ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

イオンシネマと車椅子

 数日前、X (旧Twitter)で車椅子の人に対する配慮がどうのと荒れていた。「普段は車椅子の人なんか欠片も関係無いし興味もないのにこういう話題には首を突っ込む健常者が一番怖い」なんて意見もあったが、完全に無関係でもない以上は議論に首を突っ込む余地はあるだろう。それとも無関心のままでいれば良いか。

 ちなみに来月1日から合理的配慮の提供が義務化される。

リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されます!」 - 内閣府

 そもそもの発端は車椅子インフルエンサーとして活動する人がイオンシネマを事前通告なく訪れ、介助に関する資格のないスタッフに劇場内の階段移動の手伝いをさせたことに始まる。それによってスタッフから「今後は別の映画館に」と言われ、それに関して投稿したことから燃え始めた。

www.huffingtonpost.jp

 今年4月から合理的配慮の義務が発生するとはいえ、リンクを貼ったリーフレットによれば「過重な負担」はこの範囲に入らない。ネットでは無資格の映画館スタッフが車椅子ごと人を抱えて階段を移動させることは「過重な負担」ではないか、というのも論点になった。この「過重」かどうかの判断目安は以下のように記載されている。

合理的配慮の義務 リーフレットより

 また、当の車椅子インフルエンサーが基本的に事前の通告なく車椅子であらゆるサービスを利用したい、それが出来るように社会が変わって欲しいとの投稿したために炎上に拍車をかけた。社会が変わること、それを望むことは決して悪い事ではないがどうにも言い方もタイミングも悪い。

配慮は「当たり前」ではない

 以前から何度か書いているが、身体障害者に限らずマイノリティの尊重のためにはマジョリティの合意が必要である。何故か。数による力関係は揺るがないから。配慮も尊重も当たり前では無い。でなければ義務化などとは言い出さないだろう。

 いくら政府が「今年4月から合理的配慮の提供が義務化されます」と言っても、双方のコミュニケーションが不足して配慮を提供する側にむしろ反感を与えるようであればしかるべき配慮は円滑には提供されない。配慮が必要であることやそれが義務化されることを笠に着て横柄な態度を取れば、健常者・障害者に関係なく相手の協力を取り付けることは困難になる。

 また、合理的配慮の提供の義務はそれに反したからと言って罰則は無い。マイノリティに対する配慮、尊重を提供することが望ましいとされる昨今だが、それはあくまでマジョリティからの善意で成り立っていることを忘れてはならない。物理的、人員的あるいは財源的に不可能なものは不可能。

 今回の場合であればイオンシネマスタッフの「今後は別の映画館に行ってくれ」発言は確かに不適切だろうが、介護要員では無いスタッフに車椅子ごと抱えさせて階段を移動するのは一般的に見れば過重な負担ではないか。映画館側には今後、車椅子が昇降しやすいよう階段の一部にスロープを付けるなり板を用意するなりの対策は必要だろう。どちらが悪いと言うよりは双方に事前準備が必要だったと言えるのではないか。

社会を変えることの難しさ

 身体障害者の一部が強行的な行動に出ることも理解できなくは無い。善意に任せるだけでは人間も社会もなかなか変わらないからだ。多くの場合は変化を嫌う。マジョリティ=健常者に合わせた制度や設備の設計は日常であり、それを多少なりとも手間と費用をかけて変えることには抵抗が生まれる。

 「事前通告無しにいきなり車椅子で入店を試みる」という人の思考としては、あえて相手を困らせることで相手側の受入体制を変えようというところがあるのだろう。誰が言ったか「迷惑にならないと社会は変わらない」。しかし、これには彼らが見落としている問題点がある。彼らがマイノリティ、少数派であるという事だ。

 困らせる、苦しませることで相手を変えようというのは思っているよりも簡単なことではない。ブラック企業で働く人間がズルズルと厳しい労働環境で働き続けてしまうのが良い例だ。端から見れば明らかにどうにかするべき厳しい状況でも人間はなかなか変われない。多少の不便さや不快感では人間が作る社会も、制度も、設備も変われない。

 特にマイノリティが「相手を困らせてやろう」と思ったところで、マイノリティゆえにその「迷惑度合い」は大きくない。マジョリティ側からすればごくたまに来る面倒くさい相手のために根本的な部分を見直す必要性は感じないし、むしろ相手に非があると見なせば「自分たちは悪くないので何も見直す必要は無い」とさえ思うだろう。今回のように問題を大事にされれば当のスタッフは内心、障害者に敵意さえ抱き得る。

 インフルエンサーとしての活動は「迷惑度合い」を最大化させ社会に広く問題を周知させることが目的なのだろうが、下手をすれば反感も同時に広がってしまうことも注意すべきだ。便利ではあるものの、SNSで下手な投稿をするのがまず良くない。イオンシネマ側は謝罪している訳で、今回の話はまずイオンシネマのしかるべき窓口に相談して解決すれば済んだ話。その顛末を投稿するのは問題が解決した後で良い。最初からSNSに晒し上げる必要性は無い。

 今、日本人に精神的余裕を求めることは難しくなっており、むしろ誰しも日頃の鬱憤から叩ける者は叩いてストレス発散に利用したいと考えている。先日も神戸大学のサークルが馬鹿をやって問題になったがXでは退学処分を求める声が多かった。適正な処分の程度はともかく、中世ヨーロッパで庶民が処刑を娯楽にするような状況になっている。そんな荒んだ精神性の人々に投稿内容に対する好意的解釈やそれによる自省を求めることは難しいのではないか。

 有名な絵画にペンキをかける環境活動家などにも言えるが、人の感情に訴えかけて社会を変えようとするならば感情がどのように動き、作用するかを正確にシミュレートしなければならない。それは簡単な話ではないし、何らかの目的をもって活動する集団においては物事の見方に偏りが出てそれがより一層難しくなる。そして大抵は浅はかな想定をして失敗する。

対話と議論の必要性

 マイノリティに必要なことは相手を困らせて何かを変えさせようという配慮の押し付けではなく、マジョリティから配慮を円滑に引き出すための対話といえる。「相手の意見や感情を無視したり尊重しない」というこれまでマジョリティがマイノリティに対して行ってきたことと同じことをしても生まれるのは対立だけ

