ヤマネコ目線

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デジタル推進委員制度を悪用する

最初に断っておくが私が悪用する訳ではない。

 書き散らし。政府は「デジタル推進委員」を2万人配置し、高齢者らのIT利用支援を打ち出した。

news.yahoo.co.jp

IT支援して欲しいただし無給な

 テレビは肝心なことを伝えていないが、前々からTwitterで少し燃えたりして知っている人は知っている通り、この「デジタル推進委員」とやら"無給"である。パソナの中抜きに払う金はあるが、高齢者支援の実務にあたる人間にはびた一文払う金は無いらしい。契約は1年間で自動更新である。ん?自動更新?

www.itmedia.co.jp

 上リンクの記事を読めば分かるが一応、交通費は出るようだ。一方で推進委員になるには総務省の定める「デジタル活用支援推進事業」の講師向け講習を受けること厚生労働省の定める「障害者ICTサポート総合推進事業」で活動実績があることなど、無給とは言いながらそれにそぐわないハードルまである。必須ではないような雰囲気もあるがマジでいい加減にしろよ。

 毎回この手の政府の話は程度が悪すぎてウンザリするが、それにしても酷い。東京オリンピックはまだ世界的に大きな祭典であったから、無給でもある程度はスタッフが集まっただろうが、好き好んで年寄りのITサポートを無償で引き受けたい人間などどこにいるのか。家族ならまだしも。

金がもらえないとなれば

 どこぞのマンガではないが、「タダで」と言うのは「無責任で」と言い換えることも出来る。お金がもらえるからこそ人はそれ相応の労働をしようと思うものだが、それが出ないとなるとどうなるか。”無給”でも喜んで寄ってくる人間はどういう人種か。そう、詐欺師である。

 支援対象となる高齢者は詐欺師にとってカモであり、政府のガバガバ支援対策やセキュリティでは何なりと、その高齢者に関する情報収集が出来る機会はあるだろう。特にアプリの設定、支払情報の登録まで関わってくると怪しくなる。電話番号やメールアドレス、セキュリティコード、各種パスワード、マイナンバーの収集、クレジットカードのスキミングなどあらゆるリスクが潜んでいる。

 そうでなくとも、もともとデジタル支援が必要な世代はある種の「弱者」である。参加者の情報を売るだけでも利益になり得る。人は対価が無ければ別のところでそれを得ようとする可能性が高く、現時点での政府方針は甘いどころか恐ろしい。悪い意味で頭のキレる人間は、私のような素人が思いつく以上のことを考えて実行に移すだろう。どんな形で政府の愚策が悪となり顕現するのか、ある意味で見ものである。