ヤマネコ目線

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やっと自作PCが完成した件

 長々と引っ張って来たが6月19日あたりで自作PCが完成した。別に素人でも無いのにここまで時間が掛かるのは良くないのだろうが、購入したパーツの価格を考えるとどうしても慎重にならざるを得なかった。

パーツリスト

 何だかんだでその辺のOEMで買うよりも高くなってしまった感じはあるが、ストレージの多さや細かい面、内部パーツへのこだわりを考えればめちゃくちゃ高くなってしまった訳でもない。と思いたい。でもOSはWindows11が嫌で古いPCのWindows10を引き継いだから、ここにOS代は入って無いんだよな・・・。

 この金額から分かることは、安さを求めるなら自作じゃなく素直にその辺のメーカーで買えということ。単純に安さを求めるなら買った方が早いし保証も利きやすい。私は自分が求めるスペックが欲しかったのと、純粋にPCを組むことが好きなので自作しているが金額的には高くついている。もはや半分道楽。ただ先の記事で紹介したケースが本当にカッコよくて、その点でも満足感は大きい。

完成後内部

 CPUクーラーどーん!グラボどーん!という感じ。なかなかにお高くついたマザーボードがほぼ見えなくなってしまった・・・。マザーボードの光る場所はCPUクーラーに隠れてほぼ見えない。メモリも光らない奴を選ばなかったので発光はかなりおとなしめ。パソコンの中でエレクトリカルパレードするつもりは無いし、ビカビカ七色に光らせるよりは重厚感があって良い。

ガラス越しに

 写真にすると何か微妙だが、サイドのガラス越しに重厚な内部が見えるのはとても満足度が高い。PCパーツのショーケース。何かトラブルがあった時も気づきやすいという利点がある。一部のマザーボードやグラボには異常があると光る部分があるが、ガラスだとそれがすぐに分かる。

裏配線スペース

裏配線スペース

 キレイに配線できた(自分の中では)。ケーブルの配線がしやすいという口コミを見てASUS TUFの電源ユニットを買ったのだがこれが本当に正解だった。ケーブルが柔らかくかなり配線しやすい。全ての電源ユニットのケーブルをこれにして欲しいと思うくらい。

 最近のPCケースはサイドパネルがガラスのものも多く、内部が透けて見える。なので見栄えのために配線スペースと主要なパーツが来るスペースを分けてあるものが主流となっている。

ケースの断面の模式図

 PCケースを横にぶった切ると上の模式図に示したような感じになる。黒線は鉄板。青いエリアがマザーボードなどの主要なパーツを付ける側で、側面のガラスパネルから見える。緑のエリアは下に電源ユニットやHDDが入り、細い部分に電源ケーブルが入る。

その他

M.2 SSD搭載スペース

 ゲーム用、AIデータ用のM.2 SSDを搭載した時の写真。紫色の細長いカード2枚がそれ。これで1枚あたり2TB=4TBの容量が増設できるのだから素晴らしい。この上から放熱用ヒートシンクを付けるので何を載せているかは見えなくなる。なお、メーカーのシールは外しても放熱性能がさほど変わらないし、保証対象外となってしまうので注意。

ストレージ

 ストレージはメイン(OS用)が1TB、ゲーム用とAIデータ用が2TBずつ、その他写真などの雑多なデータ用HDDが6TBの約11TB。ん~、我ながらなかなか・・・過剰。

ATX3.0対応ケーブル GPU

 ATX3.0(ATXは電源ユニットの規格、3.0はver名)で初登場のGPU向け電源ケーブルGPU側。「12VHPWRケーブル」というもので、文字にある通り最大600Wを供給する。ここをキッチリ挿さなかった場合は発火やコネクタの融解などが起きるらしい。こわい。

タスクマネージャー

CPU

 タスクマネージャーを見るとこれまた面白い。Intel core i5-13500で組んだ訳だが、14コア20スレッドともなると壮観。サーバーか何か?こだわる人はcore i7やi9にするのだろうが、私はi5やi3で十分なように感じた。というかi7やi9ってもはや何に使うのか。将棋ソフトとかだろうか。動画エンコードはグラボでやった方が速いだろうし。

