ヤマネコ目線

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祖母のオノマトペ

お題「オリジナリティ高めのオノマトペを教えてください!出来れば使用例と共に……」

 小さい頃は何とも思わなかったが、思えば祖母のつかっていたオノマトペはなかなか個性的なものがあった。なので覚えている一部を書いてみる。オリジナリティがあるかどうかは微妙。

へしゃくしゃ

 一般的に言う「ごちゃごちゃ」の亜種。祖父が文句の多い人なので、何かしら文句を言われると「またへしゃくしゃ言うて」=「またごちゃごちゃ言ってる」と怒っていた。家で以外にこのオノマトペを聞いた事が無い。「むしゃくしゃ」ならあるが意味が異なる。

ぴっからぴっから

 家電製品などのLEDが点滅している状態を表している。一般的には「チカチカしている」あるいは「ピカピカ光っている」などと言い表わすだろうか。私は「点滅している」としか言わないが。お年寄りにとってはLEDの点滅とは「通常とは異なる状態であることは理解出来るが何をどうして良いのか分からない」という、恐怖の対象である。

ひょっこらひょっこら

 ネコが歩く様子を表現したもの。颯爽と歩いているネコの姿に加え、ネコが持つ可愛らしさの要素もある。なお、ド田舎につきネコは放し飼い状態。意外と?行動範囲は広い。無関係だが異様に体がブレずに足の動きだけが速いネコを見て爆笑したことがある。今思えばあれはドローンだったのだろうか。

さいさい

 たびたびの亜種。「あの子、さいさい~したいすわ」=「あの子、たびたび~しているわ」。「さいさい」で調べると「細々」と出てくるのでそういう意味かも知れない。何かをする行動スパンが短い、細かい。

 「お茶の子さいさい」とはまた違う。「お茶の子」はお茶に合わせて出てくるお菓子のことで、そうしたものに等しいくらい手軽という意味。「さいさい」は囃子詞、完全におまけで何かを言う時に勢いづけのために付けられる。確かに考えてみれば「お茶の子」だけで終わるのは何か物足りない。

ちんちんばらばら

 大事件である。別にいやらしい意味は無く、物がバラバラになっている様を表している。おそらく「散り散りバラバラ」の転。なのだがバラバラ単体でいけない理由が分からない。その猟奇的な内容に反して子ども(と少年の心を持つ人間)には大ウケ。バラバラにするな。

 改めて調べて見ると茨城県あたりでもつかうらしい。物がバラバラになっている様のほか、木っ端微塵という意味もあるとか。木っ端微塵にするな。祖母は奈良県出身なのでどこで覚えたのか不明。曽祖父母の出身が茨城だったのだろうか。

余談:創作作品の中のオノマトペ

 実用的か否かは度外視して、純粋にオリジナリティ高めのオノマトペを求めるならばマンガを探るのが最適だろう。シーンを表現するための1つの手法として独特のオノマトペが使用されることが多い。

 個人的に印象に残っているのは「魔人探偵脳噛ネウロ」の初期、界隈では有名なDCS(ドーピングコンソメスープ)での「ゴシカァン!」という文字。作者は「ゴシャアン!」と書いたつもりが文字のクセが強すぎて「ゴシカァン!」と読む人が出て、作品自体のクセの強さもあいまってスラング化した。同様に「クシャッ!」が「クシカツ!」に見えたというネタもある。

 また、ゲーム界隈での用語でもオノマトペが出ることがある。自分が思いつくのは「タシタシ」くらいだが。手軽に連射できる狙撃銃のことを揶揄した用語。狙撃銃は多くがボルトアクションという構造で、1発撃ったら手でノブを回して排莢、という動作を必要とする。下の画像のようなものがそれ。

Wikipedia:ボルトアクション方式 より

 ゲームではバランスを取るため、連射できる狙撃銃とボルトアクションの狙撃銃は威力が区別されることが多い。連射できる狙撃銃は何発も撃たないといけない代わりに、1発で仕留められるだけの腕が無い人間でも扱いやすい。「タシタシ」は腕の無い奴が何発も撃っている様を揶揄するもの。別に勝てりゃ良いのだが、狙撃においてはやっぱり1発で仕留められる方がカッコいいし、1発で仕留められないと取り逃す可能性が高い。