ヤマネコ目線

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Rシールとバンクシー

 蓮舫氏を支持する界隈が無許可で公共物に貼ったRシールが問題視されている。これについて恐らく貼った側と思しき人がXでバンクシーと何が違うの」などと書いていた。「そこから教えないとダメか」というのが正直な感想。今どき小学生でもそんな脇の甘い理屈はこねない。

Rシールとバンクシーの違い

 本質的には許可なく公共物を損壊しているという点で変わりは無い。何なら「バンクシーでも私は消しますけど?」という人もそれなりに居るし、ただの落書きとして消された作品もある。

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 一方でバンクシーの作品には芸術性、メッセージ性が認められる。ただの落書きと本質的な違いは無いのだが、バンクシーという概念がアーティストと理解されてそこに価値を見出す人も多い。落書きとして消すべきであるとされる一方、「面白いから残しておきたい」と人々に思わせる力がある。そこにはバンクシーを残すという大衆における合意がある。他の落書きと比較してもその芸術性が大衆受けしやすく、メッセージ性も比較的分かりやすい。

 では蓮舫シールことRシールはどうか。東京都知事選挙において初めて聞いた上に、意図して誰を応援しているかを誤魔化すために「R」の1文字だけを使っている。何の変哲もないフォントを印字しただけであり、芸術性の欠片も無ければメッセージ性も薄い。東京都知事選に関連して貼られたから薄々その意図に気づけるものの、そうで無ければロケット団と言われれも分からない。

 そして当の蓮舫氏は関与そのものを否定している。何なんだこれ。

むしろマイナスに働いた選挙活動

 大前提として、人間は何かにつけて押し付けられるのが嫌いである。多くは「自分自身の意思で選択した」ということを重要視する。それを考慮せず、名前こそ書かないものの蓮舫氏を彷彿とさせるシルエットが入ったビラをポストに入れる、Rシールを公共の場に貼りまくって景観を汚損するといった度を超えて押し付けがましいことをすると反感を買う。

 加えて蓮舫氏のイメージは支持者が思っているほど良いとは言えない。都知事選挙の結果を見ればそれは明らかである。そこで支持者が好き勝手な活動をすると「ああ、やっぱりこういう層に支持されている人なんだ」と余計に印象が悪くなる。節度を守って選挙活動をしていればここまでイメージを落とすことは無かっただろう。

 また、蓮舫氏自身の事前運動の禁止に違反しているとも捉えられかねない言動、旧民主党政権において廃止された年少扶養控除を持ち出しての現政権批判、神宮外苑再開発を巡る的外れな批判などもかえって反発を招いた。もともとのイメージが悪いとちょっとした事*1でも「ああ、やっぱりこの人はダメなんだ」とバイアスが補強されてしまう。

 良い所はあるのだろうが、残念ながら目立つのは悪い所であることが多い。これは何も蓮舫氏に限らない。

 普段、他者(特に与党)に対して厳しい批判を展開している以上、自分自身も同レベルの批判に晒されても問題ないだけの姿勢が求められる。もし政権を奪還した場合、今度は批判される側に回るのだから。それがいつまでも出来ていないので、立憲民主党は「ブーメランが十八番」と揶揄される。他者を批判する前にまず自分たちの行動を見直した方が良い。批判する立場に慣れきっていていざ責められると弱いことが分かりきっている。

野党共闘という愚行

 これは蓮舫氏に限った事ではないが、まず旧民主党政権後の野党共闘というのが良くなかった。「主義主張を超えて協力する」というのはキレイに聞こえるかも知れない。しかし有権者からすれば「選挙のためならどんな相手とでも協力する節操のない弱者」と見られている。これは長らく一強であった安倍政権と実に対照的であったし、どちらが(実際の良し悪しはともかく)頼もしく見えるかは考える余地もない。これを自覚しない限り野党に未来はない。

 有権者は単独で政権を任せることが出来る強い野党を求めている。根本的に主義主張、理想とする社会が違う政党が選挙のためだけに協力したところで後で揉めることは予想に容易い。下手をすれば何も決められない政治が生まれ、対外的にも大きな隙を生み、旧民主党政権のように安全保障において大きな不満が生まれる危惧がある。

 特に共産党との協力強化は大衆からの支持が離れる一因だっただろう。主張する内容はともかくとして、根本的に信用されていない勢力との協力は立憲民主党を「信用できない勢力の一員」にしてしまった。「立憲共産党」と揶揄される始末で、共産主義そのものがどれだけ嫌われているかまるで分かっていない。

 日本共産党は「民主主義を壊す気はない」らしいが、私としてはそうした欺瞞に満ちた態度が一番嫌いだ。安全保障においても考え方自体が愚か。人間の本質、現実を理解していればまず共産主義なんかには傾倒しないし、それを標榜する政党に所属したりしない。

立憲民主党の構成メンバーそのものが問題

 若年層から立憲民主党の幹部が全体的にオワコン*2、支持できない人たちばかりに見られていると言う意見もある。身も蓋もないが、蓮舫氏を始めとして名の知れた議員全般の印象が良くない。逆に言えば悪い意味で注目されて名前が知れ渡った人もいる。

 個人的には幹部だけではなく、所属しているメンバーに問題児が多い印象がある。ぱっと思い浮かぶだけでも白眞勲有田芳生原口一博米山隆一辻元清美あたりは良い印象がない。

 白眞勲は韓国系で永住外国人参政権を推進しており、立ち位置的にどこの国民の代表者なのか分からない。原口氏は親露派でウクライナ政権を「ネオナチ政権」と呼ぶなど大衆心理を遠ざける存在と化している。米山氏は数年前に援助交際の疑いで知事を辞任した。辻元氏は主義主張が全般的に無理。強いて言えば有田氏は旧統一教会オウム真理教と闘って来られた、という点で評価できる。ただしその他の面で政治に関わって欲しいかと言えばNO。名前の芳生(よしふ)はヨシフ・スターリンから来ており名前からここまでアカい方も珍しい。

 鳩山元総理も好き勝手に動いており、旧民主党の流れを強く汲む立憲民主党のイメージを悪くしている。止められないのかも知れないがそこを何とか身内が止めてくれ。でないと立憲民主党のためにもならん。言論の自由があるので難しいが自由過ぎる。

情勢を読み違えている

 景気、社会情勢が悪いと大衆心理は保守的な方へ傾く。なんとか生活や文化を守ろうという意識が強くなるのは自然なことだ。その中で立憲は主義主張があまりに左寄り過ぎると言うか時代に即していない、名の知れた政治家にそうしたメンバーが多い。

 自国に余裕が無くなりつつあるのに「他国に譲歩しましょう」だの、外国人が急速に増えて治安の悪化と反発を招いている中で「外国人の権利をもっと認めましょう」だの、挙げ句に中国の軍備拡大が進む中で「防衛費は減らすべき」だの、そんな主張は到底通らない。そんな事はもっと自国に余裕があって、秩序と法の支配がしっかり守られている時代に言ってくれ。

 今は他国に対する支援や譲歩よりもこの国の国力と秩序の回復、安全保障の確保が求められている。少子化対策は経済対策をすれば自ずと結果がついてくる。これを理解しないで求められていないもの、求められるものと正反対のものを提案しても大衆は興味を示さない。むしろ敬遠されるだけ。

 求められていないものと言えば自民党憲法改正も大概だが。そんなどころの状態ではない。

 一度貼られたシールはなかなか剥がれない

 

*1:語弊があるかも知れないが事の重大さで言えば裏金問題や機密費の選挙活動への流用の方がよほど重大

*2:終わってるコンテンツ