ヤマネコ目線

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パリに行く必要性

 書き散らし。松川るい氏、今井絵理子氏の投稿がTwitterで反感を買っている。自民党女性局がフランス研修中に撮影したとされる写真には、エッフェル塔の前で記念撮影をする姿などが写されている。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策:記事題「自民女性局のフランス研修写真が物議 SNSに投稿」)

本当に現地へ38人も行く必要があるのか

X (Twitter)より

 女性局長の松川氏は「フランス研修に来ています。3才からの幼児教育の義務教育化、少子化対策、政治における女性活躍などの課題について、仏国会議員や行政担当者と意見交換させて頂き大変有意義でした」としているが、その程度のことでわざわざ38人もの大所帯で現地まで行く必要はあったのだろうか。ZOOMなどのリモート会議で事足りたのではとの指摘が多い。もちろん飛行機はそれなりに良い席を取られているのだろうが、38人分ともなれば航空券けでもなかなかな金額となる。それも実際のツアー実施は旅行会社が行っているのだろうし、その辺りの癒着も気になるところ。二階前幹事長が全国旅行業協会の会長である事実を忘れてはならない。一体いくら掛かっているのか。

 円安とそれによる物価高騰、ろくな経済政策の無い中で貧困が広がり続ける日本、ただでさえ海外旅行どころではない国民も多い。あまつさえ増税・ステルス増税といった負担が増える話ばかりが出ている中、まるで大学生の研修(という名の観光)旅行のような気分で大挙してフランスまで行き、ウキウキで撮影した記念写真を見せられて気分が良い国民はどれだけいるのか。

 それでも「それくらい許してやれよ」、と言える心の広い(あるいはある程度の余裕をお持ちの)国民もいるだろう。が、今この国では一般的に多くの人々が慎ましい生活と厳しい負担を強いられている。一方で政府は、政治家はその国民から搾り上げた税金の重みなど何とも思っていない。その状況に辟易している中での今回のパリ観光旅行。こんな事は今に始まったことではない。不満が爆発しても何ら不思議ではないだろう。それこそフランスのように暴動が起きないだけ日本人はまだ大人しいと言える。大人し過ぎるのも考えものだが。

それって何の役に立つの?

 問題はお気持ち的なものだけでなく、これまでの自民党の政策からしてこうした研修の成果が見えない点である。今回は義務教育の拡張、少子化対策、女性活躍推進といったことで意見交換とやらをして来たらしいが、まず自民党の政治家連中は少子化の根本的原因をまるで理解していない。理解していれば今まで打ち出されているようなゴミカスな政策は出て来ない筈だが、思考力の皆無な連中が研修に行って何になると言うのか。

 自民党に限らず政治家の連中の多くは、病気の原因が何かも分かっていないのにとりあえずで給付金だの何だのと効きもしない薬ばかり提示するヤブ医者だ。今回の研修旅行とやらが政策に生かされる見込みが全く無い。だから税金のムダなのである。

 加えてフランスと我が国はもろもろの事情が異なるし、少子化の進行度合いで言えば悪い意味で先進国である。その点、訪問先にフランスを選んだ理由も釈然としない。どうせなら移民問題についても意見交換をすれば良かったのではないか。肝心のそういう部分はすっとばしている。結局、観光で「アタシ、憧れのパリに行きたいわ!」ということだけでパリ訪問を企画したのではないか、としか思えない。

今井絵理子氏の発言

X (Twitter)より

 炎上の発端となった今井絵理子氏のツイートは火に油を注ぐこととなった。氏は元SPEED(女性4人のアイドル)で、知名度だけで当選したのではと思われることが多い。本来ならばそういった世間からの評価を覆すだけの頑張りを期待したいところだが、このツイートだけでもこれまでの世間からの評価を補強して余りある。「政党助成金であって税金ではない」と言いたいようだが、氏は政党助成金がどこから出ているのかすら把握していない、把握せずに反論になっていない反論しか出来ないのである。

 ちょっとした事で何から何まで決めつけるのは良くないとも思うが、一方で「一事が万事」、このようなちょっとした所にも思慮の無さ、浅さが透けて見えてしまう。だから余計に反感を買う。

 政党助成金として交付されている以上、使い方は自民党の自由なのかも知れない。しかし本当にこうした使い方がお金の有効な使い方なのか、よくよく考えてもらいたいものだ。何なら国庫に返納してもらっても一向に構わないし、議員報酬だってもっと削るべきである。今の働きでは10分の1にしたって多い。恵まれ過ぎているから国民の痛みも怒りも分からないのではないか。議員宿舎の家賃だって、元から相場より安いのをさらに値下げしてるしな。

 また、冒頭に貼った氏のツイートも反感を買う一因となったのは言うまでもない。「内政の失敗は内閣を滅ぼすと言うが、外構の失敗は一国を滅ぼす」と偉そうに引用したものの、「内政の失敗で一国を滅ぼしそうになっている自民党が何を言うか」との批判が相次いだ。ここ数十年、経済を停滞させ続けて少子化を加速させ続けて来た事実を見れば当然の批判。私も同意見。

 この言葉は調べた限り歴史上の偉人の言でも何でもなく、高村正彦氏の父、高村坂彦氏の言葉のようだ。自民党内の研修で知ったのか、受け売りか。ただでさえ増税の話で内閣支持率が下がっている中で、こうした言葉を下手に持ち出すあたりやはり考えが浅い。まともな内政をしてから言って欲しい。

 松川氏はこの件に関して「中身のある研修なのに私の投稿のせいで誤解を招いており」、と言っていたようだが、その言い回しもいつまでも治らないものかと思う。「誤解を招いた」というのは言い換えれば「誤解した国民が悪いのであって、自分たちは本質的に何も悪くないと主張しているに過ぎない。その感覚のミスマッチがさらに反感を生む。何が「誤解」か。言ってみよ。我々は何も誤解しない。

 ヤフコメを見ると専門家の方々は研修自体には肯定的なようだがあえて言おう。行かせるだけムダ。