書き散らし。三重県の自民党県議、石田成生氏が少子化の原因に関して「結婚を望む人が少なくなった原因は恋愛力が落ちてきているからではないか」、という持論を展開し、その観点からの調査を求めたことがニュースになっている。
(リンク切れ用:記事タイトル:少子化の要因は「恋愛力の低下」?自民の三重県議が調査要望)
曰く、「子供を産むのにお金がかかるという理由で少子化が進んでいるのではない。結婚の前に、恋愛がタブー視されてきたことが問題ではないか」と。
もしや異次元から来られた方?
もはやツッコミを入れる気にもなれないが、まず「恋愛がタブー視されてきた」とはどこの世界のお話をされているのか。もしや岸田総理の言う「異次元」の日本からお越しになった?マンガ、ドラマ、アニメ、映画どこを見回してもむしろ「恋愛至上主義」すら感じますけど???
そのタブー視うんぬん以前に「子供を産むのにお金がかかる」という答えを出しているあたり、ただそうした事実から何とか目を背けたい、別の方向性で解釈したいだけにも思える。あるいは「経済的な要因」以外の理由を探りたいという意味か。
しかし先日の記事でも指摘したが、一見「経済的な要因以外」に見えるものでも突き詰めていけばその根底には経済的な要因がある。経済的な要因でないように見えるのは、中途半端な位置で原因追求が止まっている(止めている)からに過ぎない。「失政は想像力の低下が原因」とでも言うべきか。もっとも当事者にならなければなかなか分かりづらい事は多いので、もっと若年層からぶっちゃけた話を聴くべきとも思う。着眼点はともかく調査を命じているだけマシな部類かもしれない。
高齢者や独身者の意識
(リンク切れ対策:記事題:岸田総理 子育て意識「高齢者や独身者」にも呼びかけ)
岸田総理は少子化対策に関して「企業や男性、高齢者、独身者も含め『社会全体の意識を変えることが重要だ』」との答弁をした。
正直、今の自民党(あるいは政治家)らしい浅はかな考えだなと思う。政治家や官僚がどう考えていようと人間の意識はそんなお題目で変えられるほどヤワではない。いつもの「悪いのは国民の意識であって我々はやるべき事をやっている」という感じ、非常に心象が悪い。私は最近、テレビで岸田が映るとチャンネルを変えている。
確かに社会全体で子育て世帯を支えていこうというのは正論で、そうあるべきに違いは無い。しかし、それは比較的正常な社会において実現できる話であって今の日本社会ではもはやそれが難しい。裏を返せばまともな社会であれば、何も総理大臣がそんな事を言わなくとも人々は自然と子育て世帯を支えるようになる。
散々な失政によって国民を困窮させ、余裕を奪い、格差を拡大させて社会を破壊し続けて来た結果、今やこの国には子育て世帯を支えるなどという余裕のある人間が少なくなっている。自民党を支持し続けた国民にも責任の一端はあれど、その責任をまるまる国民に転嫁するな。
むしろこの先、子育て世帯に対する風当たりは強くなるだろう。子育て世帯はもはやマイノリティであり、その他大勢からすれば「自分達には手の届かなかった恵まれた人生を送っている人間」なのだから。一握りのとても恵まれた人間と、恋愛すらできないその他大勢、そこで”その他大勢”が恵まれた人間を支援しようと思うだろうか。むしろ逆だろう。
政府がするべきは直接的に国民感情を変えようとする事ではない。官僚がどんなに小賢しい頭をひねってもそんな事は不可能。国民感情を変えるためには環境を変えていかなければならない。格差拡大ではなく格差是正へ、税や社会保険料で経済にブレーキをかけるのではなく、減税や社会保険料の負担を減らして経済を活性化させていかなければならない。現状、日本政府はそうした本来の役割を放棄している。むしろ悪化させる方向でしか動いていない。
ただの愚痴
日本政府はウクライナに55億ドル、フィリピンに年間2,000億円などと海外に対する支援は気前よくやる一方、国内に関しては本当に”なってない”。まるで「家庭には一切カネを入れない癖に、外では気前よくカネを出して毎日飲み歩いてるDVクソ親父」のようだ。良いよな政府は。「お金足りない」って言えば「なけなしの家計からいくらかでもカネを出してくれる(悪い意味で)我慢強い奥さん」のような国民がいるのだから。マジで戦争が起こって徴兵でもされたら真っ先にクーデター起こしてやるからな。