ヤマネコ目線

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旧統一教会問題は何も終わっていない

 自称保守の連中からは「いつまで言ってるんだ」と言われそうだが、10年以上前の野党議員の不祥事もこと細かに覚えて追及される方々が、与党となれば不祥事にあえて目を瞑るのはダブルスタンダードではないか。ということは先に書いておく。

何も終わっていない

 昨年の安倍元総理暗殺事件からいっきに表面化した旧統一教会問題だが、そこから何か変わっただろうか。文科省は質問権の行使などといってズルズルと問題の解決を先延ばしにし、解散命令は未だに出されていない。引き延ばせば国民は忘れる、気にしなくなるとでも思われているのだろう。

 そればかりかつい先日、教団が多摩市に新たな研修施設を作る予定であるとの報道が出た。400人程度が宿泊できる施設を建設予定であるという。なかなかの規模であり、多摩市をはじめ国士舘大学、周辺住民に不安を与えている。

news.yahoo.co.jp

www.city.tama.lg.jp

 このニュースを見て真っ先に思い浮かんだのがオウム真理教だ。オウム自体、私が物心つく頃には終わった存在だったので文献などでしかその存在は知らないが、日本各地にサティアンという宗教施設を作って様々な活動を行っていた。旧統一教会のそれがオウムのような行動に直結する訳ではないにせよ400人規模という大きな施設、一体どう使われるのか。韓鶴子が強い言葉で声明を出していたのもあいまって、そのうち「日本に神罰を与える」などと言ってテロ行為でも始めないか心配である。

 思えば政治的影響力はオウム真理教でも持つことが出来なかった。麻原が選挙で惨敗し、これはもう武力に訴えるしかないと言い出したのが大規模なテロ行為の始まりであった。その点、長期にわたって政治家に取り入り、政権の中枢にさえ影響力を持った旧統一教会は直接的な武力行使こそ無いものの、オウムとはまた異なるタチの悪さがある。政治に関わる問題が表面化してしまった以上、今後どのような行動を起こすか分かったものではない。

 何にせよ悪徳な宗教団体は日本国民が総掛かりで排除していくべきである。

統一教会と関係があったとされる政治家の現状

 リマインド。ここからは個人的にスクラップしているニュース記事から要約したことを書いていく。記載し切れない項目については下記記事などを参照されたい。

旧統一教会と「つながりが深い」議員121人、自民が氏名公表…首相「重く受け止めている」 : 読売新聞

 自民党井上義行は第一次安倍政権で首相秘書官を努め、現在は参議院議員。安倍元総理暗殺事件の直後、さいたま市文化センターで旧統一教会の集会に参加し、幹部から「井上先生はすでに信徒となられました」との紹介をうけて挨拶している。現在は党の方針をうけて教団の賛助会員を辞めているが、信徒であるのか、協力関係が完全に解消されているのかは釈然としない。公式HPを見ても「8月31日に発表した通りです」程度しか記載はない。

 同じく自民党下村博文、現衆議院議員、元文部科学大臣(名称変更当時)は2022年7月、旧統一教会の名称変更に関わったと報道されている。当人は教団からの申請の内容が法令に規定された通りだったので承認したとし、岸田総理もこれを擁護している。

 一方で霊感商法対策弁護士会は以前より名称変更を認めないよう繰り返し求めており、にも関わらず第二次安倍政権下、下村氏の下で名称変更が認められた事実がある。名称変更後が「世界平和統一家庭連合」なので統一教会と表記される。

 また、下村氏自身は衆院選前に教団関連団体から推薦状を受け取ったこと、代表をつとめる政党支部が旧統一教会の機関紙である世界日報社から6万円の献金を受けたことなどが報じられている。

 自民党岸信夫防衛大臣はすでに体調悪化を理由に議員辞職しているが、2022年7月時点で教団メンバーとの付き合いを堂々と認めている。また、同29日には会見で教団について霊感商法献金被害を起こしている団体だと認識していたと認めている。

 長男である岸信千世は2023年2月の衆院選補選で当選。Twitterでは岸信千世氏の”男だけしか記載がない”家系図が話題であった。親と親戚の七光り。それもこのご時世にあえて家系図から女性を省略する勇気はある意味すごい。

岸家は単為生殖で増えるらしい

 自民党福田達夫衆議院議員は旧統一教会との関わりは報じられなかったが、「社会的に問題が指摘されている団体との関係が問題であることは言うまでもない」としつつも、旧統一教会から支援を受けることに関して「何が問題なのか分からない」と発言している。その思考回路が分からない。

 8月5日、自民党稲田朋美衆議院議員の地元の後援団体が旧統一教会関係者によって設立されていたことが報じられている。2008年に団体が設立され、稲田氏は1年後になって後援会を立ち上げた男性が旧統一教会関係者だと知った、とされる。後援団体発足時点で相手の素性を確認しないのがまず甘い。それを知った後も付き合いを続けており、本当に最初から知らなかったのか。

