ヤマネコ目線

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自民党総裁選、誰がなろうと同じじゃね

 もう少しライブの夢見心地でいたいのだが、どうにも政治の話題を見ていると覚めて来る。自民党総裁選挙はかつてない立候補者数のようだが、個人的には誰が総裁になろうと期待はしていない。誰が総裁になっても竹中平蔵、経済界、官僚の代弁者であることに変わりはなく、それが総裁選で打ち出されている政策を見ても明らかであるからだ。

マイナ強制と解雇規制緩和

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(記事題:自民党総裁選 「マイナ保険証」「解雇規制の見直し」が争点に 立憲民主党代表選は「女性政策」について論戦)

 まず総裁選の論点として絞り込まれて出て来たのが「マイナ保険証」と「解雇規制の緩和」。この記事では「解雇規制の見直し」とごまかされているが、緩和する方向で議論が進むことは明らかである。

 今はそれぞれの候補者で少しずつ言い分は違うだろう。しかしどの候補者が総裁になってもマイナ保険証は強制的に普及させるであろうし、解雇規制も緩和する方向で進められる。そこに議論など無く、あるのはただマイナンバー利権と経済界の思惑だけである。国会で議論など行われない。国会で行われているのは官僚が書いた台本を使った「議論ごっこ」。誰が総裁になろうが総理になってやることは同じ。

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(記事題:小泉進次郎氏「1年でやる」 三つの改革を明言 総裁選出馬表明)

 小泉進次郎が「1年でやる」とした改革の中にも解雇規制の緩和は含まれている。小泉純一郎と同じく竹中平蔵あたりが経済政策のブレイン(笑)なのだろう。世代的には就職氷河期世代ではあるが、小泉進次郎は日本国内の民間で働いたことがない。*1お金に困ったこともなく、元女子アナと結婚して悠々自適に子育てしてる人間が、若者の代表者面して「新しい風」だ「雇用の流動化」だと言い出すの、虫酸が走るのは私だけだろうか。

 文通費の使途公開や政策活動費の廃止は良いが、正直そんなの当たり前にして欲しい。現状がふざけているとしか思えない。政策活動費の領収書は10年後に公開だが、政治資金収支報告書の保存期間がたった3年しかないのがまずおかしい。少なくとも7年だろ。赤字企業だと経理書類は10年保存だぞ。

 党内のパワーバランスを考えても小泉進次郎に国民が満足するだけの改革が出来る可能性など無い。

金融所得課税も必ず行われる

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(記事題:自民党石破茂氏、金融所得課税の強化「実行したい」)

 表立って意欲を示しているのは石破氏だが、ほかの誰がなっても金融所得課税も行われるだろう。国民に自己責任で投資を行わせ、それで損をしても国は責任を持たない、しかし儲けたらそれに課税する。とにかく毟り取ることしか考えていない。

 加えて河野太郎氏が提唱した国民全員に確定申告をさせるという案、これに対して資産=貯蓄に課税が行われるのではという不安が広がった。金融所得課税を行えば国民は投資への意欲を削がれることになる。しかし貯蓄していても税金を取られるとなれば増える見込みがある投資にお金を回す流れは変わらない。なるほど、政府としては国民が貯蓄しようが投資で儲けようが税金を取りっぱぐれる事がない。いかにも考えそうなことだ。

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(記事題:金融所得課税「25%まで上げていい」 同友会・新浪氏)

 また、金融所得課税が格差是正の方向性で行われるという期待も持てない。問題はどこをどう上げるかであり、経済界の傀儡として「お金持ちの彼らの機嫌を損なわないよう、いかにして下々の民だけが損をするような税制改正を行うか」が金融所得課税の議論の本質であろう。テレビではもっともらしく「1億の壁」の話が出てくるが、そんな壁が壊れるとは思わない。こういう話でいつも損をさせられるのは誰か。どういう層か。

確定申告を全員にやらせるのはアホ

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(記事題:河野氏「デジタル支援網」提唱 総裁選、所得データ管理)

 前回も記事にしたが、そうした流れで「デジタルセーフティネット」などという本質を誤魔化した制度名で、国民全員に確定申告を強制するのは愚か。どう考えても増税のための下準備でしかない。河野太郎が言い出した訳だが、氏が総裁にならなくとも入閣さえ果たせば無理に押し進めようとする可能性は高い。