 建設的な議論が出来るかどうか、と言う点ではこれは何もマイノリティとマジョリティだけの話では無いかも知れない。日本人は議論が出来ないというか、「和を以て貴しとなす」の精神か何か知らないがとにかく異を唱える者を嫌い、お互いの意見をぶつけ合うことを嫌う。何ならマジョリティ側の(と思われる)意見に乗ってしまえば何も考える必要が無いとさえ思っている。

 自分の意見と自分自身を切り離して考えることが苦手であり、自分の意見を否定されること=自分自身を否定されることと捉えがち。帰属意識が強く特定の思想を持つ仲間同士で固まって柔軟な議論をますます困難にする。ゆえに議論をする、議論をさせたい場合はそれなりに慎重にならなければならない。

 このあたりはもはや地道に子供時代の教育から変えていくしかないかも知れない。実際、ディベートなんかをやって育ってきているのが今の子たちなので、議論できる出来ないで言えば今の10代の方が大人より上か。揚げ足取りで相手を言いくるめて面白がるいわゆる「論破」に囚われている人間は別だが。

 私自身も出来るだけ自分の考えに柔軟性を持とうと思ってはいるが、一度自分自身で考えて固めてしまった思考を変えることには抵抗もある。議論をしても相手と平行線に終わることも多い。健常者の中でも物事に対する見方は多様であり、議論による意見のすり合わせを省略して変えられるほど世の中は甘くないだろう。

 そういう時もChatGPTは役に立つ。何せ相手に遠慮する必要は無いし納得するまで付き合ってくれる。意見が合わなかったからと機嫌が悪くなったり避けられたり付き合いが無くなったりもしない。

食べ放題の上限、客が悪いか店が悪いか

 食べ放題で上タンばかり50人前頼んだら店長にキレられた、という投稿が賛否両論のようだ。面白いので改めて考えてみる。先に書いておくと私はいくら食べ放題でも度が過ぎた飲食は反対。とはいえ双方の主張に正当性があるように見える。

togetter.com

賛否両論双方の主張

 「実質的な上限を設けるのであれば食べ放題を謳い文句にすべきではない」という意見に対して、賛同する側の意見としては

「文字通りの『食べ放題』では無いなら『食べ放題』と謳うべきではない。契約として上限無しの食べ放題であるべきである」

 というものがある。一方で否定的な意見としては

「いくら食べ放題といえど常軌を逸した量を頼むことは非難されてしかるべきであり、3~5人前までという暗黙の了解がある」

 どちらもそれなりの正当性があるように思われる。この時点でどちらが正しいかを判断するのは難しい。正直こんなしょうもない事で自分自身、判断に迷うとは思わなかった。

 契約として正当性を取るならば確かに文字通りの食べ放題でないとおかしいし、「暗黙の了解がある」かどうかはその根拠が疑わしい。常識的に考えれば度が過ぎた行為はいけないのだが、「食べ放題」という度が過ぎる行為が出来ると謳っている以上、かつ契約として上限が明示されていない以上、食べ放題が「文字通り上限無しの食べ放題であるべき」が有利か。

それはさておき

 こういう時は思考を整理するために役立つのでChatGPTに訊いてみる。やりとりは以下の通り。3回くらいやり取りしているので途中で結論は急がない。

 ChatGPTとしては客が悪いという返答が来た。「食べ放題」とは適度な量を食べることを意味するというのが引っかかるが、他の客への影響は確かに店として考慮すべき事だろう。

 「無駄な食材の浪費」というのはおそらく1人が必要以上に食べることが浪費であると言いたいのだろう。しかしこれには認識に齟齬がある。大食い人間は「自分が食いたい量=自分に必要な量」なので、彼らはいくら食おうと腹に納まる限り無駄とも浪費とも思っていない。

 次に「食べ放題は適度な量を食べること」に関して根拠があるか訊いてみた。明確な定義がある訳ではないものの、他の客への影響を考慮することに加えて「健康面や安全面の観点から極端な量の食事を制限するため」が出てきた。これも合理的な理由といえるだろう。

 一方で大食い人間は健康や自らの安全に無頓着であり、極端な量の食事を制限するどころか極端な量の食事をしたいから「食べ放題」の店に足を運んでいる。これを制限の論拠としたところで納得しないだろう。

 契約の内容として食べ放題を謳う以上、実質的な制限を設けることは不適切ではないか訊いた。結果としては「明確な上限を設けずに広告や宣伝で無制限を謳っておきながら、実際には制限を課すことは不当な契約と見なされる可能性があります」と。

 私も食べ放題は何度か利用した事があるが、その際に実質的な制限の説明は受けたことが無い。そんな事するまでも無く常識的な範囲で食べることを店としては期待しているのだろうが、契約としては落ち度である。試しにワンカルビの公式サイトを見てもどこにもそのような文言は無い。

法的にはどうか

 では法的にはどのような扱いになるのか。以下、参考

lmedia.jp

www.bengo4.com

 まず「食べ放題契約」なるものは無いようだが、店側が取り決めたサービス内容として食べ放題、飲み放題を謳う以上、在庫がある限り注文に応じた飲食物を提供しなければ契約不履行といえるようだ。この点は大食い人間に軍配があがる。

 一方で店側としては契約相手選択の自由があり、採算が合わなくなって店自体に迷惑、他の客に提供する分が無くなって迷惑という事を理由として以後、相手との契約をしないことも可能。つまり出禁にできる。

www.pref.aichi.jp

結論としては

 一度契約が成立した後ならば、文字通り店側の在庫の限り「食べ放題」「飲み放題」をしてもそれは契約の範囲内といえる。しかしそれが通用するのはあくまで契約成立後かつ契約の範囲内の話であり、常軌を逸した飲食を2時間程度続け、契約期間が満了した後で次の契約を行えるかの保障は無い。

 「契約である」ことを論拠として強気に出る人間はどうもこの辺りを見落としているようだ。契約は確かに契約、しかし契約として成立しなければ何の意味も無い。一般消費者としての我々は店に行って契約を拒否されることがまず無いので、こちらが望めば契約が成立することが当たり前だと錯覚してしまっている。しかし実際はそれが当たり前ではない、売り手側にも契約する相手を選ぶ自由があることを思い出すべきだろう。

個人的な意見

 そもそも「食べ放題」といえど店側の在庫に限りがあることは自明であるし、他の客もいることを考えれば特定のメニューを独占的に、無制限に食べようとすることは暗黙の了解がどうの以前に極めて自己中心的かつ非道徳的であり、非難されても仕方ない。

