前回の記事(シングル編)の続き。時系列順かつ好きな曲だけ。シングル編で紹介した曲は割愛する。
幻想庭園 : 1988年1月25日発売
幻想庭園
透き通るような歌声と幻想的な歌詞、インストで見事に幻想庭園というイメージを作り上げている。
桜の花は狂い咲き
「恋せよ乙女」よりも先なのでこれが大和ソングの第1弾と言うべきか。狂い咲きという感じの歌い方。儚げな歌詞に何を重ねるべきか。
DALI : 1994年2月16日発売
サロメティック・ルナティック
ルナティック(Lunatic)は狂人、精神異常者の意。サロメティックはおそらく造語でサロメ(人名)+tic。調べた限り扇情的なダンスをする女性の話が出て来たが、これが歌詞に概ね一致するのでこれをイメージした曲なのかも知れない。
Aristocracy : 2001年4月25日発売
少女貴族
宝野アリカ氏プロデュースのファッションブランド名にもなっている曲。吸血鬼を連想させるダークな曲でまさにアリプロワールド全開といった感じ。
Sacrifice
暗くて怪しさ全開の曲。この怪しさが癖になる。
EROTIC & HERETIC : 2002年7月24日発売
アリプロワールド全開ながらも幻想的かつ明るめな曲。自分が知るかぎり一番”白アリ”と言えるかも知れない。
夢魔の夜、あなたを迎える者がある
「戦争と平和」の直後に来るとは思えないダークで怪しさ全開の曲。短めの曲ではあるが、何らかの演劇性を感じさせられる巧みなもの。インストも何かの劇のような演出がある。
Dilettante : 2005年6月22日発売
愛と誠
堂々たる”大和ソング”でありファンからの人気も高い。誰かを想う大和撫子を連想させる曲。「大和男子」「大和撫子」という単語がもろに登場し、男女それぞれの在り方についてある意味でファンタジックな世界観がうかがえる。
人生美味礼讃
タイトル通り「食べる」という行為そのものを表現した曲で、これにもアリプロらしさが詰まっている。どんな曲と言われてもそれこそ"筆舌尽くしがたい"。「月蝕グランギニョル」と同じく「こういうのがアリプロの曲です」と出しても良いレベルだと思う。聴けば分かる。個人的にはベスト5くらいには入る聴きやすさとアリプロらしさが両立した曲。
一部ではジャンプで連載されていたマンガ「魔人探偵脳噛ネウロ」の非公式イメージソングとして嗜む人間もいる(自己紹介。アニメ主題歌より合ってんだもの。あとMAD見た奴大体同年代)。
密猟区
明るいメロディながらも怪しく神話的な歌詞が特徴。少し神秘的な世界観ながらも、生物としての人間の野性的な欲望が表現されているように思う。
COLLECTION SIMPLE PLUS : 2006年7月26日発売
TVアニメ「AVENGER」のED。曲名はフランスの作家ヴィリエ・ド・リラダン著の小説から来ている*1。この小説では人造人間に初めて「アンドロイド」という語句が使用されたという。小説の発表時期は1886年。
歌詞の内容も小説の内容に通じるものがあり、そこに現代的なSFの要素を付与したような曲。
地獄の季節
TVアニメ「AVENGER」の最終回ED。最終回のみ使用されるというなかなか贅沢な使い方をされた曲だが、純粋に完成度が高い。怪しく猟奇的な歌詞と劇的でアップテンポなインストが素晴らしい。
「未來のイヴ」と同様、フランスを代表する詩人アルチュール・ランボーが1873年に発表した同名の詩集がある。ただし詩集の内容との共通性は調べた限りあまり見いだせない。
亡國覚醒カタルシス Orchestral crowd ver.
亡國覚醒カタルシスのオーケストラ版で、原曲では純粋なインストであった場所に一部、男女混声のコーラスが入っている。
Psychedelic Insanity : 2007年8月22日発売
青嵐血風録
公式的に「愛と誠」、「勇侠青春謳」に続く大和ソング。大和ソングの中ではアップテンポな部類で、歌詞や曲調とも激しく戦い続ける武人を思わせる。大和ソングの中で一番好き。
暗黒サイケデリック
アリプロなりのメンタル応援ソング的な曲。宝野アリカ氏本人の生き様のようでもある。
胡蝶夢心中
しっとりとした曲調の聴きやすい曲。
六道輪廻サバイバル
六道輪廻をテーマにした曲で歌詞に仏教用語が多用されている。ちなみにアンフェタミンは覚醒剤の一種。医薬用に使われる事もある。ちなみに「六道が辻」は無いが「六道の辻」はある。六道骸のテーマソングではない。
禁書 : 2008年8月27日発売
神風
公式的には4つめの”大和ソング”で、軍歌のような雰囲気を感じられる歌詞。とはいえ「誰も神の子では非ず」と戦時中ならば検閲されそうな歌詞もあり、単純に曲名から連想される特攻隊を美化するものでもない。
個人的には大和ソングの中で2番目に好き。
桂冠詩人 SINGLE COLLECTION PLUS : 2008年12月10日発売
KING KNIGHT
TVアニメ「.hack//Roots」の最終回ED。大和ソング"西洋騎士ver"といった感じ。.hackを知らなくとも何となくで世界観に入り込める。
GOD DIVA
「.hack//G.U. Returner」のED。歌い出しは何となく聴いたことがあるのではないだろうか。これもアリプロ色全開(どれも全開とはいえ)で.hackを知らなくとも何となくで世界観が見える良曲。
少女殉血
TVアニメ「AVENGER」挿入歌。独特の歌い方が際立って印象的。
La Vita Romantica : 2010年1月13日発売
王的血族
TVアニメ「怪物王女」挿入歌。怪物王女の主人公をよく表現できていると思うが、それ以外のキャラクターを重ねる人も多い。多分。怪物王女特有の要素は原作かアニメを見ていなければ分からない程度。
輪廻闇妖散華
マンガ作品「ZONE-00」のイメージ・アルバムの1曲。正直その作品は知らん。ぱっと見た限りでは西洋の要素ありの日本を舞台にした魔物退治系の作品。
これを聴きながら寝られる位にはしっとりとした曲調で、妖(あやかし)を思わせるような声色で歌詞が乗る。歌詞の内容はマンガと異なり純和風な感じで、大和ソングとまではいかないまでも近しいものが感じられる。
QUEENDOM : 2011年5月25日発売
Troubadour
トラバドールあるいはトルバドールは、中世のオック語抒情詩詩人、作曲家、歌手。騎士道と宮廷の愛をテーマにした詩が多かったらしく、歌詞や曲調もそれを想起させる。
番外編
Avenger O.S.T. : 2003年12月3日
TVアニメ「AVENGER」のOST。個人的に「赤い星」(インストのみ)が印象的。ボーカルありの曲も5曲入っており良曲の割合が多い。
怪物王女 OST Sympathy for the Belonephobia : 2007年10月3日発売
TVアニメ「怪物王女」のOST。インストのみの曲では特に「覚醒ベロネフォビア」、「666番目の原罪」が印象的。アーティスト名はALI PROJECTではあるが、30曲目に同アニメOP「BLOOD QUEEN」(美郷あき, TV size)が収録されている。