ヤマネコ目線

大体独り言、たまに写真その他、レビュー等

香水で推し活

 今年買ってよかったモノには書かなかったが、ちょくちょく推しの香水をプリマニアックス(まさめや)さんのオンラインショップで買っている。

shop.primaniacs.com

 私自身、何の作品のどのキャラクターが推しなのかは秘密にする主義で、別に迫害される訳でもないが隠れキリシタンのように崇め奉っているのであえてオススメは書かない。ただキャラクターのイメージにぴったりな香水が多いとは書いておく。ハンカチなどに掛けておくも良し、手帳にかけておいて手帳を開くたびに推しの香りが~というのも良し。

 作品もかなり多岐にわたり、最近追加されたドリフターズ(平野耕太)などなかなかにマニアック。原神の香水も出しており、抑えるところはしっかり抑えつつオタクが好みそうなコアな作品の香水もしっかり出している感じ。全ての作品にある訳ではないが、中にはシャンプー/コンディショナーも出ている作品がある。*1

 メジャーな所で言えば進撃の巨人ONE PIECEディズニープリンセスなどもあるので、気になる香水がおそらく見つかる・・・はず。ただし香水、付け過ぎには気をつけましょう。たまーにそこまで過敏ではない自分にとっても不快なレベルの香りを放つ香害がいるが、いくら良い香りとされるものでも付け過ぎると不快。普段から使い過ぎるがあまり、嗅覚が麻痺しているのだろう。

 なおAmazonなどで購入するのはオススメしない。公式オンラインショップ以外では転売が横行しており、香水も例外ではない。Amazonでは在庫無さそうな香水でも公式オンラインショップでは注文できる場合があるし、価格もそっちの方が安かったりする。何なら人気キャラの香水がAmazonで公式ショップの倍以上の価格で売られている、なんてこともある。盲目的にAmazonで買うことの愚かしさがお分かり頂けるだろうか。

 推しがあんな良い香りさせながら近づいて来るなら、それはもはや殺人ですよ殺人

 

*1:大きいコンテンツであればシャンプー/コンディショナーがあるという訳でもないので基準は謎

慎ましく

今週のお題「買ってよかった2022」

 思えば今年は大きな買い物(10万円以上)を何1つしていない。まったく以て慎ましく暮らしているものである。とりあえず2022年に買って良かったなと思うものを書いていく。

中村食肉 マキシマム

 某YouTuberが色んなもの(意味深)にかけて食べているスパイス。お肉屋さんが作っているので当然ながら肉に合う。成分表を見ると一番多いのは塩で、料理に使う肉の下味つけは大体これでやっている。何ならお湯で溶いただけでも美味い。

SONY  ICF-306

 AdoさんがANNに出ると聞いて、ちょうど防災用ラジオも欲しかったので購入。単3乾電池2本で動くただのラジオだが、SONY製だけあってまずまずの満足度。ただし、大きいダイヤルが音量調整(選局であって欲しかった)なのと、上部帯状の部分がツヤのあるピアノブラックなので少々、指紋が気になる。でもデザインが良い。なお夏場で扇風機なんか回している近くでは顕著にノイズが乗る。しょうがないね。

Logicool G502WL

 個人的に最強の無線ゲーミングマウス。G HUBというソフトで設定すれば、使っているアプリに応じて予め設定した機能に各種ボタンが自動的に切り替わる。いちいちアプリに応じてボタンを押して設定を切り替える必要がない。

 カスタム可能なボタンは11個に登り(クリック、ホイールクリック/チルト含む)、それぞれにマクロを割り当てることも可能。マクロはキーの押し下げ、上げ間隔をミリ秒単位で指定することも出来る。

 それに充電式。乾電池ではないので電池を買い足す手間がなく、重量バランスも良い。G HUBはバグが多いと言われているが、おそらくWindowsのユーザー名に全角文字が入っているとバグるものと思っている。私は遭遇したことはない。

ALI PROJECTの楽曲
人生美味礼讃

人生美味礼讃

  • TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS
Amazon

 知らぬ間にデジタルミュージックで購入できるようになっていたALI PROJECTの曲(不特定多数)。既に入手困難なアルバム等に収録されている曲もあるので非常にALIがたい。おすすめの曲は挙げだしたら1つ記事が書けるのでやめておく。

