ヤマネコ目線

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少子化の遠因

 書き散らし。いつも以上にただの感想文。

 何となく少子化の原因って何だろう?と考えて思い当たる事はいろいろあるが、メディアの発達というか、今まで見えて来なかった、見えにくかった問題がより見えるようになった、というのは大きいかもなあと思っている。ここで言うメディアはマスコミに限らずネットも含む。加えてそこには万年不景気に生まれ育ったがゆえの価値観も影響している。

 たとえばPTAを巡るゴタゴタ、両親はあまりそういう話をしなかった(うちに限った話かしらないが)、ネットやテレビの特集などで取り上げられる際は大抵、良い話題ではない。保育園の不足、学校の理不尽な校則、無くならないいじめ問題、etc.。私はそもそも恋愛も結婚も子育ても無縁だが、それでもそうした話題を見ていると嫌になる。結婚も子育ても幸せなのかも知れない。しかし決して不幸と無縁ではない。

 現代女性の在り方もメディアを通じて嫌な面を目にする事が多い。世間ではパパ活という名の売春が横行しているが、もうそれだけで気色が悪くて仕方がない。女性全員がそういう事をしている訳ではないが、ちょっと綺麗な女性を見ても純粋にその存在を見ることが出来ない。不相応なブランドモノなんか持っていたらなおさら。仕事で完全に割り切っている訳でもないのに、自分の体や身につけているモノを性的な価値として切り売りすることに抵抗がない、もうそれだけで気持ち悪いにもほどがある。どれだけ今の女の中には売春婦が多いんだ。

 変わらない価値観も問題で、未だに年収500万600万が普通だと思っている女がいる。20代でそれだけもらえるのはごく一部なのに、それが「普通の条件」だと思いこんでいる女がいる。これに関してはそういった価値観が形成された時代に生まれ育ち、その後、日本があまりに急に凋落しつつあるので一方的に責めることはできないが、何にせよメディアでそういう論調、価値観を見かけるたびにウンザリする。マッチングアプリなんかもやってみたが正直、こっちにやる気が起こらない。「実家暮らしは寄生虫」なんていいながら、女性の実家暮らし率は高い。

 小さい頃から不景気だった世代としては、買い物1つするにしてもかなり吟味するように育てられた。お金を出すからにはその価値をよくよく吟味するように。失敗することは恥であり損失でありムダである。下手に妥協するくらなら何も買わない方がマシ。そうして育てられた人間が、上記のような見えている地雷をあえて踏みに行く気になるだろうか。少なくとも私はならない。

 まず相手探しの段階で妥協できずに終わるケースが多い。下手に妥協するくらいなら結婚などしない方がマシである。特に女性は結婚しなくても平気なケースが多く、自殺率のデータを見てもそれは明らか。特に現実は妥協を強いられる事の方が多く、恋愛などその最たるもの。不景気に育った人間はしかして妥協する事が苦手であり、相手選びで妥協できずそこでもう躓く。結婚まで行っても離婚する。離婚率は今や約35%であり、良くも悪くも一生添い遂げるなどと言うことは無くなっている。

 運よく結婚するとなってもその先に男性を待ち受けるのは結婚指輪、結婚式。それを難なく用意できる人間ばかりではないし、そこで相手が妥協してくれなければその時点で亀裂が入る。もう高度経済成長期でも何でもないのだから、いい加減に結婚式なんてムダな事はやめてハネムーンの費用に回しましょう、くらいのものになれば良いのだが。指輪に至ってはあまり高額なものを買うのが正直ムダ。離婚率約35%の中で将来、どこまで一緒にいられるか分からない相手にどれだけのものを贈ることが出来るか。裏を返せばそれが愛の証となり得るのだろうが、誰だって離婚する前提で結婚などしていない訳で、離婚率のデータはどこまでも厳しい現実を突きつけて来る。夢さえ見ることは弱者には許されない。

 子供が出来てもそこにはリスクが多数存在する。それらのリスクを飲んでまで子育てをするのは、よほど子供が好きな人間でないと出来ないだろう。まず入れる保育園が無いかも知れない。そうなると女性の雇用は危うくなる。建前上はどうあれ育休を長期間取得する女性に優しい会社は少ない。そうなれば低賃金化する日本では二馬力でなければやっていけなくなりつつある中、家計をどこまでの水準に維持できるかが怪しい。そこにPTA、ブラック校則、いじめ、子供を狙う不審者。そんな中で塾にも通わせ、きちんと教育し、スマホ依存や引きこもり問題にも対処し、まともな大人を育てるのはどれだけ難しいのだろう。将来を考えられる人間ほど、今の状況は何かを始める前から挫折するのではないだろうか。

 今思えば自分の両親の世代は凄いなと思う。「親を超える」のが当たり前ではなく「親って凄かったんだな」と思うのが今の世代。

 政治に関しても悲観的な人間は多いだろう。上の世代の方が人口が多く投票率も高い。なので若者がいくら投票に行こうと絶対的に不利であり、若年層の意見が政治に反映されることはない。人口ピラミッドのバランスによって票の重みを調整すべきだと思うが、当の老人である政治家先生方がそんな事をする筈もなく。今までは政治に無関心な若者(自分より下の世代)を正直、見下げていた節が自分の中にあったが、20代も終わりつつある今、むしろそういう若者の方が賢く思えつつある。関心を持ってもムダなのだから、最初から無関心である事はある意味で賢い選択だ。政治について考えたところで何にもなりはしないのだから。

 正直な事を言えば最近、もう人間そのものが嫌いになりつつある。私自身もふくめて特に現代日本の人間は醜い。つまらない。野生のネコの方がずっと尊い存在に思う。まあ、行く所まで行けば良いんじゃないですか。この国はもういっそ一度滅んだ方が良い。いろいろと歪み過ぎ。針金でも紙でも何でも、大抵のものは変な歪みや折れ目が発生すると完全に元の状態には戻せない。それが戻せるとすれば、一度溶かして再成形でもした時だけだ。我々の世代は「時代ガチャ」には恵まれたかも知れないが、「政治ガチャ」は完全にハズレである。