チームみらいは消費税減税に反対のようで、代わりに社会保険料改革を打ち出している。それは分からんでもない。が、これは官僚の戦略の1つ。「二兎を追う者は一兎をも得ず」で国民を「消費税減税派」か「社会保険料改革派」かに分断し、それによって結局どちらの負担軽減も実現しないことを狙っているように見える。私は優先順位の問題でどっちも下げろと思うばかりだが、この辺りを掻き回しに来たチームみらいの思惑は何か。
加えてチームみらいはベーシックインカム賛成と来た。
AIが生む格差「速い政府」で対応 チームみらい・安野貴博党首https://t.co/4V5fq9a4V2
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) 2025年12月16日
社会保障は実額ではなく「インフレ率と連動して再分配を実現するパラメーター(変数)」ベースを想定。ベーシックインカムには賛成の立場を示します。#超知能 #日経_連載 pic.twitter.com/K830Fe1Tt0
ベーシックインカムについては過去に論じた通り。早い話、実現するには150兆円規模(少なくとも100兆円規模)の予算が必要とされる。これは現在の日本政府の予算ほぼ全額かそれを超える額に当たる。その財源のために今ある社会保障は全て廃止され、最低賃金のような規制も撤廃*1される。社会を今より自己責任化し、政府がベーシックインカムを運営する企業に中抜きさせ、なおかつ日本人の給与をさらに下げるための制度でしかない。
悪い意味で有名な竹中平蔵も推進している。これを言い出した時点でチームみらいに対する私の見方はいっきに悪くなった。チームみらいは大きな「ベーシックインカム」という利権にITエンジニアとして食い込みたいだけなのだろう。
ベーシックインカムの必要性を「AI失業への備え」として正当化しているが、今はまだAIがどこまで金になるかは未知数である。それによってAIバブルが崩壊するのではとも言われており、国民を脅すにしては少し物足りない。政府、行政の運営をAI化してコストカットを図ることは必要だと思われる一方、政治家の意向によってころころと変化する法制度に毎年いいように対応できるだけの能力はまだAIには無い。AIが現在していることと言えば画像生成や音楽生成で人間の豊かさを圧迫すること程度であり、確定申告1つ任せられない。
官僚にしても自分たちの仕事を簡単には奪わせないだろうし、今、政府の金遣いで問題なのは政府行政組織そのものではなく、成果を出せない官民ファンドや悪質業者を肥え太らせるだけの助成金事業、こども家庭庁のような余計な役所の多さと予算、政治家主導の何の役にも立たない少子化政策にかかる費用である。AIを駆使して多少の行政業務を効率化したところで根本的な問題は解決せず、AIも道具なのでそれを使う側が愚かなら良い結果は出ない。
この点、チームみらいはどちらかと言えば「官僚をAI失業させたい」側、「余計な予算を食いたい側」にしか見えない。官僚の給料だ椅子だ、知らない人の湿布代だ、そんなものよりもっと削るべきものがあるだろう。彼らがAI化で削るのはシロアリ企業ではないし、彼らに政治を任せて自分の手取りが上がる未来は見えない。
何なら真っ先に国会議員をAI化して欲しいくらいだ。年収3,000万だボーナス200万だ何だ貰いながら、ちょっとChatGPTに相談すれば分かることが分からない政治家が多過ぎる。見当外れの少子化対策を続けて経済音痴で国を衰退させ続けている自民党。ジャパンファンドのような金融音痴も大概なものを平気で推してくる野党。官僚の書いた内容を読み合うだけの茶番と化した国会。どうしてこんな奴らの給与を税金で負担する必要があるの?
ベーシックインカムで暮らしは楽になるか
と言えば私はNOだと思う。ベーシックインカムで月々10万だかいくらだかが確実に貰えるとしても、その分、社会保障が削られるのであれば生きづらさは変わらない。健康保険制度まで無くなればそれこそアメリカみたいになるだろう。少し重い病気をすれば人生が詰む。
そもそも民間の経済活動から政府がたんまり横からぶんどってベーシックインカムなどと言ってお金配りする必要性が分からない。そんな事をするなら最初から取るな。再分配にしたって限度がある。「税金から給付します」、ではその税はどこから出てくるんですか。そもそもベーシックインカム制度自体が永久機関のような絵空事で先が無い。
「働くのアホらしいので納税やめるわ」と国民の大多数が考え始めればとたんに予算が枯渇するので、今より逃げようのない税金を大幅に上げて来るのも間違いない。消費税30%、固定資産税や自動車税、相続税も大増税、となったら結局苦しいのは同じ。結局、10万円程度の給付が受けられても大半が税金に消える。大企業に相応の納税を求めるかと言えばそれもしない。海外の巨大企業からも税金を取れない。今の政治を見てもそれは明らか。
それに、世の中「誰でも出来ること」、「誰でも持ってるもの」に価値は無い。もし「誰でも月10万円はもらえます」というのが前提になるならば、企業はそれを織り込んで商品に値付けをするだけである。「10万円」の価値がベーシックインカムを導入する前後で変わらないと思っているならただのアホだ。
物価はさらに上がり、「ベーシックインカムだけで暮らしていける」などということはなく、たとえ最低賃金制度が廃止された後でもどこかで労働しなければ暮らしていけなくなる。そこで良い条件で働ける人間は更に富を得て、一方では労働意欲を完全に失ってベーシックインカムだけで暮らす極貧困層が量産される。格差拡大の極致である。そうなると反社会的勢力も幅を利かせるようになるだろう。ベーシックインカムの予算は膨大なので治安維持に割ける予算も圧迫するはず。薬物汚染が広がり、外国人も増え続けて治安は悪化する。
