Xで近年、テレビの視聴率が下落の一途を辿っているというデータが話題だった。では何故、人々はテレビを見なくなったのか。理由は複数あると思われるがその理由について個人的な考察を書いておく。
なお、私は一部の番組は見ることが多い。逆にそれ以外では好きな芸能人が出ているとか動物が出ているとかで無い限り見ない、見てもテレビの音声自体をBGMとして流している程度。
時間あたりの内容が薄い上に不便
一番の理由はこれだと思っている。特に近年、YouTubeや動画配信サービスが台頭して来た中ではテレビの「CMを多く見せるために内容を目一杯引き伸ばす」、という制作手法があまりに中身の薄いものだと露見してしまった。それも薄さを考慮した上でなお大した内容がある訳でもなく、ゴールデンタイムでさえ芸能人がグルメを堪能する、YouTubeで見られる動画のダイジェスト、みたいなものが多い。もちろん面白い番組もあるのだが、内容の濃さは比較するまでもない。
たとえばYouTubeなら、自分が興味のあるコンテンツが10分程度に凝縮された動画を見ることになる。最低でも30分はかけてCMもそれなりに挟みながら薄い内容を垂れ流すテレビとは情報密度が違う=タイム・パフォーマンス*1が違う。YouTubeも広告が入るがテレビのそれに比べれば明らかに短い。場合によっては5秒で飛ばせる。いつでも好きなタイミングで好きなものを見られるし、必要であれば再生速度を変えることも飛ばすことも可能。違反などで削除されない限り何度でも見られる。
動画配信サービスであれば有料にはなるものの、映画でもアニメでもCMを挟まずノーカット当たり前で見ることが出来る。好きな時に好きなものを見られるのはもちろん、シリーズモノならオープニングを飛ばす機能もある。いちいち選択しなくても次の回を再生してくれる。
ここから考えれば、テレビは時代の要請に応じたコンテンツを制作できていない。ただのグルメ広告や制作の手間がないYouTube動画、映画を垂れ流しているだけでは戦えない。ドラマは合う人は合うのかも知れないが私は無理。日本のドラマは予算が無いせいかどうしても泥臭い人間ドラマ()に走りがちで、それ以外に見どころが無い。
偏った内容・報道
これについては人によって意見が分かれそうだが、民放のニュースやワイドショーは確かに偏っていると感じざるを得ない部分がある。ニュースなんかは事実をありのまま伝えるだけで良いのに、コメンテーターが余計なコメントを挟む、番組として恣意的な編集をするなどの疑問を感じる場面がある。
グルメやファッションなどの文化的な面においても謎の韓国推しは続いているし、「流行は作るもの」とはいえ度が過ぎると押し付けがましく気持ち悪い。その結果として敬遠されるようになっても仕方ない。制作側も人間なので多少、自我が出るのは仕方ないにしても限度がある。
その点、NHKはまだ良くやっている部類とは思う。右からも左からも批判的な意見が出てくるがそれはある種、中立的な立場を(比較的)守れているからだ。とは言え難民を取り上げた特集などでは明らかに同情の余地が無かったり「その理屈はおかしい」とツッコミたくなる事も多数だが。
でも本当にテレビ見ない?
そうは言ってもなんだかんだでテレビを見ている人は多いような気もする。宣伝効果はまだまだ高い。定番の番組も面白いと言えば面白いし、テレビの作るコンテンツが全く無価値かと言えば全然そんな事はない。
私は「月曜から夜ふかし」、「マツコの知らない世界」、「金曜ロードショー」、「鉄腕DASH」あたりは見る。夜ふかしは単純に面白い。知らない世界は自分が興味無い/薄い世界を知れて面白い。金ローはXで感想を共有したりするのが面白い。鉄腕DASHは内容によっては面白い。大体何かをしながらの”ながら見”だが、なんだかんだでテレビでしか得られない要素はある。
ネプリーグもたまに頭の体操程度に見ると面白い。イッテQはみやぞんの回は見る。それ以外は微妙。出川のパパラッチは見るに堪えない痛さ。絶景が映るシーンでも芸能人の顔ばっかり映してるのが面白くない。
NHKで言えば「映像の世紀」、「ダーウィンが来た」、「コズミックフロント」も良い。「ダークサイドミステリー」もなかなか。見始めたらついつい最後まで見てしまう。
アニメは見るが最近はAmazonPrimeVideoで見ることが多くなった。バカげた規制で深夜帯に放送されるアニメが増えたので単純にリアルタイムで観づらい。今シーズンで言えば「ダンジョン飯」、「鬼滅の刃 柱稽古編」は良かった。同じくPrimeVideoで言えばアメリカのTVドラマ、「S.W.A.T.」も面白かった。「これがTVドラマってレベルかよ!?」というレベルで銃撃戦やらカーチェイスやらがある。
余談:嫌いな番組
あえて挙げるならばTVタックル、サンデーモーニング、24時間テレビ。
TVタックルは年寄りコメンテーターがその場で言ってもどうにもならない事をガヤガヤ言うだけの政治ショーで、なおかつ竹中平蔵のような明らかに的外れな奴が出演するので不快でしかない。
サンデーモーニングは明らかに偏った内容で見るに値しない。あんなものを視聴していると正常な思考が妨げられる。情報の見方が歪む。日曜の朝という爽やかで自由な時間を有効活用する方法は他にいくらでもある筈だ。
24時間テレビは今まで散々指摘されて来た通り、チャリティーと題しながら出演者はノーギャラではない。出演者に多額のギャラを支払いながら視聴者に寄付を求める姿勢は「金持ちのくせに他人にたかろうとする」ような姿勢に見える。加えて募金の着服事件まで明るみになる始末。完全に時代遅れの遺物。
*1:時間あたりに得られる利益等