ヤマネコ目線

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消費減税を今、言い出すか

 自民党の若手議員が消費税減税を提言したというニュースを見て、腸が煮えくり返るような怒りを覚えた。ここまであからさまな選挙対策のパフォーマンス、それもインボイス制度という実質的な消費増税をした直後、納税のみならず事務的な負担も大きく増やしておいて今さら何が消費減税か。ふざけるな。バカにするのもいい加減にしろ。

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 消費減税をする方向性は間違っていないとは思う。が、「物価高だから消費減税しよう」という言い方は”分かってる”ようで”分かってない”。格差が拡大する中で消費税の性質を無視し、政商の言われるままに逆進課税を引き上げて経済政策を自ら潰して来たという根本的な間違いを連中は理解していない。理解した上でこれまでそうして来たのかも知れないが、それはそれで問題だ。選挙が近いからと場当たり的に減税の話を持ち出したところで、一体どこまで信じて良いのやら。根本的な間違いに気づいている訳ではないだろうし、(しばらく無いと思うが)円安が解消されればまた増税を言い始めるのだろうか。

 そして、この議員連盟は同時に20円規模の財政出動も訴えている。その財源はどこから出すのだろうか。減税してなおそれだけの余裕があるのだろうか。もはや意味が分からん。そこだけでもう矛盾している。そんなにお金あり余ってるんですかね。政府の財政は結構ですね。

 記事では「すべての家庭や企業の電気料金を一定期間分、政府が全額補填するプランも提言に盛り込まれた。」ともある。これも実際にやるとすれば一体どれだけの予算がかかるのか。非現実的であり所詮は選挙対策、分かりやすい口先だけの話。もし実現すれば電力会社は喜んで値上げするだろう。理由付けなどどうとでもなる。出産費用の助成と同じく特定の業界への利益誘導でしかない。一応、電力は好き勝手に値上げ出来ないだけの制約はあるのだが、何でも値上がりするこのご時世に値上げの口実には事欠かないだろう。

 どのみち今回の提言は自民党内で若手と言われる部類からの話であり、実効性が無い。実権の無い議員が人気取りのためにパフォーマンスしているだけ。選挙さえ終われば手のひら返し、大増税が来ることは明らかである。その程度のことすら読めないと思われているのだろうか。国民を馬鹿にするのもいい加減にして欲しい。そろそろ政府与党の政治家どもに、身の程を思い知らせるべき時期が来ている。

 消費減税に言及したのはまだ良いとしても、税金の種類などそれ以外にもあるし、国民が負っている負担は何も消費税だけではない。何より問題なのは社会保険料消費減税をしたとて、それ以外の項目で増税社会保険料の引き上げ、控除の廃止などが来れば何にもならない。プラスマイナスゼロどころか完全にマイナス。これまで岸田政権から聞こえて来たサラリーマン増税はまさにその流れを示唆している。給与所得控除の見直し、退職所得控除の見直し、通勤手当の非課税限度額の見直し、減税したらどこかで取り返しに来る。それも減税した分以上に。目先の利益に釣られてはいけない。

 なーにが「税収増を国民に還元する」だ。その還元の方法があまりにも非効率的でムダ。最初から取らなければ良いだろうが。それもインボイス制度のような最低最悪の制度を作り、逆進課税を上げ、手取りを減らすようなことばっかりしやがって。

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(リンク切れ対策|記事題「岸田総理『税収増を国民に還元する』その思惑は?"消費税"引き下げ求める声も)

余談:子は社会の映し鏡

 不登校の子供が29万人、いじめ68万件と過去最多を記録している。小中高生の暴力行為も過去最多の9万5千件。こういう記事を見ると「昔よりも報告数が多くなっただけで悪化した訳ではない」という人間が必ず出てくるが、果たして本当にそうだろうか。特に不登校の子供の数にそこまで発見できる/できないなどの要素から誤差が出るとは思えない。事実として子供を取り巻く環境は悪くなっており、それがこうした数字に反映されているのではないか。

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(リンク切れ対策|記事題「不登校29万人、いじめ68万件、ともに最多 文科省調査の全容判明)

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(リンク切れ対策|記事題「小中高生の暴力行為、過去最多の9万5千件 20年前の2.8倍に)

 親が共働きであまり子供に構うことが出来ない、教育が行き届かない。今どき子供を叱る、躾けることが出来るのは親くらいなのに、それすら出来ずに自分勝手なまま大きくなる人間の割合が多くなる。それが暴力行為をはじめ、あらゆる点で自分勝手な人間の生産に繋がっている。出産年齢の高齢化などで発達障害が増えたりもしている中では余計に、である。

 経済的な余裕の無い家庭が多くなり、何に挑戦するにしても金銭的なハードルに阻まれてばかり。世の中カネ、「親ガチャ」の世界、それに気づいて無気力になっていく子供も多いのではないか。何かにつけて節約節約節約。真面目に働いて子供も作っている親が生き生きとはしていないことを子供たちは見ている。幸せそうでもない大人を見て、生き生きとしていない大人を見て、どうして子供たちに将来へ希望を持ちながら生き生きと育てと言えるのか。

 むしろ不登校が増えるのは自然な流れである。真面目に働いてもバカを見るだけなのだから、従順なお仕事マシーンを作るための学校という訓練施設に通う意義を見いだせないのは当然だ。それを子供たちはどこかで感じ取っているように思えてならない。