ヤマネコ目線

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「悪夢の民主党政権」について物申す

 Xにて「悪夢の民主党政権」という言葉が久々に盛り上がっていた。当時、私も民主党政権の対応(特に安全保障や外国人参政権など)を子供ながら常に不満を感じていたのを覚えている。鳩山元総理の外国人参政権を目指すという発言、菅政権の尖閣諸島漁船衝突事故や福島原発事故の対応、野田政権での消費増税が大きな不満だった。

 民主党政権が悪夢であったことは否定しようが無いし、有権者の脳裏にトラウマとして深く刻まれて政治を変えるための大きなハードルになっている。そういう意味では「悪夢の民主党政権」は実を言えばまだ続いている。

それはともかく

 「悪夢の民主党政権」と言うのは安倍元総理が政権を奪還する際に遣われ始めた言葉だが最近、個人的には「じゃあ自民党政権はどうなの?」という思いが強まっている。安倍政権発足から既に10年以上*1この10年以上のうちに民主党の舵取りを修正する機会はいくらでもあった筈だ。何でもかんでも民主党政権の置き土産のせいに出来る時期は終わっている。今まで一体何やってたんだ?マイナンバーなんか悪意をもって進めているまであるだろ。

 悪夢といえど所詮は夢。悪い印象は残っても既に夢からは醒めている。方や自民党政権は長く続いているだけで、一体どれだけこの国を良くして来たと言えるのか。民主党政権の酷さを引き合いに出すのはそれはそれで結構だが、そこに自民党への批判を封殺できるほどの圧倒的な差は無い。

 民主党政権の酷さがそれまでの、今までの自民党による失政を容認する理由にはなるまい。

 民主党政権が続いたのはわずか3年。「わずか3年でよくあそこまで不満が溜まるような政治をしたな」という気持ちもあるが、裏を返せば今のこの国の現状に対する責任の大半は自民党公明党にあるとも言える。それをどう考えるか。民主党が「悪夢」なら自公政権は地獄か。煉獄か。

 いつまでも「悪夢の民主党政権」というトラウマに囚われて思考停止していないか。民主党政権政権交代という歴史的な転換点であったので、それだけ期待も大きかった。そこからあのザマで余計に裏切られた感は強い訳だが、自民党公明党正規雇用の推進郵政民営化やNTT法改悪統一教会との癒着度重なる増税社会保険料の引き上げ円安誘導によるスタグフレーション外国人労働者の受け入れ拡大と称した実質的な移民政策無意味な少子化対策裏金作りなど看過できない不満がある。最近で言えば議論が十分に尽くされないまま、子供の安全を無視して共同親権に関する法案を通してしまった。各地のメガソーラーによる環境破壊も野放し。格差を拡大させ続けた結果、毎年のように歴史的な出生率の低さを更新。かと思えば税収は最高。国の予算は毎年のように過去最高額かそれに近い100兆円超え当たり前。民主党政権を悪夢と言って憚れないほど立派な政権運営か。

 特に少子化を加速させて代わりに外国人労働者と言う名目の移民)を入れる政策は到底容認出来ない。これでは実質的な日本人絶滅政策ではないか。少子化対策と言うがその中身は効果の無いものばかり*2であり、新たな少子化対策の名の下に負担を増やされ続けた結果、その財源のためとして肝心の結婚、子育てのための経済的余裕が奪われ続けている。

 外国人労働者はもはやかつての「数年経ったら帰る」存在ではない。資格によっては10年以上就労しながら在留でき、そうなればよほど素行が悪く無い限り永住権の申請が可能。特定技能2号では妻子の帯同が出来る。国内で子供を作ってしまえば不法滞在者でさえなかなか追い出せないこの国。結婚や子育てに対して日本人よりもずっと楽観的な外国人が、永住権をしっかり取って子供をたくさん作れば人口比率が逆転するのもそう遠くないだろう。

 そうなればマジョリティは外国人である。日本人はマイノリティ。政治に対してどちらが実権を握る流れになるか。鳩山元総理ほど直球の愚かな外国人参政権では無いにせよ、自民・公明政権下ではもっと現実的な外国人参政権への流れが着実に進んでいる。

