ヤマネコ目線

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新組織も憲法改正も不要

 先に書いておくが私は「自衛隊国防軍とする」改正のみであれば、憲法改正は賛成の立場を取ってきた。しかし議論されているのはそれだけでは無いし、政治家や国民の程度を見るに憲法改正は時期尚早。昔の、戦後直後の人々のほうが賢明に思われる。特に自民党憲法改正草案を見ればそれは明らか。劣化している。

 

 書き散らし。岸田総理は政治資金規正法違反問題に関して、年明けに信頼回復のための新組織立ち上げなどと言い出した。

(記事題 | 岸田総理「年明け、できるだけ早い時期に党の信頼回復のための組織を立ち上げる」と表明 新組織では国民の信頼を回復するため改革案などを議論)

ひたすら誤魔化しの姿勢に腸が煮えくり返る

 インボイス制度によって民間に厳しい経理事務負担を強い、個人事業主からでもきっちり消費税を取ることにした一方で、ただでさえ20万円以下は記載不要というようなザル法政治資金規正法すら守なかった自民党。これによって失墜した政治不信を少しでも解消するためには政治資金規正法の改正が必要である。私はインボイス制度と同様に政治家も1円単位でその政治資金を明らかにする必要があると考える。でなければ筋が通らない。

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 免税事業者になれるのは年間の課税売上高が1,000万円以下の小さい事業者。そうした小さい事業者にインボイス制度を強いることが出来て、年収4,000万円を超える国会議員に同様の厳しい経理処理をどうして求められないのだろうか。求めるべきである。政治資金規正法改正こそ今一番にやるべき事だ。

 それが実際はどうだ、岸田政権は新組織立ち上げがどうのと何とか政治資金規正法を改正しなくて済むよう誤魔化しの姿勢に徹している。これが何より許せない。問題発覚以降、現時点でそうした動きは全く聞こえてこない。旧文通費開示の件と言い、政治資金の透明化に対して明らかに消極的である。

 結局、今、実権を握っている政治家どもは田中真紀子氏の言う通り人として賞味期限が切れた奴らばかり。政治家どころか”人として”賞味期限が切れているのだ。間違ったことをしてそれに対して何をどうするべきか分かっていない。分からない。最低限の危機管理能力すら衰えた老人ども。

積極的なのはやりたい事だけ

 かと思えば、年明けに憲法改正に向けた議論などという話が聞こえて来た。果たして本当に今やるべきはそれなのか?政治資金規正法すら意図して守ない、発覚した後の始末も悪い政治家どもがどうして最高法規の改正を議論する資格がある。ふざけるな。それ以前に、国内の様々な問題を差し置いて自分たちがやりたいだけで憲法改正などと言い出すことが許せない。信頼回復などと言いながら実のところそれに対する努力を何一つせず、そればかりか信頼が無ければ出来ないような事を身の程もわきまえずに言い出す始末。不愉快極まる。

 憲法改正というのは憲法をより良く変えるための手段であって目的では無い。それが今の自民党や自称保守を見ていると明らかに手段が目的と化している特に自称保守の連中には心底うんざりする。目的のために盲目となり、政治不信の現状と政治家・国民双方の程度の低さにもなりふり構わず、憲法改正となればその中身の精査もせずして賛同している。それしかアタマに無いのか?

 第一、少子化や教員不足、経済政策等、国内の諸問題についてまともな舵取りが出来ない老人どもにどうして正しい方向性での改憲議論が期待できると思うのか。不思議でならない。まさか憲法改正となれば政治家は目を見開いて100年先、200年先を見据えた堅実さになるとでも思っているのだろうか。呆れた愚かさである。愛国心、祖国を憂う誇り高い日本人としての自分に酔い過ぎて現実が見えていない。いつまでも「美しい国」などという幻想に浸ってないで現実を見ろ。

 今、憲法改正の発議などしても国民投票で否決される可能性が高いのではないか。であれば、国民投票にかかる費用が無駄である。やるだけ無駄なのでするべきでは無い。国会議員にはそれよりももっとやるべき仕事があるだろう。やるべき事をせずしてやりたい事ばかりやろうとするな。そう言いたい。少なくとも私は許さない。こんな政治の有様で憲法改正などするくらいならあと100年1000年、改正などしなくて良い。それで滅びるならそれまでの話。

緊急事態条項の是非

 以前も書いたが端的に書いておくと、「緊急事態である」という口実で基本的人権を侵犯可能にするような条項を憲法に入れることは危険であると考える。「緊急事態条項によって岸田総理あるいは次の総理大臣がいきなり独裁体制を敷く」、などとは考えていないが、将来的に悪用される可能性が高い。この先どのような「緊急事態」があるか分からない中で、一体どのような使い方をされるのか分かったものではない。

 実例を挙げれば、東日本大震災の復興のためと取られ始めた復興特別所得税は未だに徴収されている。果たして本当に復興に活かされているのか?緊急事態にかこつけた増税ではなかったのか。それを今度は防衛費増額の財源に充てようという話になって反発を食らったのは最近の話。緊急事態だからと好きなように法案を通せるとなれば、混乱に乗じてどのような悪法が出てくるか分からない。そうでなくともインボイス制度のような悪法が出てきているのに。

 今はどうなっているか知らないが、過去の緊急事態条項に関する草案を見るとその発動条件に大規模災害への対応が入っている。災害大国日本においても「大規模災害」と言えるほどの災害は少ないとはいえ、他国からの侵略などと比べれば発動タイミングは多い。そもどこからどこまでを「大規模災害」と定義するのかが曖昧。発動タイミングが多くなるのも問題である。

 何より憲法にそうした条項を入れることは権力が暴走する危険をこの先、半永久的に抱えるに等しい。そんな危険をあえて侵す必要は無い。それもこんなろくでもない政治の中で愚かな政治家どもの言う通りに導入など、リスキーが過ぎる。詐欺師に印鑑と身分証一式を渡すようなものだ。「緊急事態」にかこつけて何をされるか分かったものではない。導入しようとしている制度に対して必要な信用が今の政治には無い。

manuller416.hatenablog.com

 そもそもの話として、憲法改正について一体どれだけの国民が関心を持っているのだろうか。憲法改正をしないと中国の侵略に立ち向かえないと危機感を募らせる愛国勇士の皆様くらいではないか。その彼らでも改正草案の内容について議論しているのを見かけた事が無い。

 手段が目的と化しているのでせいぜい自民党の出した改正草案に「これで良いじゃん、何の不満があるの?」と乗っかるだけ。あるいは同じく憲法改正に賛同するお仲間同士で耳障りの良い「意見交換」をするだけ。それで憲法改正への議論が成熟などと笑わせる。ネコでももう少しまともな論理展開が出来るだろ。

 国民の多くは相次ぐ増税社会保険料の引き上げ、悪くなる一方の社会にスタグフレーションでそれどころでは無いのではないか。果たしてそれで本当に「憲法改正の機運が高まっている」などと言えるのか。それでも「高まっている」と言えるならそれは”気のせい”だ。エコーチェンバー現象に惑わされているだけ。