 政府に信用がないから普及しないだけのマイナンバーカードを強制することもセットであろう点もいやらしい。

 もし年末調整が無くなって確定申告もしなければどうなるのか。確定申告をしなかった罰として追徴課税か?割増税率の適用か?裏金つくり放題で納税もしない分際で本当に好き放題してくれるもんな。何らかのペナルティが課されるであろうことは想像に難くないというか、確実にあるだろう。

 確定申告自体はデジタル化すれば余裕で出来るなどと思っているのだろうが、ついていけない人間は必ず出るし、そういう人間は税務署に電話する。押しかけて操作を教えてくれと言う。納税者あたりの税務署職員が少ない日本においてこれをやられると税務署は簡単にパンクし得る。そうなれば税務署職員は本来の業務に集中できず、公平公正な課税を実現するための業務に支障がでかねない。

 中には「ズルしてる奴が損をするだけ」などと言って支持する連中もいるが、かえって「ズルをする」人間を逃す、税務署が不正を見逃す可能性を高めてしまう。

 物事を大局的に捉えられず、国民同士で足の引っ張り合いをしたいだけの愚かな人間は本当に度し難い。自分の首輪についた鎖の重さを自慢しあい、そればかりか「あいつの鎖は俺達より軽い!重くしろ!」と言い出す奴隷。インボイス制度も同じような奴がいたが、それで一番得をしたのは誰か。

 それで、いよいよ税務署がパンクしそうになったらサポートの窓口としてお得意のパソナ電通あたりに仕事をやるのだろう。もちろん中抜き価格、スタッフ1人あたり時給2,000円とかでピンハネして税金を食い物にする。それでも「税金関係のこととなれば税務署」と思っている国民は多いので税務署に問い合わせる奴は減らず、負担はかかる。

 「ついていけない無能は切り捨てれば良い」という人間もいるが、切り捨ても致し方なしと言うような無能な人間に対して確定申告を求めること自体がそもそもの間違いである。現状として確定申告が必要ない、やり方も分からない、理解できないような人間にまで確定申告を強制する意味は無い。

 「年末調整は企業に負担となっており廃止は負担軽減になる」などと言うのもアホ。これまでずっと年末調整をやって来ていてそんなものは業務に組み込まれている。今さら負担もへったくれもない。そんな事言うなら国民全員に確定申告を強いる方がずっと負担になるし、企業としてはインボイス制度を廃止してくれた方がよっぽど助かる。都合の良い時だけ負担軽減などと善人ヅラをするな。

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(記事題:麻生派で裏金認める初の証言 元所属議員秘書が特捜部に供述)

 ところで、麻生派の裏金問題は無かったことになったんですか?派閥も解散しないんですか。自浄作用(笑)。申告漏れ(故意)をやる政治家がどの口で主権者たる国民に確定申告を強いるのか。お前らこそもっときっちりやれよ、そう言いたい。

憲法改正などと笑わせるな

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(記事題:<独自>自民の憲法改正「論点整理」の内容判明 9条改正と「緊急政令」導入打ち出す)

 まず「政治不信を招いた」と口では言いながら、最高法規である憲法を改正しようという動きを隠さないことに不信感しかない。本当に「政治不信を招いて申し訳ない」と思っているのか。本当に国民の憲法改正に対する意欲が高まっており、自分たちが民意にもとづいて憲法改正のための議論を行えていて、今この時期がそれにふさわしいと思っているのか。そう思っているから言えるんだよな?

 私から言わせれば思い上がり、勘違いも甚だしい。いっつも自分たちがやりたい事だけ。民意なんかそっちのけで利益団体の代弁をすることしか頭にない。金金金金。これほど信用ならない連中に憲法改正をさせることなど到底不可能。寝言は寝て言えって話。

manuller416.hatenablog.com

 緊急事態条項については以前も記事にしたが、ここに来て「緊急政令」などと名前を変えて来たのも信用ならない。名前を多少マイルドにすれば誤魔化せると思っているのだろうか。そういう所が余計、不審に思う。

 何も緊急事態条項を導入したからと言って今すぐ岸田総理や次の総理が独裁体制に移行するとは言うまい。しかしこのような条項は将来的な危険を孕んでいる。憲法はそうそう変えられるものではなく、その内容は50年、100年先を見据えて考えるべきだ。

