ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

被災地支援を免罪符にするな

 自民党が裏金問題への対応として、裏金相当額を能登半島地震被災地へ寄付することを検討している。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策|記事題:自民、裏金相当額の寄付検討 能登半島地震被災地へ5億円)

分かっていないな

 被災地支援を免罪符にしようと言うのだろうか。被災地支援と言えば許されると。人道的なので批判もしづらいと。そう思っているなら大間違いだ。むしろ国民感情を逆撫でしている事になぜ気づけないのか不思議である。結局こいつらはその程度の浅知恵しか持ち合わせておらず、これが反感を買うと理解するだけの人間らしい心も無い。どうりで何をやらせてもうまく行かない筈だ。どうりで国の舵取りが間違っている筈だ。何せ何も分かっていないのだから。

やるべき事は分かっている

 裏金問題については以前も書いたがやるべき事は分かっている筈だ。政治資金規正法の改正による厳罰化・連座制の導入、今回の裏金問題を起こした議員の処分、政策活動費の透明化、裏金分の納税(もちろん追徴課税分も含む)。

 これらをやらない限り裏金問題は解決したと言えないし、言わせない。派閥解消だの政倫審だのでは何の解決にもならない。岸田政権はやるべき事から逃げ続けている。

 連座制については賛否があるかも知れないが、連座制にしなければ今回のように会計責任者にすべて擦り付けて逃げるので導入するしか選択肢は無い。政治資金収支報告書への不記載も後から修正だけで済ませるのはおかしい。何より今回の問題を起こした議員に対する処分が遅すぎる。甘すぎる。

 裏金について「納税するつもりはございません」と抜かした議員がいたが、一方で下記のような記事もある。

news.yahoo.co.jp

(記事題:国税庁が国会議員に“納税手引書”を配布していた! 裏金は《「雑所得」で課税対象》と明記)

 もし、我々一般人が納税を怠った場合は確定申告内容の修正だけで済むだろうか。否、もちろん追徴課税がある。ではなぜ政治家には無いのか。彼らは特権階級なのか。そのような扱いを許してはならない。

 なお、雑所得の税率は累進的で330万円以上になれば20%にもなる。年間200万円と仮定すると10%の域だが、重加算税や無申告加算税を加味すれば追徴課税の額はそれなりになる筈だ。

No.2260 所得税の税率|国税庁

自民党という政党として

 裏金問題については政倫審で議員1人1人がさらなる嘘と見苦しい言い訳を続けている訳だが、自民党の派閥における問題にも関わらず党はそれを個人の問題かのように扱っているように見える。進退は個人の自由かも知れないが、今ひとつ政党全体として問題解決に当たろうという気概を感じない。

 党として本気で問題の解決にあたるのであれば、裏金分+追徴課税分の政党交付金を国庫へ返納するくらいの対応をするべきではないか。被災地への寄付など本筋では無い。

やっぱりもう1回下野させないとダメでは

 前々からいい加減に限界だと思っていたが、今回の「はいはい、裏金分を被災地に寄付すりゃそれでいいだろ」とでも言わんばかりの対応には本当に頭に来た。いい加減にしろや。確かに民主党政権は悪夢だった。しかし「悪夢」だけあって幸いにも短期間で終わった。自民党政権はどうか。長く続いているし安定感はあるが国は良くなっていない。少子化はむしろ加速している。税金も社会保険料も増える一方。地獄ではないか。

余談:もし私が総理大臣になったら

*言いたい放題書きたいだけ

 少なくとも子ども家庭庁とスポーツ庁文化庁は即刻解体させる。その他、よりコンパクトに納められる省庁は再統合を進める。逆らうものは辞めてもらう。防衛費増額はそれらで浮いた分で賄う。足りない分?足りないものは足りないで何とかしてもらう。出来ないなら出来ないでよろしい。廃止!

 現在行われている以上の「結婚して子供が生まれる」前提の少子化対策は行わない。可能な限りの個人に対する減税と社会保険料の引き下げをもって景気対策とする。やるだけ無駄な少子化対策は最初からしないのが最善。

 防衛予算以外で各省庁にはそれぞれ今の予算の10%減した予算編成することを義務づけ、全体の予算を減らす前提で国家予算を決めてその分を消費減税にあてる。足りない分は法人税を引き上げて賄う。それで立ち行かなくなる制度は不要。廃止。以後、基本的に前年度よりも増額された予算を提案することは禁止する。

 予算編成の枠については3年ごとに見直すこととし、原則として増額は認めない。増額を求める場合はその分、他の省庁の予算を減らすよう合意形成を求める。この制約は少なくとも少子化が改善し、日本人の出生率が増加するまで撤廃できない縛りを設ける。

 半国営の事業は生活インフラ*1半導体以外*2は全て手を退く。官民ファンドは役に立たないので廃止。国が肩入れしなければ成り立たない事業など基本的に必要無い。干からびた土壌で枯れた作物にいくら肥料を与えても無意味。もはや経済は土壌改良からやり直すべき段階。

 あらゆる行政事業において、予算案と実際にかかった経費についてあまりに乖離がある場合はその責任を負う者に対して追及を行う。当初予算よりも実際にかかった費用が2倍以上になった場合、特段考慮すべき事情の無い限り*3解雇できる制度を創設。責任を負うべきものに責任を負わせる。あまりに悪質な場合は損害賠償を求める。

 各省庁の情報開示に今以上の透明化を求める。不開示情報以外について開示しなかった場合の通報制度、罰則も設け、官僚が不正を通報しやすい制度を設置する。特に情報開示請求に対する全面黒塗り禁止に向けた制度改革を目指す。

 デジタル庁下部に行政処理の実務を行う組織を新設し、行政における事務処理等を少しでもパソナ等への業務委託ではなく、行政による直接運営へ切り替える。それによってシロアリ企業一掃への布石とする。

 インボイス制度は即刻廃止。インボイス制度の導入に関わった全ての官僚を追放する。逆らう者も辞めてもらう。財務省は一度、現在の幹部をすべて一掃する必要があるかも知れない。

 学校に直接渡る予算の増額もしたい。こども家庭庁などという害悪組織に渡るくらいであれば少しでも現場に予算を増やすべきだ。あまりに生徒数が少ない学校は申し訳ないが統合を進めてもらう。代わりに地方への対応としてオンライン授業を推進する。月2,3回でも良いので少しでも登校するのが理想だろうが。