FFXVベンチマーク

 完成記念?にとりあえずFFXVベンチマークを回してみた。高品質、FullHD、ウインドウでスコアはご覧の通り。前に使っていたPC*1で約10,000くらいだったので、ほぼ倍の性能を手にした事となる。ゲーミングにおいても満足度が高い。

AI生成画像

 新PCにさっそくStableDiffusionWebUI AUTOMATIC1111をインストールし、生成してみた画像。640×640ピクセル、無加工。こういうのが1枚あたり10秒とかからず生成される。前に使っていたPCではRTX2070Superの限界から生成に大きな制約があったが、RTX4070Tiではかなり速く、より大きな画像が生成できる。体感では普通自動車と新幹線くらいの違い。

OEMと何が違うか

 某h社の同価格帯、グラボを基準としてRTX4070Tiが選べる機種と比較すると、まず違うのは選択できるOS、グラボの種類、CPUのグレードと冷却方式、マザーボードの種類、電源ユニットあたり。

 まず現在、販売されている新品のパソコンやOSで新たにWindows10を入手することは難しい。在庫というか新古品的なものなら良いが、とにかくWin11は微妙そうだなと思っても選択肢が無い。私は前に使っていたPCからライセンスを引き継いだのでそれで解決。

 グラボの種類はOEM品は大抵がそのメーカーの独自設計。中には市販品と同じものもある。どちらが良いかと言われると難しいが、グラボの見た目にもこだわる、冷却性能の高さを求めるのであれば市販品が良いのではないか。設計によって大きく左右されるので大差無いかも知れないが。

 CPUグレードはOEMではRTX4070Tiクラスを積むとなれば、Intel core i7系一択となる。私はi5で十分なのでi5にしたが、カタログスペックに強いこだわりがある人には不思議かも知れない。

 最新のCPUはcore i5でも14コア20スレッドと十分過ぎるくらいのスペックであり、i7やi9は仕事用に最高のパフォーマンスを求めるで無い限り不要に思う。プライベートで使うならせいぜいベンチマークを取って数字でイキる程度だろう。あるいはi7、i9というブランドへの強いこだわりだけで求めるか。

 CPUの冷却方法も異なる点。私はi5-13500で空冷を選択した。市販のものは大抵がi7で簡易水冷しか選択出来ない。逆に考えればi7やi9は簡易水冷が標準になるほど発熱が大きいのだ。簡易水冷はスタイリッシュではあるがデメリットもある(液漏れリスク、電源回路周りのエアフロー不足、クーラント液の蒸発等)。

 マザーボードの種類は某h社が独自設計のMicro-ATX。自作したものはASUS製のROGグレードATX。まず基盤のサイズが違う。それ自体は大したこと無いが、CPU電源周りの回路の数、フェーズ数も見る限り違う。

 ASUS製のROGマザーボードでは電源フェーズ数が16+1。何が良いか。CPUへの電力供給回路が多いので安定すると同時に、少ない回路に大きい電力を流す必要が無い=発熱が多少は抑えられる。

rog.asus.com

 逆に某h社のマザーボード、レビュー記事を見るにフェーズ数は6+3。core i7搭載でそれで良いのか。また、マザーボードに搭載されている各種回路のヒートシンクなどの出来も違う。

 電源ユニットは正直そこまで大差ない。某h社が800W Gold電源。私が選んだのは850W Gold電源。よくOEMメーカーは電源ユニットをケチると言われるが、某h社はそうでも無いようだ。他は知らん。

 裏を返せばここまで書いたような所を細かく見ると、そのメーカーがどこまで内部にもこだわっているか分かりやすい。国内OEMメーカーでは使用しているパーツを公開しているところもあったはず。

自作するメリット

 PCを自作する真のメリットはパソコン内部への理解にある。素人目線では「中身が何がなんだか分からないブラックボックス」だが、一度組んでしまえば怖いものは無くなる。既存の製品のアップグレードや部品の交換にも抵抗が無くなる。興味があるなら1度はやっておいて損は無い。OEMとの差額は勉強代と満足感とこだわりで出来ている。

*1:Intel core i7-9700K + RTX2070Super