卓上扇風機

 中華メーカーのだが充電式の卓上扇風機。充電式なので会社で「電気代ガー」と目くじらを立てられることも無い。満充電で2日は就業時間中ずっと弱で回し続けられる。風量もそこそこで身体の一部だけでも冷やすのにちょうどいい。

 だんだん欲しい物も無くなって来た。あ、でもRTX4080は欲しい()

インボイス制度の正体

 未だにインボイス制度について「今まで消費税を払うべきなのに払ってなかったズルい奴らが払うようになるだけ」、というような浅い印象論でしか制度を理解できていない人間がいるので改めて書いておく。

実質的な消費増税

 インボイス制度の正体というか本質はこれに尽きる。実質的な消費増税である。それも直接的に税率をいじる事なく、なおかつ冒頭で書いたような事を言うある種の擁護派が湧くような、反対の起きづらい場所を狙った非常にいやらしい制度。

 インボイス制度が実施されるまでは、課税売上高が年1,000万円未満の事業者(=免税事業者)は消費税の納付義務が無い。たとえば自分の会社が免税事業者から11,000円で備品を買い、そのうち1,000円は消費税だったとする。この場合、自分の会社は消費税分1,000円を確かに相手に支払っているのだが、代金を受け取った免税事業者はその1,000円を消費税として納める必要が無い。

 これが一部で「ズルい」と言われる理由で、消費税を納めないのに請求書は消費税込みになっている=10%分得をしている、これまで不当な利益を得てきたと言われている。そこでインボイス制度は免税事業者を実質的に免税事業者という枠組みから追い出し、これまで徴収していなかった部分の消費税を徹底して取ろうという制度となる。*1

 しかし、課税売上高が1,000万円未満の事業者が免税となって来たのは規模が小さいからゆえの手心であり、言ってみれば弱小事業者に対する配慮であった。それは何もズルいと言うほどでも無いし、「10%分得をしている」とは言っても実際の取引では、その分の利益も込みで価格交渉をする面もあるだろう。目くじらを立てるほど、憎まれてしかるべき程の不当な利益はそこには無い。消費税が今の10%として、課税売上高MAXの1,000万円とすればその10%なので得をしてもせいぜい100万円くらい。大手の中抜きの方がよっぽど悪質かつ多額。100万円という額は一般人としては大きいものだが、事業者としては小さい。ちょっと機材買えば簡単に飛ぶ額。

 何はともあれインボイス制度は、これまで取っていなかった所からも消費税を取るための制度。実質的な消費増税である。となれば、あらゆるモノの提供にかかるコストが今より更に増大することが容易に予想される。消費税は人件費と税金以外のあらゆるものに掛かると考えて良い。そうなれば当然、小売価格も上がるので一般消費者としての我々の負担も大きくなる。普段、店で10,000円の買い物をして追加で1,000円を支払っているのは誰か。自分はカンケイ無いと思っているならそれは大間違いである。

 誰が何と言おうと消費税は逆進課税*2に違いはない。この社会情勢、世界情勢の中、コロナ禍からようやく経済が立ち直ろうという中、物価高騰に賃金が追いついていないと指摘されている中、消費増税でさらに弱者をいたぶり、ただでさえ悪い景気に冷水を浴びせようという神経が私には理解できない。

 大げさなように思われるかも知れないが、細々とした事業者が物事の末端を担っているケースは珍しくもなんともない。影響はそんなに無い、気にする必要はないと言う人もいるかも知れないが、もしそうならそんな場所まで徹底的に消費税を取ってやろうというこの政府の意気込みは何なのか。国家公務員ですら副業が解禁されるような世の中で、庶民の小さいお金稼ぎからですら徹底的に絞り取ってやろうという意地汚さ。反吐が出る。

 正直、課税事業者の経理担当としてでも、増税のためだけに余計な手間ばかり増やされて心底腹が立つ。増えるのは手間と税金ばっかりかよ!

