今週のお題「懐かしいもの」
近年、懐かしい玩具が復刻されることが多い。私と同年代の人々が親になる年齢というのもあるが、少子化によって本来の対象である子供が減っていること、独身者の増加で趣味に打ち込む大人が増えたことでホビー全般の年齢層が高くなり、「親子で楽しめる」あるいは「大人向けのものを出しても売れる」からそうしたものが増えている。
中でも懐かしい上に最近になって熱いのがZOIDS(ゾイド)。SFに出てくるロボットと言えばガンダムのような人型がメジャー?だが、ZOIDSでは恐竜や原生動物、昆虫などをモチーフとしたロボットが登場する。人型は・・・あるにはある*1が目立った存在でも無いし続かなかった。
子供の頃にアニメが放映されていて、今の基準で見ても生き生きと動くロボット兵器の姿に夢中になったものだった。ロボットという時点で男心をくすぐられる上に、動物を機械化して武装させた姿は今見ても兵器として強そうで惹かれるものがある。
今年はその中でも知名度の高いデスザウラーが新しい設計のキットで登場する。作中ではゴジラのような外見に違わぬ大きな存在感で、アニメ1期、2期でラスボスを務めた。なお、このキットのお値段は33,000円と完全に大人向けである。昔の感覚からすれば最近のキットは子供向けのものでも値段は上がっている*2ので、出来を考えれば妥当。
新しいシリーズの発足も公表されており、アニメ無印(ZOIDS)で登場した機種のキットが今後も登場する予定。コトブキヤからは以前からHMMシリーズとして大人向けのプラモデルが発売されており、今年はガイサックが発売される。私はサソリが好きで、あまり好まれないサソリをモチーフにしたロボットまで出してくれるのもZOIDSシリーズの好きな所。人型は人型の範囲で様々なデザインを出して差別化するが、ZOIDSは機種によって骨格や足の本数が違う。モチーフは幅広くイモムシ型までいるのだが、それぞれがそれぞれの形状を活かして役割分担しているのもリアリティがあって良い*3。
人間は人間だから人型が一番良いと考えているが、実際は人間、武装していても格闘戦では犬にさえ負ける。人類が生態系の頂点に立てた理由は優れた認識能力を持ち、手で武器を握る、防具を作ることが出来るからであって、それを外部的に付与できる=パイロットに人間を使う、武装を取り付ける、装甲化するのであれば、人型よりも動物をモチーフとしたロボットの方が強い。はず。そこがガンダムなどより惹かれるところ。
人型ロボットがいかに兵器として良くないかを語ることも出来るがガンダム愛好者から◯されそうなのでやめておく。
シリーズとしてはしばらく下火だったが、直近ではゾイド・ワイルドという新しいアニメも作られて少しずつ息を吹き替えして来た感がある。路線はマイルドになっているが。時代の、親の要請なのかミリタリー要素が少し薄れ、子供向けなのは変わらないと思うが対象年齢が少し下がった感じがする。もともと路線が迷走しがち?それは言うな。
今後どのような展開があるかは知らないが至極個人的な要望を述べるなら、バトルストーリーをアニメ化して欲しい。公式ファンブックでは作中の国家間の戦争がアニメとは異なる内容で描かれており、そのストーリーが子供にも読みやすいながらも硬派で面白い。ガイロス帝国摂政、ギュンター・プロイツェンはアニメでは小物感が強かった*4が、バトルストーリーでは全くそんなことが無い。
ただ、噂では旧キット=バトルストーリーに登場する機種の玩具の金型が洪水でダメになったという話もあり*5、バトルストーリーをアニメ化してキットを売ろうにも作れないとなれば厳しそうではある。
好きな機体
- レブラプター
- ジェノザウラー
- バーサークフューラー
- デススティンガー
