ヤマネコ目線

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専門家に対するイメージと実際

 書き散らし。

 Amazonで本のオススメに反ワクチンの本が出てきたので表紙や詳細を見たら、「良心医師が警告」だの「2~5年後に阿鼻叫喚」だのと書かれていた。

軽いツッコみ

 まずツッコミを入れたいのが「2~5年後がどうの」。1年後の事も分からない(実際、分からずに東京オリンピックを延期してこのザマ)のに、何が2~5年後やねん。ある程度の知識と経験があれば2~5年後を見通せる人は居るかも知れないが、それはこれまでに十分な経験があり、一部の分野に限られた話になるしまず確実性はない。人類初のRNAワクチンについてはまず無理。「良心医師」なんて言うが、現時点で分かる筈のない事について2~5年後がどうのと言うあたり、非科学的かつ良心がない。あるのは危険を煽る本を出して印税でウハウハしたいという、いやらしい心だけである。

専門家・医師とは

 理系の人間なら分かるだろうが、専門家やある種の分野の権威というのは特定の分野に特化しているからこその専門家である。医師とてその例外ではないだろう。

 まずその辺りの認識がおかしい人がいる。私自身、理系出身だからと言うだけで専門外の事を訊かれることを多々経験しているが、そうやって何かを訊いて来る人間の認識としてはどうも「理系=理系全般の事を深く幅広く知っている」らしい。

 実際にはその認識は大間違いで、理系なら理系なりの最低限のラインはあるにせよ、深く知識のある範囲は限られている。何かの専門家にせよ医師にせよ、その辺りは変わらない。逆に言えば、自分が専門とするもの以外のあらゆる分野をなげうって特定の分野を研究あるいは取り扱うからこその専門家である。

肩書を信用するな

 医師だと言われれば信用したくなるかも知れない。何らかの研究で権威のある先生だと聞くと信用したくなるかも知れない。しかし「医師は聖人ばかりで100%善意でしか動いていない」かと言われればそれは明らかに違うし、「既存の研究で成果を上げている人だから別の分野でも正しい意見が言える」と言われればそれも違う。信用できるものが少ない世の中だからこそ、ついつい肩書だけでその人の言う事が正しいかを判断しがちだがそれは危険な行為である。

 特にコロナワクチンは人類初のRNAワクチンであり、それについて本当の意味で深い理解のある科学者・医師はそうそう居ない。ましてやこれまでRNAワクチンの登場すら予想していなかった医師や専門家がRNAワクチンの何を語れるのだろうか。

信じられるもの

 では何を信じるべきか。それは自分自身しかない。専門家の言うことを信じるかも、自分自身の行動を決めるのも自分しかいない。自分でしっかり考え比較し、本当は何が正しいのかを見定めるしかない。安易に専門家や医師の言うことを信じ、YouTubeの動画を信じ、自分で考えることを放棄してはいけない。