ヤマネコ目線

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Aimerさん紅白出場を祝して

 歌手のAimerさんが紅白出場決定ということでTwitterで話題になっていた。氏は2011年デビューなので約11年の時を経てようやく、という感じ。別に紅白が歌手への評価の全てでもないし、どちらかと言えば”お茶の間”に流れても違和感ない曲/歌手が選ばれると思うので、出ない/出られないからといってどうという事も無いが。それでもある種の泊付けという点ではめでたい。

 個人的にはFateの曲のイメージが強いが広く存在を周知するきっかけになったのは鬼滅だろうし、歌うとすれば「残響散歌」だろう。というかそれしかみんな期待して無いわな。オタクでない限り。

個人的に好きな曲

 にわかなので主にFateの曲に偏る。言うまでもないがアニメ作品関連の曲は、そのアニメを見ること込みで楽しむのが一番良い。特に後述する映画3部作の主題歌。Fateの曲は特に断りない限り梶浦由記氏の作詞作曲。

残響散歌

 一応、最初に。作詞はAimer氏自身*1、作曲は飛内将大氏で、TVアニメ「鬼滅の刃遊郭編」のOPを飾るだけあって花火が映える映像とともにド派手な印象になっている。Aimerさんの印象とは少し離れるが個人的にはアリ。作中に出てくるキャラクターの印象に合うし、それでいて派手な遊郭の中に潜む闇を表現するのにも向いている。

Run Riot

 作詞:Aimer、作曲:長澤和真。シングル「春はゆく/marie」のいわゆるB面?カップリング曲?だが疾走感と華やかさがあって、B面としてはもったいないような気がする。歌詞はしっかりHeaven'sFeel(後述)で、しかしながら「春はゆく」のゆっくり余韻に浸る雰囲気とは対照的。ライブにも良い曲。

Brave Shine

 Fate/stay night [Unlimited Blade Works](2015年4月)第2期OP曲。CDパッケージは3タイプが発売され、その内1つはFateの登場人物”アーチャー”の描き下ろしイラストになっている。歌詞の内容からしてアーチャーのイメージソング的な印象。一度倒れた人間が再び立ち上がり、明日を向いて進んでいくような爽やかさを感じる。

LAST STARDUST

 Fate/stay night UBWの挿入歌であり、元はOP曲として製作されていた。疾走感を優先してBraveShineが採用され不採用となったかに思いきや、Fate原作者の要望によってプロジェクトは残され、さらにUBW監督・三浦氏の独断意向で勝手にマッシュアップされて挿入歌となった。このため全体的な感じや歌詞のイメージはBrave Shineに近い。

花の唄

 Fate/stay night Heaven'sFeel劇場版3部作の1作目、Presage Flower主題歌。ヒロインの心情と先のストーリー展開をうまく描写した歌詞・メロディラインがAimer氏の歌声・表現力と合わさって、Fateのストーリーを知っていれば知っているほど染み渡る曲になっている。

 MVは3部作の主題歌すべてYouTubeのAimerオフィシャルチャンネルで観られる。主演は浜辺美波で映像も綺麗。

www.youtube.com

 Fateシリーズは多いので何がなんだか分かりづらいが、ざっくり言えば「Fate/stay night」が原点であり、その中で上図のようにどのヒロインと結ばれるかで3つのストーリー展開に分かれる。

 Heaven'sFeel主題歌の内容はすべてヒロイン間桐桜をイメージしたもの。「花の唄」の花とはサクラのことだろう。後述するが映画3部作とも主題歌:Aimer、作詞作曲:梶浦由記というのがまず凄い。そもそも展開が熱いとはいえ元はと言えば同人R-18ゲームのヒロインとのお話で映画3本というのも凄いが。

 R-18のゲームと言うと偏見があるかも知れない(私もある)が、そういうゲームでなければ同人ゲームなど売れない時代の作品であった事は留意すべきだろう。実際、そういう要素はあったにせよ全体の展開や発想が評価されて全年齢版も作られているし、アニメも映画も作られて派生作品も多く出ている訳で。

I beg you

 映画2作目、FateHF II: Lost Butterfly主題歌。「beg」は「懇願する、請い求める」という意味で、ヒロインが自分の置かれた立場に葛藤しながらも主人公のことを求めてやまない心情が表現されている。序盤は怪しさ全開でAimerさんってこういう曲調も合うんだ、という感じ。そこから後半にかけて悲壮感に振れていく。「やがてキラキラ」のあたりの音の合わせ方、「スパイスは耐え難いくらいがいいわ」の歌い方が好き。

 なお3部作のうち2作目 Lost Butterfly だけはPG-12指定である。親子で見ると気まずい雰囲気になるかも知れないので気をつけようね!

