ヤマネコ目線

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岸田総理がサラリーマン増税を否定した件ほか

 昨日の記事でこんなのが出ていた。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策:記事題「岸田首相「サラリーマン増税考えず」自民税調会長と一致」)

税調は1つではない

 紛らわしいのだが今回、岸田総理と一致したと言うのは”自民党"の税制調査会であって、数々のサラリーマン増税を提言して来た”政府”税調とは異なる。つまり「言い出しっぺが岸田総理の説得に応じた」とか、「政府税調がサラリーマン増税の提言を撤回した」だとかそういう事では一切無い。加えて政府税調は内閣府直属の諮問機関である。

 岸田首相は会見で「『サラリーマン増税』うんぬんといった報道があるが、全く自分は考えていない」と述べたそうだが怪しいものである。岸田首相が考えていなくとも、少なくとも財務省や政府税調は増税に乗り気だ。それを岸田首相が御し切れるかと言うと甚だ疑わしい。

 加えて下記のような報道もある。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策:記事題「新首相秘書官に「財務省の超エリート」が就任という大悲報…岸田さんは増税に本気らしい」)

 これまでの報道を見る限り、岸田内閣はむしろ財務省とは距離を置いてきた印象だった。それが一転して財務省のエリート、一松旬主計官が首相秘書官に抜擢されるという人事。記事では一松氏がメディア工作に奔走するのではと述べている。今後、メディアで増税を是認する論調が出て来たらその背後には一松氏がいる、と。

 面従腹背というか、自民党としては選挙を見据えて国民に「自分たちはサラリーマン増税なんか考えてませんよ、頭の片隅にも無い」、とアピールしたい目論見があるのだろう。

 しかし「火の無いところに煙は立たぬ」。これまでも防衛増税やこども予算倍増などで過去最高の税収からさらに搾り取ろうという話ばかり出てくる中で、一体誰がそのような見え透いた嘘を信じるのか。これまで打ち出されている政策を考えれば増税が来ない訳がない。消費税率を直接的に上げることが難しいとなれば控除を減らすなどのステルス増税は増えてくる。まさしくサラリーマン増税で提言されている内容が来る。

NTT完全民営化を言い出した件

 萩生田氏がNTT完全民営化を言い出した。曰く防衛財源確保のためだとか。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策:記事題「NTT株売却検討に着手 自民、防衛財源確保巡り」)

 そもそも旧統一教会問題に何食わぬ顔をいるのが甚だ気に入らない萩生田氏だが、それを抜きにしてもこれは悪手としか思えない。

 情報通信は防衛の要である。いかに優れた武器・兵器を持っていてもまず敵の位置を特定する、味方同士で情報を共有する、国民にしっかりとした情報網を提供することは安全保障で重要な位置を占める。経済安全保障の観点からもNTTはただの電話屋ではなく、国内通信インフラにおいて重要な役割を担っている。

 それを株式売却で一時的な利益を得るためだけに完全民営化というのはいかがなものか。防衛財源のためと言うが恒久財源にはならない以上、防衛費のための増税は避けられないし避けるつもりも無いだろう。そればかりか株式が売却されればNTTに中国資本が入ってくる余地を与える。防衛のためと言いつつ実質的には安全保障を危険にさらそうとしている。いかにも壺教信者のやりそうなことだ。国のため国民のためと言いつつろくな事をしない。

 こいつらは財源のためにムダを削るという発想がいつまで経っても無い

 NTTの株式をすべて売却すれば4兆円ちょいの一時的な利益が見込まれるらしいが、だったらこども家庭庁とかいう穀潰しを今すぐ解体し、その予算を充てれば良いではないか。もっともこども家庭庁の予算約4.8兆円には前々からあった補助金事業の予算付け替えなども含まれているので、それだけで防衛増税をしなくて済むほどの予算が確保できるかは怪しいが。

Twitter(現X)のコミュニティノートについて

 一部議員や記者はコミュニティノート機能について反発している。が、彼らは反発するだけでコミュニティノート機能で指摘された内容に真っ向から反論出来ない場合が多い。ざまぁ無いと思う。

 一方でコミュニティノートはAIや中立的な立場の第三者が書いたものでは無い、という点にも留意すべきである。あくまでTwitter(現X)に参加しているユーザーによって付記されるものであり、たとえばこども家庭庁に対する批判ツイートに対してはよくよく調べれば的外れ(擁護になっていない擁護)指摘が入っていたりする。泉房穂氏のツイートに対してもこども家庭庁を擁護するようなコミュニティノートが貼られている。

 今後、政府が行うことを徹底的に擁護するために使われるのではないか、その点は監視が必要だ。批判する側はまっとうな論理で批判する必要がある。

余談:読書感想文

 Twitter(現:X)を見ているとこんなツイートがあった。現在の読書感想文はこのようにテンプレート化され、簡単に書けるらしい。

 あれ?もはやChatGPTとか関係なく課題として骨抜きにされてね?私の時代だと「ゆとり仕様」だの何だのと叩かれたんだろうなあ。システム化というよりはテンプレート化と言った方が正しい。

 以前も指摘したがまず読書感想文という課題設定自体が時代遅れであり、本来の目的である「自分の意見を練って文章にする練習」というのは何も読書感想文でやるべき事では無くなっている。学校側や文部科学省が惰性で続けているだけの課題であり、だからこのような元も子もないことになるのだ。そのくせ「生成AIに対する危惧」だのと、笑わせる。

 現代の子どもは鉛筆で原稿用紙に書くよりもスマホか何かで文章を書かせた方が速いし、その方が文章を練って修正するのもやりやすい。なぜそれをやらせないのか理解に苦しむ。提出も夏休みが終わってからではなく、コピペ不可のフォームか何かを用意し、そこに打ち込んだものをネットで提出で良いのではないか。

 何にせよ親も本人も「こんな課題は無意味で時間のムダ」と思えば、アウトソーシングするなり生成AI使って一部だけわざとそれっぽく間違えたりと”工夫”して課題を消化するのだろうが。テンプレート化して簡略化しようが「意味のない課題」は魅力的でも何でも無い。