ヤマネコ目線

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富士フイルムはフルサイズ出すべき

 ただの戯言なのであんまり気にしないで欲しい。

 以前、富士フイルムX-S10を購入してしばらく使っていた。「いた」というのは最近使ってないからで、一度フルサイズの画質を知ってしまうとどうしてもAPS-Cの画質では満足できず、今に至るからである。

「フルサイズに匹敵」の嘘

 よくカメラレビューなんかで見かける「フルサイズに匹敵」という言葉、いつも思うが嘘つくなよ。フルサイズとAPS-C機で画質に違いが出ない筈がない。レンズの質などの違いもあるので一概に比較できないが、少なくともどちらのカメラも買ってみた感じ、そこに画質の違いは存在する。その違いを許容できるか否かは人によるだろうが、少なくとも「フルサイズに匹敵」は「そもそもフルサイズを使った事がない」か、ただ単に宣伝文句として誇張表現をしているだけで事実を述べてはいない。

カメラ業界の今後

 カメラの需要はスマホに食われ続けている。その中でどこまでのグレードのカメラまで立場が怪しくなるかは疑問だが、私見としてはAPS-C機まで需要を食われるのではと思っている。センサーサイズとしてはスマホに乗せてもフォーサーズまでだろうが、そこまで来られると画質面で明確な差をつける事は出来るだろうか。

 望遠なんかでは優位性を保てるだろうが、多用されるのは広角や標準域であろうし、その中で比較されると辛いものがあると思う。スマホしか使わない層は特に小さい画面でしか比較しないので、画質面で誤魔化しが効きやすい。逆にいえば圧倒的な画質の違いが無ければ、スマホに慣れたユーザーに対する訴求力を持つことは難しい。

 なので今後はさらにカメラ業界全体が縮小し、日本社会の縮図のように二極化するように思う。具体的には「スマホカメラで十分」層と、「フルサイズかそれ以上を使う」層。それ以外であえて「カメラ」が欲しいとなるのは、富士フイルムであればエモい写真に特化したInstax、Canonであれば子供が出来たばかりの親に人気なKissシリーズ、スポーツ等向けのアクションカムやドローン向けが「売れるカメラ」になるのだと予測する。そこでAPS-Cあたりのセンサーサイズを搭載するカメラが直面するのは、立ち位置の中途半端さ。いつまでスマホカメラに対して優位性を保ち続けられるだろうか。CanonのKissMは子持ちに人気があるAPS-C機だが、今の勢いの少子化ではこの先どのみち厳しいだろう。日本人の貧困化が進めばどのみちカメラを買う余裕がない人が増えるのは想像に難くない。

 であれば、今後カメラ業界が舵を切るべきは"薄利多売"ではなく”高利少売”であり、それはカメラでいえば製品ラインナップにフルサイズあるいはそれ以上のセンサーサイズ搭載カメラを用意することである。

 現在、富士フイルムはフルサイズ一眼を製造していない。確か「フルサイズセンサーでは理想的な光学性能が得られないから」とかそういった理由付けがされていたと思うが、業界全体を見ればそんな事、いつまで言っていられるのかなという感がある。

 一応書いておくが「APS-C機をやめてフルサイズを作れ」という話ではない。ただ、今からでもフルサイズ市場に参入しておくのが良いのでないかという話。富士フイルムといえば中判があるが、あれはアマチュアには色々と度が過ぎる。フルサイズならばまだアマチュアにも手が出せる価格帯であり、富士フイルムの画づくりはそこでも十分戦えるはず。中判カメラを出している以上、技術的にフルサイズが作れない訳でもなし(企業体力の面でどうかは知らんが・・・)、逆にフルサイズを出さない理由が前述したようなものしか無いのであれば、参入しない方が誤りだと私は思う。