ヤマネコ目線

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河野太郎氏の「やから」発言他、時事ネタ

 河野太郎氏が先の街頭演説における発言について釈明した。

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(記事題:河野太郎氏、やから発言釈明 「言葉の選び方は慎重に」)

 問題の発言は東京都議補欠選挙における応援演説に際し、聴衆からヤジを浴びせられたことに反応して「選挙妨害に近いことをやる人が増えてきた。こういうやからを許しておいてはならない」と発言したもの。

 つばさの党が選挙妨害で逮捕されたことは記憶に新しく、聴衆からのヤジを氏はそれに準ずるものと捉えたのだろう。正当性のある批判であってもそれが選挙活動を妨害する意図をもって行われるものであれば確かに良いものでは無い。

 一方で「こういう輩」発言は故・安倍元総理の「こんな人たち」発言を想起させる。「嫌いな奴をどう扱うかでその人間の本性が分かる」というセリフがあるが、まさにこういう所に河野氏の本性が表れている。自分自身に対する批判を正面から受け止める気がなく、相手を敵か味方かに分けて考えて強権的に物事を進めようとする。それがリーダーシップだと思っている。

 河野氏マイナンバーカード普及等の取り組み方や、過去の批判に対する反応を見ていてもそれは感じられる。Xでは少しでも気に食わないことを言う相手は即ブロック。メディアでも批判的な意見に対して真摯に受け止めている所を見た覚えがない。輩発言についても「釈明」であって「謝罪」では無い。むしろ「悪ノリに近い」と批判している。

 氏は良く言えば断固とした意思で何かをやり遂げる力があるのだが、一度決めてしまうとなかなか融通が利かない。誰かが上から方向性を修正しなければ悪い方向に向かって暴走した時に止められず大変な事になる。自分自身で批判を受け止めて針路を修正できる人物ならまだ良いがそうでは無い。一部では次期総裁=総理大臣候補と見なす向きもあるようだが、氏のような人物が総理大臣の器とは思えない。押印廃止は良かったがそういう方向性を決めてくれる上司が必要。

石丸伸二氏の裁判

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(記事題:安芸高田市・石丸伸二前市長の「どう喝」訴訟 二審も市議への名誉棄損認める 安芸高田市に損害賠償支払い命じた一審判決を支持 広島高裁)

 東京都知事選挙に出馬している石丸氏も個人的には信用できない人間の部類に入る。この裁判は石丸氏が「市議から恫喝された」と名指しでXに投稿した事に対し、市議から名誉毀損で訴えられたもの。SNSに晒し上げて味方を増やそうという発想が今どきらしい。

 裁判ではSNSへの投稿は市長としての広報活動の内、職務であり責任は市側にある=石丸氏個人としての賠償責任は認めないという判決が出ていたので、支持者からは「石丸氏が裁判で負けた訳ではない」との声もあるようだが、客観的に見てSNSに投稿したのは石丸氏であるし、市長であった石丸氏も市側ではあるのでその擁護は無理がある。むしろ市側に責任があって市長個人の責任を問わない判断が謎。「市議から恫喝された」とSNSで発信するのは広報活動の内なのか?

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 また、石丸氏は令和2年の選挙におけるポスター制作費用等についても業者から民事訴訟を起こされて敗訴している。氏は「業者の勘違いに対する司法の評価が興味深いことになった」とコメントしており、法廷で司法の判断を突きつけられてなお自分自身の非を認めず、あくまで悪いのは”勘違い”した業者と間違った判断をした司法であるとの立場を崩していない。

 明らかに不誠実で司法を尊重しておらず、このような人物がいくら綺麗事を並べても説得力が無い。暇空氏に対する煽りも過去の発言と矛盾した上に品も無い。都知事選挙、混沌としていて部外者としては見ものだが、ここまで来ると何だかんだ言って現職が一番強そう。

 一応書いておくが私は都民では無いので誰を支持しているとかは無い。蓮舫氏に至っては主張している内容が「国政でやれよ」としか思わないし、田母神氏に至っては一部右翼が支持しているだけで見込みが無い。

 石丸氏の裁判では「恫喝があった」事実は確認されなかった様だがたとえ事実だとしてもそれを公然と摘示し、名誉を傷つけた場合は名誉毀損となる。侮辱罪と名誉毀損は異なる。

機密費の使い途がおかしい

 官房機密費12億円が2019年~2022年度で全額引き出されていたとの報道があった。驚くべきはこれが選挙応援にも使われたとの証言が出てきたこと。

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(記事題:機密費、年12億円使い切り 元官房長官「選挙応援に使用も」)

 これ、国の予算を使って与党に有利になるように選挙活動をしていたという事ではないのか。大問題じゃないのか?裏金問題も額が大きかったがこれは各年度で12億ほぼ使い切りという話。