 その根底にあるのは抑えられなくなった自らの食欲で、欲求をコントロールすることを諦めてむしろ暴走させ、他者に迷惑をかけることも憚らず、一時の契約における自身の正当性だけを主張することはあまりに人として恥ずかしい。

 この例に限らず昨今、今まで日本人の善意で成り立っていたサービスが成り立たなくなっている。いや、サービスだけでなく善意に基づいた制度全般の運用が難しくなっている。トッピングの無料サービスを根こそぎ使う奴、回転寿司の安全を脅かす奴あたりは可愛いもので、転売ヤーによる非常識な買い占め、偽装離婚によるひとり親支援の活用など何とか制度の穴を突いて得をする者が賢いというような風潮が出て来ているように見受けられる。

 日本人は追い詰められ過ぎてとうとうそういう段階まで来ているんだな、という感じ。一昔前は中国人がホテルの備品を根こそぎ持ち帰るのを嗤っていたが、だんだん同レベルに落ちて来つつある。経済的にも精神的にもどんどん貧しくなっている。しかし悪いのはそういう人々ではない、人をそのような方向へ動かす社会、その元凶となった政治。大元をたどればその政治を支持し続ける国民にも非があるのだが、いい加減にどうにかしなければ更に悪い方向へ進んでいくだろう。

 昔、細木数子なる占い師がいたが、氏の発言で1つだけ印象に残っているものがある。うろ覚えだが「法律は全ての人間が損をしないためにある」だったか。自己の利益のために他者の損害を顧みない人間を抑えつける軛という訳だ。法律はそうあって欲しいし、そのような社会を望む。

 テレビでもよく大食い番組をやっているが、あれはSDGsに反しないのだろうか

 

フォトレビュー:FractalDesign Pop Mini Air RGB White

 先日書いたが家族共用のPCを新たに1台組むことにした。という事でパーツを買い集めている訳だが、PCケースの写真を撮ったのでフォトレビューを書きたい。以前の記事は↓

manuller416.hatenablog.com

全体像

 購入したのはFractalDesign Pop Mini Air RGB White。端っこにメインPCの同社製ケース Northが映り込んでいるが後の写真ではPhotoshopパワーで消すので我慢して欲しい。

 向かって左側面のパネルは強化ガラス、全面はメッシュとマグネットでくっつく樹脂パネル。一部金具等を除いて純白のカラーリング。

 MicroATXまでのマザーボード対応で手頃な大きさ。公称寸法は幅215mm、高さ393mm、奥行き432mmで市販のハイエンドデスクトップのケースと比べてもそこまで大きい訳ではない。

 後ろから。見えない部分でもきちんと白に塗装されている。電源ユニットは下に設置するタイプ。両側面パネルはハンドスクリューで固定されており、ツールレスで脱着可能。

フロントパネル

 ここからは各部をより詳しく見ていく。

 フロントパネルのメッシュ部。ただのメッシュではなく絶妙に模様が浮き出るような加工が施されているのが良い。どれくらい絶妙かと言うとカメラのAFでピントを合わせたら分からないくらい。あえて上から撮るかMFでピントをずらせば撮れる程度。主張し過ぎない感じ。

フロントパネル下部

 フロントパネル下部は樹脂製でマグネットでくっついているだけ。取り外しやすいように社名をあしらったリボンがついている。

フロントパネル下部 拡大図

 写真左側、樹脂製とは言えパネル表面にはうっすらと筋が入ったようなテクスチャが入っており安っぽさを感じさせない。この辺りはさすがシャレたケースの代名詞であるFractalDesign。右側は鉄板でできたサイドパネルだが、ホワイト塗装に若干のシボ加工感がある。

 蓋を開けたところ。光学ドライブ用5インチベイと小物入れがある。今どきシャレたデザインかつ光学ドライブベイがあるケースは貴重。

 小物入れは手前に引っ張れば外れる。ここにUSBメモリーを入れておくも良し、SDカードを入れておくも良し。奥に見えるミッキーマウスみたいな穴の空いたものはHDD用のブラケット。

 蓋の裏側。ネオジム磁石でくっつくようになっている。

トップパネル

 手前に電源スイッチやUSBポート類、奥はメッシュで通気口になっている。個人的な好みというかわがままを言えば、上面にこうしたポート類があるケースはポート内にホコリが溜まらないか不安になる。前面か側面に付けて欲しい。特にこのレベルの大きさであれば机の上に置くこともあるだろう。その場合、この位置は使いづらい。ガラスが見える位置に座ると正面向かって左に座る訳だが、その位置からしても奥まっており操作しづらいのもマイナス。

 スイッチ付近。手前から電源スイッチ、RGBコントロールスイッチ、ヘッドフォンジャック、マイクジャック、USB3.0×2、USB-TypeC用の増設口。必要十分かつUSB-TypeCはオプション(2,000円程度)だが、Type-Cのメスなんか誰も使わないのでオプションで正解。

 後部の通気口にはマグネットでくっつけるタイプのダストフィルターが付属。通気口は一環して三角形の穴になっている。長穴は排気ファン増設用の穴で、固定用ネジでダストフィルターが浮き上がらないような工夫が見られる。

ボトム

 底面。滑り止めのゴムはさすがに黒い。電源ユニット側に通気口、シリアルナンバーのシールがある程度。凹んだりしている部分は内部のブラケットを固定するための穴かケーブル固定用の部分。

 こちらのダストフィルターもツールレスで取り外せる。後ろから出っ張っている部分を引っ張るだけ。ここは流石に白いメッシュでは無いが、かなり見えづらい部分なので問題無し。

内部:マザーボード

 マザーボード側の内部、ガラスパネルを外したところ。拡張カードスロットのネジやマザーボード用のスペーサーは黒いことが分かる。

 少し近く、上から。白にこだわったためか、コストカットのためか配線用の穴にグロメット*1が見当たらない。

 上の画像を特殊処理した。非常にわかりづらいが電源シュラウドの通気口手前付近、「Fractal」のエンボス加工があることが分かる。

内部:電源シュラウド側

 一部コードやコードを留めるためのマジックテープ、ネジ等は黒。冷却ファンは白い製品だからかケーブルも白い。電源ユニット、2.5インチSSD、HDD、光学ドライブ類はこちら側に搭載する。