 防衛予算は可能な範囲で維持・増額。武器輸出は積極的に行う。輸出等によって数量を生産できなければ武器・兵器の単価は下がらないので長期的に見てそれが財政にける最善。国内の防衛産業が弱すぎるのも問題で、ウクライナはその辺りがしっかりしているからあれだけ抵抗出来ている。覚悟も技術力も違う。西側のミサイルを旧ソ連製戦闘機(=全く異なるシステム)に適応させて運用できるのは何気に凄い。

 国産ドローン1つ取っても不具合で運用停止になっているようではダメだ。特にドローン産業、無人兵器の研究は推進する。遅きに失するとはまさに現状だが・・・。ドローンでも中国が圧倒するのだろうな、いざ戦争になれば。

www.yomiuri.co.jp

 防衛においては密かにアメリカに国内基地への核戦力配備を打診する。不可能なら不可能でそれで良い。F-35Aに搭載可能な戦術核爆弾あたりならば密かに配備できなくも無いだろう。何せF-35の機体内に納まるサイズなのだから。離島防衛も手を緩めない。尖閣諸島に上陸する者があればトマホークで飽和攻撃も辞さないことを公言する。

 旧統一教会問題に関しては同宗教を特別指定宗教法人に指定させる。カルト対策法案も可能なら提案。解散請求は裁判所の判断待ちなので関係無いとして、たとえ個人の財産であっても宗教法人ならびにその関連団体へ寄付できる金額を規制し、物品(壺や新聞等)の販売についても所得に応じた年間限度額を設ける。また、統一教会に限らず宗教関連施設を利用した政治活動の規制強化、厳罰に処す公明党、聞いているかお前だよ

 その他、労働環境の改善や外国人不法滞在者の対応にも力を入れたい。特にクルド人問題。裏金問題のような余計な問題で自ら躓いて、やるべき事をしないばかりに様々な問題を長引かせているのは本当に見苦しい。

 あ~・・・誰かこれくらいの事言ってくれねえかな

 

*1:性質上、利益至上主義であってはならない

*2:TSMC誘致しちゃったから仕方ない

*3:建築資材高騰等

家族共用のPCを組む:パーツ選び編

 父の使って来たデスクトップPCがいよいよダメになってしまった。約20年前のPentiumとなると私の感覚からすれば骨董品である。これまで家のことで事務処理目的で使っていたが画面出力がお亡くなりに。DVI?VGA?映像出力端子からして時代を感じる。

 私が高校生の頃に買ったIntel core iシリーズ初代搭載のパソコンも事務処理用に使ってもらっているが、それもいつまで持つか分からない。どちらもSSDが無い時代のPCなので動作はもっさり。

 前に作ったメインPCの記事は↓

manuller416.hatenablog.com

という事で

 家族共用の事務等に使えるパソコンが必要になり、じゃあそれくらい買ってやるかと思ったのだが、やれDVDドライブが欲しいだのフロッピーディスクドライブも欲しいだの外付けHDDでデータ保存もしたいだのとうるさいので1台組むことにした。

 なぜ出来合いのものを買わないか?ダサいから。特に光学ドライブ搭載のPCはダサいものばかり。何年前のデザインだよ。あと自分で組んだほうが楽しいから。金を出すのは自分なのでどうせならね。円安なので逆風もいいところだがそれはメーカーも同じ。ひょっとすれば再利用できるものは再利用して予算が節約できるかもしれない。特にOS。

ケース:15,245円

 あくまで共用なので小さめが良いかなと思いつつ、拡張性もあるMicroATX対応サイズを選択。もはやメーカーとして安心感があるFractalDesign、その中でも今では珍しい5インチベイが搭載可能なモデルがこのPop Mini Air。前面ファンの下にあるスペースがマグネットでくっつく蓋になっており、その内部に5インチベイと小物入れがある。

 レビューはエルミタージュ秋葉原さんのものが詳しい。レビュー対象はフロントパネルがメッシュではなくソリッドな静音性重視タイプだが基本設計は変わらない。光るのは絶対嫌、静かさを重視したいという人にはこちらのSilentがおすすめ。

www.gdm.or.jp

 比較的小さめのケースと書いたがそれでも高さは393mmと約40cmあり、家電量販店で売られているようなデスクトップくらいが良い、という人には勧めづらい。

CPU: 22,838円

 事務用なのでIntel core i3あたりが良いか、と思って第14世代coreシリーズよりIntel core i3-14100を選択。ゲーミングPCでは無いのでグラボをつける予定は無し。なので内蔵グラフィックス搭載のものにした。内蔵グラフィックスが無いcore i3-14100Fなら4,000円くらい安く買えるがグラボを用意しないと映像出力が行えない=画面が映らない。

 何故かAmazonだと価格が微妙に高い。ドスパラAmazon決済を利用して購入。

www.intel.co.jp

 i3と言えば一昔前は大したことが無いイメージだったが、改めて製品仕様を確認すると何げにこいつ、4コア8スレッドでPコア*1のみと結構使えそうなスペック。試しに以前使っていたIntel core i7-9700Kとの比較を調べて見ると下図のような結果が出ている。

https://www.cpu-monkey.com/ja/ より

 core i7-9700Kは8コア8スレッドなのでさすがにマルチコア性能では勝っているものの、core i3-14100はそれに肉薄する性能を4コアで出しており、シングルスレッドでの性能では明らかに優位。これはグラボさえ積めばある程度のゲームも出来るレベル。

 本当はいま流行りのミニPCと同じIntel N100で組みたかったが単体で売っていない。どうして・・・どうして・・・個別パッケージして小売するとなるとコスパ悪くなるのかな。

pc.watch.impress.co.jp

 逆に考えれば今のcore i7やi9あたりは一般用途には確実にオーバースペック。今のメインPCで使っているcore i5-13500でも14コア20スレッドと持て余し気味。

マザーボード:18,755円

 マザーボードはサイズがMicroATX、ソケットがLGA1700、一体型I-Oパネル搭載の条件で比較的安いASUS TUF GAMING B760M-PLUS D4に決定。メモリーの規格がDDR-4で最新では無い*2が、事務用には十分だろう。

www.asus.com

一体型ではないもの、一体型のもの

 一体型I-Oパネルとはどういう事かと言うと、上の図、左が一体型ではないI-Oパネルを備えたもの。右が一体型I-Oパネルのもの。要はパソコンの裏にあるUBSやら何やら沢山ついた場所が最初から完成されたものか、別で付属しているパーツを嵌めるものかの違い。一体型のほうが単純にカッコいい上に組立時の事故も防ぐことが出来る。