どれもとにかくデザインが良い。大人になってから見てもよくこんなデザインを考えたなと関心するレベル。カラーリングも良い。デススティンガーなんか、こんなに赤と青でサマになるデザインを他に見たこと無い。帝国派ですが何か。
アニメシリーズの迷走
ついでに書いておくとアニメの路線は結構迷走している。新しい挑戦と言うべきなのかも知れないが私にとっては迷走。
ZOIDS(無印)ではガイロス帝国とヘリック共和国が戦争している所から始まり、そこに共通の敵が現れて共闘からの和平。主人公は最初はその辺の一般人だったが戦争に巻き込まれ、成長して行く。ライバルとの共闘もあって個人的にはここがアニメシリーズの頂点。
次作のゾイド新世紀/ゼロでは帝国と共和国の戦争が終わってしまったため、平和な世界においてゾイドを用いた競技としての戦闘が行われる世界が描かれている。人間ならば新たな争いが起こるだろうと思うのだが、戦争要素は無くなって競技としてのチームVSチーム、あるいはチームVS不正や争いを生む悪の組織、という構図に変わっている。ぶっちゃけコレジャナイ感はあるが内容は悪く無かった。
その次、ゾイドフューザーズでは競技としてのバトルという路線を引き継いだものの、/ゼロとの関連性はなく設定も引き継がれなかった。アメリカでの人気を受けて制作されたシリーズのためか、少々アメリカ受けしそうな内容になっている。シリーズとしてはある程度の人気を保っていてフューザーズ関連のキットもよく店頭で見かけた覚えはある。
キットとしてはこの頃からゼンマイやモーターでの動きではなく、モジュール化されたパーツを組み合わせて遊ぶブロックスの存在が目立つ。従来の動力内蔵キットにブロックを組み合わせて遊ぶものも登場した。
競技としてのバトルという路線はベイブレードやミニ四駆のように実際に玩具で競技が出来るシリーズなら良いと思うのだが、ゾイドにはそれが無いので競技路線でも盛り上げは限界があると思う。
その後に放映されたゾイド・ジェネシスでは戦争路線へ回帰し、圧政を敷く帝国とそれに対抗する反乱軍というまっとうな構図へと立ち返った・・・と思いきや女性キャラクター人気で萌え路線にも走ったりと同一シリーズの中で迷走を見せ始めるという怪挙をあげる。どんな感じかと言うとED曲がヒロイン2名が歌う曲になったり、ヒロイン単体でフィギュア化されたりetc.。
どうでも良いがそのヒロインの1人に私は性癖を完全に狂わされました。後悔はしてないけど良くないよ。青少年に良くない。
キットとしてはジェネシスでバイオゾイドという存在が登場した。主人公の味方側のゾイドは従来のタイプで動力を内蔵して動くのに対し、敵方のバイオゾイドのキットは動力無し。メカっぽい可動フレームに恐竜の骨格をかたどったメタリックなフレームを付ける異色なもの。動くがポーズに自由の利かないキット、動かないがポーズに自由があるキット、その両方を同一シリーズで展開したのは何気に革新的に思う。
アニメ化はこのゾイド・ジェネシスが2006年に終了したのを最後に2018年まで音沙汰が無くなる。この間に何があったのかは不明。
2018年に再起動したアニメ、ゾイド・ワイルドでは作品の舞台が地球になり*6、構図としてはゾイドを兵器として使う悪の帝国VSゾイドも含めて自由に生きたい帝国以外の勢力、という感じ。戦争要素はあるが主眼では無く、主人公側の機種は生き物としての個性がより強く出ている。全体的にデザインが流線型を多用したもの、生物の骨格を模したものとなり、兵器らしさは薄れた。
ゾイドのスケール感も変更されており、玩具としてほぼ同じ大きさのものであっても作中の大きさは旧シリーズとでは倍くらい違う。旧シリーズが1/72スケール、ワイルドが1/35スケールなので、作中の大きさは旧シリーズの方が大きい。旧シリーズのゾイドは中に人が乗るが、ワイルドでは人が上にまたがる。キットとしては確実に進化していてそれはそれで良い感じ。