 電源スイッチ付近。赤いカバーはRGBファンコントローラーのピン保護。すでにある程度ケーブルが整理されている。

 写真右側、ネジで固定されているのが2.5インチドライブブラケット。ここにSATA接続のSSDを2つ搭載できる。このブラケットはマザーボード側にも設置可能。

 電源シュラウド内。上下にHDD用ブラケットがあり、ネジ類が袋に入って置かれている。奥側はフロントパネル裏で見ての通り光学ドライブを装着すると上面につけるHDDブラケットが着けられない。もし光学ドライブを2段にするならHDDを装着することは諦めるか、多少の振動音は我慢してノートPC向け2.5インチHDDを使うしかない。

その他

 もとからエアフロー重視のケースなので吸音材などは無い。HDDの駆動音等が気になる人はPop Mini Silentの方にすべき。比較的小型ではあるものの、一般人の感覚からすればちょっと大きい感じはあるため、置き場所も要注意。

総評

 詰めが甘い点はあるものの高い完成度にあることは間違いなく、特に5インチベイとシャレたデザインどちらも欲しいという場合はほぼこのシリーズ一択ではないだろうか。一見シンプルで面白みに欠ける全体像の中にもデザイン性の高さと機能性がしっかり込められており、知れば知るほど魅力がある。

余談:種類に注意

 FractalDesignのケースにはそれぞれ特色あるシリーズがあり、今回レビューしたPop Mini Airは標準サイズとなるPop Airがある。これに限らずシリーズごとに同じ形状でMini, Micro、XLなどのサイズ違いがある感じ。なのでちゃんと商品名を見なければ、形がよく似ているので大きさ違いのケースを注文してしまう場合がある。というか今回それをもろにやらかした。Pop Mini Airを注文したつもりがPop Airを注文していた。自分が不注意なだけだが・・・。

 また、これより少し大きいATX対応のケースPop Airの方は内部だけが別の色で塗装されたタイプがありそれぞれ、シアンがサードウェーブ、マゼンタがZOA、グリーンがツクモ電機、オレンジがAmazon専売となっている。なぜこんな面倒くさいことをするのか理解に苦しむ。

*1:配線保護用の黒いゴム

ドローンは砲兵の代わりになり得るか

 面白い話題だと思ったので乗ってみる。一部ではFPVドローン*1(以下「ドローン」で統一する)が砲兵による砲撃の代わりを果たせるのでは、という素人意見があるようだが、それについて。

結論から言えば

 ドローンによる攻撃、野砲による攻撃どちらもそれぞれのメリット・デメリットが存在するため単純比較するべきものではない。どちらが優れているともどちらがもう一方の代わりになるとも言えない。

威力

 これが一番違うところ。M795 155mm榴弾の場合は重さが1発約47kgある。人間(日本人)で言えば12歳8ヶ月の男児の平均体重程度。この場合、高性能爆薬が約10kgも入っている。弾薬にも種類があるが、ドローンよりも破壊できるものが多いことは間違いない。

 かたやドローンの搭載量は一般的なもので2kgを超えない。つまり投射可能な弾薬のレベルは従来の火砲に比べてかなり限られる。ウクライナ軍が行ったロシア軍への攻撃映像を見ても、投下しているのはおそらく迫撃砲弾か手榴弾ばかり。

 ドローンの中でも大きい荷物を運ぶことが出来るものは開発されてはいるが、運べる荷物の重さと機体の大きさは比例する。機体が大きくなればなるほど発見、撃墜される可能性は高まるので、単純に機体を大きくすれば良いという訳でもない。使い捨てにすることを考えても機体そのものにそこまでコストは掛けられない。

射程と速度

 M777榴弾砲の場合、砲弾の種類によるが射程は24~40kmとそれなりの距離がある。砲弾の速度は砲口初速が827m/s=マッハ2.4程度で、曲射(砲弾が山なりの軌道を描く)かつ徐々に速度が落ちるとは言え、ドローンよりは確実に速い。

 一方でドローン兵器の射程は電波が届く範囲がボトルネックとなる。行動可能範囲はせいぜい4km程度であり、重量物を乗せた場合や電波妨害がある場合、地形によってはさらに短くなる。速度もそこまで出ない。現在最高速を出せるドローンの速度は時速300kmに達するが、それはそれ専用の設計をした上で何も載せない場合。実際の映像を見てもそこまで速度は出ていない。

ドローンはどれくらいまで飛行できるのか古宇利島で限界に挑戦 | DRONE PILOT AGENCY株式会社

 「でも米軍のドローンは遠くから操作してるじゃないか」という人がいるかも知れないが、最初から軍用に作られたMQ-9リーパーなどのドローンはクアッドコプター型(=一般人がドローンと言われて思い浮かべるプロペラ4枚で飛ぶやつ)でも無ければ、機体の大きさは段違いで通信方法も衛星経由である。

命中精度と使い道

 砲弾はただ火薬で飛ばすだけなので精密な攻撃は期待できない。GPS誘導砲弾もあるが妨害電波を使用されればズレる。低い命中精度を発射する数や砲弾自体の種類*2で補うのが基本。

 ドローンは高い誘導性能を持つ*3ので、車両の弱点*4、敵の塹壕の一番狙われたくない所などをピンポイントで狙うことが出来る。搭載できる武器の威力は低くても少しずつ確実に相手に消耗を強いることが可能。

 従来の火砲は大規模かつ長距離から壊滅的な被害を与える用途に向いており、ドローンは短距離で味方を支援する役割に向いているといえる。また、ドローンは偵察にも使えることを忘れてはならない。遠隔で映像を見られるので片道切符前提で飛行させ、行きがけの駄賃代わりに敵陣地に突っ込ませることも可能。嫌がらせにはうってつけの兵器といえる。安全な遠隔地から放棄された装甲車の空いたハッチめがけて手榴弾を投下し、丁寧に破壊することも可能。

 その点、従来の火砲にはないタイプのプレッシャー、恐怖心を敵に与えられる点もドローンのメリットか。いつどこから手榴弾を落とされるか分からないとなればおちおちトイレにも行けない。それだけでなく映像が残るので攻撃の映像をSNSや動画サービスなどで流すことも出来る。それを見れば誰しも「これからの戦争ではドローンに殺されるかも知れない」と思わざるを得ないだろう。別に銃弾1発だろうが砲弾だろうが結果は変わり無いのだが、逃げようとする兵士めがけて突っ込みながら起爆するドローンの実際の映像を見てしまうとそれらには無い感情が出てくる。

