ヤマネコ目線

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某ブログでのセスキ炭酸ソーダの記事について

 某まとめブログでとんでもない独自療法を見かけてしまった。アトピーで悩んでいる家族をpH12(強アルカリ性)の風呂に入らせて治療を試みるといった内容で、正直あれをマネする人間が出て来ないか心配である。

ブログの内容の真偽について

 アトピーは治りにくい病気なので、それに関するおまじない程度の民間療法は数多い。水に「ありがとう」と言って使うと良くなるとか、特別な石鹸を使えば良くなるとか、特定の乳酸菌が入った飲料を飲めば良くなるとか、そういう与太話は後を絶えない。ごく軽いアトピーならプラシーボ効果で治らない事も無いのかも知れないが、そうでない場合は下手をすれば悪化させる上に、症状が長く続くので本人は長く苦しむ事になる。

 セスキ炭酸ソーダの記事についてはスレ主が全くきちんとしたエビデンスを出していないし、具体的な数字はpH12という数字だけでアトピーに関連したIgEの値や何やらは出てこない。そもそもどのような測定方法でpHを測定してpH12という数字を出しているのかも分からないし、改善前と後の写真の1枚もない。個人的な判断としては信じるに値しない。もし本当にpH12ならば目に入ると本当に危ないので、マネするにしても体の一部からにすべき。

 ひょっとしたらアトピーではなく別の病気だったのが独自の治療法で治ったのかも知れないが、それはそれでただのラッキーなので一般化は出来ない。あるいはpHの測定ミスか、完全な嘘か。しかしセスキ炭酸ソーダ入れただけでpH12まで行くか?調べても約10くらいとしか出て来ないが。

肌を削れば綺麗になるの間違い

 私も重度のアトピーで、過去記事で言及している通りIgEの値は41,000程度あった。今はちゃんとした薬で治りつつあるのでマシだが、最悪な状況の時は肌がボロボロなのはもちろん、訳のわからん感染症か何かで膿のような黄色いかさぶたが絶えななかった。

 アトピーで肌が荒れると、乾燥と再生を繰り返して代謝された皮膚がどんどん剥がれ落ちてくる。それがウロコのように見えて非常に醜い。自分自身がそうであったから分かるがついめくって綺麗にしたくなる。しかしそれをすると再生しかけた肌を傷つけ、本来であれば剥がしてはいけない皮膚の層まで剥がしてしまう。皮膚の層はタマネギの皮のような単純なものではない。表皮から真皮にかけても種類の違う層で構成されており、それらを削ってしまうと見た目は多少綺麗になっても、細菌などに弱くなったりする。

 結局、荒れている肌をこすっても綺麗にはならない。こすればこするだけ表面が破壊されて悪影響が出るし、余計に荒れて余計に醜い状態になっていく。芝生を思い浮かべてみて欲しい。芝生が枯れかけているからと表面を削ったらどうなるだろうか。

アトピー治療の基本

 基本は保湿、飲み薬、軟膏。アトピーもあまりに勢いが強いとこういった治療法は焼け石に水にしかならなかったりするので、一向に改善しない。その辺はIgEの値などを参考にして決めるべき。一度はきちんとした血液検査を受ける方が良い。ついでに食物アレルギーの検査もしておくのも◯。私の場合は食物アレルギーだけでなく、ラテックス(ゴム)アレルギーも判明した。道理でマスクしてたら耳が荒れる訳だ。

 その辺の小さな病院でダメなら医大病院を受診することをオススメする。その場合はかかりつけ医に紹介状を書いてもらい、医大の初診予約もその病院からしてもらうのが良い。

 この手の記事は3つ目になるが、私はデュピクセントという注射薬を使って治療している。IgEの値、TARCの値ともに正常値に近づいており根治へ向かっているので、あんまりアトピーが強くて困っている人は調べてみて欲しい。