免税事業者の基準について

 インボイス制度が実施されるまでの間、課税売上高1,000万円未満の事業者は免税事業者である。この基準について「年1,000万円」という額だけ聞くと、一般的な会社員の感覚からすれば大きな額と思うかも知れない。が、ここで問題なのは課税売上高が年1,000万円あるか無いかであって、それはイコール純利益1,000万円でも年収1,000万円でも無い。

 そしてこの基準は思っているほど高くはない。単純に1,000万円を12(ヶ月)で割れば約833,334円/月。コンビニの1日の平均売上が5, 60万円であることを考えれば、それなりの事業規模であれば超えない方が難しい。超えたらインボイス制度関係なく課税事業者になるのでそれはそれで問題ない。

 免税事業者の事業者としての規模がいかに小さいものかお分かりだろうか。これは受け売りだが、つまるところインボイス制度は「子どもに住民税を請求するようなもの」とも言える。確かにその自治体の管轄地区に住んでいる1人の人間かも知れない。月3,000円のお小遣いをもらっているかも知れない。かと言って「はい、あなたの昨年の収入は36,000円ありましたね。それに対する住民税を払ってください」と言う自治体がどこにあるのか。それが果たして良しとされるべきなのか。

非常にいやらしい制度設計

 これまで述べたように、免税事業者はそこまで憎まれるほど不当な利益を得ているような存在ではない。売上1,000万円なんて地方の中小でも下手し、1つの取引先相手に1ヶ月で上がるレベル。それすら超えない程度の売り上げしかない事業者に対し、インボイス制度は「これまで払うべき消費税を払ってこなかった」というレッテルを貼り、世間から批判の矛先が向くように仕向けてこの経済情勢の中での消費増税を正当化しようとしている。これがまず非常にいやらしい。世論を敵に回しづらい、国民の中に敵を作って国民同士で争わせるような誘導。本当に最低最悪レベルに性格が悪い財務官僚か何かが考えたのだろうなと思う。足の引っ張り合いが大好きな国民性もうまく作用している。自分が不幸だからお前も不幸になれ、お上の好き勝手は仕方ないが身近な人間のちょっとしたズルは許せない。それで良いのか日本人。

 そして「課税事業者になるかならないか」という選択肢。インボイス制度が始まっても、課税事業者にならないという選択肢を一応は取ることも出来る。これは一見、そこに選択肢が存在するかのように見える。が、実質的にそこに選択肢は無い。なぜか。免税事業者からの仕入れは仕入税額控除ができなくなるからである。

 今までは、免税事業者からの仕入れで支払った分の消費税は仕入れる側も払う必要が無かった。たとえば免税事業者に11,000円を払って何かを仕入れたとしよう。するとこの金額のうち消費税分1,000円は今まで、自分が支払う消費税から引くことが出来た。それがインボイス制度では出来なくなる。

 インボイス制度では免税事業者も、そこから仕入れを行う企業も払わなくて良かった消費税を必ずどちらかが支払う必要が出てくる。(今の)免税事業者が課税事業者になって支払うのか、それとも仕入れを行う側が免税事業者の支払うべき消費税10%分を肩代わりするのか。

 当然、企業は他の事業者の消費税分を肩代わりすることなど嫌に決まっているので「そういう事業者とは取引しないことにする」という流れになる。あるいは免税事業者に対して消費税分を肩代わりする代わりに、代金を10%値引いてくれないかという交渉をすることになる。ただでさえカツカツのコストでやっている弱小事業者に対して、である。

 となれば、実質的に免税事業者には選択肢が無い。課税事業者になって消費税を支払い、取引を続けさせてもらうか。涙を飲んで値下げを受け入れるか。それとも廃業するか。これで廃業するような規模ならそれまで、という冷たい意見もありそうだが、どんな企業でも最初はそんな規模であった筈。それで廃業が相次いで、様々なものが供給不足あるいは値上がりすれば困るのは誰か。

 何にせよ一番得をするのは日本政府な訳で、どの事業者がどう転ぼうと廃業しようと業界がどうなろうと、政府だけは消費税の取りっぱぐれが無い。税金を取ることだけは一丁前だよ本当に。少子化対策は未だに給付金だクーポンだで何とかなると思ってるオツムのくせにな。

 インボイス制度は今からでも中止すべき

 