必要な人間の数と攻撃速度

 一般的な比較対象としてアメリカ軍が使用するM777 155mm榴弾砲を見ると必要な砲兵の数は5名。1分間で発射できる砲弾の数は最大5発、持続射撃時で2発。

 ドローンは人間がカメラからの映像を見ながら手動で誘導を行う。なので単純計算で1発に1人の人間が必要になる。クアッドコプター型のドローンは火薬で発射される砲弾よりはずっと遅い上に、重い迫撃砲弾等を搭載して飛行するとなると離陸から命中まではそれなりに時間がかかる。

 単位時間あたりの攻撃回数で言えば一般的な火砲に軍配があがることは想像に難くない。ドローン操縦中の兵士は無防備になりがちなため、護衛は最低でも1人欲しいところ。

余談:これからの展望

 以上のことを踏まえて見えて来るのは「ドローンで火砲が代替できる」などという単純な話ではなく、戦場においてはまだまだ使い勝手の良い武器・兵器が求められているということ。ドローンはそのうちの1つに過ぎない。

 また、ウクライナ軍はドローンによって実際に戦果を上げられることを世界に知らしめた。これには飛行するドローンだけでなく船舶型の特攻ドローンも含まれる。船舶型ドローンに爆薬を詰んで突入させることでロシア軍の艦船を撃沈している。

 これから先、今まで以上に無人兵器の開発・発展・活用は激化するだろう。ひょっとすれば火砲で発射されて終端誘導だけAIで自立飛行、画像認識で標的へ突っ込む砲弾型カミカゼドローンなんかも出てくるかも知れない。あるいは空中から小型のドローンを投下する空中ドローン空母なんかもあり得る。物資を運ぶドローンや負傷者を運ぶドローンは既に実験が行われている。陸上で偵察・戦闘をアシストするドローン(UGV)、海上あるいは海中で活躍するUSVも登場して久しい。日本はその流れにどこまでついて行けるのだろうか。

 私が兵士ならドローンで一方的に殺されるなんか御免被る。同じような手段で対抗したいし、ドローン対策も欲しい。歩みを止めれば負ける。

 

*1:搭載されたカメラから映像を見ながら操作できるドローン

*2:クラスター弾で広範囲を攻撃する等

*3:操縦手の腕によるが

*4:燃えやすい外部燃料タンクやタイヤ、履帯など

被災地支援を免罪符にするな

 自民党が裏金問題への対応として、裏金相当額を能登半島地震被災地へ寄付することを検討している。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策|記事題:自民、裏金相当額の寄付検討 能登半島地震被災地へ5億円)

分かっていないな

 被災地支援を免罪符にしようと言うのだろうか。被災地支援と言えば許されると。人道的なので批判もしづらいと。そう思っているなら大間違いだ。むしろ国民感情を逆撫でしている事になぜ気づけないのか不思議である。結局こいつらはその程度の浅知恵しか持ち合わせておらず、これが反感を買うと理解するだけの人間らしい心も無い。どうりで何をやらせてもうまく行かない筈だ。どうりで国の舵取りが間違っている筈だ。何せ何も分かっていないのだから。

やるべき事は分かっている

 裏金問題については以前も書いたがやるべき事は分かっている筈だ。政治資金規正法の改正による厳罰化・連座制の導入、今回の裏金問題を起こした議員の処分、政策活動費の透明化、裏金分の納税(もちろん追徴課税分も含む)。

 これらをやらない限り裏金問題は解決したと言えないし、言わせない。派閥解消だの政倫審だのでは何の解決にもならない。岸田政権はやるべき事から逃げ続けている。

 連座制については賛否があるかも知れないが、連座制にしなければ今回のように会計責任者にすべて擦り付けて逃げるので導入するしか選択肢は無い。政治資金収支報告書への不記載も後から修正だけで済ませるのはおかしい。何より今回の問題を起こした議員に対する処分が遅すぎる。甘すぎる。

 裏金について「納税するつもりはございません」と抜かした議員がいたが、一方で下記のような記事もある。

news.yahoo.co.jp

(記事題:国税庁が国会議員に“納税手引書”を配布していた! 裏金は《「雑所得」で課税対象》と明記)

 もし、我々一般人が納税を怠った場合は確定申告内容の修正だけで済むだろうか。否、もちろん追徴課税がある。ではなぜ政治家には無いのか。彼らは特権階級なのか。そのような扱いを許してはならない。

 なお、雑所得の税率は累進的で330万円以上になれば20%にもなる。年間200万円と仮定すると10%の域だが、重加算税や無申告加算税を加味すれば追徴課税の額はそれなりになる筈だ。

No.2260 所得税の税率|国税庁

自民党という政党として

 裏金問題については政倫審で議員1人1人がさらなる嘘と見苦しい言い訳を続けている訳だが、自民党の派閥における問題にも関わらず党はそれを個人の問題かのように扱っているように見える。進退は個人の自由かも知れないが、今ひとつ政党全体として問題解決に当たろうという気概を感じない。

 党として本気で問題の解決にあたるのであれば、裏金分+追徴課税分の政党交付金を国庫へ返納するくらいの対応をするべきではないか。被災地への寄付など本筋では無い。

やっぱりもう1回下野させないとダメでは

 前々からいい加減に限界だと思っていたが、今回の「はいはい、裏金分を被災地に寄付すりゃそれでいいだろ」とでも言わんばかりの対応には本当に頭に来た。いい加減にしろや。確かに民主党政権は悪夢だった。しかし「悪夢」だけあって幸いにも短期間で終わった。自民党政権はどうか。長く続いているし安定感はあるが国は良くなっていない。少子化はむしろ加速している。税金も社会保険料も増える一方。地獄ではないか。

余談:もし私が総理大臣になったら

*言いたい放題書きたいだけ

 少なくとも子ども家庭庁とスポーツ庁文化庁は即刻解体させる。その他、よりコンパクトに納められる省庁は再統合を進める。逆らうものは辞めてもらう。防衛費増額はそれらで浮いた分で賄う。足りない分?足りないものは足りないで何とかしてもらう。出来ないなら出来ないでよろしい。廃止!

