ヤマネコ目線

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外国人参政権について

 武蔵野市住民投票条例案が波紋を広げている。ここでまず注意したいのは、投票と言っても住民投票における権利であること。一般に想像される選挙についての投票ではない。「そうは言ってもいずれ普通選挙に・・・」という懸念はあるがそれは後述する。ステイステイ!住民投票に外国人が参加できる自治体は実は他にもある。ただ武蔵野市が問題なのは、その権利を得る要件を緩和し過ぎている点。

 一般的に住民投票への参加が認められる外国人は帰化した人である。が、武蔵野市住民投票条例案では「(国籍問わず)18歳以上で市内に3ヶ月以上住んでいること」が条件となっている。これは個人的な感覚から言えば短い。3ヶ月そこに住んだ程度で何が分かると言うのだろうか。日本人だって3ヶ月程度で住民投票へ参加なんて烏滸がましい。外国人となれば日本語の習得すら怪しい期間。その程度の人間の意見を地域の行政に反映させようという発想が危険に思える。それも国籍を問わないという点が悪用され得ると感じる。だからこそ反対が広がり前回は否決された訳だが、ここに来て再度そうした条例案を提出すること自体も不信感しかない。

 ちなみに住民投票には「法的拘束力は無い」。しかし政治的拘束力はあるし、法的拘束力が無いと言っても行政としては住民の意思に従わざるを得ないだろう。なので「法的拘束力が無いから認めてあげようよ」論は考えが甘い。マイノリティの意見を聞くことも大切という世間の流れはあるが、今現在いかに外国人がマイノリティであっても、中国という人口の脅威がある以上はそんなパワーバランス簡単にひっくり返され得るという不安もある。止まらない少子高齢化の中で外国人が増え、膨張し続ける中国の脅威への不安もある中ではそうした脇の甘さは致命傷になり得る。実際問題、そこまでしてどんな意見をどこまで行政に反映させようと言うのかが見えて来ない。

 一方で国内に外国人が増えつつあることは事実だろう。彼らの意見を多少は行政が汲み取ることが必要になりつつあるとも感じる。だからと言って外国籍に選挙権を与えるべきとは思わないが*1こればっかりはもう、労働力として国外からどんどん人を入れざるを得なくなったこの国の在り方が悪い。国内に入れる以上、住んで働いてもらう以上は彼らにも地域の行政に関わる権利が生まれる。何故ならそこで人間として暮らしているのだから。「彼らを何の権利もないただ奴隷として扱うべき」と言って憚らないのであれば、それはそれでどうかと思う。実際はそうして来た、しているのがほぼ実情だが。

 外国人が必要程度に行政にかかわるにはどうした制度が必要なのか、制度が悪用されないためにはどういった要件が適切かは再考の余地があるのだろう。そこでいきなりドーン!と「国籍問わず3ヶ月在住で住民投票」などと言い出すから反発が生まれる訳で、松下市長はもっとやり方を考えるべきである。何なら市役所として住民課に外国人専門の窓口を設けるとかそういうので良いのでは、と個人的には思う。住民税も相応に払っているのだから、それくらいはやるべき。

外国人参政権への流れは現政権でも出来ているのでは

 野党への反感がいまだに強い理由として、旧民主党が「永住外国人への参政権付与」を掲げたことがあると思われる。現状でも帰化すれば選挙権を得られるので、ここで言う”永住外国人”とは在留資格が永住者であり、国籍は外国籍のままの者」と理解するべきだろう。外国籍のまま選挙に参加することが可能になるということで、前述したような不安からかなりの反発が広がったと思われる。

 それはそれで至極当然なのだが、今の自公政権でも外国人参政権への流れは実は遠回りながら出来つつあるのではないか、と私は思う。それがどこまでのものになるかは分からないし、直接的なものではないのでまだマシかも知れないが、ここ数十年の政策で少子高齢化は止まるどころかますます加速し、日本人撃滅作戦(茹で蛙ver.)はいまのところ大成功している。これが将来的に何を意味するのか。

 結局、今の政治を続けさせると日本という国はゆるやかに死を迎える。それは日本人が減り続け、国内の外国人の数が多くなり、いずれ日本人がマイノリティになる事を意味するのではないのか。

 「言うて1億人からいるのだから」と思うかも知れないが、経験則的に言えば何事も転がり落ちる時はあっという間なもの。イーロン・マスク氏の発言が少し前に話題になったが、国外から見てヤバイと思われる状態は既にほぼ手遅れレベルでヤバイ。案外、逆転するのにそこまで時間はかからないかも知れない。そうなれば外国人の声を、コミュニティを無視し続ける訳にはいかなくなるだろう。その影響が参政権に及ばない保障などどこにも無い。むしろ外国人は帝國臣民的で従順な日本人とは違い、主張できる権利はしっかりと主張する。彼らがマジョリティになれば参政権を主張しない訳がない。

