ヤマネコ目線

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通勤手当増税

 どこから出てきた話か知らないが、にわかに「通勤手当への課税」が騒がれ始めた。普段あまり気にしていない人も多いだろうと思うので改めて解説しておく。ソースがあまり信憑性の無いもののような気がするが、火の無い所に煙は立たぬ。退職金への課税という話が出て来た以上、あっても何ら不思議ではない。

非課税の枠がある

 現在、通勤手当には非課税限度額という枠がある。具体的な制度については国税庁の下記サイトを参照してほしいが、ざっくり言えば通勤距離に応じて段階的に一定額が所得税・住民税の算定対象から外れるようになっている。会社が従業員の住所を把握することにはこういう所も関係があるワケだ。

www.nta.go.jp

 通勤手当増税というのは、その非課税限度額を廃止あるいは減額して所得税・住民税の算定対象額を引き上げるという話になる。税率は変わらないが取られるものが増えるので実質増税な訳だが、財務省の官僚はお得意のアクロバティックなロジックで「いや、これは税率は変わっていないので増税ではありません」、とでも抜かすのだろう。インボイス制度と同じようなやり口だ。

 退職金課税の話も別に所得税率が上がる訳ではない。退職金は現在、勤続年数に応じて結構な額が課税対象から控除される。その枠を廃止ないし狭め、同様に所得税・住民税の算定対象額を増やすことが本質である。

 同じように「控除を減らす」ことで実質的な増税をする可能性というか、余地はまだまだ残されている。任意保険料の控除、社会保険料控除(こどもの分を支払うなどした場合の控除)、扶養控除、あらゆる選択肢が考えられる。

 そうして搾り取られた税金はろくな使い方をされない。穀潰しの役所の予算や特定企業への利益誘導・中抜きとしてムダにされる。特にこども家庭庁はろくな仕事をしていない。つい先日も家庭訪問がどうのと言っていたが、子育て家庭からすれば迷惑でしか無いだろう。現在の予算は約5兆円、倍増計画では最終的に約10兆円もの予算を見込む。一体それで何ができると言うのか。あんな余計な役所、今すぐ解体して5兆円分減税してくれ。

 そうした横暴な搾取を我々はどこまで許すのか。いつまで許すのか。許していて良いのか。いい加減、政治を多少なりとも変える時期に来ていると私は思う。Twitterを見ていると「#岸田やめろ」と岸田総理を名指しで批判する声が多く見られるが、何も岸田総理だけが悪い訳ではない。「悪夢の民主党政権」が終わってはや10年ちょっと、そこから安倍政権、菅政権と来て今がある。日本はその間どれだけ良くなった。悪いのは岸田総理個人ではなく自民党であり、政府税調であり財務省。そろそろもう一度、自民党を政権与党から引きずり降ろし、身の程を分からせるべき時ではないか。一体どこの誰の味方でいるべきか分からせるべきではないか。

インボイス制度についての補足

 ついでにインボイス制度について見かけた意見について書いておく。いわく「消費税を払って困るようならその業界の収益構造がおかしい」。もっともな意見である。が、そうした”おかしい収益構造”に支えられて来たのが今の日本の物価であり、そこが破壊されると何が起きるか。

 確かに消費税を支払えないような弱小事業者は排除され、収益構造はある程度正常化されるかも知れない。が、同時にさらなる物価高騰を招く。当然である。弱小下請けからすれば今まで消費税分の利益込みで仕事をしていたのが、インボイス制度によって課税事業者とならざるを得なくなれば10%分、値上げせざるを得ない。あるいは廃業する事業者が相次げば特定の企業に発注が集中し、その分、納期遅れやコスト増が見込まれる。

 問題はそうした制度を今この時期、物価高騰で国民が苦しんでいる時期でも強行して憚らないことだ。軽減策として「本来納めるべき消費税の2割でいい」という経過措置が出て来たものの、大きな流れとしては変わらない。そんな経過措置はかえって事務の手間を増やすだけ。経理担当として言わせてもらえば、インボイス制度は本当に税金を搾り取るために手間ばっかり増やされて最悪。考えた奴が目の前にいたら本気で◯したい。

 国会議員ももっと身を切られてはどうか。文書交通費廃止しろ