原子力規制委員会が、原発を60年を超えて稼働させることを認める決定をした。これに関して反対が１人いる中、議論は多数決で決まったようだ。
そもそも論として
東日本大震災以後、日本はある程度は脱原発に取り組んで来た。そこからまた原発推進へと舵を切ろうと言う重大な決定が、政府や規制委員会といった「お上」だけで進められている。この国の主権者は日本国民であるのに、その意思を問うこと無く、である。その流れに原発利権が絡んでいるであろうことは想像に容易い。それを我々は許して良いのだろうか。黙って見ていて良いのだろうか。
電気代高騰は確かに問題だがそうした問題は政府、政治家があえて原発推進へと舵を切るため、世論を誘導するため、国民に原発再稼働を容認させるためにあえて放置しているのではないか、と思う。少しばかりの補助政策を岸田総理は打ち出したが、そうした話はただそれっきり。なぜフィリピンに年間2,000億円を支援する財源はあっても、自国のエネルギー事情を改善するための財源は無いのか。
このまま行けば80年前の過ちをこの国は繰り返すことになるだろう。原爆も原発も２発目が爆発するまで懲りることが無い。それを許すかどうかは今の我々にかかっている。先日も原発が異常停止してニュースになっていたが、Twitterでは「設計通りに停止したから良かった」といったコメントばかりで少々うんざりした。本当に何も問題が無い設備であればそもそも異常停止なんかしない。多くの原発は設計当初の耐用年数が40年である。100%の安全などどこにも無い。
政治家がなぜ原子力ムラの影響から逃れられないか、逃れづらいか。それは原子力関係となれば巨額の金が動くからなのだろう。この記事を見ても分かるように、どう考えても避難支援アプリ、それも一部地域向けなんかに８億円もかかるのがおかしい。この費用のうち、どれだけが本当に必要な費用なのか。
最近ちょくちょく起きている地震、そのたびに南海トラフがTwitterでトレンド入りするが、愚かにも原発をどんどん動かし始めたところにちょうど良い具合に大地震が来るのだろうな、と私は思っている。
アベノミクスについて
昨日、Twitterで長らく「アベノミクス」がトレンド入りしていた。様々な意見があると思うが、私にはアベノミクスを成功と言う人達が理解できない。成功か失敗かも何も、そもそも安倍氏の喧伝していたトリクルダウン理論は大間違いである。実際にそんな現象は起こらなかった。
思い返せば安倍氏はいかにもそれらしい事を言って、それこそアベノミクスだ、トリクルダウンだと言って人を乗せるのが上手かった。良い意味でも悪い意味でもカリスマ性があった。「悪夢の民主党政権」の後に政権を奪還した事でもとから心象が良かったことに加え、それまでコロコロと首がすげ替わっていた日本の総理大臣の中において、強い牽引力あるリーダーとして良い印象を国民に与え続けた。
日本国民はまんまとそれに乗せられ、一部の人間はまだ安倍氏の掲げた幻想に囚われている。しかしいい加減に気づいて欲しい。経済政策において彼はハーメルンの笛吹き男だったと。現実を直視すればそれは嫌と言うほど分かる。分からないのであれば、それは現実を直視していないに過ぎない。
資本主義においては富は一部の人間に偏っていく。それを税金などで再分配して社会、経済の均衡を保つことが本来の政府の役割であろう。トリクルダウン理論はその点、根本から間違っている。出口戦略も何も最初から間違っているので救いようがない。
加えて日本政府は経済政策を打ち出すと同時に、自らその効果を打ち消してあまりある増税、社会保険料増を繰り返して来た。企業に賃上げを要請する一方で負担を増やすばかり。企業努力もへったくれもあったものではない。政府がアベノミクス、およびこれまでの延長線の政策しか取れないのであれば、永遠にこの国が良くなることは無い。ただゆるやかな死を待つのみである。
