ヤマネコ目線

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憲法改正の議論はいま必要なのか

 書き散らし。憲法改正の議論が憲法審査会で進んでいる。緊急事態条項や緊急時の解散の禁止、内閣不信任案の禁止といった話も出て来ている。憲法改正は一部の面において必要と思われる点はあるものの、出て来ている内容は明らかにそれを逸脱している。

カルト政権で憲法をいじる危険性

 まず以前からも書いていると思うが、自民党憲法改正草案は酷いものである。以前、批判する前に一度は自民党の公開しているPDFをダウンロードして確認しないとと思い、目を通したが途中で読むのが嫌になった。あくまで個人的な感想だがハッキリ言って気色悪い。気持ちが悪い。内容が現行憲法に比して後退しているとすら感じる。「改正内容は憲法9条だけ」なんて思ってたら大間違いである。賛成反対の前にまず改正草案を読むべき。読んだ上で賛成と言えるなら、それは民主主義の本質も今の憲法が作られた時の先人の思いも理解できていない。非常に残念に思う。

 その気持ち悪さの原因が今なら分かる。旧統一協会日本会議といった胡乱な集団の思想が入っているからだ。彼らの理想とする日本、美しい国、誤った理想、偽りの愛国主義の臭いがする。彼らの愛国主義とはすなわち大日本帝國への懐古であり、封建社会への懐古であり、そこに過去の栄光への妄想や旧統一協会の思惑などが悪魔合体して、何とも筆舌しがたい気持ちの悪さを生んでいる。公明党はどこまで考えているか分からないが、壊れたブレーキ(それもカルト)などただの不用品、取るに足らない。

 自国の歴史について過度に自虐的になるのは良いとは思わないし、確かにかつての日本も良い所はあっただろう。しかし今はもう、そういう時代ではない。ほかでもない、大昔のこの国を理想とする年寄り政治家どもが日本という国をすっかり弱らせてしまったのだから。皮肉な話である。教育勅語だの徴兵制だの何だの言う前に、まずもって富国強兵政策を真似したらどうだ。最近、防衛費増額とそのための増税がどうのという話が出ているが、それでは貧国弱兵にしかならない。経済をろくに立て直すことが出来ない、その術を知らない、考える知恵がない、そんなザマでまず憲法に手を入れようなどと嗤わせる。ふざけるなカルト政権。あの世で牟田口にすらバカにされてるわ。

今、国民投票をやるのかという思い

 コロナもあって、経済はすっかり冷え込んでいる。政府から出るのはさらなる増税案とはした金の給付金ばかり。増税増税増税。税収はコロナでも過去最高のくせに。意味が分からない。このままではこの国は安全保障どころの話ではなくなる。東京では物価高騰で米の配給の話まで出ている始末。戦時中かよ。何かにつけてはしたガネの給付金だクーポンだで動くと思っているのもアタマに来る。その給付金だ何だの財源のためとさらなる増税をするのだろうが。いくらあっても足りんわ。

 その中で更に憲法改正を進め、国民投票を実施しようという神経が私には理解できない。したくない。今の内閣支持率でも賛成多数の見込みが近々見込めるのだろうか。もっと他にするべき議論があるのではないのか。国会で「月曜日のたわわ」がどうのとか抜かしているのを見るとぶっ◯したくなる。給料泥棒も大概にしろ。旧統一協会とはまだまだ仲良くしたいようだし、どうにもどこを向いて政治をしているのか分からない。議会がそんなだから、財務省とその忠犬が好き放題できるのではないか。

 もし国民投票をすると言うのであれば、それに相当な予算がかかることが予想される。お得意の中抜き商売で予算が膨れ上がるのは当たり前。そうなるからには賛成多数が見込まれなければならないと私は思う。でなければ国民投票にかかる予算が完全にムダになるので。で、今そんなことをしている余裕ってあるんですかね?賛成多数になる見込みとかってあるんですかね?そもそも国民の間で憲法改正についての議論や機運って高まってますか。みんな今を生きるのに精一杯に見えますけど。改正したがってるのは結構な暮らしをされている年寄り政治家だけで。もし反対多数だったら賛成多数になるまでやるんですかね。国民投票を実施するための予算確保のために更に増税でもしますか。

 私は到底そんなこと許せない。今、憲法改正なんて意地でも賛成してやるものか。

憲法9条は改正すべきなのか

 憲法9条に限って言えば私の意見としては、大枠は変えずに自衛隊を通常の軍とする形で変えれば良いとは思っている。ただし、すでに自衛隊という実質的な軍隊があり、憲法解釈の幅において自衛のための武装/武力行使が認められている以上はそこまで逼迫した課題ではない。国内のあらゆる問題、経済なんかも差し置いて最優先でやるべき事とは思わない。

 一方でミサイル防衛においては敵基地あるいは発射器を叩くことが必要であり、そうなると現行憲法のままでは解釈・対応が難しいことは否定できない。そのあたりをどうするかが議論されるべきと思うが、緊急事態条項だの何だのと自らの権力の楔を外す方向の議論ばかりしているのがますます不信感しかない。それを言えば、まず法的な問題以前に現実的に敵領土内にある発射直前のミサイルを叩くことが出来る兵器を日本は保有していない。Jアラートでさえあのザマであり、極超音速巡航ミサイルなどまだまだ開発段階。

 敵基地攻撃のための解釈が出来るようになったとして、有事の際に自衛隊が中国なり北朝鮮なりにある発射直前のミサイルを叩くだけの流れが作れるかも疑問ではある。誰がいつどのように攻撃の判断をするのか。国会で審議してから攻撃だろうか。その前に国会議事堂が東京もろとも核攻撃で吹き飛んでないといいな。

余談:自衛隊基地に配備された米軍の無人偵察機について

 自衛隊基地に米軍のMQ-9リーパー(無人偵察機)が配備されたことがニュースになっていた。何も知らない人には目新しく映るかも知れないが、MQ-9は米軍における運用開始が2007年である。知っている人は知っているし全くもって何も目新しくはない。前身にあたるRQ-1プレデターに至っては運用開始は1995年と約30年前である。

 特に何を言いたい訳でもないがMQ-9運用開始から実に15年が経ってもなお、自衛隊には自前で運用できる無人偵察機が無いんだなあ・・・と現実に少し落胆している。もっとも、国産兵器を作るよりはアメリカ様に売ったりしてもらった方が安くつくとは思うけど。にしてもドローンさえまともに作れないしな・・・わーくに。

 なお、MQ-9は攻撃能力も備えてはいるがジェット戦闘機相手に空対空戦闘が務まるレベルでは無い。あくまで偵察機。純粋な偵察機は頭文字が「R」から始まる*1

ja.wikipedia.org

*1:Reconnaissanceの頭文字