 言いたいことはまだまだあるが、直近で一番問題なのは裏金問題だ。今日(2024年4月15日)で言えばANNが裏金議員の処分について報じている。

news.yahoo.co.jp

 そもそも裏金を作って選挙活動を不当に有利に進めていた時点で「民主主義への挑戦」、テロ同然で到底許されることでは無い。自民党は裏金とそれに対する追徴分、政党交付金を国庫返納でもするべき。それが前にも記事を書いたが、軽い処分で済まされる裏金2,000万、1,000万、500万超えの議員がごろごろ。一番軽い戒告でも裏金500万超えは当たり前、900万、800万と1,000万円近い裏金を作っていた奴らもいる。萩生田前幹事長や松野前官房長官は党役職停止(1年間)。たった1年間、党の役職を停止されたからって何なんだ?政界から消えろよ政界から。

 それも処分が決定したのは一番悪質とされた安倍派、ニ階派の議員のみ。それ以外はまさか全員無罪放免か?これが許されるなら俺だって裏金を作ってみたいもんだ。国民には「さらなるご負担をお願い」、自分たちは裏金作り。つくづくふざけた奴ら。

過去に囚われていつまで別の悪夢を見続けるのか

 民主党政権が悪夢であったことは間違いない。しかし現状もそれに負けず劣らず酷いことを我々は理解するべきである。「民主党時代の方が酷かった」で誤魔化していられた時期は終わりつつある。もう限界。トラウマを抱えながらも少しずつ政治を変えていくしか無い。そうしなければ先が無い。このまま自民党に任せていたらこの国は終わる。

 保守的な人々はそれでも、いつまでも「悪夢の民主党政権」と言いながら現実逃避をし続けるのだろう。現実で直面する問題は甘んじて容認して、まっとうな批判に対しては「いつまで言ってるんだ」と抜かしながら。彼らの頭の中は今だに安倍元総理が政権を奪還してから間もない時間軸らしいので、そういう人間はそのまま過去に置いていこう。我々がするべきは「今」の話なのだ。

余談:福島原発事故への対応

 菅(かん)政権下で発生した東日本大震災、それによる福島第一原発事故は当時の政権への不満を増大させる一因となった。原子炉への注水がうまく出来ずに日を追うごとに状況は悪化。最終的には巨大なコンクリートポンプ車でようやく有効な注水が出来たかなという程度。当時、菅直人総理の不用意な現地視察が強い非難を浴びたのを覚えている。

 ただし、あのような原発事故が起きた理由は福島原発の設計の不備、東京電力の見通しと運用体制の甘さなど複数の要因が関連しており、当時の政権が対応を誤っただけが原因では無いだろう*3

 注水に使用された巨大なコンクリートポンプ車は中国、三一重工が好意で寄付、なおかつ可能な限り早く現地へ到着するように手配までしてくれた経緯がある。逆に言えば国内で注水を行う能力が無かった訳で、仮に自民党が政権を握っていてもこの協力が無ければ注水は最後まで不可能だったかも知れない。自衛隊がCH-47で無理のある注水を試みる映像、あれを見た時の失望、絶望感は忘れ難い。

kuruma-news.jp

 最近では処理水の問題で揉めているが、いざという時に助けてくれた民間の企業には感謝すべきだ。なぜ、これが国内企業に出来なかったのか。今、原発事故が起こったらどうなるだろうか。どれだけ安全に停止させられるか。同じ状況に陥ったら注水は出来るのか。

 そも原子力発電を推進して来たのは自公政権であり、最近はまた懲りずに高速増殖炉の研究を再開しようとしている。その結果として発生した不幸な事故を全て当時の菅政権が悪かったとすることは不可能。

www.sankei.com

 またいずれ原発事故は起きる。その時の政権がどこであれ、悪夢はまだまだ終わらない。

 

*1:2012年12月発足なのでほぼ2013年として現時点で11年ちょい

*2:政治家の考える少子化対策に効果が無いことは何より現状が雄弁に語っている

*3:対応に誤りが無かったとも言えない