ヤマネコ目線

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防衛/安全保障は錦の御旗ではない

 書き散らし。政府は防衛費を23年度から5年間で43兆円とする指針を決めた。これに関して。

防衛/安全保障は確かに重要なのだが

 ここ数ヶ月、ミサイル防衛とそのための防衛費増額の話ばかり耳にしている気がする。そのための増税の話もセットで、である。一応は物価高騰対策の話もあったが、あくまで応急的なものでしかない。経済政策はどこへ行ったのか。資産所得倍増計画とかいう獲らぬ狸の皮算用は耳にしても、(実態はともかくとして)アベノミクスのような形だけでもしっかりとした経済政策は出て来ていない。GoToトラベルだったか?はあるが、それも結局は利権絡みで旅行業・飲食業といった一部の業種への優遇でしかない。そういう細々したことを言いたい訳じゃない。全体的に経済をどうして行きたいのかが見えて来ない。

 ようやくコロナが落ち着きかけてそろそろ経済が再始動しかけと言う時に世界情勢が不安定化し、ただでさえ危機的状況にある日本経済がさらなる危機に直面している中で、なぜろくな経済政策無しに増税で冷水を浴びせようとするのか。たとえ政府が安全保障という錦の御旗を振りかざしていても、私にはそれが理解できない。理解したくない。総額43兆円という数字は現在の中期防衛計画の1.57倍、つまりは57%増しという訳だが、どこにそんな余裕があると言うのか。

 経済と安全保障は両輪であって、どちらか片方が落ちても前には進めない。防衛費増額の必要性はある程度理解するが、そのための地盤が出来ているとはとても思えない。それどころか政府からはその地盤を作ろうという意思すら感じられない。今やるべきは景気刺激策であり、逆進課税である消費税を減税することだと思うが、岸田首相は国会答弁でそれを明確に否定している。それどころか実質的な消費増税であるインボイス制度は社会情勢に関係なく進んでいる。「足りなければ増税すれば良いじゃない」、いつもそれで知恵が無い。

 政治家は国民に税金の支払いと理解を求めるばかり。一体何を考えているのか。このままろくな経済政策を取らずに日本国民総貧困化させて少子化も加速させて、生産的な事が可能な人口を減らす一方でまた財源が足りないと言って増税。それを永遠に、この国が消えて無くなるまで繰り返そうと言うのだろうか。そうなればもはや安全保障どころの話ではない。防衛費のために国が滅ぶ。個人的に何より腹が立つのは、「防衛のため安全保障のため」とさえ言っておけば国民が増税を簡単に許すと思っているのが透けて見える所。本当に舐められたものだ。

 そも、いくら重税を敷いても使う側がゴミみたいなマスクを巨額の費用をかけて作ったり、訳の分からん中抜き企業に甘い蜜として吸わせていたら結局いくらあっても予算など足りる筈が無い。その2つはあくまで例えだが結局、ザルに水は溜められない。そんなザル風情が「もっと水の量増やしてください。ご理解お願いします」だと?嗤わせるな。今、日本国民にとって一番の脅威は無能な政府である。まずもってそこを糾さなければならない。でなければ殺されるのは我々であって、この国である。それが安全保障への第1歩だ。

ミサイル防衛のあり方について

 政府がミサイル防衛について、アメリカ製の兵器を使う方向性に舵を切っているのは方向性だけは正しいと思う。国産兵器はとにかく高い。一部の人々はアメリカの言い値で兵器を買わされていると批判するが、独自開発で輸出もしない数も作らない国産兵器は往々にしてアメリカから言い値で兵器を買うよりも高くつく。なので、ミサイル防衛のための装備をアメリカから買うことに異論はない。

 ただし、ミサイル防衛は飽和攻撃されればどのみち苦しい道でしかない。おそらく核ミサイルが使用されるような戦争が一度始まってしまえば、ミサイル防衛だの反撃能力だの何だのというレベルを超えた数の暴力が来る。まさに「無いよりはマシ」レベルであり、いかなる兵器をもってしてもいざという時、敵国からの弾道ミサイルを防ぎ切れるとは私は思わない。

 なのでミサイル防衛ばかりに力を入れてもらっても困る。敵基地攻撃だ反撃能力だという話は出ても、なぜ核シェルターの話は出ないのか。本当に攻撃を受けた時、全ての弾道ミサイル自衛隊の迎撃ミサイルが完璧に撃ち落とすことを地表で頭を抱えて祈っていろとでも言うのだろうか。迎撃だ反撃だという話ばかり出るというのはそういう事だろう。

 それとも、本当はミサイル防衛の名を借りて統一協会流に戦争でも始めたいのか。ミサイル防衛の前に領海侵犯・領空侵犯などにもっと強気に出ろよとも思うが。普段、へっぴり腰外交のくせになーにが反撃能力だ。普段、イジメられても大人しいのにいきなりキレて彫刻刀振り回すヤバイ奴かよ。

余談:日曜討論

 日曜討論自民党の政治家が偉そうなことをのたまっていたが、日本の防衛戦略には先見性がない。何でも国産でやっていると金がいくらあっても足りないので、ある程度アメリカ頼みになるのは仕方ないとしよう。しかし現状、無人偵察機1つアメリカ頼み。

 前にも書いたかも知れないが、自衛隊基地に最近配備されたMQ-9リーパー、その前身であるRQ-1プレデターの運用開始は1995年である。実に約27年前。約27年前にアメリカが無人偵察機の運用を開始してから今の今まで日本は一体、何をして来たのか。もうこの点からして私は日本の防衛における先見性など信用していない。これからの無人偵察機の重要性など、小学生の私にすら当時から理解できたと言うのに。かと思えばアメリカすら断念したレールガンなんか研究しているし、本当に金をドブに捨てることだけは得意な連中だ。

 偉そうなことを言って防衛のため防衛のためと言うは良いが、本当に防衛のために生かされるのか、そのために本当はどれだけの財源が必要で、どれだけが本当は必要無いのか。本当は防衛という皮をかぶった都合の良い予算が欲しいだけではないのか。明らかにおかしい額の予備費のように。

 上の世代や政治家への反撃能力が欲しい