ヤマネコ目線

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難民認定で450万円支給はデマ

 最初に書いておくが私は迂闊な難民受け入れやその数自体を増やすことには反対である。特にクルド人のような明らかに日本に馴染む気がない外国人は受け入れるべきではない。「自分たちの国が欲しいなら他所でやれ」としか思わん。

 Xにて「難民申請すると1人あたり450万円がもらえる」というようなデマが飛んで盛り上がっていた。発信元はjapannewsnaviというサイトで例のごとくニュースサイトに見せかけたアフィリエイトサイト。人の怒りを煽って拡散、アクセスさせて広告収入を稼ぐ手法。

情報の一次ソースを確認する

 「難民と認められると1人あたり年間450万円」という情報はどこから来ているのか。検索してみるとおそらくその根拠であろう内閣府の資料があった。悪質なアフィリエイトサイトの稼ぎになるのが嫌なのでjapannewsnaviの記事内容は確認していないがそれっぽい内容がある。

諸外国における第三国定住による難民受入れの概要 平成24年6月19日(内閣府)より

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nanmin/yusikishakaigi/dai2/siryou3.pdf

 画像が少し小さくて見づらいかも知れないので文字起こしすると

「日本の場合、おおむね難民1人あたり約450万円の中央省庁における予算措置がされているが、例えば、ニュージーランドでは約490万円、米国では約110万円、カナダでは約80万円、スウェーデンでは約240万円となっている」

「日本(パイロットケース)では、政府予算は約1億3,500万円であり、年間約30人を受け入れる場合、難民1人あたり予算額約450万円となる」

 とある。難民1人あたり450万円というのは難民受け入れのための行政の業務全般にかかる予算の平均であって、難民と認められれば1人に450万円が支給される訳ではない。まともな読解力があるならばこの資料からはそう読み取れる。あえて人々の怒りを煽る方向へ情報をねじ曲げるつもりが無ければ「難民1人あたり年間450万円支給」などとは書かない。

 そもそもこれ、平成24年=2012年と実に10年以上前の古い資料であって、今さらこれで騒ぐのもなという感じだが、それはひとまず置いておいてもう少し続ける。

 難民に対する他国との予算比較ではニュージーランドの約490万円がある一方、米国で約110万円、カナダで約80万円とかなり安い国がある。数字だけ見れば日本は高い部類だが、これらの国は難民認定数が桁違いであることを忘れてはならない。たとえばアメリカであれば2021年の難民認定数は 20,590人 である。

難民認定者数と認定率の世界比較、受け入れ数ランキングや日本の現状|国際協力NGOワールド・ビジョン・ジャパン

 先ほどの内閣府の資料でアメリカの予算措置全体の額を見ると約10.65億USDであり、同資料に記載のレート( 81円/USD )で換算すると約862億円と予算全体の規模でも明らかに規模が違うことが分かる。それにしてもドル円81円か・・・。

事実といえる部分

www.refugee.or.jp

 上のサイトを参考にすれば難民申請中は単身で月48,000円の生活費と上限6万円の家賃が支給されるとあるので、審査期間中に一定額がもらえるという部分については事実。ただしその額は単身世帯か4人世帯かによっても違うし、上限額もあって日本においてはことさら多いといえる金額ではない。そもそも法的根拠が無いともある。

上記サイトより抜粋

 japannewsnaviの煽りを間に受けると「難民申請さえすれば申請者全員が4年間の審査期間中に月85,000円がもらえる」と取れる訳だが、上の図を見れば丸々4年でもなければ難民申請者全員がもらえる訳でもない、保護費支給までに時間もかかることが分かる。事実といえる部分は一部あるが半分嘘といえる質の悪さであり、ニュースナビなどと名乗る価値は無い。

何が問題で、何が問題ではないのか

 日本における難民を取り巻く環境は目くじらを立てるほど良いものでは無い。常識的に考えて、難民認定されればその辺の社会人よりももらえるなどと言う甘い話は無い。このような外国人あるいは難民に対するヘイト誘導は裏金問題のような別の問題から矛先をそらす狙いがあるのではないだろうか。生活保護もそうしたヘイト誘導、ガス抜きの対象にされやすい。

 我々が目の敵にするべきは弱者ではなく、まともに生きている人間がセーフティネットにかかるレベルの弱者よりも生きづらいような社会、それを作ってしまった政治家たちである。

 一方でクルド人による治安悪化は本当に問題だと思う。1人しか知らないが難民申請を繰り返しながら川口市に住民票もなく20年在住、フェラーリやボートを乗り回しているようなのがいるのは明らかにおかしい。当人いわく会社は妻のもの、高級車も船も株主から提供されたと言うが一体どうなっているのか。先日は「日本死ね」と叫ぶデモか何かの動画がXで拡散されていた。日本に来ておいて日本という国の一部になる気が無い、あくまで自分たちの我を通して国でも作ろうという自称難民は強制送還すべき。

 外国人というだけで差別的な扱いや迫害をすることは禁止されてしかるべきだが、自らそうした扱いを受けるだけの行動をすれば反発は生まれて当然だ。

 なお、病院前にクルド人100人が集まって乱闘騒ぎという話もあったようだが(ソースがゲンダイというのも何だが)一部報道によれば喧嘩が大きくならないように止めに来た親族や友人らだったらしい。それでも簡単に100人集まるのはどうなのか・・・放っておけばもっと集まったのかと思うとそれはそれで怖い。

gendai.media

 記事の最後でビッグボスなる人物は日本の報道姿勢にご不満のようだが、日本人の感覚からしてヤンキーでも喧嘩で100人はなかなか集まらない。しかし彼らの中ではそれが全く不思議ではない、むしろ善処した部類。その辺りの認識の違いは大きい。大手マスメディアがクルド人側に一切話を聞かないのはそれはそれでどうかと思うが。

嘘を嘘と見抜けなければ

 年収450万円未満で暮らす日本人も多い中、japannewsnaviの煽り記事のような話を聞けば頭に来るのは当然と言えば当然だが、こうした情報で瞬間湯沸かし器になってアクセス、拡散してしまうと思う壺になる。それで引っかかる人間が多いと実際にそれで稼げてしまうので、発信者はより扇った記事を書くようになる。重要なのは一時の怒りにまかせて拡散することではなく、まず情報の発信源(今回で言えばjapannewsnaviが何モノか)を確認し、別の根拠があるかどうか裏取りをすること。そうしなければ「嘘を嘘と見抜けない」。

 今やGoogle検索もあらゆるサイトもYouTubeもゴミ同然の広告であふれ返り、昔のような検索してそれなりの情報が出てくる時代は終わっている。その中では結局オールドメディアの配信する記事、公的機関や公式サイトが発する情報が信頼のおけるものであって、まずどこが発信しているかがひときわ重要になっている。