*1:必ず課税事業者にならないといけない訳ではないが、免税事業者で居続ける事が厳しいように仕向ける制度設計になっている

*2:相対的に貧者ほど負担が大きく、金持ちほど負担が軽い税。累進課税の逆

防衛/安全保障は錦の御旗ではない

 書き散らし。政府は防衛費を23年度から5年間で43兆円とする指針を決めた。これに関して。

防衛/安全保障は確かに重要なのだが

 ここ数ヶ月、ミサイル防衛とそのための防衛費増額の話ばかり耳にしている気がする。そのための増税の話もセットで、である。一応は物価高騰対策の話もあったが、あくまで応急的なものでしかない。経済政策はどこへ行ったのか。資産所得倍増計画とかいう獲らぬ狸の皮算用は耳にしても、(実態はともかくとして)アベノミクスのような形だけでもしっかりとした経済政策は出て来ていない。GoToトラベルだったか?はあるが、それも結局は利権絡みで旅行業・飲食業といった一部の業種への優遇でしかない。そういう細々したことを言いたい訳じゃない。全体的に経済をどうして行きたいのかが見えて来ない。

 ようやくコロナが落ち着きかけてそろそろ経済が再始動しかけと言う時に世界情勢が不安定化し、ただでさえ危機的状況にある日本経済がさらなる危機に直面している中で、なぜろくな経済政策無しに増税で冷水を浴びせようとするのか。たとえ政府が安全保障という錦の御旗を振りかざしていても、私にはそれが理解できない。理解したくない。総額43兆円という数字は現在の中期防衛計画の1.57倍、つまりは57%増しという訳だが、どこにそんな余裕があると言うのか。

 経済と安全保障は両輪であって、どちらか片方が落ちても前には進めない。防衛費増額の必要性はある程度理解するが、そのための地盤が出来ているとはとても思えない。それどころか政府からはその地盤を作ろうという意思すら感じられない。今やるべきは景気刺激策であり、逆進課税である消費税を減税することだと思うが、岸田首相は国会答弁でそれを明確に否定している。それどころか実質的な消費増税であるインボイス制度は社会情勢に関係なく進んでいる。「足りなければ増税すれば良いじゃない」、いつもそれで知恵が無い。

 政治家は国民に税金の支払いと理解を求めるばかり。一体何を考えているのか。このままろくな経済政策を取らずに日本国民総貧困化させて少子化も加速させて、生産的な事が可能な人口を減らす一方でまた財源が足りないと言って増税。それを永遠に、この国が消えて無くなるまで繰り返そうと言うのだろうか。そうなればもはや安全保障どころの話ではない。防衛費のために国が滅ぶ。個人的に何より腹が立つのは、「防衛のため安全保障のため」とさえ言っておけば国民が増税を簡単に許すと思っているのが透けて見える所。本当に舐められたものだ。

 そも、いくら重税を敷いても使う側がゴミみたいなマスクを巨額の費用をかけて作ったり、訳の分からん中抜き企業に甘い蜜として吸わせていたら結局いくらあっても予算など足りる筈が無い。その2つはあくまで例えだが結局、ザルに水は溜められない。そんなザル風情が「もっと水の量増やしてください。ご理解お願いします」だと?嗤わせるな。今、日本国民にとって一番の脅威は無能な政府である。まずもってそこを糾さなければならない。でなければ殺されるのは我々であって、この国である。それが安全保障への第1歩だ。

ミサイル防衛のあり方について

 政府がミサイル防衛について、アメリカ製の兵器を使う方向性に舵を切っているのは方向性だけは正しいと思う。国産兵器はとにかく高い。一部の人々はアメリカの言い値で兵器を買わされていると批判するが、独自開発で輸出もしない数も作らない国産兵器は往々にしてアメリカから言い値で兵器を買うよりも高くつく。なので、ミサイル防衛のための装備をアメリカから買うことに異論はない。

 ただし、ミサイル防衛は飽和攻撃されればどのみち苦しい道でしかない。おそらく核ミサイルが使用されるような戦争が一度始まってしまえば、ミサイル防衛だの反撃能力だの何だのというレベルを超えた数の暴力が来る。まさに「無いよりはマシ」レベルであり、いかなる兵器をもってしてもいざという時、敵国からの弾道ミサイルを防ぎ切れるとは私は思わない。

