ヤマネコ目線

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老人とSwitch

 久々に施設に入っている母方の祖父のところへパソコンの設定のために行った。弟も一緒に行ったのだがこういう時、割と時間が余る。パソコンの設定と言っても一太郎のインストールくらいなのだがそういう作業はいちいち時間が掛かったりするし、その間は暇というか私が苦手なタイプの沈黙が流れる。世間話をしようにも私のことなので政治のとりとめもない話をしがち。

 なのでNintendo Switchを持って行ったのだがこれが結構楽しめた。持っていったソフトは「世界のアソビ大全51」。先に書いておくが私は任天堂の回し者ではありません。案件は待ってます()。

*ダウンロード版とカセット版があるので注意

囲碁派には残念ながら囲碁は収録されていない(五目並べはある)

 詳細は製品ページを見てもらうとして、ざっくり言えばタイトル通り世界のボードゲーム等が1つのソフトに収まったもの。将棋やリバーシ(オセロ)といったメジャーなものから日本ではあまり見かけないチェス、マンカラ、バックギャモンもあるし、麻雀や花札もある。風変わりなもので言えばジョイコンを利用したダーツなどの体を動かすものまである。

 元は医大病院に行く時の暇つぶし用として買ったのだが、これがなかなかゲームソフトとして安い割に楽しめる。それもSwitch 1台あれば2人で遊ぶことが出来る手軽さ。少々画面が小さい*1のとSwitch 1台で2人プレイできるゲームが限られる*2のが玉に瑕だが時間を潰すのにはちょうど良い。

 なお、Switch 1台を使って2人で遊ぶ場合はコントローラーを人数分用意する、あるいはタッチで遊ぶしかない。Joy-Conを2つに分けてのプレイは不可。五目並べをしたが小さい画面に映る碁板はなかなかに小さく、ご老人には正確なタッチが難しかった。えんぴつで置きたい場所を指してもらって代わりにタッチして対処したが、タッチで2人プレイする場合はタッチペンがあった方が楽*3Amazonで適当なものを買った。

 念のため書いておくがSwitch 1台で遊ぼうとすると遊べるゲームが少なくなるだけで、Switchが複数台あればローカル通信やネット通信で遊べるゲームは多くなる。公式HPを見るとローカル通信限定*4では「世界のアソビ大全51」を誰か1人持ってさえいれば、「世界のアソビ大全51ポケットエディション」を無料ダウンロードすることですべての対戦ゲームが遊べるとのこと。ソフトを買う余裕が無くても友達がソフトを持っていれば対戦できる、そういう心遣いが素晴らしい。

 ただしネット対戦は任天堂オンライン(有料)に加入する必要があるので注意。それでも1人利用12ヶ月プラン2,400円(=1月あたり200円)とかなり良心的なのだが。

www.nintendo.co.jp

クラシックなゲームの良さ

 普段はもっとゲームらしいゲームというかお年寄りとはおよそ縁の無いゲームをしている人間だが、リバーシや将棋といったクラシックなゲームの良さを改めて感じたところがある。我々が普段消費しているゲーム(ポケモンでもドラクエでも何でも)は所詮は一過性の流行り物に過ぎないのであって、大昔からあるクラシカルなゲームの奥深さや普遍性には敵わない。

 何より大きく離れた世代ともほぼ何の前準備もなく遊べるのは良いものだ。ルールがシンプルで分かりやすい、それでいてゲームとして成立している。もし駒が無くても作れば良い。そうしたシンプルなゲームをちゃんと覚えていればどうしようもないくらい暇な時間を楽しく過ごすことが出来る。災害で電気が止まった時なんかにも良い。小さい頃、台風で長期間停電した時に父方の祖父とロウソクの灯りの中で将棋をしたものだ。

 普段からやる分にも楽しめるものだし、日本ではあまりメジャーでないゲームをやり込むのも良いだろう。ひょっとしたら海外でそういうボードゲームがきっかけでコミュニケーションを取れることがあるかも知れない。ボードゲームには言語も電力もネットの攻略サイトも要らない。

