カメラを買うという人が近くで出て来たので、せっかくだから今、カメラを買うなら何にすべきか考えて見る。主に初心者向け、価格重視で。
なお「ミラーレスは一眼ではない」という意見もあるようだが、今や一眼が「レンズ交換式カメラ」の代名詞となってしまった以上、私はその意味で一眼という言葉を付ける。「ミラーレスとレフ機の違いが分からない」という人はまず調べましょう。
たまに使うだけならレンタルでも良くね?とは思うが、それを言い出すとキリがないので今回は割愛する。
最低限のお金で買えるAPS-C機
Canon EOS M200
とにかく最安値でレンズ交換式カメラが欲しい!最低でもセンサーサイズがAPS-Cで!という場合にはこれしか思い当たらない。ホワイトなら54,680円とかなり安い。有効画素は2,410万画素で十分だし、EF-MマウントなのでEOS kissMと同じレンズが使えるし、アダプターを使えばEFレンズも使用できる。
人気機種のEOSkissMの下位互換であり、ファインダーが無い、バリアングル液晶ではないといった欠点はあるが、普通のデジカメとそう大差ないサイズで初心者向けにはかなり良い。なお2019年10月発売。
個人的にはファインダーが無いのは致命的だと思うが、背に腹は代えられない、何が何でも安い方が良い、という場合は仕方ないだろう。背面モニターだけ見て撮影するという人もいるが、天気が良いと強い太陽光に打ち消されて何も見えない、かなり見えづらくなる事があるので、屋外で撮影する予定がある場合はファインダーがある方が絶対に良い。
Canon EOSkissM2
ママカメラとして人気のEOSkissMの後継機。ESO M200の上位互換であり、安さにこだわらないならかなり無難な選択肢。ファインダーが付いているしバリアングル液晶もある。ただEOS M200、kissMともバッテリー持ちは良くない。他のメーカーがことさらにバッテリー持ちが良いとも言わないが。
SONY ZV-E10
発売が2021年9月と比較的新しく、なおかつお値段も10万を切っている。パワーズームレンズキットでも約82,000円とかなり手を出しやすい部類。VLOGカメラなので動画にも強い。はず。
ただしこいつもファインダーは搭載していない。どちらかと言えば動画向けのカメラなのでホームビデオ用に買うなら十分に選択肢に入るだろう。
フルサイズで買うなら
買えるならいきなりフルサイズ*1機で良いと私は思っている。かくいう私も最初は5万のレンズを買うのもなかなか勇気が必要だったので、いきなりフルサイズには手を出しづらいかも知れないが、今は初心者向け?のフルサイズもある。
ただし、フルサイズになるとレンズもそれなりのお値段になる(特にSONY)のでそこは注意したい。ガチの初心者だとカメラ本体とレンズが別売りの事がある、という事をまず理解していない可能性もあるので、ここで改めて書いておくとここで貼るのは「本体のみ」のリンク。
Canon EOS RP
一番安く買えるフルサイズ機はこれ。便利ズームRF24-105同梱のセットで最安価格146,520円とかなりお手頃。というかAPS-C機とほぼ同じ値段だし、私が買ったFujifilm X-S10より普通に安い。ただし発売が2020年4月であり、最新機種が欲しいという人は注意。
Nikon Z5
Nikon Z6
同じく2020年発売でNikonのフルサイズ機。Z5は24-50レンズキットで約19万とフルサイズ機としては十分安い。Z6は24-70レンズキットで約21万円。
Z5、Z6とも画素数はあまり違いがない。Z6の方が背面液晶のドット数やISO感度などの細かい部分で上位互換ではあるようだが、メモリーカードに関してはZ5がデュアルスロットなのにZ6はシングルスロットと、そこがよく分からない。Nikonなので耐久性が求められる場合(登山写真家など)には向いている。
SONY α7III
言わずと知れた傑作機、ミラーレス一眼の先駆者であり、後継のα7IVが出た今なお本体216,000円とあまり値落ちしていない。α7IVは約30万するので正当な後継機かが怪しいのもあるが。私はフルサイズ入門でこれを購入した。当時、Nikonはそもそもフルサイズミラーレスを出していなかったし、Canonも参入したばかりで今イチそそられなかったのでSONYにした。
α7IVを触った後だとメニューが分かりづらかったりするが、ボタンのカスタマイズ性がかなり高く、ファームウェアアップデートでしっかり動物瞳AFに対応など、十分今でも通用する機種だと思う。
SONY α7C
α7IIIの後に軍艦部(中央上、ファインダーで盛り上がった部分)がフラットなα7Cが登場した。できる限りコンパクトで軽量な方が良い、ファインダーにあまり重きを置かないならα7Cでも良いとは思う。光軸からはズレるがファインダーは付いているので、屋外で撮影するための最低限の機能は残されている。
ただしコイツ、個人的には気に食わない点が多い。フロントダイヤル(グリップ前部のダイヤル)は無いし*2、グリップが浅すぎる、フォーカスレバー(ジョイスティック)*3が無い。それでいて値段は上位互換のα7IIIとほぼ変わらない。2022年7月21日で4,000円くらいしか変わらないので私なら上位互換のα7IIIを買う。
ぶっちゃけフルサイズかスマホの2択で良くね
この先はあくまで画質を追い求めた人間の偏見なのでそれを考慮して読んで欲しい。
私の経験から書くが、画質を追い求めるなら10万円台から買えるAPS-C機ではなく、最初からフルサイズ機に手を出すのもアリだと思っている。10万円前後でAPS-C機を買って結局、画質に納得できずフルサイズに移行するなら最初からフルサイズを買った方がムダがない。ただし、値段が値段なのでそれなりの勇気が要る。それでもこんな事を書くのは、あくまで私見だが感動できるレベルの写真が多く撮れるのはフルサイズ以上のセンサーサイズだと思うから。
「APS-C以下じゃ良い写真は撮れないって言うのか?!」、いいえ、そうは言いません。あくまで高画質を追い求める点での話。「良い写真」の定義は人によるのでそれを言い出すとキリがない。高画質なその辺の石ころの写真と、低画質でも家族で撮った写真なら「良い写真」は後者であろう。それにAPS-C機でも使うレンズ、環境によっては画質は十分追い求められる。ただそれが私にとっては歩留まりが悪かったのでこう書いている。
最近は1インチセンサー搭載や光学望遠ズーム搭載のスマホなんかも出てきているし、広角~標準域ならばいよいよスマホで十分な状態になりつつある。その中であえてカメラを買おうと言うのであれば、中途半端なカメラはオススメしない。スマホカメラと大差ない画質のカメラをわざわざ持ち歩くくらいなら、スマホのカメラで良いと思う。ただし、望遠はどうしてもスマホ不利になるので、小さくてもレンズ交換式カメラを買ってそれなりの望遠レンズを買う方が良い。運動会なんかで使うだけならレンタルで済ます方が賢明。