ヤマネコ目線

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効率化はほどほどに

 意識低い系人間の戯言。新年度もはや1ヶ月が経ちつつある中、新社会人の皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。新しい事を覚えるので一杯一杯?しかしいずれは余裕が出て来るので、そこで仕事の効率化をしようという気にもなるだろう。しかし、効率化は何がなんでもすべきものでは無いし、めちゃくちゃ頑張る必要もない。なぜか。

新人ゆえのイラつき

 先輩がダラダラ仕事をしているのを見ると、新進気鋭の新社会人としてはイライラする事もあるだろう。「なぜもっとここを楽にしないのか」、「なぜもっと効率的な手法を取らないのか」。地道にやるしかない仕事はともかく、それ以外でこう思う事だってある筈だ。特に仕事の仕方があまりにアナログだとそう思う事は多い。そんな時、これから書く事を思い出して欲しい。

効率化しても給料は上がらない

 効率化すればするほど給料が上がる賃金体系(要は営業や歩合制的な?)ならいざ知らず、そうでない場合なら要注意。仕事を効率化したからと言って、その分だけ給与が上がるかと言えばまったく以てそんな事はない。効率化に対して正当な評価がされるか自体が怪しい。全く向上心が無いのも問題だが、与えられた仕事を確実にこなせる事の方が当面は重要なので、社会人1年目でもいろいろ変えたい事はあるだろうが多少の我慢は必要だ。

ダラダラ仕事をするには理由がある

 仕事の効率化にもいろいろあるが、単純に時短という意味での効率化は両刃の剣でもある。仕事にかかる時間を短くすれば単純に余裕が出来るが、余裕が多少あると上司に思われた場合、上司はその余裕を上回る量の仕事をあなたに与えるだろう。その辺が適度に調整できる人が上司ならともかく、大抵はそうでない。人員を遊ばせておくのはそれはそれで良くないのは当然だが、どのみち仕事が増える事に変わりがない。

 結局、給与は増えずに仕事の量ばかりが増えて効率化とは何のための効率化なのか分からなくなってしまう。時短する意味は余裕をもって仕事をするためでもあると思うが、その余裕さえ消える。

 それも、日本企業はバカバカしい事に定時で帰る事が評価されない傾向にある。いくら定時までに仕事を終えられるように頑張っても、ダラダラと遅くまで残業している人間の方が「頑張っている」と捉えられる。上司の世代にもよるかも知れないが、そういった典型的な悪しき評価基準はいまだ根強い。となれば効率化は時に評価をむしろ下げ得る。

 先輩方がダラダラ仕事をしている(ように見える)意味がいずれ分かってくる。彼らは意識が低いからダラダラしていた訳ではない。仕事への熱意が低いから効率化を遠ざけていた訳ではない。労働者の立場としてメリットが無く、むしろデメリットしかないから効率化を遠ざけていたのだ。

効率化のモチベーションも維持できない

 これはもう、現代日本で働く人間ならほとんどの人がぶち当たる問題だが、社会保険料や住民税などで持って行かれるものが多すぎて、多少の昇給は手取りの上昇に殆ど繋がらない。効率化によって実際に評価が上がり、給与が増えたとしても本当になかなか手取りが上がらない。であれば少なくとも社会保険料が関係ない副収入が欲しいと誰もが思うはず。なので世間では転売ヤーだの何だのが流行っている。

 逆に言えば本業でいくら頑張ろうと、泥沼の中を進むがごとく苦しみ続けなければならない。そこでずっと仕事や効率化に対するモチベーションを維持し続けるのは至難の業と言える。休日返上までして本業に関する勉強に取り組むくらいなら、転売のためにどこぞの店でも行く方が下手すればお金になる、それが今の日本。

どうしても効率化したいなら

 効率化を目指す場合は、「もう本当にこんな非効率なやり方、我慢ならん!これがずっと続くなら退職も辞さない!」、という場合に限る。教員なんかの場合はそういうのが多そうだし、公僕であって自力ではどうにも出来ない事が多いから、すぐ退職なんてのも多いのだろうけど。

労働生産性が低い理由

 日本人は労働生産性が低いと言われる。しかしそれは当然。だって労働生産性を上げるメリットが労働者に無いんだもの。

 メリットがある、と堂々と言える職場の人は幸せだと思ってください。少なくとも私の職場は違いました。