 自民党山際大志郎衆院議員、経済再生・新しい資本主義担当は8月10日に旧統一教会との関係を認めている。2006年には集団結婚式に祝電、2011年7月にはナイジェリアで行われた関連団体=天宙平和連合の会合に出席。その後2011年12月に教団関連団体が後援した「アジアと日本の平和と安全を守る全国大会」に、2016年にはネパールでも天宙平和連合の会合に出席。その他、掘ればなかなかいろいろ出てくる人物。

www.nhk.or.jp

newsdig.tbs.co.jp

 自民党山本朋広衆議院議員、元防衛副大臣(2019)は8月19日、韓鶴子(統一教会の現総裁)を「マザームーン」と呼んだことについて「名前を言い間違えることは大変失礼になる」と釈明している。

同氏、Twitterより

 2015年にはTwitterで自ら平和連合の先輩の要望を聞いたことを投稿している。この投稿自体、少なくともこの記事を書いている時点で消されていない。

 また、山際大志郎とともに教団関連団体の会合などに頻繁に出席しており、山際氏とともに本当に教団の信者だったのではないかとの疑惑がある。

 立憲民主党の議員も14名が関わりがあったとされているが、中でも原口一博衆院議員、大串博志議員は日韓トンネル推進佐賀県民会議に秘書を代理出席させている。原口氏の秘書はすぐ退席したと報道されているが、大串氏は秘書を3回代理出席させ祝電も送っている。

www.saga-s.co.jp

 自民党萩生田光一衆議院議員政調会長も忘れてはならない。何食わぬ顔してふんぞり返っているが、下記のような気色悪い発言が報道されている。

newsdig.tbs.co.jp

 教団関連施設への訪問、信者への講演。これで「どういう団体か知らなかった」では済まないし、もし本当に「知らなかった」のであれば、危機管理の面からこんな人物を要職に置くべきではない。

 そして自称保守派の希望の星、高市早苗衆議院議員。氏はこれまでに述べた数名ほど旧統一教会と目立ったつながりは報じられていないが、旧統一教会と関係があった政治家が多数顧問をつとめ、教団の関連団体ではないかとされる全国教育問題協議会と関わりが深い。同団体と関わりのある複数の自民党議員の働きかけで、「こども庁」の名称が「こども家庭庁」になったとされる。

 また氏は旧統一教会問題以外にも様々な点で問題が指摘されて来た人物である。天理教との関係が報道されたり(政策面では関係ないともされるが)

www.sanae.gr.jp

 ナチス信奉者とのツーショットが問題視され海外でも報じられたり

www.theguardian.com

 高市氏はこれについて「所属団体や思想が分からなかったので不可抗力だった」と弁明しているが、その後、「ヒトラー選挙戦略」に推薦文を出していたことも問題視されており、本当に誰か知らずにツーショットを撮ったのか疑わしく思う。

biz-journal.jp

 その他、「福島原発事故で死者なし」発言、放送法をめぐる「電波停止」発言や文書の問題、日曜討論における「デタラメを公共の電波で言うのはやめて頂きたい」発言等。

 個人的にもっとも引っかかるのは旧統一教会問題に対する党の対応への不満。「反社会的な団体の定義が欲しい」、「根本的解決にならない」というようなある種、擁護とも取れるような発言をしている。

www.sankei.com

 つい最近では安倍元総理の慰霊碑建立に際し、「安倍氏の魂はまだこの世に留まっていると思う」という発言をして様々な方面を困惑させた。そういうの「地縛霊」って言うんですけど。本当に宗教か何かハマってる?

www.sankei.com

news.yahoo.co.jp

 まあネットを見ているとアベ真理教とでも言えるレベルの熱狂的な信者がたくさん居るので、いまさら感はあるが。彼らが大嫌いなはずの韓国が発祥のカルトに関する問題、なぜスルーできるのか私には理解できない。当の私ももともとネット右翼寄りの人間で、かつては安倍政権を支持していた訳だが、ここまでキレイに裏切られてまだ安倍元総理とその一派を”真の保守”であると信奉できる神経は何なのか。

 ここ数十年で日本を、「美しい国」とやらを衰退させ続けて来たのは他ならぬ自民党である。いくら「悪夢の民主党」を引き合いに出してもその悪夢は3年ちょいで終わったもの。今年で政権奪還からはや10年にもなる。それまでに、その間に民主党政権以上の地獄を築いて来たのは自民党であり、それを支持し続けることは日本という国を破壊することを支持するに等しい。それが果たして”保守”なのか。よくよく考えてもらいたい。

 安倍元総理は「殺されて当然」とまでは言うまいが、悪徳な宗教団体に選挙のためと関わったのがまず間違い。暗殺事件が起こったのは身から出た錆び。自民党にとっては失政を続け、国民に不満を蓄積させてきた報いである。

その他

 2022年7月20日の記事にて、情報ライブミヤネ屋紀藤正樹弁護士が「一番ひどい事案はお金を集めるために信者に売春させた事件もあった」と解説している。宗教二世問題のみならず、やはりロクなものではない。

 同7月25日、福岡市は教団と関わりがあるとされる大学の非公認サークル「九大CARP」への表彰を取り消している。教団は全国の大学に清掃活動サークルなどをうたって多くの勧誘組織を作っているとみられ、現在もその多くが活動を継続しているのだろう。