 「旧民主党政権でもあった」という話もあるがそれはそれ、だったらなぜ法律で選挙活動への流用を禁止しない?官房機密費は「国の事務を円滑かつ効果的に遂行するために機動的に使用する経費」である。そもそもからして選挙のために流用することなど認められない。

 そのような目的外使用があったのなら何故、政権奪還後に問題にしなかったのか。結局、自民党も長年、機密費を選挙のために使い込んで来たのだろ。そこを突くと短命で終わった”悪夢の”民主党政権より自分達がダメージを受けるから突かなかったのだ。

 一番の問題はこの問題が明るみに出た後も何ら改善策が提示されていないこと。「裏金問題に注目が集まっているから何も対処しなくて良い」とでも思っているのだろうか。こんな事なら機密費そのものを廃止するべき。政府に使途の分からない予算なんか持たせてはろくな事にならない。袖の下にされるだけだ。

山車にされる氷河期世代

 氷河期世代の低年金対策として厚生年金の適用拡大を進めるというニュースがあった。

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(記事題:「氷河期世代」念頭に低年金対策 厚生年金活用、負担増で難航も)

 氷河期世代の年金加入期間が短いがために将来受け取れる年金が少なくなり、この対策として年金の減額調整を早く終わらせたい、そのために年金加入の範囲を広げようという話。氷河期世代に対して一応は救済策でもある。

 他方、私には社会保険料をむしり取りたいがために氷河期世代を山車にしているようにも見える。今さら氷河期世代に手を差し伸べるのはそういう意図だろう。政府は氷河期世代への救済を適用拡大における体のいい口実にすると同時に、「氷河期世代のせいで適用拡大される」とヘイト誘導まで出来る。

 つくづくろくでもない、増税社会保険料の引き上げを前提とした打算でしか動けない無能政府。こういう所で回る頭をどうしてもっと国をまともに動かす方向で使えないのか。国民は世代間で足の引っ張り合いをするのではなく、いい加減に無能な政治家を上から引きずり下ろすべき。

 最近はスメハラだフキハラだと何でもハラスメント扱いする傾向があるが、これは国民全体が生きづらさとストレスを互いに押し付け合いしているだけに思う。”お上”からすればこれほど御しやすい国民はいないだろう。どれだけ不満があっても上に向かって爆発する訳ではなく、国民同士で足の引っ張り合い、ストレスの押し付け合いで何とかしてくれるのだから。そろそろ上に向かって爆発しても良いのではないか。

 逆に旧統一教会問題、裏金問題、機密費の選挙利用、増税に次ぐ増税社会保険料の引き上げで爆発しなかったら舐められ切ってしまう。もはや何をしても良いと思われても仕方ない。いつまで我慢するのか。今度こそ1億玉砕までか?

余談:小学生の変化

 Xで「今の小学生はうんこに行った子をからかう事が無いらしい。進歩してる」という投稿がちょっとした話題だった。確かにそれは進歩なのかも知れないが、一方で今の子どもが使う心無い言葉(内容は後述)として「アフガキ」や「片親パン」、「和室界隈」という経済的な格差を揶揄するようなものが確認されている。

 昔はクラスの中での格差がそこまで酷く無く、金持ちあるいは極貧は少数に留まっていたように思う。「ウンコマン」というからかい方は裏を返せばその程度の事しか誰かを笑い者にする要素が無かったという事ではないか。私はどちらかと言えば今の子の悪口の方が好きになれないし、世の中が進歩したとも思えない。子は親、社会を映す鏡。格差拡大は社会を嫌な方向へ導いている。

 なお、先の言葉をそれぞれ説明すると「アフガキ」は「アフリカにいるようなレベルのみすぼらしいガキ」。もう、この言葉を子どもがつかうと聞いただけでドン引きである。恐ろしい。こんなにも露骨に貧しさを揶揄する言葉、つい最近まで聞いたことも無かった。子どもは時として残酷。

 「片親パン」は「親が片方しかいない子がよく買ってもらっている安いパン」。親は仕事で忙しいので手料理を子どもに与える余裕もない、という意味も含む。何というかこう、後ろからナイフで刺されるようなゾワっとした嫌な感じがある。

 「和室界隈」は「洋風の良い部屋ではなく暗い和室でしか動画撮影できない人々」のこと。綺麗な和室ならば何も言われまいが、問題は和室そのものの是非ではない。暗に古い家に住んでいることを貧乏だと揶揄しているのである。もはやここまで来ると子ども同士の悪口に留まらない。

 子どもの間でこのような揶揄が流行る世の中、良い世の中と言えるだろうか。我々は本当に前進しているのか。「美しい国」という言葉が虚しい。