結果として必要だった社会保障や規制だけがキレイに全滅し、国民にははした金の給付と治安の悪くなったカスみたいな国が残る。目先のはした金のためだけに国民が必要なものを捨ててしまえば、今より確実に酷いことになるだろう。
AI失業はどこまで現実的か
「価値」は相対的なものである、という視点は一端横に置いて、AIが思ったように金を生むかと言われると難しいと思う。少なくとも今のところAIは学習したことしか出せない。新しいものを生み出す力、新しいものに適応する力を人間の価値とするならばAIはまだまだそれに及ばない。
AI製で満足できる程度のものなら金になるかも知れないが確実に単価は落ちるし、そうなれば果たしてそれを膨大な電力や設備投資によって賄うことが適切か、という問題が出てくる。AIはこれまでその概念が無かった世界に薄利多売の概念を持ち込む道具でしかない。薄利多売を持ち込んだ上、薄利ゆえにAIの学習データを提供してくれる人間が居なくなった業界は先細りする。
AIは存在価値も学習データも自ら食いつぶすウロボロスである。
「AIを使えば誰でも出来ること」に価値が無くなるだけで、「AIを上手く使える能力」や「AIが入り込む余地が無い/少ない」あるいは「AIにはどう頑張っても無理」なことの価値が上昇することも明白。人間は価値観において「人間がやる」ことに重点を置く。なぜなら「同じ人間という種だが自分には出来ないことが出来る」個体こそが敬意に値するから。ピアノの自動演奏がいかに上手くミスなく演奏しようが一般人は誰も拍手を送らない。金も払わない。しかし人間がやれば違う。
AIは生身、物理的な肉体がこの世界に存在しないのでそれを必要とする仕事も代替しづらい。機械化するにしても実用上は限られるし大抵は人間の方が安い。労働時間の管理が必要無いのは利点だがそれは=メンテナンスフリーではない。
ゆえに、AIが普及しようが人間の仕事はそこまで無くならない。ただし、AIで代替出来る程度の仕事しか能力的に出来ない人間は確実に苦しくなるだろう。その点においてAIは格差拡大の道具として機能し得る。能力が無い人間は無いなりに仕事を選ぶしかない。
唯一例外的にAIが金になるとすればそれは「人命をAIに替えられる」分野。特に軍需産業。命は”薄利多売”できない。これからの戦争はまずAI兵器でお互いの戦力やインフラを削り合い、その後で人間が侵攻するAI前哨戦構造になるだろう。そこでAI兵器を用意できないor相手に削りきられれば、AI相手に命の薄利多売を強いられることになる。
現に、今のウクライナ戦争ではAI搭載ドローンでロシア兵や北朝鮮兵が命を落としている。ドローンよりは銃弾の方が安いが、お互いに身を晒しての撃ち合いと遠隔から一方的にドローンで命を奪われるのでは明らかに後者に非対称性がある。
それでも戦争というものが人間同士のものである限り、人間の兵士は失業しない。
余談:ジャパンファンドもやっぱり胡散臭い件
与野党問わず政策、推している人間を見て是非を考えなければならないと思う。与野党問わずろくでもないブレインを据えてろくでもないことをしようとするものだ。
GPIFでコンプラ違反で特定企業への便宜が問題視された植田栄治が、公明党のジャパンファンド検討の有識者だった。
— opp (@oppekepe7) 2026年1月28日
年金資金との分離や法的整合性を慎重に検討しなければならないのに、何でこんなコンプラ違反野郎を呼んでんだ? https://t.co/46b8ZuRwNq pic.twitter.com/36S2sO2veo
中革連のジャパンファンドの有識者て
— 若草ミドリ (@wakakusamidori_) 2026年1月27日
【弥助問題】のデービッド・アトキンソンさん!?
え、あれここに繋がるんだ?
しかも公明 岡本三成さんのゴールドマン・サックス時代の同僚
他の有識者の元GS植田栄治さんは
GPIF役員の時にGS人脈との癒着問題で監査報告「国民の信頼を大きく損なった」…うわぁ pic.twitter.com/psDtZDuWX5
https://t.co/Jp1hI3pxfL
— ねこぽん@そろそろアレくっぞアレ (@aradnekopon) 2024年10月31日
平成四年一月二十四日 左記の者の申請に係る日本国に帰化の件は、これを許可する。
陳三成(岡本三成)昭和40年5月5日生
へぇ、このフローレンスの駒崎が身元を隠して演説に行く親友、公明党の岡本三成さんは帰化人なんだあ、へえ
帰化人なのか、へぇ https://t.co/7KLiWIAmM8 pic.twitter.com/8w3rUPO0Rg
それに加えて公明党の政務調査会長、岡本三成氏、実は帰化人だったと。Wikipediaにこれを書くと誰かが爆速で消しに来ると。ほーん・・・。中革連の「中道」が「中国へ続く道」だと言う揶揄もあながち間違いでは無いかもな。
余談の余談:ChatGPTの使い方
以前、国会答弁でどう答えれば良いかを質問書丸投げでChatGPTに聞いていた大馬鹿国会議員がいたが、まず自分の頭で考えてからその内容について相談するべき。最初から自分の頭で考えることを放棄するのは論外。
また、ChatGPTは人間に対して絶対に否定的なことを言わないのであえてChatGPTに自分の意見と異なる見解を提示するように誘導しなければ、間違ったことでもどんどん肯定されるばかりで裸の王様になる。「~ではこういう意見もありますが、これに対して批判的な観点から論じてください」などと指示しなければ自分で気付けない部分が見えてこない。
耳に痛いことも進んで言ってくれる、というのがAIには出来ない人間の良いところかも知れない。問題はそれを聴く気があるかどうか、だが。
