短いがふと思いついたので書く。岸田政権が大学無償化を打ち出しているのは周知の通り。条件があり、「子どもが3人生まれた時点で3人全員の大学無償化確定」ではなく、その年その年で「扶養している子どもが3人の場合に無償化対象」となる。所得制限は無いが上限額があり国公立大学が年54万円、私立大学が年70万円。ちなみに国公立の標準的な学費は 535,800 円、私立大学は学部によって結構違う。おおよそ年110~160万円とされる。
(記事題 | 就職などで扶養外れると子どもの数に含まれない... 大学無償化"3人扶養"条件について盛山文科相が考え改めて示す)
あれ?わざと留年させれば良くね?
子どもの年齢が離れていると不利なのは当然として、そこまで年齢が離れていないことを前提とすると上の子どもをわざと留年させれば*1扶養している人数は減らないので、大学無償化を3人とも受けられるのではないか。ちなみに一般的に留年可能な年数は8年である。
となれば、いくら留年しようが学費は無料*2なので親の負担は無い、扶養の範囲内であればバイトで社会経験も積めるし、社会的にどう評価されるかはともかくそれだけ勉学に励む時間も出来る。もとより大学院を狙うなら留年しなくても良いかも知れない。長男/女は大学院へ進学(それが無理ならわざと留年)させて、もし下の子がそれでも大学無償化から外れる場合でも上の子がバイトで稼いだお金を学費の足しにする、という方法も考えられる。
さて、こうした恩恵を享受できるのは子どもを3人作ることが出来るだけの経済的に恵まれた層になると思うが、私たちはそうした少数の恵まれた金持ちのために税金を払わなければいけないのだろうか。妬みはさておき、それで本当に少子化対策になるのだろうか。大いに疑問である。
下手な少子化対策は少子化を加速させる
「結婚して子どもが生まれる」前提の少子化対策はすでに時代遅れ、それでどうにかなるステージはとっくの昔に通り過ぎている。このご時世でも結婚・子育てできるだけの経済的余裕ある世帯を優遇することはむしろ格差を拡大させ、少子化対策の財源としての税や社会保険料が現役世代に重くのしかかって全体で見れば子どもを作れる世帯どころか婚姻数そのものが減少し、少子化を加速させている。政治家は目先の利益ばかりを追求して大局的な考え方が出来ておらず、国民をエサで釣って動かすことで生じる影響を考えていない。
農業で言えば
- 土壌改良など放ったらかし、むしろ悪環境にする
- 収穫量が少ないのでその樹木自体の枝葉や幹の一部を切り取り根本に肥料と称してくべる
- 果実が一向に実らないのは樹木が悪い
みたいなレベル。土壌=経済、社会全体。樹木=国民。これで良くなる訳が無いし成長する訳が無い。”シロアリ”企業なんか政府をあげて養殖すらしているから最悪。
次の選挙、覚えとけよ。松野官房長官の不信任案否決時のあのニヤケ顔も許せない。笑い事じゃないんだよ。