ヤマネコ目線

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人間は何も変わっていなかった

 書き散らし。子供の頃から歴史を学ぶにつれ、大昔の人々が暮らしていた世界と今、自分が生きている世界が同じ世界、地続きの世界である事がなんとなく不思議に感じていた。高床式倉庫を作ってどんぐり食って暮らしていた時代から、武士の登場、戦国時代、明治維新第一次世界大戦、第二次世界、そういった過去の世界はまるでファンタジーの世界のように実感が薄く、そういった出来事が起こった世界と今の世界が根本的には同じ世界である、という事実がなんとも不思議に思えていた。

 しかし、ウクライナ戦争でロシア軍が第二次世界大戦ソ連軍のような蛮行に走るのを見て、この世界はやはり歴史に見る世界と同じなのだと妙に納得がいってしまった。何の事はない。人間の中でさまざまな積み重ねがされて今があるだけで、核兵器さえ無ければすぐにでも第二次世界あたりのレベルには戻れるほど、人間は変わっていないのだ。ファンタジーの世界のように思える古い世界のレベルに、いつでも人類は後戻りし得る。

 欧米各国がウクライナ侵攻に猛烈な反応を示しているのも、そういった古い世界への後退をさせまいとする抵抗なのだろう。第二次世界大戦のような凄惨を極める戦争の時代へ世界を逆行させてはならない。そういった意思が感じられる。

 裏を返せば、人類が積み上げて来たものは知識や技術といったものだけであって、人類という生物種そのものの変化は殆ど無かったのだろう。戦争というのは人類の群れ(≒国家)同士による生存競争によって起こるが、それは人類が今まで通りの生物であり続ける限り無くなりはしない。創作物などでは、人類を種として次のステージへ昇華させる事によって世界平和を実現しようとするものがあるが、実際そうでもしない限り世界から戦争は無くならない。もっとも、生物という枠組みを抜けた人類はもは人類と言えるのか、そもそもどうやって生物の枠組みから抜け出すのかが問題だが。