ヤマネコ目線

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雇用保険の適用拡大

 雇用保険料の加入要件が緩和されるらしい。モノは言いようで確かに要件は「緩和」だが、取られる側から見れば締め付けでしかない。

news.yahoo.co.jp

(記事題|週10時間労働で雇用保険に 要件緩和、500万人加入(共同通信))

下からばっかり取りやがる

 後述するが社会保険も来年10月から適用範囲が広がる。短時間労働者でも小さい企業*1の従業員でも何とか加入させて保険料を取ってやろう、という事になっている。これに加えて雇用保険加入しない条件を厳しくするというあたり、どうにも「下々の者からもっと搾り取ってやろう」という悪意に満ちた方向性にしか見えない。

 もちろん社会保険雇用保険もそれに加入する/できることで得られるメリットはある。が、ご存知のとおり条件を満たせば加入は強制であり任意で加入しないという選択肢は残されていない。加入したく無い、保険料を取られたく無いという人にとっては要件緩和とやらは実質的に労働条件を悪化させ、収入を減らすための枷として機能している。これはもう、「保険料を払え、さもないと制度的に圧迫して収入を減らしてやるぞ」、という国からの圧力である。

 社会保険雇用保険加入要件の拡大は「緩和」ではなく労働者に対する圧迫にほかならない。今後、その要件に当たらないように労働時間をより短くする労働者は増えるだろう。週10時間労働で、となればかなり厳しいラインだが。短時間労働者どころかバイトでも厳しい。

 そもそもの話として雇用保険料は社会保険料同様に逆進的である。社会保険のような”天井”こそ無いが、料率は一律であり消費税と同様、相対的に収入が少ない者ほど負担は大きくなる。そこまで財源が欲しいのであれば、保険料を累進性にすれば良いではないか。社会保険料も等級を青天井にするべきだ。

 本当に財源が必要ならば、の話だが。何でもかんでもムダが多過ぎる。「足りなくなれば取れば良い」程度の認識が心底不愉快。

来年10月から従業員51人以上が適用拡大に

 2016年から従業員501人以上、2022年から従業員101人以上、2024年10月から従業員51人以上の事業所において社会保険の適用拡大が進められている。対象は主に短時間労働者で、下記4つの条件すべてに該当する場合に社会保険の加入が義務となる。

  • 週所定労働時間が20時間以上
  • 所定内賃金が月額8.8万円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがあること
  • 学生ではないこと

 週所定労働時間が20時間以上などいくら短時間労働者でもすぐ超えるレベルであるし、所定内賃金が月額88,000円以上も賃上げの流れの中では場所にもよるがなかなか。残り2つの要件はあって無いようなもの。

 たとえば1日 6 時間労働、月水金の週3日出勤、おおよそ1ヶ月が4週間とすると1ヶ月あたりの労働時間はおおよそ 6 (時間) × 3 (日) × 4 (週) = 72時間。月額88,000円をこれで割ると大体、時給1,300円でもうアウトになる。政府がみずから賃上げを要求する中でこの流れを継続させるのは酷ではないか。

 だったら社会保険料も累進性にするなり、保険料を雇用保険料と同様に一定率を掛ける方式にして金額を青天井にするなりして、”上”もそれなりの負担をするべきだ。

税金でも何でも

 結局、政府のやることは財源を湯水のごとくムダにすること、国民(それも社会的に下の階層の)負担を増やすこと、企業に賃上げを要求することしかない。中抜き前提のあまりにムダの多い予算編成、税を上げると言っても逆進課税である消費税にばかりこだわり、法人税所得税を経済音痴の経済界に言われるままに引き下げる、経済が良くなるような政策を一向にせずそのくせ企業には賃上げを要請し、同時に増税して負担を増やす。

 それで何千万と報酬もボーナスももらって企業からも献金をもらえるのだから、本当に楽な仕事である。マジでもう本当にイライラするので消えて欲しい。自民党の天下もいい加減に終わり。終わらせなければならない。政治があまりに悪過ぎる。国民がいい加減に気づいて方針転換させなければならない。何が「美しい国」か。何が「憲法改正」か。寝言は寝て言うものだ。

*1:従業員51人以上