 その他、マザーボードを買う時にチェックするべき点としてはチップセットの種類*3、M.2 SSDのスロットの接続規格と本数、M.2 SSDスロットにヒートシンクが付いているかどうか、映像出力端子の種類、USBソケットの種類と数、グラボやその他の拡張ボードを接続したい場合はPCI Expressのレーンと本数。特にCPUのオーバークロックはZが付くチップセットしか対応していない。

www.pc-koubou.jp

CPUクーラー:6,580円

 CPUクーラーはCPUに付属しているものの、サイドパネルが透明で中身が見えるからにはある程度見栄えするものを付けたいところ。なので最近の定番?であるDeepCool AK400、それもCPU温度表示機能が付いたものを選択。

 温度表示パネルはUSB2.0接続。ケースはUSB3.0×2なのでUSB2.0ピンヘッダは余る・・・はず。最悪ディスプレイが活用出来なくても光沢ある黒いパネルなので見栄えはどうにかなるだろう。

 CPUクーラーを買う場合にチェックすべきなのは高さ。ケースの大きさによって付けられるクーラーの高さが異なる。大きいものを買ってしまうとケース側面の蓋が閉まらない。

電源ユニット:9,780円

 FractalDesign  ION Gold 550W FD-P-IA2G-550を選択。それほど電源容量は多くなくて良いので500W程度、電力効率GOLD認証、なおかつプラグイン形式*4で絞り込むと、ケースと同じメーカーのものが良さそうだったので。

 ちなみにAmazonだと微妙に高い。Joshinネットショップで購入。

 ケースを確認すると対応する電源のサイズは150mmまで。これはピッタリ150mmなので少々不安はあるが、FractalDesign同士なので何とかなるだろう。

パーツ選びは一旦終わり

 ちなみにここまでで73,198円。ここに最低でも1つのSSD、メモリーをつけることを考えるとあまり安いとも言えない。やはり自作PCは道楽の域。でも楽しいからOKです!

 OSは古いPCのをそのままクローンして使用、メモリーも以前買った相性の悪かったものを試す、5インチドライブも古いPCのものを引っこ抜いて使えないか検討、無理なら外付け。FDドライブは外付け。CPUグリスは前に組んだもののあまりがあるし、CPUクーラーに元から付いているグリスでも良い。

なぜ見た目にこだわるか

 満足度が高いから。見た目がカッコ良ければ使いたいと思えるから。でもあんまりビカビカ光るのはそれはそれで私は好きになれない。いつか痛PCとかPCケースそのものを自作とかしてみたい。

 それに新しいPCを組むのはストレス発散になる。新しいケースやらマザーボードやらの性能を調べて組み合わせたり、どこにどんな工夫があるのかを見るのが楽しいと感じる。

 ちなみにAlienwareは良くも悪くも有名だが、あれは内部パーツにある程度こだわった上で筐体デザインにもこだわって作っているので高い。コスパはそんなに良くない。

なぜもっと小さいPCを自作しないのか

 大きさはケースで決まる。ケースに収まらないパーツは使えない。小さいパーツは性能を落とさずに小さい容積にパーツを組み込まなければならない。なので高い。小さくて拡張性に乏しく出来ることも限られるくせに高い。同じスペックで組むにしてもコスパが悪くなるのでMicroATXATXあたりで組むのがベスト。小型かつ高性能はロマンがあるが自分で組み立てる以上は組み立て難易度が上がる。

 また、市販のPCは量産における組み立てやすさも考慮した専用設計で小型化している場合が多い。それが出来ない自作PCで小型さで張り合うのは難しい。逆に市販のPCは内部の見栄えにこだわりが無い。そもそもガラスパネルではなく鉄板で中身が見えないものがほとんど。見えるタイプでもよく見ると自作PCほど見栄えにこだわっている訳でもなかったりする。

 かと言って組み立てやすさと拡張性重視でE-ATX対応のクソデカPCケースなんか買うとそれはそれで大変な目に遭う訳だが。物事には限度がある。単純に邪魔。置き場所にこまる。動かしていない原発くらい邪魔。

よく考えると

 ふと自分が持っているPCを数えてみた。自室で使うメイン、リビング用、弟に貸しているノートPC、iPadProの計4台。スマホもPCのようなものと考えると5台。そろそろ身体も2つくらい追加したい・・・。

*1:パフォーマンスコア。今のCPUは省電力寄りと性能重視の2タイプのコア=計算回路がある。Pコアは性能重視コア

*2:最新の規格はDDR-5

*3:B760だのZ790だので出来ることが違う

*4:電源ケーブルが必要に応じて抜き差しできるやつ

子育て支援金は”理解”したくない

 子育て支援金に関して「政府は負担ゼロの説明に腐心している」らしい。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策|記事題:子育て支援金「負担ゼロ」に理解広がらず、政府が腐心…野党「説明小出し」と反発)

バカじゃねえの

 記事を見ると「国民の理解が広がっていないためだ」とあるが、多くの国民は政府の説明を理解しているだろう。理解した上で何をバカなこと言ってるんだと批判している訳で、記者の書き方なのか政府の素の言い分なのか知らないが「理解しない聞き分けの無い国民が悪い」というような言い方はやめるべきではないか。

 「実質的な負担ゼロ」というのは社会保険料の上乗せと同時に政府が主導して賃上げを企業に求めることで、子育て支援金としての徴収が増える以上に給与が増える(見込み)ので「実質的な負担増ではない」と言いたいようだが、常識的に考えてこのロジックは無理がある。

 社会保険料において問題なのは「賃上げ分とそれによって上がる社会保険料の控除額どちらが大きいか」などではなく、度重なる社会保険料の引き上げによって賃上げ効果が減殺され続けていることに他ならない。算出方法を考えれば社会保険料が賃上げ分より小さく納まることは当然の話であって、それをもってして単純過ぎる損得勘定で実質的な負担ゼロなどと言うのはあまりに愚かである。

 だったら税も社会保険料も合計99.9%まで上げたって残るものはあるから「実質負担ゼロ」か?そんなロジックが通用するなら社会保険料も税もまだまだ上げ放題だな。こんなバカげた主張をする者が大臣とは、いかに日本政府が”終わっている”か分かりやすい。「納税するつもりはございません」と発言した議員がいたがそれはこっちのセリフ。

 企業がいくら賃上げしても政府が同時に増税社会保険料の引き上げを繰り返すから手取りが伸び悩み同時に円安誘導による物価高もあってスタグフレーションに陥っている訳で、ここでさらなる社会保険料の引き上げを許せば負担は確実に増える。賃金の額面と控除の額を比べてどうこうなどと単純にもほどがある損得勘定だけの話ではない。物価が上がっていることを理解していないとは言わせない。

 理解という言葉を使うならば、「理解しない・できない」ではなく「理解したと思われたくない」、「こんなバカなロジックに騙されたと思われて侮られたくない」だろう。支援金の額も当初は月額500円の増加と言っていたが、半年もしないうちに倍以上の1,250円に増えた。説明を小出しにした弊害もあると思われるが、何にせよ負担が増えることに変わりは無い。

 それにしても”お上”は本当に、呆れるほど物事の理非を知らん。単純な道理すらことごとく見誤っている。格差是正は放棄し、国民には「さらなる負担をお願い」、その引き換えとして企業には「賃上げ要請」。楽なもんだ。政府の仕事は一体何だ?経済政策において一体何の役に立っている?