 なのでミサイル防衛ばかりに力を入れてもらっても困る。敵基地攻撃だ反撃能力だという話は出ても、なぜ核シェルターの話は出ないのか。本当に攻撃を受けた時、全ての弾道ミサイル自衛隊の迎撃ミサイルが完璧に撃ち落とすことを地表で頭を抱えて祈っていろとでも言うのだろうか。迎撃だ反撃だという話ばかり出るというのはそういう事だろう。

 それとも、本当はミサイル防衛の名を借りて統一協会流に戦争でも始めたいのか。ミサイル防衛の前に領海侵犯・領空侵犯などにもっと強気に出ろよとも思うが。普段、へっぴり腰外交のくせになーにが反撃能力だ。普段、イジメられても大人しいのにいきなりキレて彫刻刀振り回すヤバイ奴かよ。

余談:日曜討論

 日曜討論自民党の政治家が偉そうなことをのたまっていたが、日本の防衛戦略には先見性がない。何でも国産でやっていると金がいくらあっても足りないので、ある程度アメリカ頼みになるのは仕方ないとしよう。しかし現状、無人偵察機1つアメリカ頼み。

 前にも書いたかも知れないが、自衛隊基地に最近配備されたMQ-9リーパー、その前身であるRQ-1プレデターの運用開始は1995年である。実に約27年前。約27年前にアメリカが無人偵察機の運用を開始してから今の今まで日本は一体、何をして来たのか。もうこの点からして私は日本の防衛における先見性など信用していない。これからの無人偵察機の重要性など、小学生の私にすら当時から理解できたと言うのに。かと思えばアメリカすら断念したレールガンなんか研究しているし、本当に金をドブに捨てることだけは得意な連中だ。

 偉そうなことを言って防衛のため防衛のためと言うは良いが、本当に防衛のために生かされるのか、そのために本当はどれだけの財源が必要で、どれだけが本当は必要無いのか。本当は防衛という皮をかぶった都合の良い予算が欲しいだけではないのか。明らかにおかしい額の予備費のように。

 上の世代や政治家への反撃能力が欲しい

杉田水脈氏は一刻も早く政治家を辞めるべき

 病み上がりの書き散らし。

 杉田政務官が自身の過去の発言を撤回するとした。撤回するのは良いとして?だが、果たしてそれだけで済む問題なのだろうか。

news.yahoo.co.jp

 政治家は時に自身の発言に関して「撤回して謝罪する」ことがある。失言の内容がそれで済む時は確かにそれで良いだろう。しかし明らかにそれでは済まない場合にも「撤回して謝罪」で済ませようとしている場面が多々見られる。我々国民はそれで許して良いのか。いいや、それはない。

「失言」で済まない理由

 氏の発言がただの「失言」で済まない由縁はそれが「杉田氏自身の尋常ならざる偏見の発露」であるからである。ただ単に言葉選びを間違えたとか、誤解を生みやすい表現を使ってしまっただとかそういうレベルでは無い。明らかにそんなレベルを通り越した「政治家にあるまじき偏見が何らかの拍子に表に出て来てしまった」というものだから、単なる「失言」では済まされない。本質的な部分がもう、政治家にふさわしくないのだから。いつかどこかで誰かを「こんな人達」と呼んだ政治家がいたが、杉田氏を見ていると「こんな人を重用した政治家がいたのか」と驚かされる。

 世間一般では失言は後から撤回できるものとされているらしいが、私はそうは思っていない。実際問題、それを聴かなかったことに出来るという人間はどれだけ居るのか。杉田氏の発言に否定的にしろ肯定的にしろ、発言そのものを後から無くすことは出来ない。本人が自分自身の考え方について誤っていたと認め、それを真摯に改めて撤回・謝罪した場合は可能かも知れないが、少なくとも私は杉田氏からそんな感情を微塵も感じない。するべき事は撤回や謝罪ではなく政界引退である。

「家族制度の破壊」だの「生産性が無い」だのお前らが言うか

 「コミンテルンが子どもを家庭から引き離し、保育所などで洗脳教育をして家族制度を崩壊させようとしている」だとか、「LGBTは生産性がない」だとか一丁前に偏見を並べるだけは得意なようだが、そも貧困・格差を拡大させ、まともな経済政策をせずに少子高齢化を加速し、家族制度どころか家族を持つこと自体を困難にして来た政党はどこか。日本人を減らして代わりにどんどん外国人を労働力として入れようとしているのはどこの誰か。もらっている給与に対して国への貢献度で一番生産性の無い人間はどこのどいつか。ふざけるなよという言葉しか出てこない。

