども予算倍増だの防衛増税だのはまさにその正反対を行く方針であり、個人的には不安と不満しかない。いま打ち出されているような少子化対策には効果がほぼ無いことは、ここ数十年かけて他でもない自民党が丁寧に検証して来た。効果が無い政策をいくら続けてもそれはムダであり、「異次元の」少子化対策などと言うからには今までとは異なる問題解決へのアプローチが必要だろう。岸田総理の言う「異次元」とは単に予算的な規模だけの話なのだろうが、間違った方針で規模だけ大きくすれば、事態はより加速度的に悪くなるだけである。

 そして将来の世代のためだの防衛のためだのと言って、ただでさえ物価高騰で苦しんでいる国民に増税社会保険料増加という形でさらなる負担を強いることは最悪と言うほかない。それもようやくコロナ禍から経済を回して立ち直って行こうという所に、賃上げ要請をしながら経済に全力でブレーキをかけに来ている。アクセルを踏む力は弱く、ブレーキを全力で踏んでいれば前進などできる筈がない。それも国としてはここ数十年ずっと下り坂。止まっていればずるずる後退していくような急な下り坂で、ずっとそんな調子で後退し続けている。

 ではどうやって減税や社会保険料の低減を目指すのか。まずもって余計な支出を減らすべき。高齢者にも負担増を求めるのは当然として、政府の税金の使い途にムダが無いとは絶対に言わせない。クールジャパン機構なんかさっさと解体すべき。とにもかくにもコロナ禍まっただ中ですら「過去最大の」予算編成が毎年のように出てくる時点で絶対に何かがおかしい。

 これを言うと「事業仕分けとか旧民主党みたい」と言われるかも知れないが、あれは歳出削減の努力の方向を見誤っただけでやるべき事としては間違っていない。大方、官僚にうまく誘導でもされて本来削ってはいけないものを削り、削るべきものは削れず終いだったのだろう。政治家自体が賢くなければそうした目的は達成できない。

我々に出来ること

 難しい話ではあるが、少しずつでも政治を変えて行かなければ未来は無い。別に未来など無くて良いというならともかく、何にせよ今のまま自民党に政治を任せていてもろくな事にはならない。野党は確かにろくでもない野党ばかりではある。が、それでも少しずつ政治を変えなければ、変化を与えなければ事態は永遠に好転することが無い。自民党に延々と政権を取らせ、そこで自民党が変わることを期待するのは座して死を待つのと同義である。

 思えば私が小学生の頃から「人口の逆ピラミッド」は教科書に載っていた。子供心ながら、「ここから何とかなることってあるんだろうか」と感じていたように思う。人間の予測能力はなかなかに正確であり、若者の恋愛離れはそうした直感に従った結果なのかも知れない。自覚しているか否かに関わらず、若者は社会に絶望している。絶望しているからこそ政治に無関心であり、政治もそうした若者の方を向いていない。それも込みで、また上の世代も巻き込んで政治を変えて行かなければならない。世代別人工的にはむしろ上の世代が率先して変えて行かなければ未来は無い。そこで「詰み」にするかどうか。主権者たる国民にかかっている。