 「内閣が立法して国会は後で通す」と言うが、与党が多数派を握っていてそれをやると実質的に内閣が好き放題出来る。ただでさえ議論がおざなりにされている国会がさらに重みを失うだろう。茶番劇ですらなくなる。それが一体どれだけ危険なことかを理解できないなら政治家を辞めろ。

余計な役所ばっか作んな

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(記事題:石破氏が政策発表 地方創生や「防災省」創設 自民総裁選)

 近年、災害が増えていることは事実かも知れない。しかしいちいち防災省なる役所を作らなければ対処できないとは思わない。「縦割り行政で複数の省庁にまたがっているから専用の役所が欲しい」みたいな言い訳をするが、そこでどうにかするべきは各省庁の連携であって、縦割りのまま新しい役所をいくら作っても結局は連携が悪いだけ、今のまま出来ないことが新しい役所を作れば解決するなどと言うのは素人同然ではないか。

 それで、防災省とやらを作ってまた赤坂あたりにお高い家賃を毎月払って事務所でも構えるんですか。その予算を直で防災に活用する方がマシでは。隙あらば余計な役所を作ろうとするのをやめろ。作っても無駄。まずどうにかするべきは愚かな思考回路。

 あとこども家庭庁は一刻も早く解体すべき。何の役にも立たない。余計なことするくらいならその分を減税しろ。非効率極まる再配分をやめろ。最初から取るな。

パフォーマンスは必要ない

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(記事題:高市早苗氏、「首相と閣僚の給与廃止する」「信頼する自民党を作る」 総裁選出馬会見)

 右翼に人気がある高市氏は、出馬会見で「首相と閣僚の給与を廃止する」などと言い出した。しかしこのようなある種の「無償奉仕パフォーマンス」は必要ない。別に資金源などほかにいくらでもあるのだろ?減った分はパソナ電通から献金してもらうのか。

 「信頼する自民党を作る」と言うのであれば、まずやるべきは裏金相当額の国庫返納、追徴課税分の納税、裏金議員の総辞職である。そこまでやって初めて裏金問題については信頼が回復されたと言える。今の感覚からズレた精神論じみたパフォーマンスなど何の意味もない。

結局、どいつもこいつも何1つ分かっていない

 今、この国の現状がどういう位置にあるのか。何をやるべきで何をするべきではないのか。「増税ゼロ」?「人にやさしい政治」?うんざりする。野党は確かに頼りない。しかしこのまま自民党にまかせていても未来はない。どこかで変えなければならないし、今、自民党を選挙で勝たせれば、このおめでたい奴らは「再び国民からの信頼を得た」と喜び勇んでさらに好き放題するだろう。

 総裁選にも関わらず経済政策らしい政策が出て来ないのはどういう事なんだ?意地でも「減税する」って言わないよな?経済界の言うがままか。

メタ的な視点

 河野太郎氏あたりは何か言うたびに注目を集めているが、メタ的な視点で見ればこれも戦略で自民党総裁選挙だけに国民の耳目を集める効果があるのではないか。氏が総裁選で勝てようが勝てまいが、トータルで自民党総裁選挙ばかりに注目が行く。

 候補者が多い分、マスコミが報道に割く尺も長くなるのでそれによって国民の選択肢を「与党か野党か」、ではなく自民党の中で誰が良いか」にすり替えようとしているようにも思う。特にテレビした情報源のないご老人は総裁選ばかりに目が行く可能性が高く、中でも多少若いからというだけで小泉進次郎は注目されるだろう。

 そもそも総裁選の候補者は多すぎる。形式的にとはいえ派閥を無くしたからこうなったのか知らないが、嫌に多い。好意的に見ればそれだけ人材が多いと見れなくも無いが、一方で自民党内で強力なリーダーシップを発揮できそうな人、「次の総理はこの人しかいないでしょ」という人がいないとも見える。

 ついでに書くとホリエモンこと堀江貴文氏が「年調廃止で全員確定申告に反対してる奴はバカ」と言っていたが、彼はわざと煽るような発言をしてYouTubeの再生数を稼ぎたいのでそういう発言をしている。マーケティングの一種として政府寄りの意見を発しているだけで、相手にする必要はない。

 

*1:アメリカのシンクタンクで1年半働いたあとは帰国し、父の私設秘書