こども家庭庁そのものが無駄

 支援金の是非以前にこども家庭庁の存在そのものが無駄。前から存在した支援制度を予算付け替えで引き継いでいる以外は何ら役に立っていない。むしろシングルマザーの再婚支援だのヤングケアラーにキャンプを企画だの、諸問題について何の役にも立たないゴミのような企画を出すだけ、あまつさえ問題が指摘されている企業に業務委託を続けて甘い汁を吸わせている。もはや穀潰しどころかこども家庭庁そのものが害虫の域。

 大体からして日本は無駄な役所が多すぎる。予算獲得のためか知らないが少なくともスポーツ庁とこども家庭庁は不要。従来からあった役所で対応可能なことしかしていない、あるいはそれ以下。

 そもそも少子化問題とその解決法に関する理解をしている人間が政府にいない時点で少子化対策は詰んでいる。どのようなメンツで役所を作ってどれだけ多くの予算をつぎこもうが、現役世代への負担増を前提としている限りは何の意味もない。それどころか害悪ですらある。

 次の選挙、こども家庭庁を解体すると公言できる政党に投票したい。加藤少子化担当大臣には申し訳ないが氏の顔を見るだけで最近イライラして仕方ない。国会答弁自体が茶番に満ちていてニュースで流れたらついついチャンネルを変えてしまう。見るに堪えない。これ以上、自民党には任せておけない。逆にこども家庭庁を是とする政党は自民党と大差ない。始まる前から終わっている。

余談:過激ダンスショー

 自民党青年局の懇親会で行われた過激ダンスショーが話題になっていた。

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(「自民党が下野してしまう」まるで下着の女性に口移しチップも…自民青年局会合で過激ダンスショー)

 自民党青年局が2023年に和歌山市内のホテルで開いた近畿ブロックの会議のあと、懇親会で露出度の高い衣装のダンサーが招かれ、踊ったり参加した政治家から口移しでチップを受け取るなどしたというニュース。

 「費用については、公費は出ていないということだけは確認できております」とのことだが、党から出ているのであれば原資は言わずもがなではないか。

 男としてそういうものを好むことは否定しないが、仕事と関係ある場で余興などとしてこのような事が行われることは気持ち悪いと感じる。仕事で忙しいにしてもこれで不興を買うのは当然。そういう事がしたいなら自費かつプライベートでやるべき。どんだけ元気なんだこのジジイども。

 なお、テレビの報道によれば口移しで渡したチップは千円札だったとか。妙にケチ臭いあたりが気色悪さ3倍増し。そもそもチップ口移しって何だよ。さすが政権与党の若手とくれば一味違うな。首相官邸で忘年会してはしゃいでた総理大臣の息子もいたくらいだしな。彼が青年局に入っているかは知らんが将来有望な人材ばかりだ。

 どこから漏れたのか知らないが、参加した議員に女性はいなかったのだろうか。あるいは女性議員がリークしたのか。

自民党、私からお前らに渡したいのは六文銭だけだ。

 

維新の会の医療制度改革を疑う

 日本維新の会が打ち出した医療制度改革が話題だったのでネタにする。

news.yahoo.co.jp

(記事題:維新・高齢者の医療費の窓口負担 現役世代と同じ「原則3割に」医療制度改革案を発表 診療報酬の変動制導入など)

この医療制度改革は罠

 現役世代に重い負担としてのしかかっている社会保険料、これを少しでも減らそうと言うのは理解できるし、そのために高齢者にも3割負担を求めるというのは一見支持しても良いような内容に思う。が、維新の打ち出した医療改革はそれだけではない。フリップが見づらいので拡大したものを以下に示す。

 1は現役世代にも支持する声がある訳だがお年寄りが皆、金持ちな訳ではない。世代間対立を煽られている感じもする。1割負担だからと不必要に病院を受診してもらった薬を配っているような輩は排除すべきだと思うが、お金を稼ぐことが出来なくなった後の保障を薄くすればその報いは必ず後で受けることになる。

 一番問題だと思うのは2の「高額療養費制度の見直し」。見直しとあるが縮小・廃止に向けて動くであろうことは間違い無い。

 高額療養費制度について簡単に説明すると医療費の自己負担は3割が基本だが、治療費があまりに高額になった際には3割といえど支払う金額は大きくなる。そこで自己負担すべき金額の上限を所得にもとづいて設定し、1月あたり一定額を超えた分を健康保険から支給する制度。大きな病気にかかって治療費が高額になってしまっても負担を大きく軽減できる。

www.shiruporuto.jp

 その高額療養費制度を見直す=縮小・廃止する事は将来の健康に対する不安の増大に直結する。アメリカほど極端でないにせよ、今よりも医療費で人生が詰む事例は増えるだろう。社会保険料の負担が大きいのは事実だが、だからと言ってこうした部分を削るのは金のために命を削るに等しい。

 高額療養費制度を廃止する代わり?として4で「低所得者等医療費還付制度の創設」を挙げているが、ここで言う「低所得者等」とは一体どのような層を想定しているのか。まったくの未知数であることに加え、先程も書いたようにそもそも高額療養費制度における月額負担限度額は所得に応じて決まるので、わざわざ現行制度を廃止して低所得者限定の医療費還付制度を新たに設ける意味が分からない。この辺り、どうせ維新のことなので既存の制度を破壊し、維新と懇意の企業に業務委託した制度再構築のための改革なのだろう。

 3の「終末期医療の在り方」については議論の余地があると思う(尊厳死等)一方で、「高額療養費制度の見直し」と「低所得者等医療費還付制度の創設」の間にわざわざ関連性の低い項目を挟むあたりが何かいやらしい。考え過ぎだろうか。

 5の「後期高齢者医療制度の税財源化」は現役世代からの支援金を廃止して現在1割負担のところを3割負担とし、保険としてではなく税財源による構造へ移行させるとのこと。内容としては1「高齢者医療制度の原則3割負担化」と被る点があるが、高齢者医療制度は前期高齢者医療制度と後期高齢者医療制度2つの総称なので適用範囲は狭い。