春はゆく

 映画3作目 FateHF III : Spring Songの主題歌。ラストに至るまでに乗り越えて来たもの、与えられたものが映画3部作ラストにふさわしいインストとAimerさんの歌唱力で表現されている。映画館で聴いたがあれほど余韻に浸れるものは無かった。というか3部作ともufotableシネマで再上映して欲しい。年1で良いから!年1で良いから!(強欲)。

余談:Fateアニメの見る順等

 Fateシリーズは今やFGO(Fate Grand Order)の方が一般的かつ認知度が高いと思うが、前述したように出発点はFate/stay nightであり、そこから実に様々な派生作品が存在している。そこでアニメを見るにしても、何から観始めればいいか分からない、何がオススメか分からないという場合は多いと思う。なので完全に独断と偏見で少し書いておく。

 まず最初に見るならstay nightと見せかけて私としては[ Fate/Zero ]を推す。Fate/Zeroは本編(=stay night)の前の話でこれがまたufotable製作でよく出来ており、Fateのアニメの中で一番面白いと言う人もいる。2011年のアニメだが実際、今でも十分通用するクオリティ。主人公とヒロインがどうしたこうした的な要素があまり無く、比較的硬派な展開で1話1話が濃い。「聖杯戦争」とはどういうシステムかを理解するにも良い作品(ただし、本質的な部分は出ない)。1期は正直そこまで盛り上がらないが、2期からかなり面白くなって来る。

 Fate/stay nightから見るなら[ Unlimited Blade Works ]からで良いと思う。ufotableが手掛けているのでクオリティに間違いは無い。ストーリーの背景解釈がそこまで鑑賞者任せではないし、”Fate”ルートを描いたDEEN版は正直、今見るとさすがに絵柄が・・・と思うので。ただしUBWはTVアニメ版と劇場版があり、見るならTVアニメ版を推す。単純に尺の問題で劇場版は評判がよろしく無い。HFほど長くはないにせよ無茶しやがって・・・。

 で、Zero、UBWと観てからHeaven'sFeelを見るのがオススメ。というかそうしないと第1章冒頭がほぼUBW任せで端折られているので訳が分からなくなる。登場人物のバックグラウンドもそうした方がより分かる。正直アニメを見るだけだと解釈が追いつかないので、2作見るかZero観てからアニオタwikiでも見ないとスッキリはしない*2

w.atwiki.jp

 [ Fate/EXTRA Last Encore ]、[ Fate/Apocrypha ]はスピンオフというか、聖杯戦争(あるいは類似のシステム)を使った別モノと考えて良い。なので見たい場合は個別にどうぞ、という感じ。登場人物も共通している人はいたりするが、stay nightのそれと全くの同一人物とは考えない方がいい。

 [ Carnival Phantasm ]系は悪ノリの権化本編パロディのお祭り企画。本編観てから見るとより楽しめる。というかそういうもの。

 [ Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ ]系はロリk・・・もといイリヤスフィールというキャラのファン向けスピンオフ的なもの。ぶっちゃけああいう系は苦手だが劇場版が作られている分、人気はあるのだろう。

 [ FateGrandOrder ]系は同名スマホゲームのアニメ版。なのでそのストーリーをプレイしてからの方が良い。あとここまでに述べたアニメを観てからゲーム、アニメに触れればキャラクターの元ネタや絡みがより分かりやすい。

 [ 衛宮さんちの今日のごはん ]はstay nightの主人公が美味そうな飯を作る日常系スピンオフ。ただこれだけ見てもその良さは分からないだろう。全て遠き理想郷

 [ ロード・エルメロイII世の事件簿 ]はFate/Zeroの登場人物が活躍するスピンオフ。Zeroを見なくとも楽しめるが、出来るならZeroを見てからの方が良い。

*1:aimerrhythmはAimer氏の別名義

*2:ネタバレがあるかも知れないので自己責任で