ヤマネコ目線

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所得減税?それも4万?は??

 税収増の還元として少し前から話題になっていた所得減税の具体案が出て来た。「所得税などを定額4万円減税し、非課税世帯には7万円程度を給付する」などとしている。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策|記事題「政府 所得減税4万円を検討 非課税世帯に7万円給付案)

足りないんですが?

 定額4万円とやらの中身が所得税「など」とされているのも気になるが、それはそれとしてこの4万円、”年間で”4万円という話のようで何ともしょぼいと言うかケチくさい。負担軽減策としての効果が物価高騰のペースに追いつかないことは容易に予測できる。

 下リンク、日経の過去の記事によれば消費税が8%から10%に上がっただけで、年収400万円以上500万円未満の年間負担増は44,000円(推計)とされており、税収増の還元などと大口を叩けるレベルの話では無い。当然これは食料品等の軽減税率を前提としても、の話。

vdata.nikkei.com

 選挙が終わってすぐ消費増税でもされれば、年間4万円程度の話はすぐに吹っ飛んでしまうだろう。インボイス制度という悪法も徐々に遅効性の毒のように作用して来ているし、さらなる増税があればむしろマイナス。経団連関経連が要求している消費増税は15~18%あたりであって、どう考えてもこの程度ではお話にならない。必要なのは消費減税である。

本当にそれって負担減になりますか?

 実務的なことを考えるとおそらく年末調整で定額4万円の還付処理が入るのだろうが、それでは月々の負担が減ることにはならない。あくまで年末まで待つことになり即効性が無い。急に言いだしたので今年の年末調整でやるにしても急過ぎるので難しいだろう。それでも今年やろうと言うのなら政策自体の早さはあるが、効果が薄いことをいくら早くやっても評価に値しない。

 というか今からやるのかな。ムダに給与計算実務者や税務署の負担増やすなよ・・・税額表で調整するのなら知らんがそれだと定額4万円はどう反映するのか。

 そして年4万円という枠だが、所得税の年税額が4万円無い人はその恩恵を受けられるのだろうか。年末調整での還付はあくまで「本来支払うべき所得税と照らし合わせて取り過ぎた分は返す」、という趣旨である。つまり年4万円以上の所得税の徴収がそもそも無ければ還付される額は4万円未満となる可能性が高い。

 たとえば扶養ゼロ人で月の課税所得が145,000円の人の場合、月の所得税額は2,860円である。年間で34,320円。年末調整で還って来るのはこの34,320円が限度となり、4万円との差額 5,680円はそもそも徴収されていないので還付もへったくれも無い。

 好意的に解釈すれば「年税額4万円未満は支払うべき所得税が全額返って来る」訳だが、裏を返せば年4万円という額面通りの負担軽減はなされず、所得の低い層ほど所得減税の効果が薄くなる。何ともいやらしい。いかにもザイム真理教の考えそうな狡い制度設計。「定額」と言い出したのも納得だわ。

 そもそも累進課税である所得税を減らすというのが意味不明。それで、還元した分の税収は逆進課税である消費税の増税で取り返すのだろうか。まったくもって道理に合わない。格差を拡大させ低所得者への負担を増やし続けている。

 増税メガネの周囲にはそのあたりにツッコミ入れてくれる人は居ないのか。そうでなくとも自分のアタマで考えれば分かる範囲なのだが。その辺り、財務官僚に良いように言いくるめられているのだろう。国のトップに操り人形など必要無い。相応しくない。何のために選挙をしているのか。官僚の言いなり政治で良いならば最初から官僚が国会で議論し、首相官邸で行政にあたれば良いではないか。

非課税世帯への給付

 いつもの、お得意のバラマキ。住民税非課税世帯にはシングル家庭などもあるとは言え、お年寄りが多いとされる。そう、選挙対策として層の厚い高齢者へのバラマキである。その財源はどうするのだろうか。選挙さえ終われば「7万円お年寄りに配ったので、現役世代の皆様にはますますのご負担をお願いします」か。

ふざけんな銭ゲバ増税クソメガネマリオネット