 とはいえ税財源化すると言うことは結局、その負担は現役世代にかかってくるのではないか。健康保険の枠組みから出した所で財源が保険料か税金かの違いでしか無い、お金が取られることに変わり無いなら意味が無い。何のための改革なのかがイマイチ見えて来ない。

 6の「こども医療制度の創設と出産費用の無償化」もなかなか臭うものがある。健康保険には扶養制度があり、小学校入学前の子における自己負担額は2割である。わざわざ子供向けに新たな医療制度を設け、運用し、そのための財源を取る必要は無い。出産費用についてはどのような形で無償化されるのかが非常に気にかかる。無償化とは言い換えれば税金化である。無償化のための財源をどのように確保し、どのように病院へ支払うのか。出産にかかる費用のどこからどこまでが対象となって適切な費用の算出がなされるのか。医療業界への利益誘導にならないか非常に疑わしい。

 少子化対策の一環として、という面もあるのだろうがやはりやる事が自民党と大差ない。結局は結婚して子供が生まれることが大前提の少子化対策でしかなく、それでは少子化対策にはなり得ない。

そもそもの話として

 健康保険は別に多少取られても構わないと私は思っている。それで大いに助かることも多いからだ。下手に手を入れる必要性は感じない。せいぜい高所得の高齢者に3負担くらいして欲しい程度。健康保険制度の破壊を目論む政党を許すことは出来ない。むしろ私が許せないのは厚生年金保険料で、健康保険料よりも負担が大きい上に払い損と言われている。

 以前にも触れたが、これは協会けんぽの保険料額表。右の赤枠で囲った部分で厚生年金保険料の等級が途切れている。これがいつまで経っても意味分からん。健康保険とせめて等級をそろえろ。というか健康保険も厚生年金保険も報酬月額1,355,000円以上で頭打ちになるのはおかしいだろ。はるかに貰ってる奴に相応の保険料を払わせるべきだ。

維新はやっぱり維新

 以前、奈良県の広域防災拠点計画が維新系知事によって潰された話について書いた。ひとたび実権を握らせればこのように好き勝手なことをして、強引に自分たちが思うように事を進めるのが「良い改革」だと思っている。

manuller416.hatenablog.com

 改革にはパワーが必要だし、時にそういった強権的な指導者でうまくいく場合もあるにはあるのだろうが、維新についてはそうは思えない。彼らは無駄を削るフリをして必要な部分を削り、本当に削るべき無駄はそのまま、あるいはさらに無駄な歳出を拡大させる。無駄ではなく我々の足元を、命を削りに来る。少なくとも私にはそう見える。大阪万博なんか見てもそれは明らかだ。彼らは自民党と一体何が違う。むしろ自民党より悪いまである。

 元はと言えば橋下徹氏が自民党維新の会を引き連れて独立した政党、そのカリスマももう政界から引退し、ワイドショーで失言を繰り返しながら未練たらしく下手な政治への口出しを続けている。奈良県では維新の山下知事が各地で進められていた事業を自治体との対話なく一方的に中止しようとして大きな反発を生んでいる。彼らは自民党に代わる政権与党にはなり得ないし、なるべきともなる見込みも無い。

余談:強権的な指導者

 フィリピンの前大統領、ドゥテルテ氏は強権的な政治手腕でうまく行った稀有な例といえる。中国系の血が入っており、中国への擦り寄りなどマイナスの面もあったにせよ、麻薬や汚職に対する極めて強い姿勢は国内の治安を回復させ、未だ根強い支持がある。

 改めて調べていて氏の逸話があまりに苛烈で面白いので少し紹介したい。良い内容ばかりでは無いが。

  • 10代で喧嘩に明け暮れ、16歳で相手を刺殺(本人談)
  • 大学生時代に少数民族の出自をからかわれ、大学の廊下で相手に対して発砲
  • 市長時代に警察官に手本を示すため自らパトロールし犯罪者を殺害
  • 大統領に選ばれる前年のクリスマスにビデオメッセージで「犯罪者たちよ、これがお前たち最後のメリークリスマスだ」と発信
  • 大統領になった直後から麻薬密売人や強盗などの犯罪者に対し、事実上人権を無視して対応にあたることを宣言・実行(フィリピン麻薬戦争)
  • 麻薬王の1人に面会し、面と向かって「処刑するよ・・・?始末するよ・・・?」「殺すぞ」と威圧
  • 汚職の疑いで捜査を受けている警官102人を宮殿(日本でいう首相官邸)に呼びつけて「犯罪行為を続けるなら殺害する」と威圧
  • 息子の麻薬密輸関与疑惑に関して息子だろうと麻薬に関与するなら殺害も構わない旨を表明し、息子に対しても麻薬が理由で殺害された場合は殺害した警察官を守ると警告
  • オバマ米大統領を「売春婦の息子」と侮辱

などなど。大抵の指導者は映画1本取れるレベルだがドゥテルテ氏は3部作くらい作れそうなキャラの濃さ。これくらい強い指導者が出て来ないものか・・・しかしそれで上手くいくとは限らないか。

国が書店を税金で支援する件

 経済産業省から書店を支援しようというプロジェクトが出てきている。記事や報道では比較的肯定的というか、書店に通う人たちを映すなどして同情を誘うような内容だが、私はこれが許せない。

news.yahoo.co.jp

(記事題:20年で店は“半減”――消えゆく書店を「国が支援」へナゼ 「税金投入は無駄」…ネットでは厳しい声も 書店の魅力と将来は?)

