ヤマネコ目線

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英国の国葬と同列に語るな

 書き散らし。自民党の石破前幹事長がエリザベス女王国葬について「事前に議会の承認があった』との事実誤認があった」と過去の発言を訂正・陳謝した。

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それはそれとして

 はっきり言って石破氏の発言はどうでも良いと思うのだが、それよりも安倍元総理の国葬を議論する上でエリザベス女王国葬を引き合いに出し、あたかも同列に語るかのような議論が自民党内であることに驚きと違和感を覚えずにはいられない。安倍元総理とエリザベス女王だといくらなんでも格が違い過ぎるだろ!

 時期が近いし「国葬」という名称からどうしても名前が出るのは仕方ないのかも知れないが、エリザベス女王は王族でありその葬儀は日本で言えば皇室におけるそれに当たる。費用面で引き合いに出された「大喪の礼」は皇室典範にそれを行うことが事前に定められており、格式もその辺りの違いも無視した議論は事実誤認どころの話ではない。いくら非業の死を遂げたとはいえ、あくまで民間から選ばれた宰相とは扱いが違ってしかるべき。自分たち(=自民党)や日本政府の決定に都合のいい議論をしようとしてもはや根本から間違っている。

 石破氏は「エリザベス女王国葬が議会の承認を得ていたと勘違いしていた」として謝罪したが、女王が亡くなられてから議会での承認がなされないのは当然。女王が逝去されてからの連絡から葬儀にいたるまでのプロセスは事前にイギリス政府が周到な準備をしていたからである。それも1960年代から準備が進んでいた。根回しどころか衝動的に国葬を決めて各国に連絡までした岸田政権とはまったく違う。

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安倍元総理の国葬について

 前々から書いている?通り国葬は今さら止めることは出来ないのでやるだけやらせてから、後からででもここまで拙速な判断をした責任を岸田内閣および自民党に取ってもらうほかない。終わったことに文句を言うなは通用せんぞ。「もう決まったことに文句をいうな」からの「終わったことに文句を言うな」の批判封殺コンボはエセ保守カスが自己正当化のために使う論法だが、それは一般的には通用しない。交通事故を起こした後にもそれ言ってみろよ。通用すればいいな?責任問題でそんな論法、どんな場所でも通用しないと思うけど。

 安倍元総理は統一教会の広告塔であったしそれで山上容疑者に目をつけられたのは確かだが、あの最期を見るに政府の事の運びようによってはここまで反発が強まることも無かったはず。暗殺直後、一部のアンチ安倍を除けば多くの日本国民はまだ安倍元総理に同情的であったわけで・・・。

 そこを衝動的に国葬の日程は決めるわ、「各国に連絡したからもう遅い」と言わんばかりに他人に迷惑をかけることを嫌う日本人の性を逆手に取って見え透いた後出しをしてくるわ、国葬の費用はべらぼうに高いわ、あげく業者まで桜を見る会の業者に利益誘導するわ(入札期間わずか2日)、なーにをやってるんだこのバカどもがと言いたくなる。ついでに言えば統一教会問題が明らかになった後でも壺議員を入閣させたしな。

 日本はどんな悪人でも死ねば仏の文化であり、安倍元総理に対してもいろいろあったが追悼はやぶさかではないと言う人は多かっただろうに、そこを普段は検討検討また検討な検討使のくせになぜ拙速に決めてしまったのか。

 余談だが私はあくまで国葬当日は大人の対応を取るべき派。別にそこであえてデモをするのもある種の民主主義だし、そこまでされるような事の運び方をした日本政府も悪いので止めはしないが、どんな形であれ追悼行事で他国からの来賓がある以上はそこで騒ぐのも大人げないというか恥ずかしい。過激な反対派はそれでもデモなどをやるのだろうが、それを見た世間一般の人間は普通に引く。ドン引きする。それが分からないから彼らはいつまで経ってもノイジーマイノリティなのだが。