ヤマネコ目線

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レビュー+) Falloutドラマ第4話

 AmazonPrimeVideoで配信中の実写ドラマ、Fallout(フォールアウト)第4話のレビュー。第1話のレビューは↓、予習しておいた方が良い用語等は後述。

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総評

 これまでの話の中で一番痛そうなシーンがちらほら。今さらだがそういうシーンに耐性の無い人間が見るべき作品ではない。また、文字通りの濡れ場や大人向けの言葉などが出てくるため、親子で見るのはオススメできない。原作を遊んだ人間としてはスプラッタ表現はなかなか踏み込んだ表現をしていて良い点だと思う。

 「この先どうなるんだろう」という展開がルーシー、ボルト内で同時に展開されていてより内容に惹きつけられる内容になっている。ルーシーの方は世紀末サバイバル感が増して来ており、ボルトの方はサスペンスチック。

 特にMr.Handyは全く違和感ないレベルで素晴らしかった。存在感があるのはもちろんのこと、人間の感覚と微妙にズレた感覚、そこから来る善意らしきものと無邪気な悪意の同居。これぞFalloutのロボットという感じ。

Mr.Handy(Fallout4冒頭に登場する同型機)

 正直少し残念だった点は廃墟にある車の残骸や建物が現実、この世界の1900年代っぽいものだったこと。Falloutの世界はこの世界とは別のレトロ・フューチャーな世界であり、車や建物、あらゆる備品が現実のそれとは一味違うデザインになっている。雰囲気は出ているのでCGでも良いからそこは再現して欲しかった。

 ゲーム内の車の残骸。ありそうで無いレトロ・フューチャーなデザインが面白い。

 あと失った指をくっつける描写は原作ゲームを知っている側からしても雑が過ぎるが、ああいう大雑把な所があるのは理解できるゆえに何とも・・・スティムパックでぱっと生えてくると流石にゲーム臭すぎるか。

予習しておいた方が良い用語等

*ネタバレに繋がる要素がある可能性があります

スムーススキン

 グールが人間を呼ぶ時に使うことがある呼び方。放射能汚染などで焼けただれてボロボロの肌であるグールからして、普通の人間は滑らかでキレイな肌をしているのでこう呼ぶ。この言葉1つに羨望、嫉妬、嫌悪が詰まっているように思う。

小瓶に入った薬

 ガンマンのグールが求めてやまない小瓶に入った薬。あの薬が無ければフェラル・グールになるという設定らしい。他のグールが徐々に狂い、フェラル・グールになりかけているような描写がある。

 これは個人的な解釈だが、あの小瓶はRADアウェイ(点滴パックに入った放射能除去薬)を小分けしたものではないだろうか。脳に放射能汚染の影響が及ぶとグールは正気を失い、フェラル・グールになってしまう。しかしFalloutの世界で生きて行く上では放射能汚染は避けられない。なので定期的に放射能汚染を除去する必要があると思われる。

RADアウェイ

 現実では放射能汚染そのものを除去する薬剤なんかは無いのだが、ゲームではシステムの都合上、放射能汚染によってステータスが下がり過ぎて詰むのを避けるために治療薬がある。

スーパーウルトラ・マーケット

 Falloutの世界におけるスーパーマーケット。「super」は「特大の」、「ultra」は「過度の」という意味がある。直訳すると「売り物が超充実した特大の小売店」的な?

 基本的に物資は漁られ尽くして空の状態。缶詰の空き缶や倒れた陳列棚、生存に役立たないガラクタが残っている程度で基本的に立ち寄る理由は無い。レイダーがアジトにしている場合は物資が期待できる。しかし戦前、人が多く居たであろう場所はフェラル・グールも多いので注意しなければならない。

黄金律

 Falloutの用語では無いが一応。「自分が人にして欲しいようなことを相手にせよ」という積極型、「自分がして欲しく無いことは相手にするな」の禁止型がある。後者は日本人でも耳にする機会があるのでは無いだろうか。少なくとも私はあったがそのルールの名前までは知らなかった。

 英語ではそのまま「Golden Rule」。いつの時代、どこの国どの文化圏でも普遍的に通用するまさしく黄金のような法則と言えよう。基本的に欧米でこれを言う場合はキリスト教がバックグラウンド。ベルセルクでも聞いたことある?節子それ「宇宙の黄金律」≒因果律

アブラクシオ・クリーナー

 ABRAXODYNEケミカル社製の洗剤で食器の洗浄、トイレや風呂の掃除、果ては金属の錆落としも可能というなんかヤバそうな万能クリーナー。綴りを見ると実際の発音はエィブラクソ・クリーナーではと思うが日本語訳はアブラクシオ。名前からして油汚れに効きそうなのでどういう物なのか覚えやすい。

 同時に出ていた「パイプクリーナー」はどういう効果の薬剤なのかの説明か。現実世界の洗剤にも言えるが人体に入るとかなりヤバいものに間違いない。

10mmピストル

 ルーシーがフェラル化したグールに向けて撃った拳銃。一般的なピストルでやたらと大きい。原作ゲームでも初めて手にする武器は大抵これであり、拡張性が高く威力も十分、弾も手に入りやすいので終盤まで役立ってくれる優秀な武器。

 拳銃よりも威力の高い武器もあるが、フェラル・グールのように倒しても弾薬が補充できる見込みが無い上、そこまで脅威度が高くない相手に対していちいち高威力の武器を使うのはもったいない。なので地味だが拳銃は重要。1対1ならグールなんか鈍器で叩きのめしても良い。

 なお、現実の拳銃の一般的な口径は9mmなのでそれより少し威力は高そう。ゲームでは.38口径、5mm弾、10mm弾など複数の弾薬が登場し、それぞれ使用する武器や威力が違うので使い分けも重要。ガンマンのグールが持っている武器はショットガンのようだが、使用している弾丸はスラッグ弾に見える。ゲームではバックショット弾(小さい玉が拡散する普通の「ショットガンの弾」)だけ。

ネズミを使った実験

 Vaultパートでちらっとテレビに流れている内容はおそらくアメリカの動物学者、ジョン・B・カルフーンによって行われたネズミを使った実験 Universe25を示唆している。

 これは「もし、無限の食料と繁殖に十分なスペースを与えられたらネズミはどのような行動をするのか」という実験で、食料が溢れた先進国において動物としての人間がこの先どうなるのかを探る意味で行われた。この実験の結果、ネズミは全滅している。

 ざっくり説明すると個体数が増え続けた結果、親が早い段階で子供を追い出す、同性愛行動が増加する、無気力なオスが増える、攻撃的なメスが増えるなどの異常が表れ始め、そのまま出生率が低下し続けて絶滅する。特に深刻だと思うのは「子供が早くに追い出されること」。ネグレクトされ、社会性を学ばずに育った子供は適切な繁殖行動が取れない=子供が生まれなくなる。今の社会でもこういう風潮、少し見えて来てないだろうか。我々はネズミではない、しかして動物であることは同じ。ぞっとする。

 ここからVault-32で起きた事に予想がつく。のだがそれは後のお楽しみ。

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