市場の流れに逆らっている

 確かに本を読むのは大事だろうし、若者の活字離れを止めたいという気持ちは分からなくもない。一方で本を買うのも読むのも今は書店でなくても出来る。そもそも知識を得るのに書籍という形態にこだわる時代でもない。書店が減っているのは町の小さな書店という業態が時代に即したものではなくなったからであり、それは言い方が厳しいが自然淘汰というものだ。

 そこであえて税金を投入して支援しようと、それもイオンの台頭によって全国の商店街がシャッター街と化した今さら言い出すあたりに、何か良くない金の動きを感じざるを得ない。また助成金事業か何かを立ち上げてその業務委託で中抜きさせるのだろう。

 で、どうして書店だけなのか。ならばほかの傾いた業界も片っ端から公費を投入して支援しなければ筋が通らないではないか。こんな事をやっているからいくら税金を取っても取っても足りなくなるのだ。ふざけた使い道をするなら減税をしろ。本当に、心底アタマに来る。

 それだけでなく、書店の中でも他の業種と手を組んで存続のための企業努力をして来た企業もあるだろう。その経営努力による差を税金投入によって簡単に埋めてしまうような政策を、よりによって経済産業省が企てていることにも怒りを感じる。政治家だけでなく勉強ができるだけの官僚も問題だ。官僚は組織内での出世のために国益を犠牲にしている。

守るべきものは書店ではない

 活字離れ、書籍離れの問題は本に対する物理的、心理的な距離の問題であって、そこで潰れることが必定の書店を税金で延命したからと言って本を読む人が増える訳ではない。こうした問題の根底として行き着く先は大抵が低迷し続ける経済である。人々に経済的な余裕が戻って来なければ、活字はもちろんのことあらゆる文化的な運動の衰退は解消しない。

 本を読むためにはそれなりに時間もかかるしお金も要る。場所も取る。実店舗であればそこへ足を運ぶこと自体がコストだ。大げさだと思うかも知れないが若い世代はこの程度のコスト計算は当然する。一方で可処分所得は減り続けており、節約節約と育てられた世代にはそれらのコストを許容すること自体が難しい。

 守るべきは書店などではなく国民の家計である。経済的な余裕が無ければいくら書店が残っていても、たまには本を買ってみようかとすら思わない。経済的な余裕の無さは精神的な余裕の無さにも繋がる。2時間の映画ですら座って観るのが苦痛という人間が出てくる社会、誰がじっくり読書で想像を巡らせるだろう。文化的とされる事がどういうものか頭で理解はしていても、それに手を出せるかはまた別問題なのだ。

情報を得る手段として

 断っておくが書店に恨みがあるとか本が嫌いだとか、そういう思いは無い。それはそれで良さがあると理解している。しかし書籍、本というのはあくまで情報媒体の1形態であって、書店はそれを扱う小売店というだけの話。それらをことさら特別視するべきとも思わないし、情報を得る手段としてこだわる必要は無いだろう。信頼性の面においてもKindleで実在の書籍が買えるし、どうしても物質的な書籍が欲しいならAmazonで紙の本を買えば良い。

 ネットの情報は情報を取捨選択できなければいけないが、若い世代にはそれが出来るしむしろそれに特化している。ネット検索で情報を見つけ出す速度が違う。信頼性が低い情報を掴まされる場合もあるがそれは情報ソースを確認・考慮しない人間が悪い。その辺は書籍も同じ。書籍も馬鹿げたことを書いているものなんてごまんとある。

 どうしても「書店」という業態にこだわるのであれば、それはそれで有志が支えれば良い話。国が税金突っ込んでまでやる事ではない。

 私自身もそう言われれば技術書以外はあまり読まない。たまに読むとしても名作はネットで無料で読めたりするのでわざわざ買わないし書店にも行かない。著者の意見が強い書籍を読むとその人の意見を自分の意見としてしまいそうな上に、安易に受け売りしてしまいそうで怖い。自己嫌悪を感じる。文学作品は単純に読むのに時間がかかり過ぎる。小説の方がアニメでは伝わらない「この登場人物はこのシーンでこんな心境だったんだ」、といった事が分かるのでより深い理解には繋がる訳だが、時間を割く以上はまず他のメディアでよほど好きにならない限り難しい。

 今の子供は思っているより多く本を読むらしく、20代以上の方があまり読まないとか。そりゃそうだ、大人になってからの方が自由な時間は少ないし、使えるお金を別のところに使おうとする。子供なら時間はたくさんあるし親によってはいろいろ買い与えるだろう。恵まれたご家庭の親なら子供が生まれた時点で文化資本を持っている可能性が高い。

 裏を返せば今は年齢的に大人とされる層に余裕が無さ過ぎる。どいつもこいつもカネかね金。転売ヤー、強盗、立ちんぼ、投資詐欺、アフィリエイトYouTube収益化。最近だと株式投資が熱いか?文化的活動どころの話ではない。金を稼ぐのと目先の娯楽を消費するので精一杯。

 活字が今の世の中で受け入れられないのは決して活字が時代遅れだからとか、若者が活字の良さを理解できないからなどではない。ただそれにかかるコストを支払えないだけ。無い袖は振れん。

余談:万博記念硬貨がヤバい

 まったく関係ない話だが単一で記事にするには弱いので。

news.yahoo.co.jp

(記事題:大阪・関西万博へ向けて 「ミャクミャク」刻まれた記念硬貨の製造スタート 自動運転バスの実験も)

 驚くべきはこの記念銀貨(千円銀貨)の値段。5万枚発行されて1枚 13,800円*1で販売されるという。一体誰がどれだけ買うのか知らないがなかなか良い商売をしている。

www.expo2025.or.jp

 公式サイトによれば純銀製で重さ約31.1g。現在の銀の価格は買い取り/販売価格の平均を取ると126円/g程度なので、時価換算で約3,900円。額面よりも銀としての時価の方が4倍くらい高いが、売値は銀としての価値の約3.5倍。

 愛・地球博の記念500円硬貨は現時点で1,000円未満くらい、1964年東京オリンピック記念1000円銀貨でも4,400円程度でそこそこキレイなものが買える。将来この銀貨がどのような価値とみなされるか。大阪万博への評価も楽しみだなあ(笑)。

 

*1:消費税・送料込み

フェミニズムはなぜ失敗するか

 フェミニズムと呼ばれるものがどうにも上手く行っていないように見受けられるが、それは何故かを考えてみる。

ミサンドリーとの習合

 フェミニズムは性差別との戦いといえる。言い換えれば男性中心社会への反抗であり、そこで往々にして男性VS女性という対決構図に陥ってしまう。これがしばしばミサンドリー=男性嫌悪と習合し、女性の社会的地位や権利の向上ではなく男性の価値観ないし男性そのものを否定しよう、という方向へ動いてしまう。

 そうなると男性全体をステレオタイプ化して否定的に扱うことによって対立構造が生まれ、建設的な対話や協力が阻害されて、両性による建設的な対話と協力による互いを尊重したライフスタイルの模索が出来なくなる。男性中心社会において男性の協力が得られないとなれば、当然ながら社会はなかなか変わらない。男性を”敵”として扱うゆえに、彼らが変えたいと望む構造はより強固になってしまう。