 現在行われている以上の「結婚して子供が生まれる」前提の少子化対策は行わない。可能な限りの個人に対する減税と社会保険料の引き下げをもって景気対策とする。やるだけ無駄な少子化対策は最初からしないのが最善。

 防衛予算以外で各省庁にはそれぞれ今の予算の10%減した予算編成することを義務づけ、全体の予算を減らす前提で国家予算を決めてその分を消費減税にあてる。足りない分は法人税を引き上げて賄う。それで立ち行かなくなる制度は不要。廃止。以後、基本的に前年度よりも増額された予算を提案することは禁止する。

 予算編成の枠については3年ごとに見直すこととし、原則として増額は認めない。増額を求める場合はその分、他の省庁の予算を減らすよう合意形成を求める。この制約は少なくとも少子化が改善し、日本人の出生率が増加するまで撤廃できない縛りを設ける。

 半国営の事業は生活インフラ*1半導体以外*2は全て手を退く。官民ファンドは役に立たないので廃止。国が肩入れしなければ成り立たない事業など基本的に必要無い。干からびた土壌で枯れた作物にいくら肥料を与えても無意味。もはや経済は土壌改良からやり直すべき段階。

 あらゆる行政事業において、予算案と実際にかかった経費についてあまりに乖離がある場合はその責任を負う者に対して追及を行う。当初予算よりも実際にかかった費用が2倍以上になった場合、特段考慮すべき事情の無い限り*3解雇できる制度を創設。責任を負うべきものに責任を負わせる。あまりに悪質な場合は損害賠償を求める。

 各省庁の情報開示に今以上の透明化を求める。不開示情報以外について開示しなかった場合の通報制度、罰則も設け、官僚が不正を通報しやすい制度を設置する。特に情報開示請求に対する全面黒塗り禁止に向けた制度改革を目指す。

 デジタル庁下部に行政処理の実務を行う組織を新設し、行政における事務処理等を少しでもパソナ等への業務委託ではなく、行政による直接運営へ切り替える。それによってシロアリ企業一掃への布石とする。

 インボイス制度は即刻廃止。インボイス制度の導入に関わった全ての官僚を追放する。逆らう者も辞めてもらう。財務省は一度、現在の幹部をすべて一掃する必要があるかも知れない。

 学校に直接渡る予算の増額もしたい。こども家庭庁などという害悪組織に渡るくらいであれば少しでも現場に予算を増やすべきだ。あまりに生徒数が少ない学校は申し訳ないが統合を進めてもらう。代わりに地方への対応としてオンライン授業を推進する。月2,3回でも良いので少しでも登校するのが理想だろうが。

 防衛予算は可能な範囲で維持・増額。武器輸出は積極的に行う。輸出等によって数量を生産できなければ武器・兵器の単価は下がらないので長期的に見てそれが財政にける最善。国内の防衛産業が弱すぎるのも問題で、ウクライナはその辺りがしっかりしているからあれだけ抵抗出来ている。覚悟も技術力も違う。西側のミサイルを旧ソ連製戦闘機(=全く異なるシステム)に適応させて運用できるのは何気に凄い。

 国産ドローン1つ取っても不具合で運用停止になっているようではダメだ。特にドローン産業、無人兵器の研究は推進する。遅きに失するとはまさに現状だが・・・。ドローンでも中国が圧倒するのだろうな、いざ戦争になれば。

www.yomiuri.co.jp

 防衛においては密かにアメリカに国内基地への核戦力配備を打診する。不可能なら不可能でそれで良い。F-35Aに搭載可能な戦術核爆弾あたりならば密かに配備できなくも無いだろう。何せF-35の機体内に納まるサイズなのだから。離島防衛も手を緩めない。尖閣諸島に上陸する者があればトマホークで飽和攻撃も辞さないことを公言する。

 旧統一教会問題に関しては同宗教を特別指定宗教法人に指定させる。カルト対策法案も可能なら提案。解散請求は裁判所の判断待ちなので関係無いとして、たとえ個人の財産であっても宗教法人ならびにその関連団体へ寄付できる金額を規制し、物品(壺や新聞等)の販売についても所得に応じた年間限度額を設ける。また、統一教会に限らず宗教関連施設を利用した政治活動の規制強化、厳罰に処す公明党、聞いているかお前だよ

 その他、労働環境の改善や外国人不法滞在者の対応にも力を入れたい。特にクルド人問題。裏金問題のような余計な問題で自ら躓いて、やるべき事をしないばかりに様々な問題を長引かせているのは本当に見苦しい。

 あ~・・・誰かこれくらいの事言ってくれねえかな

 

*1:性質上、利益至上主義であってはならない

*2:TSMC誘致しちゃったから仕方ない

*3:建築資材高騰等

家族共用のPCを組む:パーツ選び編

 父の使って来たデスクトップPCがいよいよダメになってしまった。約20年前のPentiumとなると私の感覚からすれば骨董品である。これまで家のことで事務処理目的で使っていたが画面出力がお亡くなりに。DVI?VGA?映像出力端子からして時代を感じる。

 私が高校生の頃に買ったIntel core iシリーズ初代搭載のパソコンも事務処理用に使ってもらっているが、それもいつまで持つか分からない。どちらもSSDが無い時代のPCなので動作はもっさり。

 前に作ったメインPCの記事は↓

manuller416.hatenablog.com

という事で

 家族共用の事務等に使えるパソコンが必要になり、じゃあそれくらい買ってやるかと思ったのだが、やれDVDドライブが欲しいだのフロッピーディスクドライブも欲しいだの外付けHDDでデータ保存もしたいだのとうるさいので1台組むことにした。

 なぜ出来合いのものを買わないか?ダサいから。特に光学ドライブ搭載のPCはダサいものばかり。何年前のデザインだよ。あと自分で組んだほうが楽しいから。金を出すのは自分なのでどうせならね。円安なので逆風もいいところだがそれはメーカーも同じ。ひょっとすれば再利用できるものは再利用して予算が節約できるかもしれない。特にOS。

ケース:15,245円

 あくまで共用なので小さめが良いかなと思いつつ、拡張性もあるMicroATX対応サイズを選択。もはやメーカーとして安心感があるFractalDesign、その中でも今では珍しい5インチベイが搭載可能なモデルがこのPop Mini Air。前面ファンの下にあるスペースがマグネットでくっつく蓋になっており、その内部に5インチベイと小物入れがある。

