ヤマネコ目線

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弱者量産・飼い殺し論者

 昨日、竹中平蔵が「私が弱者切り捨て論者というのは誤解だ」という記事が悪い意味で話題だった。Twitterでの話だがまあツッコミしかない。

news.yahoo.co.jp

切り捨て論者ではないかも知れないが

 よくよく考えて見れば、氏は確かに弱者「切り捨て」論者ではないかも知れない。弱者量産・飼い殺し論者である。もっとタチが悪い。年功序列型で終身雇用というのは確かに古いが、竹中平蔵が推し進めた非正規雇用の拡大が社会的弱者を大量に生み出した事は間違い無い。そして今度は自身で生み出した社会的弱者のためを装ってベーシックインカムを推奨し、今ある社会保障を切り崩させ、ベーシックインカムに予算を回させてその給付事務費用で儲けようとしている。氏の本心からすれば、「弱者を切り捨てるなんてもったいない、もっともっと私の養分になってもらわないと」、だろう。

 そもそも「若者には『貧しくなる自由がある』」などと言う人間のどこが信用出来るだろうか。氏の考えている事は切り捨てではないにせよ「弱者救済のためでもない」。本心はただの利益誘導だ。誤解というのは便利な言葉で、嘘つきが「違う」と明確に否定できない場合に好んで使う。

ベーシックインカムに関する議論

 上の記事で竹中平蔵は、ベーシックインカムに関する具体的な制度像についてはボカしている。もちろん、その中では既存の社会保障がどこまで切り崩されるかも明言はない。月7万円というのは既存の社会保障をある程度残す前提のようだが、それがどこまでのものになるのか。年金、健康保険は一体どうなるのかは不明瞭だ。これまでの事を考えれば、竹中平蔵がそういった霧のかかった方向から手招きをしていて不気味に感じない方がおかしい。私は単純に竹中平蔵という人物が信用ならないから、氏が推進するベーシックインカムにも信用を置かない。

 ベーシックインカムという考え方自体は面白いと思うし、その根源にあるのはより良い社会を望む崇高な意図であろう事は理解している。しかし、そういった欧米で生まれた素晴らしい思想が日本に輸入されるのは、往々にして竹中平蔵のような人間によって歪に捻じ曲げられてからである。そもそも竹中平蔵ベーシックインカムを推進するのは、そこにビジネスとして一枚噛んで甘い蜜(=税金)を吸う事が目的であって、日本でベーシックインカムを導入しようとする限りはその動きから逃げられない。税と社会保障の改革をするにしても、本当に何が必要なのかはよくよく検討する必要がある。政商に騙されてはいけない。

正規が非正規を搾取している?

 竹中平蔵の言うことで理解に苦しむには「正規が非正規を搾取している」という所。ただの労働者同士を争わせるための対立煽りとしか思えない。同じ仕事内容で非正規が正規よりも賃金が低いならば、それは「経営者が非正規を搾取している」に他ならない。そこで経営側に矛先を向けさせないために、竹中平蔵が嫌いな「日本人が他人の足を引っ張る」性質を利用して、非正規に正規の足を引っ張らせようとしている。つくづく厭らしい男だ。

竹中平蔵の言うことは何があっても信用しない

 氏の言うことは中には賛同できそうなものもある。しかし前述したように、労働力の搾取という点においては明らかに認識がおかしい。一見、それらしい意見でもその裏にどんな目論見が隠れているか分からない。成功者の足を引っ張るなと言って、庶民同士で足の引っ張り合いを高い位置から見ているような人間はどのような事があっても信用してはいけない。詐欺師に一回騙されてもうまく言い込められてまた・・・というのはただの愚か者だ。

 たとえば上の記事で氏は被選挙権の年齢制限引き下げに言及している。若者の政治参加を促すと言えば聴こえは良いが、より操りやすい人間を求めているとも取れる。裏から支配するには若造で世間知らずであればあるほどちょうど良い。そういう面では小泉進次郎みたいなのがうってつけなのだろう。