 このような流れはフェミニズムに限らず他の政治的な運動にも見られる。運動そのものをストレス発散のために利用しようと余計な人種が流入した結果、あらぬ方向を向いて過激化して大衆から敬遠されてしまう。共感や支持を得るどころか「こんな人たちと関わりたくない」、「関わるだけ無駄」と思われてしまう。やっている当人たちは似たもの同士で集まっているので決して孤立しているとは感じない訳だが、大衆の中で見れば孤立している。社会を変えるほどの大きな動きは生み出せない。

 そこで協力的になれない男性が悪いという意見もあるかも知れないが、女性差別をやり返すがごとく男性的な価値観、男性そのものを否定される状況では協力的になれないのは当然だろう。男性も感情的な面は当然ある。最初は協力的でもあまりに否定的な言動を目にしたゆえ、協力する気を無くすことは当然ありえる。そこで「男なんだから感情的にならず論理的に考えて協力的に振る舞え」と言うのはそれこそ性差別的。

目指す場所の乖離

 フェミニズムフェミニストと一口に言ってもその在り方や目指す所が一様ではない。本来の意味でフェミニズムを推進する純然たるフェミニストもいる一方で、ミサンドリーから転じた似非フェミニストもいる。

 それだけでなく経済的にどのような位置にいるか、どのような女性としての扱い、文化的な扱いを望むかによっても改革のレベルは異なる。こうした目指す場所の違いから内部的に対立が生まれることはどんな運動にもありがちな事だ。一体何をどのように変えていけば社会はより良くなるのか、という理想像に男女間はもちろん、女性の間ですら合意が形成されていない。

 この問題の根底には生物としての本能がある。生存戦略においては従来の男女の在り方が有利であり、それに乗ることが出来る者はあまり変革を望まず、乗れなかった者は変革を強く望む。生き残っていく*1のは前者であるので、従来の在り方を根本から覆すレベルかつ人間の生存戦略に即した、万人に共感を得られる普遍的な生き方を提示できない限り、真の変革は起き得ない。

 こうした新しい生き方へのビジョンの欠如は男性にも言えることだが、女性側で目指す方向性が固まらない以上は議論のしようが無い。ある程度考え方が固まっていても、異なる考え方のグループと互いを尊重することが出来なければそこには分断が生まれる。

女性としての扱われ方を捨てたくない

 女性らしい扱われ方は女性が弱者の立場に甘んじることと引き換えに与えられたものである。弱者から「平等」な関係へのステップアップを目指すのであればそれは捨て去らなければならない。しかしそれはしたくない、女性らしく扱われた上で、弱者ではなく対等な相手として扱われたいという欲求が垣間見えることがある。男性側からすればそれは身勝手であって、「公平」かも知れないが「平等」とは言えない。ゆえに共感も支持も得られない。

 逆に言えば男性も女性に弱者らしさを求めることをやめられないし、身体の構造や出来ることが違う以上は相応の扱いをやめる訳にもいかない。

 もっとも今のZ世代と呼ばれる世代では男女平等の精神が浸透しつつあるようで、今まで男だから、女だからと役割分担してきたことが通用しない例も増えているようだ。力仕事をなぜ女性に頼まないのか。お茶くみをなぜ男性社員がやらないのか、というように。その点では少しずつ進歩があるのかも知れない。良いかどうかは別として。

 創作作品でも昔のマンガ・アニメでは「男が女に手をあげるなんてとんでもない」という感じだった(逆は許されていた)が、最近の作品では男女平等パンチが普及して来ている。先日の記事でも言及したマッシュルでも、主人公が敵対した女性にバックドロップをお見舞いしている。

逆にどうすればうまく行くか

 まずフェミニストミサンドリーを区別して排除することが重要だと思われるが、これがなかなか難しい。他の政治的な運動も同様で一度変質してしまった運動を元に戻すことは難しい。特にミサンドリーなんか無限に湧いて出てくる訳で、それらとフェミニストを区別して議論を進める手間を好き好んでかけられる人間は少ない。

 それが出来た前提で考えてもフェミニズムの実践というのはなかなか難しいものがある。人間という種を持続させていく=出産・育児をする前提で人生設計をする以上、女性を弱者としての立場から開放するのは難しい。少なくとも私はそれを思いつかない。せいぜい人工子宮で妊娠・出産そのものから女性を開放することで、それらにかかるコストを男女で分担する程度。現時点では現実的ではない。

 人工子宮が実現して広く普及すればまた新たな社会の在り方も見えてくるのだろうが、それは当分先のことだろう。別の問題も出てくることは容易に予想できる。

余談:似非フェミニストはなぜ生まれるか

 個人的な偏見だが、これは非モテ女性がフェミニズムの思想に触れて変質するから。恋愛面で女性としての価値が認められないという現実を受け入れられず、そのストレスを「悪いのは私に価値があると認めない男性的な価値観である」という方向へ転換し、そこにフェミニズムの男性社会への挑戦、男性的な価値観の否定が合致して無自覚にミサンドリー化する。

 なので彼らは男性を過度にステレオタイプ化した上でその価値観を否定するし、マンガであれアニメであれマスコットであれ、「女性らしさ」に関する表現=自分たちと相反する価値観の象徴を異常なまでに敵視する。本質は女性の社会的地位向上や性差別の解消ではなく、言ってしまえばあてつけに過ぎない。

 そして男性に対する見方は変わらないので、男性が男性らしく描かれることや男性に男性らしさを求めることは何ら見直そうとしない。女性として尊重されない事へのあてつけなので、目障りな性描写以外の女性らしい扱いに対して目くじらを立てることもあまり無い。

 皮肉なことに、彼らが救われるためには恋愛において彼らの価値を認めてくれる相手を見つけることなのだろうと思う。なお、これはミソジニーに関しても同様である。

 男性の場合、恋愛面で無価値だからとミソジニーに走る例はそこまで多くないように思うがこれは単純に言い出しづらいのと、男の方が子供の頃から雑に扱われること、我慢するのが当然とされる上に他に夢中になれるものを見つけやすいからではないだろうか。フェミニズムのように女性的な価値観を否定するための口実も無い。言い出さないだけで実はミソジニーミサンドリーも同程度いそうな気はするが、大義名分があるかどうかは大きい。

 私は非モテ男性だが、女性の価値観を変えようなどとは思わない。無価値な人間は無価値であること受け入れて、その上で先に進むしか無い。価値の無いものを無理に受け入れさせることは不可能だ。

 

*1:子孫を残す

竹中平蔵の不愉快な発言ほか

 竹中平蔵がまたいつもの頓珍漢なことを言ってヘイトを買っていた。

mag.minkabu.jp

(記事題:竹中平蔵「政治家の5年1000万円不記載で過剰にガタガタすべきでない」全員が潔癖だと、社会はなかなか成り立たたない)