 レビューはエルミタージュ秋葉原さんのものが詳しい。レビュー対象はフロントパネルがメッシュではなくソリッドな静音性重視タイプだが基本設計は変わらない。光るのは絶対嫌、静かさを重視したいという人にはこちらのSilentがおすすめ。

www.gdm.or.jp

 比較的小さめのケースと書いたがそれでも高さは393mmと約40cmあり、家電量販店で売られているようなデスクトップくらいが良い、という人には勧めづらい。

CPU: 22,838円

 事務用なのでIntel core i3あたりが良いか、と思って第14世代coreシリーズよりIntel core i3-14100を選択。ゲーミングPCでは無いのでグラボをつける予定は無し。なので内蔵グラフィックス搭載のものにした。内蔵グラフィックスが無いcore i3-14100Fなら4,000円くらい安く買えるがグラボを用意しないと映像出力が行えない=画面が映らない。

 何故かAmazonだと価格が微妙に高い。ドスパラAmazon決済を利用して購入。

www.intel.co.jp

 i3と言えば一昔前は大したことが無いイメージだったが、改めて製品仕様を確認すると何げにこいつ、4コア8スレッドでPコア*1のみと結構使えそうなスペック。試しに以前使っていたIntel core i7-9700Kとの比較を調べて見ると下図のような結果が出ている。

https://www.cpu-monkey.com/ja/ より

 core i7-9700Kは8コア8スレッドなのでさすがにマルチコア性能では勝っているものの、core i3-14100はそれに肉薄する性能を4コアで出しており、シングルスレッドでの性能では明らかに優位。これはグラボさえ積めばある程度のゲームも出来るレベル。

 本当はいま流行りのミニPCと同じIntel N100で組みたかったが単体で売っていない。どうして・・・どうして・・・個別パッケージして小売するとなるとコスパ悪くなるのかな。

pc.watch.impress.co.jp

 逆に考えれば今のcore i7やi9あたりは一般用途には確実にオーバースペック。今のメインPCで使っているcore i5-13500でも14コア20スレッドと持て余し気味。

マザーボード:18,755円

 マザーボードはサイズがMicroATX、ソケットがLGA1700、一体型I-Oパネル搭載の条件で比較的安いASUS TUF GAMING B760M-PLUS D4に決定。メモリーの規格がDDR-4で最新では無い*2が、事務用には十分だろう。

www.asus.com

一体型ではないもの、一体型のもの

 一体型I-Oパネルとはどういう事かと言うと、上の図、左が一体型ではないI-Oパネルを備えたもの。右が一体型I-Oパネルのもの。要はパソコンの裏にあるUBSやら何やら沢山ついた場所が最初から完成されたものか、別で付属しているパーツを嵌めるものかの違い。一体型のほうが単純にカッコいい上に組立時の事故も防ぐことが出来る。

 その他、マザーボードを買う時にチェックするべき点としてはチップセットの種類*3、M.2 SSDのスロットの接続規格と本数、M.2 SSDスロットにヒートシンクが付いているかどうか、映像出力端子の種類、USBソケットの種類と数、グラボやその他の拡張ボードを接続したい場合はPCI Expressのレーンと本数。特にCPUのオーバークロックはZが付くチップセットしか対応していない。

www.pc-koubou.jp

CPUクーラー:6,580円

 CPUクーラーはCPUに付属しているものの、サイドパネルが透明で中身が見えるからにはある程度見栄えするものを付けたいところ。なので最近の定番?であるDeepCool AK400、それもCPU温度表示機能が付いたものを選択。

 温度表示パネルはUSB2.0接続。ケースはUSB3.0×2なのでUSB2.0ピンヘッダは余る・・・はず。最悪ディスプレイが活用出来なくても光沢ある黒いパネルなので見栄えはどうにかなるだろう。

 CPUクーラーを買う場合にチェックすべきなのは高さ。ケースの大きさによって付けられるクーラーの高さが異なる。大きいものを買ってしまうとケース側面の蓋が閉まらない。

電源ユニット:9,780円

 FractalDesign  ION Gold 550W FD-P-IA2G-550を選択。それほど電源容量は多くなくて良いので500W程度、電力効率GOLD認証、なおかつプラグイン形式*4で絞り込むと、ケースと同じメーカーのものが良さそうだったので。

 ちなみにAmazonだと微妙に高い。Joshinネットショップで購入。

 ケースを確認すると対応する電源のサイズは150mmまで。これはピッタリ150mmなので少々不安はあるが、FractalDesign同士なので何とかなるだろう。

パーツ選びは一旦終わり

 ちなみにここまでで73,198円。ここに最低でも1つのSSD、メモリーをつけることを考えるとあまり安いとも言えない。やはり自作PCは道楽の域。でも楽しいからOKです!

 OSは古いPCのをそのままクローンして使用、メモリーも以前買った相性の悪かったものを試す、5インチドライブも古いPCのものを引っこ抜いて使えないか検討、無理なら外付け。FDドライブは外付け。CPUグリスは前に組んだもののあまりがあるし、CPUクーラーに元から付いているグリスでも良い。

なぜ見た目にこだわるか

 満足度が高いから。見た目がカッコ良ければ使いたいと思えるから。でもあんまりビカビカ光るのはそれはそれで私は好きになれない。いつか痛PCとかPCケースそのものを自作とかしてみたい。

 それに新しいPCを組むのはストレス発散になる。新しいケースやらマザーボードやらの性能を調べて組み合わせたり、どこにどんな工夫があるのかを見るのが楽しいと感じる。

 ちなみにAlienwareは良くも悪くも有名だが、あれは内部パーツにある程度こだわった上で筐体デザインにもこだわって作っているので高い。コスパはそんなに良くない。

なぜもっと小さいPCを自作しないのか

 大きさはケースで決まる。ケースに収まらないパーツは使えない。小さいパーツは性能を落とさずに小さい容積にパーツを組み込まなければならない。なので高い。小さくて拡張性に乏しく出来ることも限られるくせに高い。同じスペックで組むにしてもコスパが悪くなるのでMicroATXATXあたりで組むのがベスト。小型かつ高性能はロマンがあるが自分で組み立てる以上は組み立て難易度が上がる。

 また、市販のPCは量産における組み立てやすさも考慮した専用設計で小型化している場合が多い。それが出来ない自作PCで小型さで張り合うのは難しい。逆に市販のPCは内部の見栄えにこだわりが無い。そもそもガラスパネルではなく鉄板で中身が見えないものがほとんど。見えるタイプでもよく見ると自作PCほど見栄えにこだわっている訳でもなかったりする。

 かと言って組み立てやすさと拡張性重視でE-ATX対応のクソデカPCケースなんか買うとそれはそれで大変な目に遭う訳だが。物事には限度がある。単純に邪魔。置き場所にこまる。動かしていない原発くらい邪魔。

