ヤマネコ目線

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奈良県民の意思

 Twitterにて奈良県民が叩かれていたので、何かと思えば一部の人間が「安倍元総理が暗殺されたのに奈良県民は石碑の1つも残さないのか」、という感じの話だった。現場に設置された「献花などはお持ち帰りください」という趣旨の貼り紙も気に障ったという人がいた。

 安倍元総理への個人崇拝気色悪いなあと思うし、荒らしみたいなもので構ったら負けだと思っているのだが、それに関して奈良県民として少しだけ書いておきたい。それにしても、奈良県民全体を侮辱するような投稿が多かったのは残念。「朝鮮人」だの「隣の大陸から」だの、すぐに大きな括りで敵を作るのが好きだねえ。

現地を知って言っているのか

 安倍元総理が銃撃されたのは大和西大寺駅の前である。ハブ的な駅でもあるので開けた場所で人通りも多い。下の画像を見ればよく分かる。

 交通量が多いからここで応援演説をしていたのだろうが、こんな所に安倍元総理暗殺の記録として石碑を建てろだのたまったものではない。私は地元民ではないがこんな所に何かしら建てろと言われたらそりゃキレる。献花ももう、国葬も終わったのだからそこそこにすれば良い。んなに安倍元総理が好きなら銃撃現場なんぞよりもお墓に参って来い。

 Twitterでは自称文化人が「奈良県は様々な文化的遺産があるから多くの人が訪れるのに、奈良県民は安倍元総理が暗殺された痕跡すら消し去ろうと言うのか」などと言っていたが、石碑だの銘板だの残さなくたって暗殺が無かった事になんかなるかボケ!と言いたい。少なくともこの国がまだ当面存続している間は教科書なり何なりに載ったりして、暗殺の事実は残る。逆に国葬もそうだったが、そこまで石碑やら何やらにこだわって安倍元総理を持ち上げようとする理由は何なのか。そういうことやりたいなら有志で勝手にやれ。ちょうど大和西大寺駅から徒歩約4分のところに旧統一協会の奈良家庭教会があるので、そこでも更地にして有志に安倍晋三神社でも建ててもらえ。死んだ人間に税金をやたらめったら使おうとするな。国葬12.5億円でまだ足らんか。次は仏塔か?神社か?古墳でも建てるか?

奈良県という土地

 奈良県民としては、「動かしづらい余計なものは出来る限り建てたくない」という感覚もあると思う。「歴史深い土地」と言えば聞こえは良いのだが、一方でちょっとその辺を掘ればすぐ遺跡だ何だと過去の遺物が出て来るのが奈良という土地。道路を作るにも遺跡が出てきて工事が数年ストップ、病院の駐車場をちょっと工事しようとしたら土器か何かが出て来て工事がストップ。県民は主に開発面で散々その「歴史深さ」に足止めを食らって来た。そうした「後々まで残っていくもの」を建てることに関しては割とシビアな考えがあるだろう。いくら非業の死を遂げたとはいえ、旧統一教会の問題が明らかになった以上はなおさらだ。

 一番大事なのは今を生きている我々の今の暮らし、そして未来に生きる人々に何を遺せるか。過去にそこまでこだわる必要はない。歴史的な物なら十二分に残っている。

 そもそも、本当に偉大な政治家で国民の生活・国を本当に良くして来た手放しで褒め称えられる政治家であればここまで国葬への反対も広がらなかったろうし、石碑なんかももう、建ってておかしくない頃合いだろうけどな。つまりはそういうこった。今のこの国の現実を見ろ。

余談:旧統一教会ばかり叩くな、か

 一部の人間は「旧統一教会は叩くけどじゃあ創価学会幸福の科学は叩かないのかよ」と言うが、するってえと何かい?「その2つをこれまで見逃して来たから統一教会も見逃すべき存続させるべき」とでも言いたいのか?私の意見は違う。これまで日本人は、日本国民は叩くべきものを叩いて来なかった。是正すべき点を是正する努力をして来なかった。その結果が現状であって、我々はいい加減に目を覚ます必要がある。

 創価学会幸福の科学が見逃されて来たから、だから何だと言うのか。これまで叩くべきものを叩いて来なかったらこんなザマになった。高い授業料を払ったのだから、そこからいい加減に学ばなければならない。「信教の自由を尊重してカルトを野放しにするとろくな事がない」と。逆に先の2つやその他のカルトが蔓延った、見過ごされて来たのは、ほかならぬ政権与党がカルトと一体化していたからとも言える。ここで我々が言うべきは「あいつらが許されて来たから統一教会も許そう」ではない。「いい機会だからカルトはまとめて血祭りに上げよう」だ。

 私は無神論者でありアンチ宗教だが、何かを信じなければ生きていけない弱い人間がこの世にいることは理解している。何かを信じて救われる人間がいることも理解している。宗教的な儀式が人々の暮らしに根ざしていることも何ら問題ないと思う。なので宗教を十把一絡げに否定するつもりは無い。しかし、どんな形であれ信者あるいはその家族を苦しめる宗教は宗教とは認めない。それは邪教であり信教の自由の内に認められるべきではない。「自由」には責任が伴う。

余談:円安支援について

 まったく関係ないが、岸田総理が最近打ち出した「円安のメリットを生かせる企業を支援する」政策、私はまったく評価しない。円安のメリットを生かせる企業は政府が何もしなくたって儲かる。わざわざ支援する必要はない。普通、逆だろ。バカかよ・・・。要は「円安に打つ手ありません」という事なのだろうが。

 この不安定な世界情勢の中、上がらない給与と物価上昇の中でもインボイス制度という実質的な消費増税で弱者をいじめ、必要な所に予算を割かない、支援もしない。落ちる為替も打つ手なし。防衛費の財源のためにまた増税を目論む無能さ。「悪夢の民主党政権」なら現状は何だ?「地獄」か。日本国民はお布施ならもう十二分にしてる筈なんだがな。