立憲民主党は衆院選公約として消費税還付などを打ち出した。正直ブチギレながら書いているので言葉が荒くなってしまったがあえてそのままにしている。別に立憲の支持者ではないが野党第1党として期待はしている。それが選挙が始まる前に裏切られた気分。
(記事題:中低所得者に消費税還付 立民の衆院選公約、政治改革徹底)
何も分かって無いじゃないか!
「中低所得者に消費税還付」というのを見た時点でああ、終わったと思った。何も分かっていない。立憲民主党には改めて失望した。
まず消費税は逆進課税である。たとえば10,000円のものを買った時には税率10%として誰もが1,000円支払う。そういう意味では平等ではあるが、貧しい者と富める者では1,000円の負担の大きさは違う。相対的に富める者への負担が小さい。消費税は累進課税と逆の性質を持つ=逆進課税。
消費税にはそうした性質が元から備わっているので、所得で区切って還付などと言わずとも税率を引き下げれば所得に応じた負担軽減が実現できる。わざわざ中低所得者で区切って還付処理などとあまりに非効率的なやり方をする必要は無い。あまりに浅慮。議論に強いような雰囲気を出しておいてこの程度か。この程度のことは公務員試験でも習う基本中の基本なのだが、それすら理解していないで政権交代を狙う?総理大臣になる?ふざけてんのか。
還付金支給となれば当然そのための広報活動、事務処理のために手間と費用が発生する。還付処理をパソナや電通に丸投げして税金を食い物にさせるやり方は自民党と何ら変わらない。何が政治改革だ。いい加減にしろ。
消費税率の引き下げであればそんな余計な費用はかからないし、制度の周知も最低限で済む。どちらをやるべきかなど火を見るより明らかではないか。還付金処理の財源はどこにあるんだ。還付を増やしつつまた増税か。
実務的なことを考えても難がある。「中低所得者が負担する一部を税額控除し、控除しきれない分を給付する制度を提唱」とあるがもはや何をしたいのか分からん。
消費税の還付と言うが国民1人1人が1年間に払った消費税など把握している訳がない。まさか給付を受けたければ領収証を保管して申告しろとは言うまいな?そこまで出来ないので所得から概算で還付金の額を算出するのだろうが、そうなれば還付金の額よりも実際に支払った額が少なければ少ないほど相対的には得をすることになるので買い控え、消費低迷につながることが予想される。ただでさえ物価高、スタグフレーションの中でそのような流れを作るのは経済に悪影響ではないか。
また、記事では「消費税は軽減税率制度に代えて」とあるが、と言うことは軽減税率は廃止する方向で=全て一律10%に増税するという前提なのか。減税に見せかけて消費増税ではないか。
本気で政権交代を目指すのであれば一律8%までの消費減税*1、インボイス制度廃止、こども家庭庁廃止は最低限欲しい。大学授業料無償化とか言い出したのは本当に期待外れ。その財源どこから出すつもりなんだ?増税か?社会保険料の引き上げか?自民党と何も変わらないな。
野田氏をトップに据えたことの意味
まず立憲民主党の代表に野田元総理を選出したのが間違いだと思う。氏はどうしても「消費増税を決めた人」というイメージが強い。三党合意があったとはいえその時の総理大臣というのは大きく、野田氏が代表となった時点で期待値は大きく削がれたと思う。その自覚が足りない。
「悪夢の民主党政権」の責任は鳩山、菅にその大部分があるとは思うが、野田氏も無関係ではないし民主党政権全体の印象が悪すぎる。というか実際に悪かったと思う。自民党も長い目で見れば大差ないように思うが、期待値が高かっただけに失望はより一層深かった。安倍政権が長く続いた一因は民主党にある。何かにつけて「また裏切られるのではないか」という危惧が旧民主党の後継政党、ひいては野党全体につきまとっている。国民にとって民主党政権はもはやトラウマ。
それでも信用して欲しい、もう一度政権を任せて欲しいならば「一度消費税を上げた身として責任をもって消費減税に取り組み、出来なかったら政界から退きます」くらい言わなければ無理だろう。失った信頼はそこまでしても取り戻せるか怪しい。簡単に引退などと他人に言いたくはないが、そこまで言わなければ言ったことに責任を持って取り組む保証があると見なされない。
何なら政治生命を賭けたって信用されないと思う。それがいざ公約を出してみれば何だ?期待外れも良いところだ。何も分かっていない。消費税率の引き下げが入っていない時点で終わり。自民党の意味のない少子化対策の焼き直ししか出来ないなら立憲民主党に任せる必要も無い。「民主党の後継はやはり民主党」でダメな政党に変わりない。トラウマをひっくり返すようなインパクトも覚悟もまるで感じられない。
立憲民主党もう1つのネック
立憲民主党は悪い意味で人材が豊富というか、野田氏が代表に選出されたことは裏を返せば野田氏以上の人材がいないと見なされることでもある。加えて蓮舫、有田芳生、原口一博、白眞勲など保守層を取り込むには障害が多すぎる。無党派層にも避けられかねない。