よく考えると

 ふと自分が持っているPCを数えてみた。自室で使うメイン、リビング用、弟に貸しているノートPC、iPadProの計4台。スマホもPCのようなものと考えると5台。そろそろ身体も2つくらい追加したい・・・。

*1:パフォーマンスコア。今のCPUは省電力寄りと性能重視の2タイプのコア=計算回路がある。Pコアは性能重視コア

*2:最新の規格はDDR-5

*3:B760だのZ790だので出来ることが違う

*4:電源ケーブルが必要に応じて抜き差しできるやつ

子育て支援金は”理解”したくない

 子育て支援金に関して「政府は負担ゼロの説明に腐心している」らしい。

news.yahoo.co.jp

(リンク切れ対策|記事題:子育て支援金「負担ゼロ」に理解広がらず、政府が腐心…野党「説明小出し」と反発)

バカじゃねえの

 記事を見ると「国民の理解が広がっていないためだ」とあるが、多くの国民は政府の説明を理解しているだろう。理解した上で何をバカなこと言ってるんだと批判している訳で、記者の書き方なのか政府の素の言い分なのか知らないが「理解しない聞き分けの無い国民が悪い」というような言い方はやめるべきではないか。

 「実質的な負担ゼロ」というのは社会保険料の上乗せと同時に政府が主導して賃上げを企業に求めることで、子育て支援金としての徴収が増える以上に給与が増える(見込み)ので「実質的な負担増ではない」と言いたいようだが、常識的に考えてこのロジックは無理がある。

 社会保険料において問題なのは「賃上げ分とそれによって上がる社会保険料の控除額どちらが大きいか」などではなく、度重なる社会保険料の引き上げによって賃上げ効果が減殺され続けていることに他ならない。算出方法を考えれば社会保険料が賃上げ分より小さく納まることは当然の話であって、それをもってして単純過ぎる損得勘定で実質的な負担ゼロなどと言うのはあまりに愚かである。

 だったら税も社会保険料も合計99.9%まで上げたって残るものはあるから「実質負担ゼロ」か?そんなロジックが通用するなら社会保険料も税もまだまだ上げ放題だな。こんなバカげた主張をする者が大臣とは、いかに日本政府が”終わっている”か分かりやすい。「納税するつもりはございません」と発言した議員がいたがそれはこっちのセリフ。

 企業がいくら賃上げしても政府が同時に増税社会保険料の引き上げを繰り返すから手取りが伸び悩み同時に円安誘導による物価高もあってスタグフレーションに陥っている訳で、ここでさらなる社会保険料の引き上げを許せば負担は確実に増える。賃金の額面と控除の額を比べてどうこうなどと単純にもほどがある損得勘定だけの話ではない。物価が上がっていることを理解していないとは言わせない。

 理解という言葉を使うならば、「理解しない・できない」ではなく「理解したと思われたくない」、「こんなバカなロジックに騙されたと思われて侮られたくない」だろう。支援金の額も当初は月額500円の増加と言っていたが、半年もしないうちに倍以上の1,250円に増えた。説明を小出しにした弊害もあると思われるが、何にせよ負担が増えることに変わりは無い。

 それにしても”お上”は本当に、呆れるほど物事の理非を知らん。単純な道理すらことごとく見誤っている。格差是正は放棄し、国民には「さらなる負担をお願い」、その引き換えとして企業には「賃上げ要請」。楽なもんだ。政府の仕事は一体何だ?経済政策において一体何の役に立っている?

こども家庭庁そのものが無駄

 支援金の是非以前にこども家庭庁の存在そのものが無駄。前から存在した支援制度を予算付け替えで引き継いでいる以外は何ら役に立っていない。むしろシングルマザーの再婚支援だのヤングケアラーにキャンプを企画だの、諸問題について何の役にも立たないゴミのような企画を出すだけ、あまつさえ問題が指摘されている企業に業務委託を続けて甘い汁を吸わせている。もはや穀潰しどころかこども家庭庁そのものが害虫の域。

 大体からして日本は無駄な役所が多すぎる。予算獲得のためか知らないが少なくともスポーツ庁とこども家庭庁は不要。従来からあった役所で対応可能なことしかしていない、あるいはそれ以下。

 そもそも少子化問題とその解決法に関する理解をしている人間が政府にいない時点で少子化対策は詰んでいる。どのようなメンツで役所を作ってどれだけ多くの予算をつぎこもうが、現役世代への負担増を前提としている限りは何の意味もない。それどころか害悪ですらある。

 次の選挙、こども家庭庁を解体すると公言できる政党に投票したい。加藤少子化担当大臣には申し訳ないが氏の顔を見るだけで最近イライラして仕方ない。国会答弁自体が茶番に満ちていてニュースで流れたらついついチャンネルを変えてしまう。見るに堪えない。これ以上、自民党には任せておけない。逆にこども家庭庁を是とする政党は自民党と大差ない。始まる前から終わっている。

余談:過激ダンスショー

 自民党青年局の懇親会で行われた過激ダンスショーが話題になっていた。

news.yahoo.co.jp

(「自民党が下野してしまう」まるで下着の女性に口移しチップも…自民青年局会合で過激ダンスショー)

 自民党青年局が2023年に和歌山市内のホテルで開いた近畿ブロックの会議のあと、懇親会で露出度の高い衣装のダンサーが招かれ、踊ったり参加した政治家から口移しでチップを受け取るなどしたというニュース。

 「費用については、公費は出ていないということだけは確認できております」とのことだが、党から出ているのであれば原資は言わずもがなではないか。

 男としてそういうものを好むことは否定しないが、仕事と関係ある場で余興などとしてこのような事が行われることは気持ち悪いと感じる。仕事で忙しいにしてもこれで不興を買うのは当然。そういう事がしたいなら自費かつプライベートでやるべき。どんだけ元気なんだこのジジイども。

 なお、テレビの報道によれば口移しで渡したチップは千円札だったとか。妙にケチ臭いあたりが気色悪さ3倍増し。そもそもチップ口移しって何だよ。さすが政権与党の若手とくれば一味違うな。首相官邸で忘年会してはしゃいでた総理大臣の息子もいたくらいだしな。彼が青年局に入っているかは知らんが将来有望な人材ばかりだ。

 どこから漏れたのか知らないが、参加した議員に女性はいなかったのだろうか。あるいは女性議員がリークしたのか。

自民党、私からお前らに渡したいのは六文銭だけだ。