グレーではなくブラック

 竹中氏いわく「グレーな部分をある程度許容することが健全な社会には必要」とのことだが、今回の政治資金パーティーをめぐる裏金問題は政治資金規正法違反であって明らかに違法。グレーではなくブラックである。現に逮捕者も出ている。こうした事態を「グレーゾーン」と称して許容せよと抜かすのははっきり言ってクソバカのやることだ。

 記事では「年間200万円の不記載程度で」と続くが、今やインボイス制度によって個人事業主さえ年間100万円まで*1の消費税もみっちり徴収される社会。そこで「年間200万円程度のことでガタガタ言うな」とはおそれいる。だったら「年間100万円程度の益税くらいくれてやればいい」くらいの政治でなければ筋が通らない。というか2023年10月以前はそうだったのだが。

日本人と寛容さ

 「健全な社会にはある程度の寛容さが必要である」という点は一概に否定することは出来ない。しかし寛容であるべき内容とそうでない内容は区別すべきであり、寛容さにも限度がある。

 日本政府、政治家、政商は日本の経済・社会を悪化させ続けて日本という国から寛容さを失わせ続けて来た訳で、ほかならぬ竹中平蔵も日本社会から寛容さを失わせた立役者の1人だろう。そんな者が日本国民に対して寛容さの重要性を説くなど筋違いにも程がある。ヒトラーに平和や命の大切さを説かれたような気分で甚だ不愉快。頼むから永遠に黙っていて欲しい。

 特に氏が推進した非正規雇用の拡大はまさしく日本から寛容さを奪った一因では。政治屋と政商は「雇用の流動化」の名のもとに生活基盤を不安定化させ、低賃金化させ、経済的な余裕と同時に精神的な余裕までも奪い去って、経済も少子化も何もかも悪化させて来た。寛容さが生まれるような社会を手ずから壊しておいて寛容性を求める矛盾。むしろ今まで氏が暗殺されないでいる時点で日本国民は相当寛容である。いや、悪い意味で我慢強いと言うべきか。寛容さも度が過ぎれば愚かなものだ。

 それにしても「全員が潔癖だと社会がうまくいかない」か。なるほど汚いのが当たり前の業界にいると当たり前のキレイさが「潔癖」に見えるか。我々国民が政治屋や政商に改めてその辺りの基準を示すべきではないだろうか。法律を守るのは当たり前のことであり、立法府における国民の代表者たる者であればなおさらだと。

投資教室に通う子供

 話は変わるが、テレビで投資教室とやらに通う子どもたち(小学生高学年くらい)が映っていて何か嫌だなあと思った。別にお金を稼ぐことは悪いことでは無いと思うしお金に関するリテラシーは必要だと思う。にしても、だ。

news.yahoo.co.jp

(記事題:「20年で億を達成」“株価4万円”目前で高まる投資熱 子供の投資教室も参加者急増)

 至極個人的な感想だが、子供が子供であるべき時期から金金金と言わないといけないなんて惨めな世の中だと思う。将来的にどのような方法で飯を食べるにしても、「金を稼ぐこと」そのものを目標にするのは豊かな人生につながるのだろうか。もちろんお金はあればあるに越した事はないのだが、闇バイトにしろ転売ヤーにしろ何にしろ、今の日本人は金に目がくらみ過ぎている。

 ではなぜ日本人は金に目がくらみ過ぎているのか。その理由は当然、社会・経済が日本国民にそうした生活や価値観を強いているからだ。働けど働けど我が暮らし楽にならず。取られる税も保険料もますます重く、まともに働いていてはバカバカしいほど手取りが上がらない。結婚も子育ても夢のまた夢、せめて遊ぶ金が欲しいと誰も彼も金に飢えている。その結果が闇バイト、転売ヤーパパ活(という名の売春)etc.。本当にろくでもない*2

 その点、投資教室に通わせてもらえるような子はまだ恵まれた部類なのだろう。親からして投資できる資金の目処が立っているということだ。底辺の子供は安直に闇バイトに走って逮捕されて転がり落ち続ける人生、かたや恵まれたご家庭の子は親の財産から投資をしてさらなる高みを目指す。こうして格差はどんどん拡大していくのだな、と思う。それがこの国を良い方向へ導くだろうか。否。政治屋や経済界の愚か者たちは、アメリカのような格差社会の惨状を日本で再現したいのだろう。少子化はそうした惨状の1つの光景に過ぎない。

 世の中はそれでもNISAだ投資で資産所得倍増だと湧き立っているように思うが、日経平均が史上初の4万円超えを記録している現状、これは明らかにバブルではないか。今から手を出すのは良くないのでは。私は米国株を持っているがこれもいつまで持つべきやら。日本株半導体関連以外で上がる要素無し。実体経済が悪過ぎる。私なら今からの日本株の投資なんかしない。そもそもどこが伸びるか分からん、NVIDIAのような伸びしろが見えるようないわゆるユニコーン企業も無い。

 まあ、今から米国株に手を出すのはそれはそれで円安過ぎて辛いものがあるのだが・・・数年前に投資資金をすべてドルに替えておいて助かった。

余談:願書出し忘れ

 高校受験の願書出し忘れがニュースになっていた。

news.yahoo.co.jp

(記事題:願書出し忘れに両親怒り…「ミスじゃなくて犯罪」「訴訟する」弁護士の見解は)

 出し忘れた教師が悪いのは当然として、昔からこういう話はちょくちょく聞くにも関わらず未だに教員側の不手際をカバーする救済措置が無いらしいの、どれだけ時代止まってるんだよと思う。

 そう言えば私の中学校では、願書は通学路の下見もかねて自分で出しに行く方式だった。自分で出させる方式にすればこのような悲劇は防げたはず。冬に生徒だけで電車に乗って願書を出しに行ったのを覚えている。同じ駅で先生2人に見送られて電車が出たあと、見送ってくれた先生の1人が心筋梗塞で亡くなられたのが印象にある。

 何はともあれ、重要なことは人任せにしないことが自衛のためには必要といえる。教師といえど完璧で100%ミスをしないという訳ではないし、親しいだけで他人には変わり無い。通学も考えれば最初に願書を出すために現地へ行かせてみる、というのはなかなか合理的。

 私が高校生の頃から後輩に「1人で電車に乗れないから毎日お母さんが付き添いで最寄駅まで来ている」なんて子もいたが、過保護も大概にすべきだ。

*1:免税事業者になれるのは年間売上1,000万円以下までなので益税はあっても最大100万円

*2:パパ活はホストに狂った愚か者も多いだろうがあれはあれで病気