ゲーム機でやる良さ

 Nintendo Switchに限らずタブレットスマホなどの端末で遊ぶのはやはり利便性においてこの上ない。多数のゲームを気軽に持ち歩けることはもちろん、「世界のアソビ大全51」ではリバーシならどこに駒を置けるかの表示、決着後の白と黒どちらが多いかの自動カウントまでやってくれる。1手戻るいわゆる「待った」も出来るし片付けの必要も無い。

 もちろんネット対戦も出来るので、孫と離れて暮らす人でもネットとSwitch本体、電話は必要だがリモートで対戦することも出来る。前述した任天堂オンラインへの加入に加え、ネット回線はまた別に必要になる訳だが。VC*5が使えるかどうかは少し調べたがよく分からない。なので電話というか、スマホでDiscordあたりを使って通話する方が楽。

 今後はSwitchでは少々画面が小さいので、iPadPro 12.9インチで遊べるボードゲームを探す予定。それにしてもアプリを検索すると逆にあり過ぎてどれをインストールすれば良いか分からん・・・。そういう点、任天堂は間違いないので選ぶ段階から疲弊せずに済む。もうスマホアプリも作ってくれ。有料で良いから。

余談:ゲームと教育

 「ゲーム」と言って一般に認識される類のゲームが他に生きたことは無い。せいぜいMinecraftがデザイン面で遊び甲斐があった程度で、それ以外はただ一過性のものに時間を費やしただけ。いくらそのゲームが上手くなろうとそれはそのゲームの中の話でしかなく、現実世界では何ら役に立つことが無い。そのMinecraftだって実際にモノ作りには活かし難い。

 もう少し文化的な趣味に時間を費やせば良かった、という後悔はあるが、一方で「言えば何でもやらせてくれる」ような恵まれた家庭では無かったので、それはそれで諦めもつく。何にせよゲームは教育に良いか悪いか、などという単純な論点ではゲームと教育は語れない。現実世界で出来る楽しくて将来にも役立つこと、には金がかかる。

 上の世代は「最近の若いヤツは趣味がゲームばっかり」と嘆くだろうが、そういう世の中にしてしまったのも上の世代だ。ゲームが一番金がかからず楽しめる趣味。それもZ世代はPCやゲーム機を買う余裕すら無いのでスマホでゲームをやっている(そして射幸心を煽るガチャシステムの餌食になる)。

 その点、ボードゲームは金銭的にも手軽かつ将来的にも多少は役立つかも知れないのが良い。小さい頃に祖父と将棋をやっていたが、そこで得られたシーケンシャルな思考回路がプログラミングに役立っている気はしている。

 でも今の家庭、共働き前提だと子供に余裕もって構ってあげられる時間少ないんだろうな。可哀想だな。Z世代と遊ぶ時は「お金かかるけど大丈夫?」と訊くのが暗黙の了解なんて話もあるし、なかなか厳しい時代だ。

 暇が人を殺す

<以下、おまけコーナー(笑)>

弟と五目並べをする祖父

 ちなみに弟も私も五目並べで負けた。リバーシでは勝った。五目並べ超ムズいっすね()。

おまけの品

 これは一太郎に付いてきたおまけ。1キーのみのキーボードで生意気にもキーボード側の接続端子はUSB Type-C。裏面には「一太郎」のロゴがある。いやに長い付属ケーブルでPCに接続して押してみるとWindows標準の電卓アプリが起動した。小さい説明書も付いてきたがどうやらカスタムは出来なさそう。要らねぇぇえええええこんなの付けるなら少しでも安くしてくれよ。一太郎自体、5万円くらいする上にデジタルではなくDVDパッケージ販売で納期も遅いし何考えてんだこいつって感じ。これが中抜き癒着で競争を放棄した日本企業の歪さですか。

*1:テレビに繋ぐことも出来るが専用の台座とACアダプターが必要、Switch Liteはそもそもテレビへの接続不可

*2:麻雀等、相手の手札が見えるとゲームにならない、参加人数が多いものは選択不可

*3:SwitchはDSのような感圧式のタッチパネルでは無く静電容量式なのでそれ用のものを買うべき

*4:ゲーム機本体を持って集まってその場でゲーム機同士で通信させる

*5:ボイスチャット