 洗脳教育うんぬんに関しては本当にもはやお笑いレベルである。愛国心、日本人であることくらいしか誇ることの無いその辺のネット右翼でもそこまで洗脳がキマっていないというレベルの偏見に満ちた人物が、保育所で洗脳教育が行われているなどとは何かのギャグにしか見えない。一刻も早く政治家を引退されることを望む。

少子化の原因

 書き散らし。Twitterで「少子化になったのは生きる目的や形が多様化したからで、何でも政府のせいにするな」と書いている人がいたので、私が思うことを書くだけ。今年の出生数は過去最少ペースらしい。

news.yahoo.co.jp

原因と結果が逆

 「生き方が多様化したから少子化になった」のではなく、「それまで当たり前だった結婚・子育てが当たり前にできる人間が減ったので、生き方が多様化した(せざるを得なくなった)」、というのが私の見解。

 今の若者がかつての日本で言う”普通の人生”を送るための費用は増す一方、給与はここ数十年増えていない。なので相対的にお金が無い。重税で手取りもろくに増えない。なので”責任ある大人”として一人前になることが難しい、できない。

 しかし社会人になり、形式だけでも責任が与えられて自分でお金を稼げるようになれば子どもよりは経済力があることになる。それがつまりどういう状況か。子どもと(昔で言う)大人の中間に留まっている、と言える。これは以前書いた「娯楽の多様化」に関する記事でも触れたが、そうした中でいわば”王道の人生”を歩むことが出来ない・難しいとなれば、そこで余った経済力は様々な方向へ向かう。それが「生き方や幸せの形が多様化した」ことの本質であると私は考えている。

manuller416.hatenablog.com

 つまるところ日本人が全体的に貧しくなって中途半端な経済力しかない形だけの大人が増え、そこで本来は子育てに振り向けられる筈だった経済力が様々な方向、つまりはその人個人にとって手の届く幸福を追い求めるために使われている、というのが現状である。

 ではさらにそうなった事の原因は何か。格差を拡大させ、非正規雇用を増やし、ろくな経済政策を取れずにこの期に及んで増税などと言い出す政府の失政ではないか。この現状に対する責任を日本政府に求めるなと言う方がおかしい。ただし、そうした政治を、社会を是非として形作って来たのも他ならぬ日本国民であり、その点で政府ばかりを責めるなと言うのなら分からんでもない。

 それにしても、やたらと政府を擁護する人たちは何なのだろうか。マスコミで叩かれているものをあえて擁護する人間がいるように、叩かれている側をあえて擁護しようとするバイアスでもあるのだろうか。

悪いのは若者なのか

 「生き方が多様化しているから少子化になっているのであって政府は悪くない」という言い方、「若者の~離れ」に通じるものを少し感じている。要は「悪いのは責任も何も負いたがらない若者だ」と言う論理。「少子化になるような生き方をあえて選んでいるのは若者なので政府に非は無い」と言いたいのだろうが、若者の~離れと同じくそれは誤りである。

 結局、根底にあるのは「お金の若者離れ」であり、責任を負うに足る経済力が若者に足りていない。クルマ離れは初任給が数十年前とほぼ変わらない中でクルマの値段がかなり上がっているからである*1し、管理職に就きたがらないのは責任に応じた給与がもらえないからでしかない。同様に、いわば”王道の人生”を若者が歩みたがらないのもそれにかかる費用を賄えない/賄える見込みが無いからである。

 そこで若者にさとり世代だの何だのと妙な名前をつけて悪者にし、経済力を補助するどころか増税で苦しめ続け、悪いのは大人にならない若者だと言い続ける限りこの国に未来は無い。というか正直もう、手遅れだろうな・・・。

余談:子育て環境と少子化

 一部には「数十年前に比べて子育て環境は改善されている筈なのに」とのたまう人間がいるが、その程度で少子化が止まらないのは当然である。確かに子育て環境については改善されて来た面もあるだろう。しかしそれは時の流れとともに行われる当たり前のレベルの進歩に留まっており、先に述べた経済力の低下を補って余りあるというレベルではまったく無い。