一番問題なのは原口一博氏。どこでどう踏み外したのか反ワクチン陰謀論者で親露派ともう、いるだけでマイナスになる要素しかない。ほか3人の親外国人的な=不要なまでに外国人に迎合しようとするイメージもマイナス。
自民党も大概だが腐っても総裁選が大混戦になる程度には人材がいる(ように見える)。実際は誰がなっても一緒だと思うが、大衆からの見え方は進次郎がいるだけでも立憲民主党よりは上になるだろう。
政治に対する無関心さ
以下のXの投稿が話題だったのでついでに。
ポルトガル🇵🇹とケニア🇰🇪の友人の
— 月坂架 絃 ⌬ いとちゃん (@ifname_i) 2024年10月5日
「日本人って大人も幼稚だよねって気づいた」との想いを共有させてください。
「あれから色んな日本人と出会って、日本の大人って幼稚だよねって気づいた。私たちは女子会でも、国がどうあるべきか、どうすれば実現できるのかが話題の中心の1つにある。中学の時には、
要は
「日本人って大人同士の会話が恋愛やファッション、噂話などの小さな話題だけで、政治の話をしないのが家の中しか知らない子どもみたいで心配になる」
という話。この意見自体は至極まっとうだと思う。よく「政治の話はするな」と言うし、日本人の私的な会話の中に政治的な話題が極端に少ないのは事実だろう。
言い訳ではないがこの理由は2つあると考えている。
まず1つは「議論慣れしていなさ過ぎること」。一部の県は違うようだが基本的に日本人同士で議論をすること自体が少ない。特に政治の話となれば主義主張、価値観に深く関わることであり、自分の意見を否定される=人格を否定されるように捉える大人も少なく無い。議論をすることで衝突し、仲違いする可能性もある。ならば当たり障りのない話題で仲良くしていようという所はあるだろう。
Z世代は授業でディベートがあるのでまだマシなようにも思うが、一方でひろゆきのような本質的議論を問題にせず、詭弁を弄して相手を気持ちよく「論破」することを良しとする人間もいる。論破は結局何も生まれないのだが。
もう1つは自ら民主主義を獲得した訳ではないという点。敗戦後にGHQから形式的に与えられただけで、まだまだ「お上」の言うことには逆らえないという大日本帝國臣民的な根性が染み付いている。上の世代はよく「誰がやったって一緒」というが、それを変えて行くのが主権者たる国民である。何も選挙の時に紙に名前を書いて入れるだけが民主主義ではない。主権者としての意識が国民から欠如している。
なので「ほかに選択肢が無いから」と言い訳をして自民党に政治を任せ続ける。事実として政治が悪くなる一方でも、いくら増税されてもいくら社会保険料を上げられても政治を変えようとしない。もはや民主主義は形骸化している。国会は官僚が書いた台本通りの茶番劇。程度的にマシなだけで中国や北朝鮮と大差無い。自民党一党独裁を国が滅びるまで続けるのだろう。
(記事題:47歳女性歌手、政治に無関心な俳優の発言に「どれほど恥知らずなんだろう」)
これは俳優、笠松将(31)氏の政治に対する無関心な発言を受けて歌手、柴田淳氏の発言だが、無関心になる気持ちはわからんでも無い。人口格差から下の世代が投票に言っても民意として反映されづらい。何より上の世代が政治を変えられた実績を示せていない。民主党政権?俺は忘れたい・・・
「恥知らず」と言うのも分からんでもないというか、「どうせ変えられない」と無関心になればなるほどろくでもない事になるのは明らかなので政治に関心は持つべきだと思うが、とはいえ現状が現状なのでそこまで言うとブーメランが返って来ると思う。
これから政治を変えて若い世代にも国民が動けば政治は変えられるのだと示すか、それとも自民党に任せ続けてゆるやかに死んでいくか。どちらが良いか。でも立憲民主党・・・期待外れなんだよなあ・・・国民民主の玉木代表は資産課税とか言い出すし。何なら政策アドバイザーにでもなりたいわ。
余談:官邸広報
これ、主語を「将軍様」に変えて朝鮮語で勇ましく読み上げれば北朝鮮のニュースじゃん。首相官邸のX(の運営者)ですら正しい日本語が使えないのかと愕然とする。何だよ「お一人お一人と話され」って。何だよ「決意を新たにされました」って。皇族なら分からんでもないんだが。書くならせめて
石破総理は能登の被災地を訪問し、復興支援を進めるために被災者の方々からお話を伺いました/聞き取りを行いました
くらいで良い。一体どの立場でどこの誰を敬っているのか。いつから総理大臣は総書記になったのか。
批判が多かったからか後から表現の適正化(お役所言葉)が行われている。語尾が変わっただけ。多少マシになったような気はするが何のために被災地を訪問したのか、何にどう力を尽くすのか。曖昧かつ無駄に大げさな表現が気になる。
憲法改正草案といいこれといい、それが全てでは無いにせよ日本語の機微を理解できない、正しくつかえない人間がこうも上の方にいると怖いものがある。おかしくなっている。
日本国憲法を改めて読むと昔の人のほうが文章をよく練っているなと思う。自民党の改正草案は現代語訳と改悪を加えた劣化版。
*1:5%まで戻すと言うとかえって非現実的過ぎて支持されない