ヤマネコ目線

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若者のお酒離れって何が問題なのか

 書き散らし。最近では国税庁が「若者はもっと酒飲んで酒税納めろ」(超意訳)と言い出して国内外から失笑を買っていた訳だが、改めて思うと酒離れの何が問題なのだろうか。

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このご時世に飲むメリットは無い

 酒は本当に好きで飲んでいる人ならまだしも、特に好きでもないのに無理して飲むものではない。私はそう考えている。最近の研究ではアルコールに適量など存在しない(少量でも毒)という結果が出ている(個人差はあるが)。

 それに、この先の日本は今よりどんどん生きづらく弱者に厳しい社会になっていく事が予測される。その中であえて健康を害し、浪費を生む酒を嗜むのはリスクでしかない。今の若者が酒やタバコを敬遠するのは健康面よりむしろこちらの要素が大きいだろう。単純に金の問題もあるだろうが、将来的なリスクを避けるための一種の自衛行動と見ることも出来る。

 長く生きていても良い事があるかどうかとかそういうのはあるが、人間は時に存外頑丈なもの。早死にしたいと不摂生な生活をして様々な疾患を抱え、死に切れずにダラダラと長く生きてしまう方が怖い。それならば少しでもリスクを減らしながら生きる方がマシ。それに生きていれば何かしらの楽しみはある。おそらく。

 それに、健康リスクが減ると言うことは多少なりとも医療費削減につながる。はず。昨今は社会保障が財政を圧迫し、健康保険関連では鬱陶しいくらい健康増進運動をしているのでは無かったのか。たまに私の会社にも健康診断の結果を出せだの面談・指導させたいだのと来るが。そういった姿勢と「酒飲んで税金納めろ」と言う姿勢にやってる側は矛盾を感じないのだろうか。

単純に飲む習慣がない

 当事者の1人として書くと「酒離れ」と言われても違和感しかない。そもそも酒を飲んで当たり前の生活をしている訳ではないのだから。むしろなぜ飲んで当然のように言うのか。付き合いでビールも日本酒も飲んだ事があるが美味しいと思った事はないし「また飲みたい」と思った事もない。同年代には酒を進んで飲む人間は居るには居るが、そういうのは大抵が惨めな現実から目を背けたい、現実に絶望して早く死にたいからストロングゼロを飲むというような有様。

 まあ、結構なご身分な方々は高級ワインやら何やら嗜まれるのでしょうけど。そうでないなら今の若年層はそんなもの。自由に使えるお金は少ない。その少ない原資の中でいかに楽しみを最大化できるか。それが今の若年層が追い求める”楽しみ”の形であって、そこに余計なものが入り込む隙は無い。むしろますます狭まっている。この国が経済的だけでなく文化的にも衰退して行っているのは、言い方は悪いが”余計なもの”を楽しめる経済的な余裕が無くなっていっているから。この先、酒がどうのタバコがどうのなんて言っていられなくなるだろう。もっと重要な文化でも消えていく時代に入る。酒離れなんてまだ個人に対してはプラスの要素しかないのだから放っておいて良いくらいだ。酒造業界の方々には申し訳ないが。

余談

 なお、ここで書いた「少ない原資でいかに楽しみを最大化するか」という命題はお金だけでなく時間にも適用される。最近、テレビなどで「若者の信じられない行為」としてたまに言われる映画などの倍速視聴、要約動画などはその最たる例で、限られた自由な時間をより効果的に使おうとした結果、そこに行き着いている。その他、上司と一緒に過ごす時間が惜しいなども同じこと。時間はなかなか価値には換えづらい。我々は生きるために当たり前のように時給換算でいくらと時間を切り売りしながら働いているが、逆に1,000円出そうと100万出そうと1時間を買うことは出来ない。不況の中で生まれ育った若者はこれまでの世代よりそういった価値により一層敏感かつシビアなのである。

 倍速視聴で言えば、もう10年以上前に私の叔母が韓国ドラマを倍速視聴していたが・・・主婦なので時間が無くてそうなったのだろう。

 個人的には映画でも何でも倍速視聴するくらいなら等倍速で観ろよとは思う。等倍で見ても拾えきれない要素とかあるし。そういった要素を切り捨てるのは、作品を真に楽しめたとは言えない。かける時間は1/2、1/3になるかも知れないがそこで見いだせる価値はそれ以上に少なくなる、そういう感じがする。それなら観る作品を絞った方がマシ。ただYouTubeの動画は人による。テンポが悪いと飛ばすのも倍速もアリ。

 その点で言えばテレビ番組を観るのは本当に苦手になった。CMがあるとは言え尺伸ばしも繰り返しも酷すぎる。どうしても観たい番組はスマホYouTubeを見ながら、PCで作業しながら・ゲームしながらでもないと観ていられない。映画館で観る映画はまた別。