 「子育て罰」というような言葉が出てくるような世の中で、ただでさえ経済力のない人間がどうして子育てしようと思えると考えるのか不思議である。本当に子育て環境が喜ばしいほど改善されているならばそんな言葉、私は目にした事が無かっただろう。むしろ日本人が全体的に貧困化して”王道の人生”を歩むことが出来る人間が減った今、かつてマジョリティであった妻子持ちの人間はもはや羨望と嫉妬の対象でありマイノリティ。その中では必然的に周囲からの当たりがキツくなる。

 子育てに関する主要なリスクも改善されてはいない。保育園のバスに置き去り防止のためのセンサーがどうのと言う話が出たのはつい最近のこと。学校ではいじめの問題はいつまで経っても誠実な対応というものが実現されず、それどころか待遇の悪さから東京ですら教員に欠員が出ている。世の中が悪くなる一方なのであらゆる悪いものが蔓延り、子育て環境は良くなるどころの話ではない。産んだとて、育てたとて一体何になると言うのか。絶望感さえ感じる。

 今はパパ活だのという売春なんかも流行っているが、若くてちょっと見た目が良い女子なら平気でそういう事をしているような世の中、心底気持ちが悪くてとてもではないが恋愛すらしたくない。人間を愛そうという気持ちがどんどん薄れていく。

いつまで「結婚して子どもを産んだ後」を前提に少子化対策なんてやってるんだろうな・・・?

*1:私も買おうとした事はあったが、見積もりはその辺のSUVで最低限のオプション付けて360万円くらい

憲法改正の議論はいま必要なのか

 書き散らし。憲法改正の議論が憲法審査会で進んでいる。緊急事態条項や緊急時の解散の禁止、内閣不信任案の禁止といった話も出て来ている。憲法改正は一部の面において必要と思われる点はあるものの、出て来ている内容は明らかにそれを逸脱している。

カルト政権で憲法をいじる危険性

 まず以前からも書いていると思うが、自民党憲法改正草案は酷いものである。以前、批判する前に一度は自民党の公開しているPDFをダウンロードして確認しないとと思い、目を通したが途中で読むのが嫌になった。あくまで個人的な感想だがハッキリ言って気色悪い。気持ちが悪い。内容が現行憲法に比して後退しているとすら感じる。「改正内容は憲法9条だけ」なんて思ってたら大間違いである。賛成反対の前にまず改正草案を読むべき。読んだ上で賛成と言えるなら、それは民主主義の本質も今の憲法が作られた時の先人の思いも理解できていない。非常に残念に思う。

 その気持ち悪さの原因が今なら分かる。旧統一協会日本会議といった胡乱な集団の思想が入っているからだ。彼らの理想とする日本、美しい国、誤った理想、偽りの愛国主義の臭いがする。彼らの愛国主義とはすなわち大日本帝國への懐古であり、封建社会への懐古であり、そこに過去の栄光への妄想や旧統一協会の思惑などが悪魔合体して、何とも筆舌しがたい気持ちの悪さを生んでいる。公明党はどこまで考えているか分からないが、壊れたブレーキ(それもカルト)などただの不用品、取るに足らない。

 自国の歴史について過度に自虐的になるのは良いとは思わないし、確かにかつての日本も良い所はあっただろう。しかし今はもう、そういう時代ではない。ほかでもない、大昔のこの国を理想とする年寄り政治家どもが日本という国をすっかり弱らせてしまったのだから。皮肉な話である。教育勅語だの徴兵制だの何だの言う前に、まずもって富国強兵政策を真似したらどうだ。最近、防衛費増額とそのための増税がどうのという話が出ているが、それでは貧国弱兵にしかならない。経済をろくに立て直すことが出来ない、その術を知らない、考える知恵がない、そんなザマでまず憲法に手を入れようなどと嗤わせる。ふざけるなカルト政権。あの世で牟田口にすらバカにされてるわ。