 特に、少子化による人手不足を補うためとして技能実習生制度で入ってくる外国人の数は増え続けている。そこで技能実習から特定技能へ移れば、働きながら10年以上日本にいられるので永住権申請も視野に入ってくる。いや、実際にそれ目的も居る。何なら特定技能第2号であれば家族だって日本に呼べる。特定技能の業種は限定されているし、後述するように永住権取得は簡単ではないのですぐに脅威になる訳ではないが。今のところは。

 これが更に少子高齢化が加速し続け、日本人が減り続けて国内に入れなければいけない外国人の数が増え続ければ、今は対応していない業種においても特定技能を認めざるを得なくなる可能性は高いだろう。特定技能は「国内で人材確保が難しい業種」に限定されている制度だが、いずれはそうも言っていられなくなる。現状はただ政治力の強い業種が優先して解禁されているだけに等しい。

 「永住者」資格取得は10年以上日本に在留し、そのうち5年以上は就労資格をもっての在留で、

  • 日本に利益をもたらすこと
  • 独立して生計を営む資産あるいは技能を有すること
  • 素行が善良であること

 を書類で証明しなければ取得できない。連帯保証人も必要になる。なので簡単ではない。が、前述したように技能実習/特定技能からの永住権取得は既に射程圏内にはあり、母数が増えるならその数も増えるはず。没落しつつあるこの国はもはやベトナム人にすら見向きもされなくなりつつあるが、ひょっとしたらこのまま人口減少が進めば外国人労働力誘致のための魅力の1つとして永住権が掲げられ、その許可条件緩和が検討されるかも知れない。

 なお、「日本に利益をもたらすこと」と「素行が善良であること」は税金の滞納や法律違反を犯すことなく普通に暮らしていればほぼ問題無い。生計に関する条件は最低ラインが「3人家族で世帯年収300万円以上を5年キープ」という感じなのでそれも大して厳しくはない。生計を立てる技能も技能実習/特定技能に従事していれば問題ないと見なされるだろう。連帯保証人になれる条件は「日本人または永住者」であるので、外国人同士のネットワークを通じて既に永住者となった人に保証人になってもらえば済む。現状、永住権取得はそこまで難しくもないのかも知れない。外国人でももちろんスマホは持っているので、FacebookなどのSNSを通じて様々な意見交換・知識共有のネットワークは既に構築されている。*2

このままで良いのか

 何にせよ、旧民主党へのトラウマから政治を変えることをせずこのまま自民党公明党に国の舵取りを任せていても外国人参政権については実現してしまう。と私は思う。緩やかだが確実なその流れを継続するか、それとも次の選挙で多少なりとも舵取りを変えるか、我々は考えなければならない。安易に旧民主党へのトラウマに囚われたままでは何も変わらない。野党で支持したいと思える政党は正直無いが、それはある種、我々国民が安易に"現状維持"の選択を取り続けた結果でもあるように思う。そうして自民党に対抗できるような勢力を何1つとして育てて来なかった。そうして1強となった連中が今や本分を完全に忘れ、ただの利益団体の代弁者となってしまった。いい加減に少しずつでも政治を変えなければこの国は今よりもっと酷いことになるし、いずれ外国人参政権も実現するだろう。もう手遅れなのかも知れない。

ただの愚痴

 それにしても今ここから消費税増税?EVに走行距離課税?退職金にも課税?10月から雇用保険料上がったし本当に嫌になる。10兆円の予備費とか何だったのか。そういうので予算補填しろや。Jアラートに関して「役立たずだったらすぐ廃止しろとかいう0か100かみたいな考え方やめろ」と言う人もいたが違うんだよなあ・・・。日本政府は「100点の予算使って50点60点の成果物」みたいなのが多過ぎる。そこで更に「70点までブラッシュアップするために追加で予算もらいます。そのために増税します」と言い出すのが日本政府。「マイナンバーカード持ってない人でも使える別の制度を作ります」ってなんですか?

次の選挙おぼえてろや

 

*1:これ書いておかないとすぐ揚げ足取りが湧きそうなので

*2:会社に無断で過去5年分にわたって確定申告をどこかの誰かに依頼し、帰国前に「還付金受け取りたいけど私、帰るから他の実習生に頼んで送金してほしい」と言って来た人もいる(体験談)。