QVCのテレビショッピング、そこに登場する実演販売士の福島豊氏がネタにされていることは以前から知っていたが、たまたまYouTubeでシーン集を見たら存外面白かった。というかこれ4時間14分もあるのかよ・・・ガバガバシーン集だけで4時間あるという事実がもう面白い。
*ガバガバ:整合性が取れておらずツッコミを入れる隙が多い様子
何が面白いのか
ただのテレビショッピングならそれほど面白くはないが、ニコニコ動画に上げられてツッコミのコメントが鬼のように付いているのが面白い。上のはニコニコ動画にあるものがYouTubeに転載されたもの。「コメ付き」はニコニコ動画の「コメント付き」の略。
たとえば福島氏の名言(迷言)としては
- ななえののじ
- これから暖かくなりました
- 動きにくくて使いやすいですが
などがある。「ななえののじ」は調理器具メーカーの「ののじ」と言うべきところを「ななじ」と言いかけて訂正したセリフ。「これから暖かくなりました」は単純に未来の話を完了形でしている。「動きにくくて使いやすいですが」はもはや意味不明。
個人的に気に入ったのは 15:10~ の無水調理器「ビタシェフ」のくだり。調理実演のために次々と食材を入れて行くのだが、電子レンジに入れたあとでレンジの右側を見ると入れ忘れられた食材が・・・。
なお、福島豊氏はこの類の動画の存在を知っており、生放送で言及した場面もあるとか(真偽不明)。ネットのオモチャにされながらも自ら言及できる余裕、ツッコミ所はありながらも立板に水のような語り口、どこか憎めない感じがあって何だかんだで愛されキャラ?なのかもしれない。
ガバガバなのも、そもそもテレビショッピング自体が微妙なものをさも良いものであるかのように紹介し、いかに情報弱者に買わせるかの商売なので大前提として仕方ない面はある。それにしても限度があるが、そういうモノとして視聴するのが面白い。
それにしてもこの手のテレビショッピング、朝5時にやっていることが多いようだ。お年寄りは早起きだし朝はまだ頭が回っていない状態。多少ツッコミ所がある内容でも朝飯を食べながらのながら見だと粗に気づかれづらい。ミスが許されやすい時間帯にそれっぽいパフォーマンスをし、「お電話が殺到しております」などと早く決断することを煽っている。やり方がうまいっすね。
QVC関連で一番人気の動画
なお、同チャンネルで一番人気の動画は18金仏具の紹介動画。福島氏は出てこないがそれなりに面白い。朝5時から約400万円する仏具を誰が買うのか。きったねえ音だし
なお、この手の仏具は相続税対策で買う人が多いようだが、OAG税理士法人によれば
仏具を購入することで過剰な節税対策をすることはできません。華美な装飾や常識を超えた高額な仏具では祭祀財産とは認められず、価値ある相続財産として相続税が課税されることになりますので注意しましょう。
とある(以下リンク参照)。何事もそうだがただ何となく「そう言われているから」というだけで手を出すと、思ったような効果は得られない。
それにしてもこんな仏具、最近流行りの闇バイト強盗からすれば良い獲物だな。
余談:33-4, 66-8, 99-12...
*詳細な起源等は分からないので私が知る限りのことを書いています
2005年の日本シリーズに端を発するネットミーム。以下の画像の通り、2005年に阪神タイガースは千葉ロッテマリーンズに完膚なきまでに叩きのめされ、総得点数が33-4となった。
ここから回りに回って「33-4」は「勝負でどちらかがボロ勝ち/負け」したシーンでネタとしてコメントに登場するようになった。別のきっかけで流行した「なんでや!阪神関係ないやろ!」、通称「な阪関無」との組み合わせやすさもあり、ネットミームとして「33-4」は(一部で)普及していった。
更におりんを鳴らすような音があるシーンで阪神のお通夜ムードになぞらえて「33-4」とコメントする者が表れ、「チーン」という音が鳴るたびにこの数字が 33-4, 66-8, 99-12, 132-16...と増加していくパターンも見られるようになった。これを通称「阪神算」と呼ぶ。
おりんに限らず、たとえば軽量スプーンで金属製のボウルを叩くようなシーンでもこの傾向は見られる。有名?なアル中カラカラでもありがち。以下の動画、0:25付近がその一例。
余談の余談だがこのアル中カラカラことwawawa氏、亡くなった訳ではなくパソコンが変わってから今までやっていた動画編集ソフトが使えなくなったため新しい動画が出なくなったらしい。今は彼の意志を継ぐ者も登場している。
言うまでもないが33-4は阪神ファンにとっては面白く無い話であり、場合によっては喧嘩を売っていると取られる、場の空気を悪くすることがあるネタなので扱いには気をつけよう。阪神ファンはなかなか気性が荒くて飛んだり跳ねたりする人が多いので、少なくともリアルでこのネタを持ち出すことはオススメしない。
私は野球に興味がないのでノーダメージ。阪神は最近強いイメージがあるのでそろそろ笑い飛ばせるようになってはどうか。
余談というより警告
ニコニコ動画では同じような時期に、「真夏の夜の淫夢」というゲイビデオをネタにすることが流行っていた(淫夢ネタ)。
不快に感じる人が多いと思われるのであまり触れない方が良い。が、ネットミーム*1を扱う上であえて警告としてここで触れる。V-tuberは講習で「触れてはいけないミーム」として習うのだとか・・・。
これは特定のゲイビデオから発生したミームだったが、その登場人物の迫真の演技やセリフ回しなどが面白く、ニコニコ動画のコメント機能による盛り上げもあってあっという間に面白動画として広がってしまった。元はゲイが性的欲求を満たすためのビデオなのだがゲイには不評だったらしい。もちろんニコニコ動画等に性行為をもろに映したシーンは無い。
シリーズ外の動画も同様に面白いシーンが切り抜かれて笑いの種にされ、登場人物のセリフ音声だけが「語録」とされてそれだけでゲーム実況を作ることなどが流行し、今や中国、韓国でも知られている*2。
同時期にネタにされたQVCもこれに巻き込まれない筈がなく、33-4なども合わせて無理やり淫夢ネタに結びつけられる場合があり、時たまコメントで下ネタが流れて来るのはこの手の層がいるから。
たまに見かける「野獣先輩」や「微レ存」、「小並感」、「(迫真)」、「KBTIT」、「114514」、「~して、どうぞ」などはこの淫夢が元ネタなので、気になってもあまり深く調べない方が良い。特に「微レ存」と「小並感」はもはや元ネタを知らずに使っているパターンが見受けられる。「小並感」は「小学生並の感想」の略なのでまだ良いとして、「微レ存」*3は起源となった書き込みの内容が気色悪い。
昨年11月にSNSで拡散された、生成AIによる音声を利用して岸田総理が卑猥な発言をしているように見せた動画も元はこの淫夢界隈のネタの1つ。ネタだと知っている人は知っているので偽物だと理解できるが、知らない人は驚いたかもしれない。