テレビで「古米を美味しく食べる方法とは!」みたいな感じで家電量販店の炊飯器コーナーが映っていた。5、6万円する炊飯器が紹介され、同時に米を研ぎやすくするための専用ザルやら保管用の容器やらが宣伝されていた。
備蓄米を美味しく食べるために数万円、数千円出せるのに、普通の米は5kg 3,000円台が高いと言う。数年前まで米を作っていた側としては本当に情けなくなった。ここまで米農業に価値が認められていないのかと。失政によって貧しくされて、工夫で乗り切るために余計な金を使わされて、それで乗り切って謎の達成感を感じている国民。貧すれば鈍すると言うがここまでとは。
中には農家に直接電話したりして米を安く売ってくれないか聞いている人間もいるという。今は戦時中か何かか?米以外にも食べるもの沢山あるだろ。小泉は令和6年産米が市場に出回り始めた今でもノーブレーキで備蓄米を放出する気でいる。マスコミはJAや卸売を叩くのが既定路線なのか「小泉のおかげでどこかに溜め込まれていた米が店に並ぶようになった」と書き立て、もともと令和6年産米が流通しはじめる時期と重なっただけのを進次郎の手柄にしようとしている。
逆に店頭に普通に米が並び始めた今、まだ備蓄米を放出する必要性はあるのか?不当な市場介入、価格破壊であり、食料安全保障の面でも好ましくない。今、大規模な震災などが起きたら一体どうするつもりなのか。
精米された米は劣化を始めるため、今まで小売りが仕入れた分を急いで売らないと、不良在庫になりかねないからですよ。
— みどり米の【わたなべ農園】🌾静岡県清水町 (@greenrice_wtnb) 2025年6月11日
備蓄米のほうが、通常の米より古いから先に売らなければいけないけど、それを買った客はしばらく米を買わない。… https://t.co/98l7Cqzfn8
みんかぶの記事も酷いもんだ。小泉の手柄にする前提で内容があまりに稚拙。
余談:住民税非課税世帯への給付には外国人も含まれる、という話
最初に断っておくが、そもそも選挙前だけ実質的な票の買収のための給付金政策を掲げること自体が間違っている。そこは異論が無い。
それはそれとして、Xで「住民税非課税世帯には外国人も含まれる」という投稿があった。外国人労働者の管理の一部をになっている身として一部誤解がありそうなので補足しておく。
まず、「外国人は税金を払っていないのに給付金だけ受け取れるのか」という見方があるだろうが、一部本物の無法者を除き、こと技能実習生や特定技能といった制度で来日、就労している外国人は各種税金や社会保険料を支払っている。厚生年金保険料も将来貰えるかどうか分からないが払っている。帰国すれば一部は返してもらえるが全額は返してもらえない。
払うべきものを払っているので基本的に彼らも給付金を受け取る資格はある。何なら彼らは日本人以上に薄給かつ劣悪な環境で暮らしており、取るものを取っておいて給付金は受け取るな、というのは酷。
彼らの多くが住民税非課税世帯となっているのにも理由があり、単純に免除されている訳ではない。母国の親族(大体は両親、祖父母、兄弟)を扶養に入れているから控除を受けて住民税が非課税となっている人が多く、また、国外にいる親族を扶養に入れる条件は厳しい。数年前までバカみたいに基準が甘かったが改正され、今は厳しくなっている。
簡単に書けば
- 30~69歳の扶養親族は1人あたり年38万円以上の仕送りをしなければ扶養親族として認めません(障害者、留学生の場合は除く/要証明)
- 70歳以上、あるいは16~29歳の親族は仕送りをしていれば扶養親族として認めます
という感じ。この30~69歳というのが両親世代狙い撃ちでなかなか厳しい。1人あたり年38万円の仕送りというのは日本人でもなかなか厳しいのでは。最低賃金ギリギリで働かされる外国人にあってはより厳しい。
70歳以上、16~29歳でも少なくとも私は扶養親族として処理するために送金明細の提出を求めている。以上のことから外国人が不当に納税もせず給付を受け取ろうとしている、という見方は誤り。どちらかと言えば住民税非課税世帯というと老人票を狙ったものだろう。