今、国民投票をやるのかという思い

 コロナもあって、経済はすっかり冷え込んでいる。政府から出るのはさらなる増税案とはした金の給付金ばかり。増税増税増税。税収はコロナでも過去最高のくせに。意味が分からない。このままではこの国は安全保障どころの話ではなくなる。東京では物価高騰で米の配給の話まで出ている始末。戦時中かよ。何かにつけてはしたガネの給付金だクーポンだで動くと思っているのもアタマに来る。その給付金だ何だの財源のためとさらなる増税をするのだろうが。いくらあっても足りんわ。

 その中で更に憲法改正を進め、国民投票を実施しようという神経が私には理解できない。したくない。今の内閣支持率でも賛成多数の見込みが近々見込めるのだろうか。もっと他にするべき議論があるのではないのか。国会で「月曜日のたわわ」がどうのとか抜かしているのを見るとぶっ◯したくなる。給料泥棒も大概にしろ。旧統一協会とはまだまだ仲良くしたいようだし、どうにもどこを向いて政治をしているのか分からない。議会がそんなだから、財務省とその忠犬が好き放題できるのではないか。

 もし国民投票をすると言うのであれば、それに相当な予算がかかることが予想される。お得意の中抜き商売で予算が膨れ上がるのは当たり前。そうなるからには賛成多数が見込まれなければならないと私は思う。でなければ国民投票にかかる予算が完全にムダになるので。で、今そんなことをしている余裕ってあるんですかね?賛成多数になる見込みとかってあるんですかね?そもそも国民の間で憲法改正についての議論や機運って高まってますか。みんな今を生きるのに精一杯に見えますけど。改正したがってるのは結構な暮らしをされている年寄り政治家だけで。もし反対多数だったら賛成多数になるまでやるんですかね。国民投票を実施するための予算確保のために更に増税でもしますか。

 私は到底そんなこと許せない。今、憲法改正なんて意地でも賛成してやるものか。

憲法9条は改正すべきなのか

 憲法9条に限って言えば私の意見としては、大枠は変えずに自衛隊を通常の軍とする形で変えれば良いとは思っている。ただし、すでに自衛隊という実質的な軍隊があり、憲法解釈の幅において自衛のための武装/武力行使が認められている以上はそこまで逼迫した課題ではない。国内のあらゆる問題、経済なんかも差し置いて最優先でやるべき事とは思わない。

 一方でミサイル防衛においては敵基地あるいは発射器を叩くことが必要であり、そうなると現行憲法のままでは解釈・対応が難しいことは否定できない。そのあたりをどうするかが議論されるべきと思うが、緊急事態条項だの何だのと自らの権力の楔を外す方向の議論ばかりしているのがますます不信感しかない。それを言えば、まず法的な問題以前に現実的に敵領土内にある発射直前のミサイルを叩くことが出来る兵器を日本は保有していない。Jアラートでさえあのザマであり、極超音速巡航ミサイルなどまだまだ開発段階。

 敵基地攻撃のための解釈が出来るようになったとして、有事の際に自衛隊が中国なり北朝鮮なりにある発射直前のミサイルを叩くだけの流れが作れるかも疑問ではある。誰がいつどのように攻撃の判断をするのか。国会で審議してから攻撃だろうか。その前に国会議事堂が東京もろとも核攻撃で吹き飛んでないといいな。

余談:自衛隊基地に配備された米軍の無人偵察機について

 自衛隊基地に米軍のMQ-9リーパー(無人偵察機)が配備されたことがニュースになっていた。何も知らない人には目新しく映るかも知れないが、MQ-9は米軍における運用開始が2007年である。知っている人は知っているし全くもって何も目新しくはない。前身にあたるRQ-1プレデターに至っては運用開始は1995年と約30年前である。

 特に何を言いたい訳でもないがMQ-9運用開始から実に15年が経ってもなお、自衛隊には自前で運用できる無人偵察機が無いんだなあ・・・と現実に少し落胆している。もっとも、国産兵器を作るよりはアメリカ様に売ったりしてもらった方が安くつくとは思うけど。にしてもドローンさえまともに作れないしな・・・わーくに。

 なお、MQ-9は攻撃能力も備えてはいるがジェット戦闘機相手に空対空戦闘が務まるレベルでは無い。あくまで偵察機。純粋な偵察機は頭文字が「R」から始まる*1

ja.wikipedia.org

*1:Reconnaissanceの頭文字